ヘッドホン-3

音質
 かまぼこ。低域は量が少ないだけでなく、厚みも非常に薄い。中域はどこか曇っている上にうわずっているが、量だけは低域・高域よりは出る。高域は低域程ではないが控え目。
 分解能、音場感、原音忠実性すべて最低限。エッジはきつくないが、癖のある中域のせいで聴き疲れする人も多そう。
 低音が出ない割に曇っていて明瞭さに欠けるし、音の鮮やかさは微塵も感じられない。厚みは非常に薄い。密度が薄くスカスカ。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはまったく感じられない。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない。響きはあっさり。
 弦楽器は繊細さも心地よさも感じられない。金管楽器はそれなりの量は出るが、鮮やかさや刺激はない。打ち込み系の音の表現は、低域不足と厚みの薄さのせいでうまくない。
 古いラジカセのような音。ただ音を鳴らすだけの機種。

装着感
 良好。一般的なインナーイヤーヘッドホンなので、装着しにくい等の問題はないし、長時間装着してもまったく疲れない。ずれやすさは普通のインナーイヤーヘッドホンなみで、コードを引っ掛けたりしない限り問題ないレベル。重くはないが、人によってはコードが顔に当たるのが不快に感じるかもしれない。

その他
 遮音性は悪い。音漏れ防止は普通。
 作りは非常に安っぽく、デザインはまったく考えられていないように感じる。
 プラグはL型ミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は幅約3mm・厚さ約1.5mm、やや硬いがそれほど扱いづらさは感じない。

付属品
無し



参考
比較メモ
ATH-C602
ATH-C602はややドンシャリ、ヘッドホン-3はかまぼこ。低域はATH-C602の方が低い音で量も多い。中域はATH-C602の方がはっきり聴こえてくる。これは、ヘッドホン-3の中域が全体的に霞んだような感じではっきりしないため。高域はATH-C602の方が高い音で量も多い。分解能、音場感、原音忠実性すべてATH-C602の方が上。エッジのきつさはほぼ互角。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてATH-C602の方が上。ATH-C602の方がノリが良くかつ繊細。響きはATH-C602の方が豊か。弦楽器はATH-C602の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はATH-C602の方が鮮やかで力強い。打ち込み系の音の表現はATH-C602の方がうまい。低域の量や音の厚みに差がある。ほとんど何を聴くにしてもATH-C602の方が良いだろう。

EHP-IN200
どちらもかまぼこだが、EHP-IN200の方がフラット。低域はEHP-IN200の方が低い音を鳴らすし量も多い。中域はどちらもはっきり聴こえてくるが、EHP-IN200はキンキンした感じが気になるし、ヘッドホン-3は曇りが気になる。中高域はかなり似た音を鳴らすが、高域はEHP-IN200の方が高くとがった音を鳴らす。分解能、原音忠実性はEHP-IN200の方が上。音場感は、形が違うせいもありかなり違うが、どちらも良いとは言えない。EHP-IN200の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてEHP-IN200の方がやや上。EHP-IN200の方がノリが良くかつ繊細。響きはどちらもあっさり。弦楽器はEHP-IN200の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はEHP-IN200の方が鮮やかで力強い。打ち込み系の音の表現もEHP-IN200の方がうまい。低域の量や音の厚みが違う。ほとんど何を聴くにしてもEHP-IN200の方が良いように感じる。

HE580
HE580はやや低音より、ヘッドホン-3はかまぼこ。低域はHE580の方がかなり低い音を鳴らすし、量もやや多い。ヘッドホン-3はぼんやり曇っているだけで、まったく低い音を鳴らしてくれない。中域はヘッドホン-3の方がうわずっていて強いように感じるが、非常に曇っていて、実際には聴こえてこない。高域はHE580の方が量が多い。分解能、音場感、原音忠実性すべてHE580の方がかなり上。特に原音忠実性は、ヘッドホン-3がまったく聴けないレベルなのに対してHE580は普通に聴けるレベル。どちらもエッジはきつくなく聴き疲れしない。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてHE580の方が上。HE580の方がノリが良くしかも繊細。ただ、ノリが良いと言ってもあまりスピード感はないように感じられる。響きはHE580の方がやや豊か。弦楽器はHE580の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はHE580の方がかなり力強い。打ち込み系の音の表現は低域の量や音の厚みからHE580の方がうまい。何を聴くにしてもHE580の方が良いだろう。

K14P
K14Pはやや高音よりのドンシャリ、ヘッドホン-3はかまぼこ。低域はK14Pの方がやや低い音を鳴らすし、量も多い。ヘッドホン-3はぼんやり曇っているだけで、まったく低い音を鳴らしてくれない。中域はヘッドホン-3の方がうわずっていて強いように感じるが、非常に曇っていて、実際には聴こえてこない。高域はK14Pの方がかなり細く硬いとがった音を鳴らす。分解能、音場感、原音忠実性すべてK14Pの方がかなり上。特に原音忠実性は、ヘッドホン-3がまったく聴けないレベルなのに対してK14Pは普通に聴けるレベル。K14Pの方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてK14Pの方が上。K14Pの方がノリが良くしかも繊細。響きはK14Pの方が豊か。弦楽器はK14Pの方が繊細かつ心地よい。金管楽器はK14Pの方が鮮やかで力強い。打ち込み系の音の表現は低域の量や音の厚みからK14Pの方がうまい。何を聴くにしてもK14Pの方が良いだろう。

MX500
MX500はやや高音より、ヘッドホン-3はかまぼこ。低域はMX500の方がかなり低い音を鳴らすし、量も多い。ヘッドホン-3はぼんやり曇っているだけで、まったく低い音を鳴らしてくれない。中域はヘッドホン-3の方がうわずっていて強いように感じるが、非常に曇っていて、実際には聴こえてこない。高域はMX500の方が細く硬いとがった音を鳴らす。分解能、音場感、原音忠実性すべてMX500の方がかなり上。特に原音忠実性は、ヘッドホン-3がまったく聴けないレベルなのに対してMX500は普通に聴けるレベル。MX500の方がエッジがきついが、ヘッドホン-3は粗くうわずった中域が痛いため、総合的な聴き疲れは人によって違ってきそう。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてMX500の方が上。MX500の方がノリが良くしかも繊細。響きはMX500の方が豊か。弦楽器はMX500の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はMX500の方がやや高く鮮やか。打ち込み系の音の表現は低域の量や音の厚みからMX500の方がうまい。何を聴くにしてもMX500の方が良いだろう。

TS120BK
どちらも高音よりのかまぼこ。低域はTS120BKの方が若干量が多い。どちらもローエンドが弱く薄く曇ったような質。重心はTS120BKの方が若干低い。中域はヘッドホン-3の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はTS120BKの方が若干量が多い。ヘッドホン-3の方が若干線が細く地味。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感は、TS120BKの方が若干広い、明確さはほぼ同レベル。原音忠実性はTS120BKの方が若干上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っている。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさや聴き疲れはほぼ同レベル。高域はTS120BKの方が若干痛い、ヴォーカルのサ行はヘッドホン-3の方が若干痛い。明瞭さはヘッドホン-3の方が若干上、音の鮮やかさはTS120BKの方が若干上。厚みはTS120BKの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはTS120BKの方がやや感じられる。ヴォーカルはTS120BKの方がスモーキー。ノリの良さは微妙。ヘッドホン-3の方が若干切れがある。TS120BKの方が若干低域に基づく迫力や力強さがある。響きはTS120BKの方がやや豊か。弦楽器はTS120BKの方が若干心地よい。金管楽器はTS120BKの方が若干金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。音の質感の相性にしろ切れにしろ大差ない。使い分けるなら、低域の量や迫力を求めるならTS120BK、中域の量や明瞭さを求めるならヘッドホン-3。

UHP301
どちらもかまぼこ。低域はUHP301の方がしっかり出る。ヘッドホン-3はローエンドはほとんど出ないが、UHP301はそこまで酷くはない。中域はどちらも低域に埋もれたりせずはっきり聴こえてくる。うわずったり張り出したりする点も似ている。どちらがうわずりや張り出しが酷いかはソースによって違ってくるが、UHP301の方が痛い感じになることが多い。高域はヘッドホン-3の方が細く高い音を鳴らす。この2機種を比べると、UHP301の方が低音より。分解能はほぼ同レベル。音場感は広さや明確さの違いよりも質の違いが大きい。UHP301の方が前方に音が集まる感じ、ヘッドホン-3の方が左右の広がりがある感じ。原音忠実性はUHP301の方が上。どちらも一聴して違和感のある音だが、UHP301の方が違和感が少ない。エッジはUHP301の方がきつく聴き疲れしやすい。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはUHP301の方が上。厚みはUHP301の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはどちらもほとんど感じられないが、どちらかと言えばUHP301の方が良いか。ただし、ヴォーカルはUHP301の方がうわずったり張り出したりして良くないことが多いため、そういったソースではヘッドホン-3の方が良い。どちらも、ノリが良いとも繊細とも言えない音。響きはどちらもあっさりだが、低域はUHP301の方が豊か、高域はヘッドホン-3の方が豊か。弦楽器はどちらも下手だが、低域が欲しいならUHP301の方が良いだろうし、線が細い方が良いならヘッドホン-3の方が良いだろう。金管楽器はUHP301の方が太く力強く、ヘッドホン-3の方が高い音。打ち込み系の音の表現はUHP301の方がややうまい。低域の量や音の厚みで勝っている。使い分けるなら、低域が欲しいならUHP301、高域が欲しいならヘッドホン-3。

サウンド-ヘッドホン-2
サウンド-ヘッドホン-2はやや高音より、ヘッドホン-3はかまぼこ。低域はサウンド-ヘッドホン-2の方がしっかり低い音を鳴らすし、量も多い。中域はどちらもはっきり聴こえてくるが、サウンド-ヘッドホン-2の方が癖がない。ヘッドホン-3はもやがかかって霞んだ感じ。高域はサウンド-ヘッドホン-2の方が高く金属的な音を鳴らす。分解能、音場感、原音忠実性すべてサウンド-ヘッドホン-2の方が圧倒的に上。サウンド-ヘッドホン-2の方がエッジがきつく聴き疲れしやすいが、絶対値としては問題ないレベル。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてサウンド-ヘッドホン-2の方がかなり上。サウンド-ヘッドホン-2の方がノリが良くかつ繊細。響きはサウンド-ヘッドホン-2の方がやや豊かで、ヘッドホン-3のような変なハウリングのような感じにはならない。弦楽器はサウンド-ヘッドホン-2の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はサウンド-ヘッドホン-2の方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現はサウンド-ヘッドホン-2の方がうまい。低域の量、音の厚み、切れ、どれをとっても勝っている。ほとんど何を聴くにしてもサウンド-ヘッドホン-2の方が良いだろう。










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 20Hz〜20kHz 100dB 32Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
6g - 3m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
1 4 2 3 1 5 中(高) 100円

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公開日:2006.3.15