第40回 For the love of you (Vanski's superdooper dance mix)
                 /Candy Dulfer「For the love of you」より

 Candy Dulferはオランダのサックス奏者です。
 今回取り上げる曲は「For the love of you」のダンスミックスで、サックスが中心でありながらハウスのような打ち込み系の音が多用されているという、少し変わった曲です。
 ヘッドホンとしてはサックスと打ち込み音というかけ離れた2つの傾向の音をうまく鳴らしてくれることが求められます。また、基本的にはノリ良く楽しむ傾向の曲なので、あまりじっとり暗い機種は合わないように思います。


・1台目 DR150(Goldring)
 サックスをノリ良く楽しめる機種ということで選びました。実際聴いてみると期待通りで、ウォームさを持ちながらもノリの良さを感じさせてくれるこの機種は、今回の曲に良く合いました。
 他にはMUSIC SERIES ONEとDTX900も良かったです。これら3機種の差は大きくありませんが、DR150がもっともノリ良く楽しめるように感じました。ソースの低域があまり強くないので、低域がしっかり出てくれるものの方がトータルのバランスとして良くなるようです。
 不満点はほとんどありませんが、もう少し細かい表現まで丁寧に描ききってくれるとなお良いと思いました。

・2台目 DT880(beyerdynamic)
 DR150で感じられた良さを保ったまま前述の不満点を解消しようとすると、候補はあまり多くありませんが、その少ない候補の中でもDT880は直感的に第一候補にあがった機種です。個人的には打ち込み系の音との相性も意外と悪くないように感じていたことも、選んだ理由です。ちなみに、これがDT770PROやDT990PROだとこうはいきません。DT880よりも暗く、打ち込み系の音との相性も良くないためです。
 実際にDT880で聴いてみると、まさにDR150の良さを保ったまま細部の表現を丁寧にした感じの鳴らし方です。これ以上の相性の良さはそうそうないように思います。ただ、低音の量や刺激についてはDR150の方が上かもしれません。そういう意味ではDR150の方が楽しいという人もいそうです。
 不満点は特にありません。あとは好みの問題で、傾向の違うものを求める人には違うものが良いだろうというくらいです。

・3台目 edition7(ULTRASONE)
 1、2台目と傾向の違うもので今回の曲に合いそうなものとなると、サックスをウォームではなく太く明るく表現してくれるものや、打ち込み系の音が得意なものがあると思います。その点でedition7は真っ先に思いつく機種でした。
 聴いてみると、やはり1、2台目とは大きく違う方向の鳴らし方ではあるものの、ノリ良く楽しめるという点については共通していました。
 他に似たような傾向のものとなるとATH-W1000も良いです。edition7では低音が多すぎると感じる人にはかなり向いていると思います。


 今回選んだ機種は、どれも魅力的だったと思います。ただ、やはり大きく分けてウォームさを重視するのか明瞭さを重視するのか、というような好みの違いによって根本的に選ぶヘッドホンが変わってくるように感じました。こればかりは好みなのでどちらが良いとか普通とは言えません。今回の内容を参考に自分の好みに合うヘッドホンを選んでもらえれば幸いです。


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