MD827FE/A

音質
 ややドンシャリ。低域は若干量が多い。インナーイヤーとしては厚みや量感のあるしっかりした質。存在感はそれなりにある。重心はやや低め。中域は低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるし、変な癖もない。質的にはどちらかと言うと明るい。高域は若干多め。やや線が細く明るい質。
 分解能は価格の割にやや良い。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。音場感は広さ・明確さともに普通。外観から想像されるほどの癖はないが、どちらかと言うと上下よりは左右に広い。原音忠実性はそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。一聴してあまり違和感のない音。原音の粗や生っぽさはそれなりに感じられる。エッジはあまりきつくなく、それほど聴き疲れしない。高域にしろヴォーカルのサ行にしろやや細く刺さると感じることはあるが、特に酷くはない。
 明瞭さ、音の鮮やかさはなかなか良い。厚みは普通。温かみはそれなり、ヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。どちらかと言うと女性ヴォーカルに向いている印象。ノリの良さと繊細さをある程度両立している。切れやスピード感、低域に基づく迫力や力強さ、いずれも悪くない。響きは適度からややあっさり。
 弦楽器はそれなりに繊細かつ心地よい。金管楽器はなかなか鮮やか。打ち込み系の音の表現はそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。音の質感の相性や切れが若干良い。
 あまり癖のない機種だが、濁りや激しさの欲しい曲よりは透明感や上品さの欲しい曲に合う印象。カナル型や普通の開放型イヤホンではない選択肢が欲しい人には非常に良いと思われる。

装着感
 良好。特殊な形状だが違和感はあまりないし、長時間使用してもそれほど疲れない。ずれやすさは普通のインナーイヤーヘッドホンなみで、コードを引っ掛けたりしない限り問題ないレベル。重い、コードが顔に当たりやすい等の不満もない。ただし、個人差はあるかもしれない。

その他
 遮音性は悪い。音漏れ防止は普通。いずれも普通の開放型イヤホンとほぼ同レベル。
 作りは価格なり。デザインは、形状は個性的だが、カラーリング含め全体の印象としてはシンプル。別名Apple EarPods with Remote and Mic。
 プラグはミニプラグ(マイクがあるため4極)。プラグが4極のせいか、通常の3極のプラグと比べて機器によっては接触不良が発生しやすいようだ(使えないほど酷いことはまずないと思われる)。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は約2mm、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。

付属品
収納ケース



参考
メーカー製品ページ

比較メモ
ATH-CM707
ATH-CM707はややかまぼこ、MD827FE/Aはややドンシャリ。低域はMD827FE/Aの方がやや量が多い。特に所謂重低音はMD827FE/Aの方がしっかり出る。MD827FE/Aの方がしっかりした量感のある質。ATH-CM707の方が歪みが気になることが多い。重心はMD827FE/Aの方がやや低い。中域はATH-CM707の方が張り出すような癖がある分はっきり聴こえてくる。高域はMD827FE/Aの方がやや量が多い。線の細い質。MD827FE/Aの方が伸びが良い。分解能はMD827FE/Aの方がやや上。一つ一つの音の微細な描写に差があるし、音の分離でも若干勝っている。音場感は広さ・明確さともにほぼ同レベル。原音忠実性はMD827FE/Aの方がやや上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさは大差ないが、ATH-CM707の方が中域の張り出しで疲れる面がある。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さだが、ATH-CM707の方がやや粗っぽく痛い、MD827FE/Aの方がやや細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはMD827FE/Aの方が若干上。厚みはATH-CM707の方がややある。温かみはほぼ同レベル、ヴォーカルの艶っぽさはMD827FE/Aの方がやや感じられる。MD827FE/Aの方が繊細。ATH-CM707の方が骨太でがっしりしている。響きはほぼ同レベル。弦楽器はMD827FE/Aの方が繊細で、音色も自然。金管楽器は、ATH-CM707の方が太く力強い、MD827FE/Aの方が細く綺麗。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性や切れは大差ない。ATH-CM707は癖の強さや低域不足が気になることがあるのに対して、MD827FE/Aは線の細さが合わないことがある。使い分けるなら、基本的にはMD827FE/A、MD827FE/Aでは繊細すぎるとか重低音の量が多すぎるという不満があるならATH-CM707。

iPod付属イヤホン
iPod付属イヤホンはかなりフラット、MD827FE/Aはややドンシャリ。低域はMD827FE/Aの方がやや量が多い。MD827FE/Aの方が厚みや量感のあるしっかりした質。iPod付属イヤホンの方がやや薄く曇ったような質。重心はMD827FE/Aの方がやや低い。中域は、iPod付属イヤホンの方が低域の量が少ない分はっきり聴こえてくるのに対して、MD827FE/Aの方が音色が明るい分はっきり聴こえてくる。高域はMD827FE/Aの方が若干量が多い。やや線が細く明るい質。分解能はMD827FE/Aの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はMD827FE/Aの方が若干広く明確。原音忠実性はMD827FE/Aの方が若干上。周波数特性上の癖のなさはほぼ同レベル。原音の粗や生っぽさはMD827FE/Aの方がやや感じられる。エッジはMD827FE/Aの方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろMD827FE/Aの方がやや細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはMD827FE/Aの方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみはほぼ同レベル、ヴォーカルの艶っぽさはMD827FE/Aの方がやや感じられる。ヴォーカルはMD827FE/Aの方が明るく透明感がある。MD827FE/Aの方がノリが良くかつ繊細。MD827FE/Aの方がややメリハリがある。iPod付属イヤホンの方がただ何となく鳴らしている感じ。響きはほぼ同レベル。弦楽器はMD827FE/Aの方が繊細で、生楽器らしさが感じられる。金管楽器はMD827FE/Aの方がやや鮮やか。打ち込み系の音の表現はMD827FE/Aの方がややうまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、基本的にはMD827FE/A、MD827FE/Aでは低域の量が多すぎるとか聴き疲れしやすいという不満があるならiPod付属イヤホン。

NW-STUDIO PRO
MD827FE/Aはややドンシャリ、NW-STUDIO PROはかなりフラット。低域はMD827FE/Aの方が若干量が多い。MD827FE/Aの方が自然な量感がある感じ、NW-STUDIO PROの方がしっかりした塊のような質。重心はMD827FE/Aの方が若干低い。低域から中域にかけてNW-STUDIO PROの方が歪みが気になることが多い。中域はNW-STUDIO PROの方が明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。NW-STUDIO PROはソースによっては張り出すような癖が気になることがあるが、MD827FE/Aはそういうことはない。高域はMD827FE/Aの方が若干量が多い。MD827FE/Aの方が線が細く、粗や癖がない。分解能はMD827FE/Aの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はMD827FE/Aの方が若干広く明確。NW-STUDIO PROの方が頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はMD827FE/Aの方が上。一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはNW-STUDIO PROの方が若干感じられる。エッジはNW-STUDIO PROの方がややきつく、歪みや違和感で疲れる面もあり、聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろMD827FE/Aの方がやや細く刺さる、NW-STUDIO PROの方が粗っぽく痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはNW-STUDIO PROの方が若干上。厚みはNW-STUDIO PROの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはMD827FE/Aの方がやや感じられる。ヴォーカルはMD827FE/Aの方が癖がなくソースを選ばない。NW-STUDIO PROの方がややノリが良い、MD827FE/Aの方が繊細。響きはNW-STUDIO PROの方が若干豊か。弦楽器はMD827FE/Aの方が繊細かつ心地よいし、音色も自然。金管楽器は、MD827FE/Aの方が細く綺麗、NW-STUDIO PROの方が太く力強い。打ち込み系の音の表現は微妙。どちらかと言うとNW-STUDIO PROの方がうまい印象だが、付帯音の多さが合わないことがある。使い分けるなら、基本的にはMD827FE/A、MD827FE/Aでは低域の質が合わないとかおとなしすぎるという不満があるならNW-STUDIO PRO。

Piano Forte
MD827FE/Aはややドンシャリ、Piano Forteは低音よりのかまぼこ。低域はMD827FE/Aの方がやや量が多い。MD827FE/Aの方が厚みや量感のあるしっかりした質。Piano Forteの方がかなり癖のある質。重心はMD827FE/Aの方が低い。中低域はPiano Forteの方がしっかり出る。中域はMD827FE/Aの方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。Piano Forteはソースによっては張り出すような癖が気になることがあるが、MD827FE/Aはそういうことはない。高域はMD827FE/Aの方がやや量が多い。線が細く明るい質で目立つ。分解能はMD827FE/Aの方が上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ勝っている。音場感は、広さはほぼ同レベル、MD827FE/Aの方が明確で見晴らしが良く把握しやすい。MD827FE/Aの方が音像がシャープ。原音忠実性はMD827FE/Aの方が上。周波数特性上の癖のなさで勝っているし、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはMD827FE/Aの方が感じられる。エッジはMD827FE/Aの方がややきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろMD827FE/Aの方がやや細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはMD827FE/Aの方が上。厚みはMD827FE/Aの方が若干ある。温かみは薄く曇っている分Piano Forteの方が感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという意味ではMD827FE/Aの方が感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはMD827FE/Aの方が若干感じられる。MD827FE/Aの方が癖がなくソースを選ばない、Piano Forteの方がスモーキー。MD827FE/Aの方がノリが良くかつ繊細。MD827FE/Aの方が切れやスピード感がある。響きは基本的にはPiano Forteの方が豊かだが、高域はMD827FE/Aの方が豊か。MD827FE/Aの方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器はMD827FE/Aの方が繊細で生楽器らしさが感じられるし、音色も自然。金管楽器はMD827FE/Aの方が鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はMD827FE/Aの方がうまい。音の質感の相性、切れ、低域の質等、様々な点で勝っている。使い分けるなら、基本的にはMD827FE/A、MD827FE/Aでは明るすぎるとか聴き疲れしやすいという不満があるならPiano Forte。

SE-CE521
どちらもややドンシャリ。メーカーが違う割には似た音を鳴らす。低域はMD827FE/Aの方が若干量が多い。MD827FE/Aの方が厚みや量感のあるしっかりした質。SE-CE521の方が若干薄く曇ったような質。重心はMD827FE/Aの方がやや低い。中域はどちらも低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。質的にはMD827FE/Aの方が若干明るい。高域はMD827FE/Aの方が若干量が多い。若干明るい質。分解能はMD827FE/Aの方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとMD827FE/Aの方が勝っている。音場感は、SE-CE521の方が若干広い、MD827FE/Aの方が若干明確。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはほぼ同レベル。原音の粗が感じられる度合いは大差ないが、生っぽさはMD827FE/Aの方が若干感じられる。エッジはMD827FE/Aの方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろMD827FE/Aの方が若干細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはMD827FE/Aの方が若干上。厚みはMD827FE/Aの方が若干ある。温かみはSE-CE521の方が若干感じられる、ヴォーカルの艶っぽさははMD827FE/Aの方が若干感じられる。MD827FE/Aの方が若干明るくノリが良い。MD827FE/Aの方が若干メリハリがある。響きはほぼ同レベル。弦楽器はMD827FE/Aの方が若干繊細。特にヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならMD827FE/Aの方が良い。金管楽器はMD827FE/Aの方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現はMD827FE/Aの方が若干うまい。音の質感の相性で若干勝っている。使い分けるなら、低域の量やメリハリを求めるならMD827FE/A、聴き疲れのなさや温かみを求めるならSE-CE521。













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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
- - - - -
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
5g - 1.1m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
4 4 2 3 4 5 均(低、高) 2600円

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公開日:2012.12.8