第7回 So What/Miles Davis「Kind of Blue」より

 今回取り上げるのは、ジャズの名盤中の名盤「Kind of Blue」より「So What」です。このアルバムは非常に完成度が高いだけでなく、音楽史に大きな足跡を残したことでも有名です。ジャズは良くわからない、という人にとりあえず勧めるのに最適なアルバムの1枚でしょう。聴いたことのない人は是非一度聴いてみることをお勧めします。ちなみにこのアルバムの参加メンバーはMilesをはじめJohn Coltrane、Bill Evans、Wynton Kellyと超豪華です。
 曲の方は、一聴してハイハットがかなり目立ちますが、聴き込むとトランペット、サックス、ピアノ、ベースすべてが絶妙にブレンドされた味わい深い楽曲に仕上がっています。個人的には低音よりで温かみのある機種で聴くとバランスが良いように感じました。

・1台目 SE-A1000(Pioneer)
 ジャズならbeyerdynamicということでDTX900を選ぼうかと思ったのですが、何だか安直な気がして他に合う機種がないかと探したところ、この機種に行き当たりました。
 私の個人的な印象として、国内メーカーでジャズにマッチする機種は少ないというのがあるのですが、SE-A1000は例外です。ベースがしっかりと音楽を支え、ハイハットはでしゃばり過ぎることなく、トランペットとサックスは主役としての役割を十分果たしてくれます。文句をつけるなら各楽器にもう少し実体感があり自然なら言うこと無しというところでしょうか。
 ちなみにDTX900でも聴いてみましたが、SE-A1000と比べてややハイハットが痛くベースが物足りないように感じました。それ以外は1万円程度の価格とは思えないほど饒舌に鳴らしてくれます。この辺りは流石だと感じました。

・2台目 HD650(SENNHEISER)
 SE-A1000より自然で、それ以上ハイハットが痛くなさそうな機種、ということで選んでみました。予想通りベースの量感は素晴らしいですし、ハイハットは痛くないです。各楽器が自然で魅力的です。ここで言う自然とは、所謂原音忠実とはやや違いますが、音を丸めた上で自然さを維持していると言う意味では、やはりHD650は特筆すべきものを持っているように思います。

・3台目 DT880(beyerdynamic)
 2台目のHD650でほぼ満足してしまいましたが、刺激的に聴きたいときにはどうだろう?、という視点で選んで見ました。DT770PROやDT990PROにしなかったのは、ハイハットが痛すぎるように感じたからです。
 予想通りHD650と比較して刺激的です。ハイハットを楽しみたい人にはDT880の方が合うでしょう。逆に、ベースの量感重視の人にはHD650の方が合うと思います。トランペットやサックスもHD650と比べて明るくメリハリがあります。


 今回はこんなところでしょうか。個人的にはSE-A1000の新たな魅力を発見した気分です。HD650とDT880はやはり手堅い印象でした。
 なお、残念ながら古い録音のためソースにノイズが大目です。インピーダンスが小さく感度の大きい機種をチープな機器に接続して聴くと、かなり苦痛でしょう。そういった意味でもHD650やDT880とは相性が良いと言えると思います。


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