LPSP-11000
音質
やや低音より。低域はややぼやけているような感じはあるもののある程度の芯があり、量は多少多め。中域は量的には低域と同等レベルだが、ソースによっては張り出すような感じで嫌な癖が出ることがある。高域は質的にも量的にもかなり控え目。低音よりと書いたが、特に低音が多いわけではなく、低域・中域に比べて高域がかなり少ないと言うのが正確だろう。
分解能はいまいち。塗りつぶしたような質感で、音の分離も一つ一つの音の微細な描写も良くない。音場感は普通の耳のせサイズのものと比べて広さ・明確さともにやや悪い。耳覆いのものと比べるとかなり劣る。原音忠実性いまいち。周波数特性的には高域がかなり少ない点を除けばそれほど悪くはないのだが、原音の粗や生っぽさがほとんど感じられない。エッジはきつくなく高域も控え目なので、聴き疲れしにくい。
明瞭さ、音の鮮やかさはいまいち。厚みは普通。温かみは悪くないように感じられるが、これは高域が出ないことと塗りつぶしたような質感からくるぬるま湯のような温かみで、生楽器や人声のリアルな温かみは感じられない。ヴォーカルの艶っぽさも同様。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない、ただ何となく鳴らしている感じ。響きは適度だが、高域はあっさり(と言うよりそもそもほとんど聴こえてこない)。
弦楽器は心地よさだけはあるが、繊細さや生楽器らしさがかなり不足。金管楽器は地味でおとなしく、楽しめない。打ち込み系の音の表現はいまいち。切れやダイナミックさに欠ける。
低音が比較的しっかり出る点や聴き疲れしにくい点は評価できるが、基本性能の低さや高域の不足等の不満も大きい機種。
装着感
普通。側圧は普通からやや強め。形状があまりフィットしない感じ。ネックバンドなので頭頂部がフリーになる点は良い。耳にかける部分(メーカー呼称はコンフォートリング)がシリコンのような材質で柔らかい点は良い。重量は軽く、ずれにくい。
イヤーパッドは小さ目の耳のせサイズで、上下方向にも左右方向にも角度調節ができない。材質はきめの細かいスポンジのようなもので少し変わっているが、肌触りは悪くない。
その他
遮音性及び音漏れ防止は悪い。
作りは価格なり。デザインは少し変わっている印象は受けるが、特別悪くはないだろう。インピーダンスや音圧感度等のスペックは公開されていないが、実際に使用してみるとポータブル機器でも十分音量を取れるレベル。
プラグは金メッキのL型ミニプラグ。コードの太さは約2mm、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。イヤーパッドのサイズは、外周32mm×50mm。
付属品
交換用イヤーパッド
交換用コンフォートリング
参考
周波数特性グラフ
比較メモ
HS520
HS520はややかまぼこ、LPSP-11000はやや低音より。低域はLPSP-11000の方が厚み・量ともにやや上。中域はHS520の方がやや張り出すような感じで目立つ。高域はHS520の方がやや高い音で明るい鳴らし方。分解能はHS520の方がやや上。どちらも塗りつぶしたような質感だが、HS520の方が多少その感じが少ない。音場感はHS520の方がやや広く明確。原音忠実性はHS520の方がやや上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いに多少差がある。エッジはどちらもきつくないが、HS520の方が中域が張り出すような感じで聴き疲れすることが多い。明瞭さ、音の鮮やかさはHS520の方がやや上。厚みはLPSP-11000の方がややある。温かみはほぼ同レベル。ヴォーカルの艶っぽさはHS520の方がやや上だが、ソースによっては張り出すような感じで良くないので、そういうソースではLPSP-11000の方が良い。どちらもノリが良いわけでも繊細なわけでもなく、ただ何となく鳴らしている感じだが、どちらかと言えばHS520の方が明るい鳴らし方。LPSP-11000の方が重厚で安定感がある。響きはHS520の方がやや豊か。弦楽器はHS520の方がややうまい。LPSP-11000は生楽器らしさが足りない。金管楽器はHS520の方がやや鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はどちらもいまいちだが、どちらかと言えばHS520の方がうまい。音の質感の相性や明るい鳴らし方が若干勝っている。使い分けるなら、基本的にはHS520、HS520では中域の癖が気になるならLPSP-11000。
KSC24
KSC24は低音よりのドンシャリ、LPSP-11000はやや低音より。低域はKSC24の方が厚み・量ともに上。LPSP-11000の方が薄く曇っている感じ。LPSP-11000は比較的平らだが、KSC24は膨らんでいる感じ。中域はKSC24の方が曇らずはっきり聴こえる印象を受ける。高域はKSC24の方が高い音でかなり量が多い。分解能はKSC24の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ勝っている。音場感はKSC24の方がやや広く明確。原音忠実性はKSC24の方が上。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いに差がある。エッジはKSC24の方がきつく、やや聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはKSC24の方がかなり上。厚みはKSC24の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはKSC24の方が上。KSC24の方がノリが良くかつ繊細。響きはKSC24の方が豊か。弦楽器はKSC24の方が繊細かつ心地よいし、生楽器らしさも感じられる。金管楽器はKSC24の方が鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はKSC24の方がうまい。明るくノリが良いため。使い分けるなら、基本的にはKSC24、よほど聴き疲れを避けたいときや高域が少ない方が良いときだけLPSP-11000。
MM-HP207
LPSP-11000はやや低音より、MM-HP207はややかまぼこ。低域はLPSP-11000の方が厚み・量ともに上。中域はMM-HP207の方が低域に邪魔されない上、高い音ではっきり聴こえてくる。高域はMM-HP207の方が高い音でかなり量が多い。分解能はMM-HP207の方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ差がある。LPSP-11000は塗りつぶしたような質感。音場感はMM-HP207の方がやや広く明確。原音忠実性はMM-HP207の方が上。周波数特性的には、LPSP-11000は高域があまりに出ないのに対して、MM-HP207は中域の癖が気になる。原音の粗や生っぽさはMM-HP207の方が感じられる。エッジはMM-HP207の方がきつい上、中域が張り出すような感じで聴き疲れする。明瞭さ、音の鮮やかさはMM-HP207の方が上。厚みはLPSP-11000の方がある。温かみはLPSP-11000の方があるように感じられるが、これは塗りつぶしたような質感と高域不足によるぬるま湯のような温かみ。ヴォーカルの艶っぽさはMM-HP207の方が上だが、うわずったり張り出したりするような感じで痛いこともあるので、そういうソースではLPSP-11000の方が良い。MM-HP207の方が元気の良い感じのノリの良さがある。響きは、低域はLPSP-11000の方が豊か、中域・高域はMM-HP207の方が豊か。弦楽器はMM-HP207の方がうまい。LPSP-11000は生楽器らしさが不足。金管楽器はMM-HP207の方が鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現は、音の質感の相性はMM-HP207の方が良いが、低域の量感はLPSP-11000の方が良い。使い分けるなら、中域の癖を嫌うならLPSP-11000、高域不足を嫌うならMM-HP207。
サイン波応答
位相+高周波歪み
インパルス応答(CSD)
インパルス応答(録音波形)
100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生
※生産終了
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スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
ダイナミック | - | - | - | - |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
60g | 30mm | 1.4m | 片出し | - |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
1.5 | 3 | 2 | 2 | 3 | 3 | 均(低) | 2600円 |
公開日:2008.3.21