第35回 ナイトクルージング/フィッシュマンズ「空中キャンプ」より

 フィッシュマンズは日本のバンドで、レゲエを基調にしながらもオリジナリティのある曲を持ち味としています。
 曲はレゲエ風でありながらゆったりしていてタイトル通り夜の雰囲気を感じさせ、深みのあるアレンジになっています。
 ヘッドホンとしては、この曲独自の浮遊感が出るものが良いと思います。また、意図的にプチプチといったノイズが入っているのですが、意図的とは言ってもあまりノイズが目立たない機種の方が気持ち良く聴けるでしょう。また、ハイハットが痛く感じることもあるので、あまり高域が痛くない機種の方が良さそうです。


・1台目 MUSEIC SERIES ONE(ALESSANDRO)
 浮遊感をどう表現するか、という点で選ぶヘッドホンがだいぶ変わってきそうですが、柔らかめの音で低域の質感も合いそうということでこれにしました。
 実際聴いてみると、非常にバランスの良い鳴らし方です。低域、高域ともにやや強めというか、ドンシャリのヘッドホンで聴くと痛い傾向のあるソースですが、このヘッドホンではほとんど痛さが気になりませんし、ヴォーカルもしっかり聴こえてきます。浮遊感という意味でもなかなか良いでしょう。何より雰囲気が良く出ています。レゲエというとDJ用のようなヘッドホンが合いそうなイメージもありますが、この曲の場合には普通のレゲエとはかなり違うので、そういうイメージとは無縁のようです。
 不満点は特にありません。この傾向で、分解能や音場感がより良ければなお良いという感じです。

・2台目 HD650(SENNHEISER)
 期待通りの鳴らし方です。浮遊感、夜の雰囲気、温かみといったものを良く伝えてくれる上、分解能や音場感も良く、楽しめます。
 おそらくこの傾向でこれ以上の鳴らし方は望めないでしょう。

・3台目 SR-007+SRM-717(STAX)
 2台目より更に柔らかい音を鳴らす機種はないかと考えて、これにしました。
 基本的には、2台目と同様に浮遊感や夜の雰囲気が良く出ていると思います。あとは、線の細さ等の違いで、2台目と3台目どちらが良いと感じるかは好みの差でしょう。柔らかくて圧迫感がなく線の細い鳴らし方が良いなら3台目、そうでなければ2台目といった感じです。


 今回は浮遊感や夜の雰囲気を重視して選んだのでこのような結果になりましたが、もっと明るくシャキシャキ鳴らしてくれる方が好きという人もいるかもしれません。その場合にはDJ1 PRO等でも楽しく聴けることは聴けます。ただ、やはり先入観なしに選ぶと、今回選んだ機種の方が雰囲気に合っているように感じます。今回の曲は、一般受けする、良いと思われる鳴らし方というのがあまりない曲のように思いました。そういう意味で、今回の内容はほんの一例として見た方が良いと思います。













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