第52回 megalopolis/capsule「FRUITS CLiPPER」より

 capsuleは日本の2人組アーティストで、ジャンルとしてはハウスやテクノポップに分類されることが多いようです。
 今回取り上げるのは2006年発表のアルバム「FRUITS CLiPPER」の9曲目です。ほとんど電子音で構成されています。
 「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、「痛気持ちよく聞けて、そこそこ音場が広いヘッドホンを探しておりますー。痛いと気持ちいいの線引きって、すごい個人差がありそうだな、と自分でも思いますw 気持ちよく聴くためには、低音、中音も含めてメリハリがあって、高音がギリギリ痛くないのがいいな、と思う」とのことです。これだけだと確かに個人差が大きそうで匙加減が良く分かりませんが、RS-1はNGということなのでそのラインで探索していきたいと思います。


・1台目 HD215(SENNHEISER)
 前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。音場はこの価格帯ではかなり広い方ですし、全体的にメリハリもあります。問題になるとすれば高域がギリギリ痛くないと言えるかどうかですが、RS-1との比較や痛気持ちいいという表現からするとこれくらいが適度と判断しました。
 他にはATH-WS70、HI2050、PRO DJ100、UR/40等で聴いてみました。ATH-WS70はHD215と比べると音場が狭いですし、低域の量が少し多すぎな気もします。HI2050は悪くないのですが、RS-1がNGだとこれもNGになる確率が高そうです。PRO DJ100はHD215と比べると音場が狭く、若干痛さやメリハリが足りない印象です。UR/40は低域がぼやけていてメリハリに欠けますし、痛気持ちいいと言うには痛さが足りない印象です。
 不満点は特にありませんが、もう少し低域の量が欲しいという人はいるかもしれません。

・2台目 DJ1 PRO(ULTRASONE)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。1台目に重低音の量と音の厚みを加えたような感じです。したがって、1台目でもう少し低域の量が欲しいと感じた人にも合うと思われます。痛さは同程度です。
 他にはAH-D1100、HA-MX10-B、MDR-MA900、RH-300等で聴いてみました。AH-D1100はDJ1 PROと比べるとややメリハリが足りませんし、低域の量が少し多すぎな気もします。HA-MX10-Bはメリハリや痛気持ちよさはなかなか良いのですが、音場の狭さが気になります。MDR-MA900は悪くないのですが、DJ1 PROと比べると重低音が少なく音の厚みが薄く全体的にあっさりしているためどこか物足りない印象です。RH-300は単品で聴くなら悪くないのですが、DJ1 PROと比べると音場が狭くメリハリがなく痛さも足りません。
 不満点は特にありませんが、これ以上痛いとNGになりそうな気はします。

・3台目 HP-DX1000(Victor)
 1、2台目は痛さという意味でギリギリだったので、もう少し痛くないものの中から最初に書いた条件を満たすものをと考えて選びました。その意味ではベストだと思われます。1、2台目と比べると若干高域の痛さが抑えられますし、音場の広さでは若干勝っていてメリハリでもそれほど見劣りしません。ただ、中域から中高域にかけて癖があるせいか、1、2台目に慣れているとやや違和感があります(単純に1、2台目と比べるだけなら特に癖が強いということもないと思います)。
 不満点は特にありませんが、ここまで比較的癖のあるものを選んできたところがあるので、癖のないものを選びたいところではあります。

・4台目 HD800(SENNHEISER)
 3台目の不満点を踏まえて選びました。最初に書いた条件を満たすものの中からできるだけ癖のないものを選ぶとするならベストだと思われます。音場の広さ、メリハリ、高域の痛さいずれも問題ないと思います。不満が出るとすれば、音場が広すぎる、どことなくつまらないといったあたりでしょうか。その場合には2台目や3台目の方が合うと思います。
 他にはATH-A2000X、DT660 Edition 2007、HFI-780、MV1等で聴いてみました。ATH-A2000Xは悪くないのですが、2台目や3台目とはまた違った癖が気になるため外しました。DT660 Edition 2007とHFI-780は高域の痛さを含む総合的な聴き疲れでNGになるおそれがあります。MV1は音場の狭さが気になります。

・5台目 Turbine Pro Copper(Monster Cable)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。特にメリハリが良いです。高域の痛さは適度だと思います。音場の広さは特に良くはありませんが、今回聴いたものの中で特に見劣りするわけではありません。色々と聴いてみたのですが、ATH-CK100PROはなかなか良いもののTurbine Pro Copperと比べると若干メリハリに欠ける上に高域が痛い、EPH-100は高域の痛さがNGになるおそれがある上に低域のぼやけが気になる、MDR-EX1000はTurbine Pro Copperと比べると若干メリハリに欠け曇っているように感じられる等の不満がありました。
 他にはHP-FX500とHA-FX3Xが良かったです。Turbine Pro Copperと比べると痛すぎたり低域の量が多すぎたりするおそれがありますが、それ以外の点はそれほど見劣りしないと思います。


 今回は個人的には概ね順当な結果になっているように思います。
 ヘッドホンアンプはD12 HjやIcon uDAC-2が良いと思います。高域の痛さをそのまま出してくれます。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。













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