CDH-505

音質
 やや低音より。低域はローエンドが弱いものの、厚みも量も必要量ある。中域は低域に埋もれたりせずにしっかり聴こえる。高域はやや控え目。
 分解能、音場感、原音忠実性すべて価格分の価値はある。エッジはきつくなく聴きやすい。
 明瞭さ、音の鮮やかさはいまいち。厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。大きな欠点はないが、突出した長所もない。ノリが良いわけでも繊細なわけでもないが、なかなかバランスがよい。響きは適度で、こもり感はそれほど気にならない。
 弦楽器は伸びが良く、繊細さと心地よさをそれなりに両立している感じで、価格を考えればなかなか良い。金管楽器はやや鮮やかさに欠ける。打ち込み系の音の表現はそれほど悪くないが、厚みや鮮やかさにやや不満が残る。
 外観から想像される音より、かなり癖のないおとなしい音。コストパフォーマンスはなかなか良いと思われる。

装着感
 悪い。側圧は普通。ヘッドバンドはクッションが薄く、痛い。重いためややずれやすい。
 イヤーパッドは耳を覆うサイズ、上下左右に角度調節ができる。ただし、ハウジングが大きいわりにヘッドバンドの幅が狭いため、若干耳の上を押さえて耳の下に隙間が空くような感じになる。また、イヤーパッドが手前に来る方向に回るスイーベル機構のため耳の前を押さえて耳の後ろに隙間が空くような感じもある。材質はシワが気になる安っぽい人工皮革で、蒸れる。
 また、巨大なハウジングがやや視界に入る。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は普通。
 作りは価格なりでいまいち、デザインはとにかく巨大なハウジングが目を引き、普通の神経では購入意欲をそがれること請け合い。
 57mmウーハー+30mmツイーターという珍しい構成。ATH-M40fsと同じでイヤーパッドが手前に来る方向に回るスイーベル機構で、回転角度は90度。
 ヘッドホン本体とは関係ないが、定価9千8百円に対し実売価格3千円程度と、かなり差がある。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約4mm、やや硬めで癖が付きやすく扱いづらい。イヤーパッドのサイズは、外周128mm×100mm、内周60mm×48mm、深さ16mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ



参考
周波数特性グラフ


比較メモ
CDH-507
CDH-505はやや低音より、CDH-507はドンシャリ。低域・高域ともにCDH-507の方が出る。どちらもやや曇ったような感じがあるのは似ている。分解能、音場感ともにCDH-505の方が若干良い。どちらも原音とは程遠い音。CDH-507の方がエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはすべてCDH-507の方が上。ただし、どちらも非常に癖があるため、人によってかなり感じ方が変わりそう。温かみやヴォーカルの艶っぽさはどちらも不足しているが、CDH-507の方がまだましか。CDH-507の方がノリが良いが、癖も強い。響きはCDH-505の方が豊かで、音に広がりがある。弦楽器はCDH-505の方が心地よく楽しめる。金管楽器はCDH-507の方が一段高い音で楽しめるが、ソースによっては安っぽくなる。打ち込み系の音の表現はCDH-507の方がうまい。得意分野はどちらもポップス。使い分けるならロックやポップスはCDH-507、それ以外はCDH-505。CDH-505の方がフラットでオールマイティな印象。

HP-850XB
CDH-505はやや低音より、HP-850XBは低音より。低域はHP-850XBの方がぼやけていてやや量が多い。中域はCDH-505の方が高い音で、低域に埋もれずはっきり聴こえてくる。高域はCDH-505の方が高く明るい音で、量も多い。分解能はCDH-505の方が上。音場感はCDH-505の方が明確で把握しやすいが、広さという点ではほぼ互角。原音忠実性はCDH-505の方が上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いに差がある。エッジはCDH-505の方がきつく聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはCDH-505の方が上。HP-850XBは薄く曇っているような感じ。厚みは質が違うため微妙。CDH-505の方が硬く芯が通った音、HP-850XBの方がぼやけて太い音。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHP-850XBの方が上。ヴォーカルは、CDH-505はうわずるような感じが気になることが多い。CDH-505の方がノリが良くかつ繊細。HP-850XBはただ何となく鳴らしている感じだが、CDH-505はそれなりに主張してくる感じ。響きはHP-850XBの方が豊か。弦楽器は心地よさだけならHP-850XBの方が良いが、少しでも生楽器らしさが欲しいならCDH-505の方が良いだろう。金管楽器はCDH-505の方が高く鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はCDH-505の方がうまい。音の質感の相性が違う。使い分けるなら、基本的にはCDH-505、中域の癖や聴き疲れが気になる場合にはHP-850XB。

MDR-XD400
どちらもやや低音よりだが、MDR-XD400の方が低域がかなり強い。高域も若干MDR-XD400の方が強い。分解能、音場感、原音忠実性すべてMDR-XD400の方が上。どちらもそれほど聴き疲れしないが、どちらかと言うとMDR-XD400の方が疲れる。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、密度、情報量、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてMDR-XD400の方が上。MDR-XD400の方がノリが良くしかも繊細。響きはどちらも適度。弦楽器はどちらもあまりうまくないが、まだMDR-XD400の方が良い。金管楽器はMDR-XD400の方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現もMDR-XD400の方がうまい。得意分野はどちらもポップス。ほとんど何を聴くにしてもMDR-XD400の方が良いだろう。

VR-403SV
CDH-505はやや低音より、VR-403SVはややドンシャリ。低域は量的にはほぼ同量だが、CDH-505の方がタイト。どちらもやや曇っているように感じるが、低域の曇りに限定すればVR-403SVの方が曇りが酷い。ただし、高域はVR-403SVの方がかなり出る。分解能、音場感はCDH-505の方がやや上。どちらも原音忠実とは言えないが、癖の無さという意味ではVR-403SVの方が良いだろう。どちらもそれほど聴き疲れしないが、どちらかと言うとVR-403SVの方が疲れる。明瞭さ、音の鮮やかさはどちらかと言えばVR-403SVの方が上。ただし、前述の通り低域の曇りはVR-403SVの方がある。厚み、密度はCDH-505の方が上。温かみやヴォーカルの艶っぽさはVR-403SVの方が上。どちらも基本的にはノリが良いのだが、曇りや嫌味があり、今一つといった印象。響きはVR-403SVの方が豊かだが、イヤーパッドの材質の違いから抜けも良いため、こもり感も気にならない。弦楽器はどちらもうまくない。金管楽器はVR-403SVの方が高く鮮やか。打ち込み系の音の表現はVR-403SVの方がうまい。得意分野はどちらもポップス。CDH-505の嫌味が気にならない人には、CDH-505の方が何を聴くにしても良さそうだが、VR-403SVの方が万人向けの音であるとは思う。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生



※生産終了










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 18Hz〜20kHz 104dB 82Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
350g 57mm+30mm 3m 片出し -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
2.5 2 3 3 1 1 均(低) 3100円
※生産終了

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公開日:2005.2.15