SD-2900CD

音質
 やや低音より。低域は厚みはかなり薄いがそれなりに出る感じ。中域は低域の曇りに覆われてしまう上、ソースによってはやや嫌味が出る。高域はほとんど聴こえてこない。低音よりと言うよりは、どの音域も前に出てこないが曇りは非常に気になるため、低音よりに感じるという表現の方が正しいのかもしれない。
 分解能、音場感、原音忠実性すべて悪い。エッジはきつくなく聴きやすい。
 明瞭さ、音の鮮やかさは悪い。とにかく曇りが気になる。厚みは薄い。曇っているために温かみはそれなりにあるように感じられるが、それだけ。ヴォーカルの艶っぽさはいまいち。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない、ただ音を鳴らすだけの機種。響きはやや豊か。
 弦楽器は繊細さが全く感じられない。金管楽器は鮮やかさが無い。打ち込み系の音の表現は下手。低域は厚みが全く足りない上に、中域から高域の鮮やかさがない。

装着感
 良好。側圧は普通。ヘッドバンドはプラスチックだが、軽量で側圧もそこそこあるので、頭頂部が痛くなるようなことは無いし、かなりずれにくい。
 イヤーパッドは耳のせサイズで、左右方向の角度調節ができないが、装着感にはあまり影響ない。材質は普通のスポンジで、特に不快さは感じないし、耳のせなので蒸れない。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は密閉型にしては悪い。メーカーの表記は密閉型になっているが、セミオープンと考えた方が良いだろう。
 作りは非常に安っぽい。デザインはとにかく地味。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約2.5mm、合流後は幅約5mm・厚さ約2.5mm、柔らかいが癖が付きやすく、やや扱いづらい。長さは3mという表記だが、実際に測ってみたところ約4.8mあった。長すぎてかなり邪魔。イヤーパッドのサイズは、外周68mm×68mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ



参考
不定期コラム『第56回 ヘッドホンの破損と経年劣化』

周波数特性グラフ


比較メモ
AU-618
AU-618はややかまぼこ、SD-2900CDはやや低音より。低域はどちらも薄く不満が残るが、SD-2900CDの方がやや出る。高域もSD-2900CDの方が若干強いようだ。ただし、大抵のソースでは低域の曇りが邪魔をしてまともに聴けない。分解能、音場感、原音忠実性すべてSD-2900CDの方が上。どちらも聴き疲れしない。どちらもかなり曇りが気になるが、どちらかと言えばAU-618の方がマシ。低域が出ない分、明瞭さはややAU-618の方が良いように感じるが、音の鮮やかさはSD-2900CDの方が上。厚み、密度、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてSD-2900CDの方が上。SD-2900CDの方が繊細。響きはSD-2900CDの方が豊か。AU-618の方が癖のない音。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてSD-2900CDの方が上。金管楽器の音の高さだけ見ればAU-618の方が高いのだが、密度が薄く粗が目立つ。これは他の楽器においてもかなり致命的。得意分野はAU-618がポップス、SD-2900CDがクラシック。個人的には、ほとんど何を聴くにしてもSD-2900CDの方が良いように感じるが、曇りが嫌いで低域不足でも構わないという人にはAU-618の方が合うかもしれない。

HFI-15G
どちらも低音より。低域、高域ともにHFI-15Gの方がやや強い。分解能、音場感、原音忠実性すべてHFI-15Gの方がやや上。どちらもエッジはきつくなく、聴き疲れしない。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、密度、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてHFI-15Gの方が上。HFI-15Gの方がノリが良くしかも繊細。響きはどちらもやや豊か。SD-2900CDは低音がそれほど強いわけでもないのに曇りが非常に気になるが、HFI-15Gは低音よりのわりにはそれほど気にならない。HFI-15Gの方が圧倒的に力強い鳴らし方をしてくれる。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてHFI-15Gの方がうまい。得意分野はどちらもクラシック。ほとんど何を聴くにしてもHFI-15Gの方が良いように感じる。

PX100
どちらも低音より。低域、高域ともにPX100の方がやや強い。PX100の方が低い音は低く、高い音は高く鳴らしてくれる。分解能、音場感、原音忠実性すべてPX100の方がやや上。どちらもエッジはきつくなく、聴き疲れしない。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、密度、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてPX100の方が上。PX100の方がノリが良くしかも繊細。響きはどちらもやや豊か。SD-2900CDは低音がそれほど強いわけでもないのに曇りが非常に気になるが、PX100は低音よりのわりにはそれほど気にならない。PX100の方が圧倒的に力強く繊細。弦楽器、金管楽器、打ち込み系の音の表現すべてPX100の方がうまい。得意分野はどちらもクラシック。ほとんど何を聴くにしてもPX100の方が良いように感じる。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生



※生産終了










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 15Hz〜22kHz 105dB 32Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
130g 32mm 3m 両出し -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
1.5 4 3 2 3 2 均(低) 2200円
※生産終了

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公開日:2005.6.27