HP-SN51
音質
やや低音より。低域は曇っていて量だけは多く、しかも歪みが気になる。中域は低域の曇りにかなり覆われる感じ。高域は音の高さや量は普通だが、どこか粗や癖があるように感じる。
分解能は悪い。音の分離にしろ微細な描写にしろかなり不満。音場感はバーチカルなので良いことは良いのだが、低域の曇りで損なわれてしまっている面が大きい。原音忠実性は悪い。低域の曇りが酷い上、原音の生っぽさや粗がほとんど感じられない。エッジはそれほどきつくないが、曇りや変な癖で聴き疲れする面がある。
明瞭さ、音の鮮やかさは悪い。厚みは普通。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなりだが、これは低域の薄い曇りによるところが大きい。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない、ただ何となく鳴らしている機種。響きは適度だが、不自然な反響のように響くことがある。
弦楽器は生楽器を鳴らしている感じが全然しないし、他の楽器にも言えることだが癖が気になる。金管楽器はそれなり。弦楽器と比べれば聴ける方だが、お世辞にもうまいとは言えない。打ち込み系の音の表現はいまいち。低域の質感、切れ、スピード感といったものに欠ける。
全体的に見て、何を聴くにしてもあまりおすすめできない機種。
装着感
良好。側圧は弱いが、ずれやすいということはない。長時間使用しても疲れない。ネックバンドなので頭頂部がフリーになる点は良い。重い、コードが顔に当たりやすい等の不満もない。
その他
遮音性は悪い。音漏れ防止は普通。
作りは非常に安っぽい。デザインは良くないが、特別悪くもない。
プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約1.5mm、やや硬くて癖が付きやすい。
付属品
無し
参考
比較メモ
MDR-A35SL
どちらもやや低音より。低域はHP-SN51の方が薄く曇っていてやや量が多い。中域はMDR-A35SLの方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるし、変な癖もない。高域はどちらもそれなりに聴こえてくるが、HP-SN51の方がやや粗がある感じ。分解能、音場感、原音忠実性すべてMDR-A35SLの方が良い。エッジのきつさはほぼ同等だが、HP-SN51の方が変な曇りや癖があり疲れる。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてMDR-A35SLの方が上。ノリの良さにしろ繊細さにしろMDR-A35SLの方が上。響きはMDR-A35SLの方がやや豊か。弦楽器はMDR-A35SLの方が繊細かつ心地よい。金管楽器は音の高さや鮮やかさにはそれほど差はないが、不自然さがないという点でMDR-A35SLの方が良いように感じる。打ち込み系の音の表現はMDR-A35SLの方がうまい。ほとんど何を聴くにしてもMDR-A35SLの方が良いだろう。
P9
HP-SN51はやや低音より、P9はかなりフラット。低域はHP-SN51の方が曇っていて量が多い。P9の方が締まっていてしっかり低い音を鳴らしてくれる。中域はP9の方が低域に埋もれずはっきり聴こえてくる。高域はP9の方がやや高い音で目立つ。分解能、音場感、原音忠実性すべてP9の方が上。音の分離にしろ微細な描写にしろP9の方が上。音場はP9の方がすっきりと広く、明確。HP-SN51は低域から中域にかけて癖が気になるが、P9はHP-SN51と比べると気にならない。P9の方がエッジがきついが、HP-SN51は曇りのせいで聴き疲れする面もあるので、どちらが疲れるかはソースや聴く人によるだろう。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはP9の方が上。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはほぼ互角。P9の方がノリが良くかつ繊細。響きはP9の方が豊かだが、HP-SN51は曇りのせいで響きが豊かと感じる人も多そう。弦楽器はP9の方がうまい。HP-SN51は生楽器を鳴らしている感触に乏しい。金管楽器はP9の方が鮮やかで、それほど不自然な感じもしない。打ち込み系の音の表現はP9の方がうまい。低域の質感でかなり勝っている。ほとんど何を聴くにしてもP9の方が良いだろう。
※生産終了
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スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
ダイナミック | 開放型 | 10Hz〜25kHz | 105dB | 16Ω |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
12g | 13.5mm | 0.5m | 片出し | - |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
1.5 | 5 | 1 | 3 | 2 | 4 | 均(低) | 1600円 |
公開日:2007.3.19