第38回 渦/Kagrra,

 Kagrra,は日本のヴィジュアル系バンドです。バンド名からも連想されるとおり、楽器に箏(日本の伝統楽器)を使用したり衣装に和のテイストを取り入れていたりと、全体的に和を感じさせます。メンバーはヴォーカル、ギター、ギター・箏、ベース、ドラムスです。
 今回取り上げるのは2008年発表のシングルです。一聴しただけで普通のロックとは異なる印象を受けますが、和という部分を除けばそれほど尖ったところのないヴィジュアル系バンドの曲ではないかと思います。
 「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、「ボーカルの歌声の爽やかさ又は鮮やかさ。和楽器の余韻が美しいもの。」とのことです。この条件を最優先すると基本的にロックとの相性が悪いヘッドホンを選ぶことになりそうですが、その点についてはあまり気にせず聴いてみて選んでいきたいと思います。


・1台目 PRO DJ100(KOSS)
 前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。基本的には自然な音なのですが、ヴォーカルは音色が若干明るめでなかなか爽やかですし、筝は弦の質感がきちんと感じられます。今回の条件を無視して普通のロックとして聴いても切れが良く魅力的だと思います。
 他にはATH-A500、HD201 Gaming、HD215、HP-535、UR/40等で聴いてみました。ATH-A500はなかなか良いのですが、音色が若干不自然に感じられたので外しました。HD201 Gamingも悪くないのですが、筝の美しさはあまり感じられません。HD215は最後までPRO DJ100と迷いましたが、ヴォーカルが若干遠いためヴォーカル重視で聴くには合わないと思ったので外しました。HP-535はPRO DJ100と比べるとヴォーカルが若干曇っていて爽やかさに欠ける印象です。UR/40は全体的に曇っていて筝の美しさがあまり感じられません。
 不満点は、もう少し響きが豊かで余韻を感じさせて欲しい点です。

・2台目 SE-A1000(Pioneer)
 1台目の不満点を踏まえて選びました。最初に書いた条件をある程度満たしつつ1台目の不満点を改善するという意味では最適だと思います。ただし、ヴォーカルがやや埋もれ気味であったり漠然と聴いていると1台目の方が相性が良いように感じられたりといった不満はあります。
 他にはATH-AD700、HA-MX10-B、HP-AURVN-LV、K530、MUSIC SERIES ONE等で聴いてみました。ATH-AD700は1台目の不満点はある程度改善されるものの、筝の弦の質感があまり感じられません。HA-MX10-Bは1台目に近い傾向でなかなか良いのですが、不満点は改善されません。HP-AURVN-LVはどの点についても悪くはないのですが、逆にどの点についても物足りない感があるとも言えます。K530は最初に書いた条件については悪くないのですが、1台目の不満点は改善されません。MUSIC SERIES ONEは最後までSE-A1000と迷いましたが、ヴォーカルの爽やかさと筝の弦の質感で若干見劣りするように感じられたので外しました。
 不満点は、全体的に少しずつ物足りない点です。

・3台目 RS-1(GRADO)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。1、2台目のような不満はなく、かなり完成度が高いと思います。ヴォーカルは音色が明るめでなかなか爽やか、筝の弦の質感もきちんと感じられますし、余韻も十分豊かかつ美しいです。全体のバランスも問題なく、今回の条件を無視して普通のロックとして聴いてもなかなか魅力的だと思います。問題があるとすれば聴き疲れくらいでしょうか。
 不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。

・4台目 SRS-4040(STAX)
 3台目とはまた違った余韻の美しさがあるように感じたので選びました。3台目と比べると全体的に粗がなく聴きやすい点も良いです。ただ、3台目の方がヴォーカルの音色が明るいため爽やかですし、筝の質感そのもののリアルさでは見劣りします。
 他にはAH-D5000、ATH-A2000X、HD800、K701等で聴いてみました。AH-D5000はなかなか良いのですが、3台目や4台目のような突き抜けた魅力はありません。ATH-A2000Xも悪くないのですが、音色が不自然に感じられたので外しました。HD800は筝の弦の質感は素のままで好印象なのですが、響きがあっさりしているため余韻は物足りない感じです。K701はヴォーカルがそれほど爽やかではありませんし、筝の弦の質感もあまり感じられません。

・5台目 HiDefJax AcousticSteel(ATOMIC FLOYD)
 筝の弦の質感がきちんと感じられる上、余韻も美しいので選びました。ヴォーカルの爽やかさについても悪くありません。全体のバランスも問題なく、今回の条件を無視して普通のロックとして聴いてもなかなか魅力的だと思います。色々と聴いてみたのですが、ER-4Sは筝の弦の質感はきちんと感じられるものの余韻が物足りない、GR8は余韻に濁りがないという意味で美しいものの筝の弦の質感があまり感じられない、Westone3は悪くないものの音色がやや不自然等の不満がありました。
 他にはMA850G/AとRP-HJF3が良かったです。特にMA850G/Aの余韻はHiDefJax AcousticSteelとはまた違った美しさがあり甲乙つけがたいです。


 今回はロックとの相性が悪いヘッドホンばかりになりはしないかと心配しましたが、結果的にはそれほどでもなかったように思います。と言っても、これはRS-1やHiDefJax AcousticSteelのように他にはなかなか見られない個性と魅力を兼ね備えたものがあってこそですが・・・・・・
 ヘッドホンアンプはhpa200b(ハイエンド仕様)が良いと思います。ヴォーカルは明るく爽やかな傾向で、余韻にも粗がありません。次点はKAF-A55です。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。


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