S305

音質
 かなりフラット。低域は中域とほぼ同量。あまり大きな癖はないが、どちらかと言うと柔らかい質。重心の低さは普通。中域はやや低域の曇りに覆われる感じだが、基本的には普通に聴こえてくる。質的には落ち着いていて聴きやすい。高域は中域とほぼ同量。どちらかと言うと線の細い質で、ソースによってはやや粗が気になる。
 分解能は価格なりからやや悪いレベル。音の分離はいまいち、一つ一つの音の微細な描写はそれなり。音場感は、広さはやや狭め、明確さは普通。耳の近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性はそれなり。一聴して大きな違和感はない。原音の粗や生っぽさはあまり感じられない。エッジはきつくなく、聴き疲れしにくい。高域はやや痛いと感じることはあるが、特に酷くはない。ヴォーカルのサ行はあまり痛くない。
 明瞭さ、音の鮮やかさはいまいちと評価すべきかそれなりと評価すべきか迷うところ。厚みはやや薄め。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。ヴォーカルはややスモーキー。どちらかと言うとおとなしい傾向。切れやメリハリにやや欠ける。音に芯が通っていない感じが気になることがある。響きはやや豊か。
 弦楽器は心地よい傾向。生楽器らしさにはやや欠ける。金管楽器は普通に聴けるが、あまり派手ではない。あまり前に出てこない感じで、力強さに欠ける。打ち込み系の音の表現はいまいちと評価すべきかそれなりと評価すべきか迷うところ。音の質感の相性や切れが若干不満。
 ワイヤレスであるせいかやや高域の粗が気になる面はあるが、基本的にはバランス良くまとまっている機種。どちらかと言うと集中してしっかり聴き込むよりもBGMを聞き流すのに向いているような印象。

装着感
 良好。側圧は普通。ネックバンドなので頭頂部がフリーになる点は良い。耳にかける部分がプラスチックなので、長時間使用すると耳が痛くなる。重量は軽く、ずれにくい。ワイヤレスだが特に重いということもなく、普通のネックバンド型からコードを取り除いたような装着感。
 イヤーパッドは小さ目の耳のせサイズで、上下方向にも左右方向にも角度調節ができない。材質は普通のスポンジで肌触りは悪くない。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は悪い。
 作りは価格の割にやや安っぽいが、ワイヤレスであることを考えれば価格なり。デザインは癖がなくなかなか良い。歩き回ったり再生機器を操作したりしても、音飛びやノイズはほとんど発生しない。連続動作時間はパッケージによると最大6時間となっているが、実測では約7時間(音量最大)。充電は付属のACアダプターで行う(USBでも可能だがケーブルは付属していない)。ヘッドホン部の右ハウジングのボリュームで音量調節ができる(プラスまたはマイナスのボタンを押して上下するタイプで16段階、再生機器のボリュームを適度にしておけばそれなりに実用的なステップ)。ボリューム最小でも若干音が鳴る。最大通信距離は最長10mという表記になっているが、遮蔽物があると3mほどで音が途切れることもある。無音時のホワイトノイズは、若干あるが実用上ほとんど問題にならないレベル。音楽を鳴らすとほとんど聴こえない。若干の遅延はあるが、普通に映像を見る分にはほとんど問題ないレベル(ただし、楽器演奏やアクションゲーム等でシビアに見るなら問題になることもあると思われる)。
 イヤーパッドのサイズは、外周42mm×42mm。

付属品
ACアダプター



参考
周波数特性グラフ


比較メモ
iGrado
iGradoは低音より、S305はかなりフラット。低域はiGradoの方がやや量が多い。S305の方が薄く曇ったような質。iGradoの方が存在感がある。重心はiGradoの方が若干低い。中域は微妙。S305の方が低域の量が少ない分はっきり聴こえてくることが多い印象だが、質的にはどちらかと言うとiGradoの方が目立つ。高域はS305の方が若干量が多い。S305の方が若干線が細く粗が気になる。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感は、広さはほぼ同レベル、明確さはS305の方が若干上。S305の方がやや見晴らしが良く把握しやすい。原音忠実性はS305の方がやや上。iGradoは低域の量が多すぎる。原音の粗はS305の方が若干感じられるが、生っぽさはiGradoの方が若干感じられる。エッジはS305の方が若干きついが、iGradoは音の圧力で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域はS305の方が若干細く刺さる、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはS305の方が若干上。厚みはiGradoの方がある。温かみはiGradoの方が若干感じられる、ヴォーカルの艶っぽさはS305の方が若干感じられる。ヴォーカルはS305の方が透明感がある。iGradoの方がノリが良い。低域に基づく迫力や力強さがある。iGradoの方が骨太でがっしりしている印象。響きはiGradoの方が若干豊か。弦楽器はS305の方がやや繊細。チェロやコントラバスを濃厚に鳴らして欲しいならiGradoの方が良い。金管楽器はiGradoの方がやや太く力強い。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性や切れは大差ないが、どちらかと言うとS305の方が上。iGradoの方が低域の量感や音の厚みで聴かせてくれる面がある。使い分けるなら、低域の量や音の厚みを求めるならiGrado、バランスや繊細さを求めるならS305。

MM-HP207
MM-HP207はややかまぼこ、S305はかなりフラット。低域はS305の方がやや量が多い。MM-HP207の方が締まりや制動が感じられる。S305の方が自然な量感がある感じ。重心はS305の方が低い。中域はMM-HP207の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。MM-HP207はソースによっては張り出すような癖が気になることがあるが、S305はそういうことはない。高域はほぼ同量だが、どちらかと言うとS305の方が量が多い。S305の方が若干明るく粗が気になる。分解能はMM-HP207の方が若干上。音の分離はMM-HP207の方が若干上、一つ一つの音の微細な描写はほぼ同レベル。音場感はMM-HP207の方が若干広く明確。原音忠実性はS305の方がやや上。一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはMM-HP207の方が若干感じられる。エッジのきつさは大差ないが、MM-HP207の方が中域が張り出すような感じで聴き疲れすることが多い。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはMM-HP207の方が若干上。厚みはMM-HP207の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはS305の方がやや感じられる。ヴォーカルはS305の方が癖がなくソースを選ばない。ノリの良さは微妙。MM-HP207の方が若干切れやメリハリがある。S305の方がやや低域に基づく迫力や力強さがある。響きは、低域はS305の方がやや豊か、高域はMM-HP207の方が若干豊か。弦楽器はS305の方が心地よいし、音色も自然。金管楽器は、MM-HP207の方が量的に目立つ、S305の方が癖がない。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性はS305の方が若干上、切れはMM-HP207の方が若干上。使い分けるなら、明瞭さや切れを求めるならMM-HP207、原音忠実性や温かみを求めるならS305。

PMX60
どちらもかなりフラット。低域はS305の方が若干量が多い。PMX60の方が若干締まりや制動が感じられる。重心はS305の方がやや低い。中域はPMX60の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はPMX60の方が若干量が多い。S305の方が若干線の細い質。分解能はPMX60の方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとPMX60の方が勝っている。音場感はPMX60の方が若干広く明確。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはS305の方が若干上。原音の粗や生っぽさはPMX60の方が若干感じられる。エッジはPMX60の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろPMX60の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはPMX60の方が若干上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはS305の方が若干感じられる。ヴォーカルはS305の方がややスモーキー。ノリの良さは微妙。PMX60の方が若干切れやスピード感がある。S305の方が若干低域に基づく迫力や力強さがある。響きは、低域はS305の方が若干豊か、高域はPMX60の方が若干豊か。弦楽器は、PMX60の方が若干生楽器らしさが感じられる、S305の方が若干心地よい。金管楽器はPMX60の方が若干力強い。打ち込み系の音の表現はPMX60の方が若干うまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、高域の量や切れを求めるならPMX60、低域の量や癖のなさを求めるならS305。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生














戻る





スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
- - - - -
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
52g 30mm - - ワイヤレス

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
2.5 4 2 2 4 3 6400円

TOP > ヘッドホンレビュー > S305

公開日:2014.6.8