第4回 渚/「CLANNAD ORIGINAL SOUNDTRACK」より

 PCゲームソフト「CLANNAD」のメインテーマとも言える曲です。選んだ理由は、ニーズが有りそうだと思ったからです。また、前回取り上げた曲とも繋がりがあります。この曲を作曲されている麻枝准氏が、(かなり昔の話ですが)zabadakの「休まない翼」を結構好きだったという話を聞いたことがあります。今後もこういった“繋がり”的な選曲を時々していこうと思っています。
 曲の方は、電子音でこれほどまでに叙情的な趣のある曲を作ってしまうのは賞賛に値すると言う他ありません。ちなみにこの曲が収録されているCDは、当初入手が難しかったですが、今ではamazonで普通に取り扱っています。また、今のところ試聴できるところは見当たりませんが、実に多くのファンの方々がアレンジしたものを公開しておりますので、まずはそちらを聴いてみて、気に入ったら原盤を聴いてみるのも手だと思います。私も今回の内容を書くにあたり、何曲かアレンジされたものを聴いてみましたが、やはりオリジナルのものが最も完成度が高いと思います。


・1台目 DJ1 PRO(ULTRASONE)
 打ち込み系の音との相性の良さと、中域から高域にかけてのシンセの鮮やかさがこの曲にマッチすると思い、これにしました。と言うよりも、理由は後付けで、ほとんど反射的にこれしかないと選んでしまった感じです。
 予想通り主旋律を奏でるシンセの中域から高域にかけての鮮やかさや、音の濃さが素晴らしいです。2万円以下でこれ以上は望めないレベルでしょう。音場感もこの曲を楽しむのに意外とプラスに働いています。
 不満点は、低域の量が不足気味な点です。これは、ソースがもともと低域弱めなせいもあるのですが、全部含めて最終的な音楽として聴いたときに、もう少し低域が出た方がバランスが良く心地よいだろうと感じました。また、イントロのピアノもやや不自然に感じます。この辺りはDJ1 PROのテンションの高さや明るさが裏目に出てしまっている印象です。

・2台目 HFI-650(ULTRASONE)
 主旋律のシンセの鮮やかさではDJ1 PROにかなわないだろうと予想されましたが、低域の量はDJ1 PROより出る上、全体的に癖がない音なので、これにしてみました。
 結果は、ほぼ上記の予想通りでした。バランスは良くなっているのですが、DJ1 PROほどの鮮やかさはないです。ただ、これはDJ1 PROを聴いた後だからそう感じただけで、基本的には十分な鮮やかさを持っています。
 不満はほとんどありませんが、DJ1 PROの中域から高域と、HFI-650の低域と癖のなさを兼ね備えた機種が理想だと思いました。

・3台目 ATH-W1000(audio-technica)
 一般的には高音よりと言われていますし、確かにそうなのですが、この曲には十分な低域と鮮やかさを持っていると思い、選んでみました。
 主旋律はDJ1 PROほどの濃さはなく、線が細い感じですが、それにしても鮮やかさでは負けていません。濃さにしても、ATH-W1000が細いのではなく、むしろDJ1 PROの方が濃すぎるというのが正しい表現でしょう。その上、柔らかい低域がソースの太鼓のような低域に意外とマッチしていい感じです。バランスも特に悪いとは感じません。


 今回取り上げた3機種はどれも傾向は違うものの、それぞれなかなか良い鳴らし方をしてくれました。どれか一つに絞るなら、主旋律の鮮やかさと濃さならDJ1 PRO、全体的なバランスならHFI-650、多少主旋律が細くてもいいから鮮やかさと低域の質感の良さを求めるならATH-W1000といった感じでしょうか。 
 他に試しに聴いた機種では、HP-M1000は非常にバランスが良く、一聴して不満を感じなかったです。おそらく最初にHP-M1000で聴いたら、それでほぼ満足してしまう人が多いでしょう。この曲を聴く際のコストパフォーマンスとしては最高レベルでしょうし、コストパフォーマンス抜きにしてもかなり良いです。同価格帯のライバル機種であるATH-PRO700やMDR-Z700より良いと感じる人が多いと思います。また、私は持っていないのでただの推測に過ぎませんが、ATH-A1000もなかなか合うと思います。













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