ATH-C602

音質
 ややドンシャリ。低域は厚みも量も特別多いわけではないが、全体を見渡すとそれなりに大きなウエイトを占めている。中域は低域の曇りに覆われるような感じで地味。高域は高めの音で、シャリつく感じ。
 分解能、音場感、原音忠実性すべて価格なり。エッジはきつくなく聴きやすい。
 明瞭さはいまいち、音の鮮やかさや厚みはは普通。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない鳴らし方。響きは適度からややあっさり。
 弦楽器はそれなりに心地よいが、繊細さや澄んだ感じには欠ける。金管楽器は低域から中域の曇った感じとは対照的になかなか高く鮮やかな音を鳴らしてくれる。打ち込み系の音の表現は悪くないが、もう少し低域の締まりや中高域の鮮やかさが欲しかったところ。
 総合的に見て価格なりの機種。低域の曇りと高域の粗が気にならなければ、コストパフォーマンスは悪くないだろう。

装着感
 良好。一般的なインナーイヤーヘッドホンなので、装着しにくい等の問題はないし、長時間装着してもまったく疲れない。ずれやすさは普通のインナーイヤーヘッドホンなみで、コードを引っ掛けたりしない限り問題ないレベル。重い、コードが顔に当たりやすい等の不満もない。

その他
 遮音性は悪い。音漏れ防止は普通。
 作りは価格なり。デザインは普通と言って良いだろう。
 プラグは金メッキのL型ミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は約2.5mm、やや癖が付きやすく扱いづらい。

付属品
無し



参考
メーカー製品ページ

比較メモ
DTX20
ATH-C602はややドンシャリ、DTX20は高音より。低域はATH-C602の方が低い音で量も多い。中域は、ATH-C602が低域の曇りに覆われてあまりはっきりしないのに対して、DTX20はかなりはっきり聴こえてくる。中高域から高域はDTX20の方が高い音で量も多い。分解能及び音場感はDTX20の方が上。原音忠実性は、癖のなさと言う意味でATH-C602の方が上。DTX20の方がエッジがきつい上、音に芯が通っている感じで聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはDTX20の方が上。厚みはそれほど差があるとは思わないが、質はかなり違う。ATH-C602の方が線が太くぼやけ気味で、DTX20の方がシャープで締まっている。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはATH-C602の方がやや上。DTX20の方がノリが良いが、低域の量はATH-C602の方が多く線も太いため、人によって感じ方が違ってきそう。響きは、低域はATH-C602の方が豊か、高域はDTX20の方が豊か。弦楽器はATH-C602の方が心地よい。金管楽器はDTX20の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現は、基本的にはDTX20の方が相性が良いのだが、低域の量が不足。低域の量を重視するならATH-C602の方が良いだろう。使い分けるなら、癖のなさを優先するならATH-C602、低域の量が少なく雑然とした鳴らし方でも良いから基本能力の高さや明瞭さを重視するならDTX20。

MDR-E931LP
どちらもややドンシャリだが、MDR-E931LPの方がフラット。低域はATH-C602の方がやや量が多い。厚みが特別厚くない点は似ている。中域はMDR-E931LPの方が低域に邪魔されずにはっきり聴こえてくる。ATH-C602は低域の曇りが気になる。高域はATH-C602の方が高い音を鳴らす。分解能、音場感、原音忠実性すべて大きな差はないが、どちらかといえばMDR-E931LPの方が良い。MDR-E931LPの方が音の分離も微細な表現も若干上。音場感はMDR-E931LPの方が自然な広がりがある。どちらかと言えばMDR-E931LPの方がエッジがきついが、大きな差はない。明瞭さはMDR-E931LPの方が上、音の鮮やかさや厚みはほぼ互角。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角だが、どちらかと言えばATH-C602の方が良い。どちらも特にノリが良いわけでも繊細なわけでもない。響きはMDR-E931LPの方がやや豊か。弦楽器はほぼ互角の表現。金管楽器はATH-C602の方がやや高くて粗のある表現。打ち込み系の音の表現はほぼ互角だが、どちらかと言えばMDR-E931LPの方が低域の曇りがなく良いように感じる。使い分けるなら、ドンシャリでも良いから温かみや高域の刺激が欲しいならATH-C602、フラットで癖のない方が良いならMDR-E931LP。

SE-CS25
ATH-C602はややドンシャリ、SE-CS25は高音より。低域はATH-C602の方がやや量が多く重心も低い。中域はSE-CS25の方がやや高い音で低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、ソースによってはうわずるような癖が気になる。高域はSE-CS25の方が明るく金属的で目立つ。ATH-C602がハイハットをシャンと鳴らすところを、SE-CS25はチンと鳴らすような感じ。分解能はSE-CS25の方が若干上。音場感はATH-C602の方がやや広い。原音忠実性はATH-C602の方がやや上。周波数特性上の癖のなさで勝っている。エッジはSE-CS25の方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろSE-CS25の方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはSE-CS25の方がやや上。厚みはATH-C602の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはATH-C602の方がやや上。ATH-C602の方がニュートラルな鳴らし方で、癖が小さくバランスが良い。響きはATH-C602の方がやや豊か。弦楽器はATH-C602の方が繊細かつ心地よいが、ヴァイオリン等の澄んだ感じを求めるならSE-CS25の方が良い。金管楽器はSE-CS25の方が芯が通っている感じで、鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性や切れはSE-CS25の方がやや上だが、音の厚みや低域の量感はATH-C602の方がやや上。使い分けるなら、バランスの良さや温かみ重視ならATH-C602、高域の明るさや明瞭さ重視ならSE-CS25。

サウンド-ヘッドホン-2
ATH-C602はややドンシャリ、サウンド-ヘッドホン-2はやや高音より。低域はATH-C602の方が量が多くぼやけている。中域はサウンド-ヘッドホン-2の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はサウンド-ヘッドホン-2の方がやや細く高い音を鳴らす。分解能、音場感、原音忠実性すべて大きな差はないが、どちらかと言えばサウンド-ヘッドホン-2の方が上。エッジのきつさはほぼ同等。明瞭さ、音の鮮やかさはサウンド-ヘッドホン-2の方が上。厚みはほぼ同等だが、サウンド-ヘッドホン-2の方が締まった音を鳴らす。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさは低域が出る分ATH-C602の方が上。サウンド-ヘッドホン-2の方が軽快でノリが良い。響きはATH-C602の方がやや豊か。弦楽器はATH-C602の方が心地よいが、ヴァイオリン等の澄んだ感じを求めるならサウンド-ヘッドホン-2の方が良い。金管楽器はサウンド-ヘッドホン-2の方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現は微妙。低域の量が多い点はATH-C602の方が良いのだが、シャープで明快な鳴らし方をする点はサウンド-ヘッドホン-2の方が良い。使い分けるなら、低域の量や温かみを求めるならATH-C602、総合的な性能や明快さを求めるならサウンド-ヘッドホン-2。

ヘッドホン-3
ATH-C602はややドンシャリ、ヘッドホン-3はかまぼこ。低域はATH-C602の方が低い音で量も多い。中域はATH-C602の方がはっきり聴こえてくる。これは、ヘッドホン-3の中域が全体的に霞んだような感じではっきりしないため。高域はATH-C602の方が高い音で量も多い。分解能、音場感、原音忠実性すべてATH-C602の方が上。エッジのきつさはほぼ互角。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてATH-C602の方が上。ATH-C602の方がノリが良くかつ繊細。響きはATH-C602の方が豊か。弦楽器はATH-C602の方が繊細かつ心地よい。金管楽器はATH-C602の方が鮮やかで力強い。打ち込み系の音の表現はATH-C602の方がうまい。低域の量や音の厚みに差がある。ほとんど何を聴くにしてもATH-C602の方が良いだろう。


   


※生産終了










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 開放型 14Hz〜24kHz 104dB 16Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
5g 15mm 1.2m 両出し(ネックチェーン型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
2.5 5 2 3 3 5 均(低、高) 1500円
※生産終了

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公開日:2006.12.4