第98回 Luv (sic.) pt3 (Featuring Shing02/Nujabes「modal soul」より

 Nujabesは日本のDJであり、音楽プロデューサーでもあります。ジャンルとしてはヒップホップやチルアウトになります。
 今回取り上げるのは2005年発表の2ndアルバム「Modal Soul」の4曲目です。刺激的な音をあまり鳴らさず、同じメロディーが繰り返されます。ゆったりしていて、リラックスできるような曲だと思います。トリップしやすい曲とも言えるかもしれません。
 「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、特に書いていなかったので私が決めたいと思います。曲の世界に浸るような聴き方ができることを重視したいと思います。必然的に、癖の強いものや高音よりのものは合わないということになるでしょう。


・1台目 UR/40(KOSS)
 前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。単純にフィーリングで浸りやすいと感じます。これは、癖が小さいことや、アタック感やエッジのきつさによる主張が少ないことが有利に働いているものと思われます。
 他にはAPHN-AC30、HS-AVNLV2、K121studio、PortaPro等で聴いてみました。APHN-AC30は悪くないのですが、ややアタック感が強すぎるように感じられます。HS-AVNLV2は若干高域が目立つ点が気になります。K121studioは最後までUR/40と迷いましたが、UR/40の方がやや癖が小さいぶん聴きやすく浸りやすいように感じられたのでそちらにしました。PortaProはリラックスして聴くには少しメリハリがありすぎてエネルギッシュに感じられます。
 不満点は、もう少し柔らかく響きが豊かでリラックスできるような感じだとなお良いと思われる点です。

・2台目 MDR-1R(SONY)
 1台目の不満点を踏まえて選びました。この点についてはある程度改善されます。1台目と比べると低域の量が多く、全体として柔らかい印象を受けます。低域の量さえ許容範囲であれば1台目よりも浸りやすいと感じる人が多いのではないかと思います。
 他にはDTX900、ES-HF300、K612PRO、MUSIC SERIES ONE、SW-HP10等で聴いてみました。DTX900はリラックスして聴くには少しメリハリがありすぎてエネルギッシュに感じられます。ES-HF300はややアタック感が強すぎるように感じられます。K612PROは低域不足で声が目立つ点が気になります。MUSIC SERIES ONEは全体的に少し明るすぎるような印象です。SW-HP10は悪くないのですが、1台目の不満点はあまり改善されません。
 不満点は、低域の量が多すぎるせいか曇りやこもり感が多少気になる点です(もっとも、これはある程度仕方がない面もあるかと思います)。

・3台目 HDJ-2000(Pioneer)
 2台目の不満点を踏まえて選びました。2台目をベースに低域の量を減らして曇りやこもり感を軽減したような音です。2台目同様、全体として柔らかい印象を受けます。1台目と2台目の良いとこ取りとまではいきませんが、1台目と比べると浸りやすく2台目と比べると不満が出にくいのではないかと思います。
 不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。

・4台目 HD650(SENNHEISER)
 色々聴いてみた結果これになりました。3台目と比べると音場が広い上にこもり感が少ない点が大きな違いだと思います。癖が小さいぶん聴きやすく浸りやすい面もあると思います。ただし、2、3台目のような妙なマイルドさはなく、そういう意味では1台目に少し近い印象も受けます。
 他にはCUSTOM ONE PRO、DT880、H118、SRH1840、SR-007+SRM-717等で聴いてみました。CUSTOM ONE PROとH118はややアタック感が強すぎるように感じられますし、2台目の不満点はあまり改善されません。DT880は悪くないのですが、若干高域が目立つ点が気になります。SRH1840は低域不足で声が目立つ点が気になります。SR-007+SRM-717は線が細すぎる点と若干高域が目立つ点がリラックスして聴くには向かない面があるような印象です。

・5台目 Image X10(Klipsch)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。単純にフィーリングで浸りやすいと感じます。全体として柔らかい印象を受けますが、それでいて癖が大きいということもなく聴きやすいと思います。色々と聴いてみたのですが、HP-TWF11Rはリラックスして聴くには少しメリハリがありすぎてエネルギッシュ、IE8はなかなか良いもののImage X10と比べると濃密すぎるせいか浸りにくい面がある、SE535はややアタック感が強すぎるように感じられる等の不満がありました。
 他にはSE215とMDR-NWNC33が良かったです。もっとも、Image X10と比べると濃密すぎたりエネルギッシュだったりする面はありますが。


 今回は浸るような聴き方ができることを重視したのでこのような結果になりましたが、これだとマイルドすぎるとか個々の音が聴こえてこないといった不満を持つ人も出てくると思います。そういう場合にはK612PROやSRH1840の方が合うかもしれません。
 ヘッドホンアンプはSXH2が良いと思います。柔らかく聴きやすい音です。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。













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