KH-C311

音質
 ややドンシャリ。量的にドンシャリと言うよりは、鳴らし方まで含めてドンシャリ風と言った方が適切に感じられる。低域はやや量が多い。締まり、制動、重心の低さ、厚み、圧力、どれをとっても平均以上のものを持っているが、特に締まりと制動はかなり良い。そのため、ソースによってはかなり存在感がある。柔らかくぼやけたり薄く曇ったりということはまったく言って良いほどない。中域は低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、ソースによってはやや張り出すような癖が気になる。中域から中高域にかけて出っ張っている印象。高域は中域と同量から若干多めという程度。どちらかと言うと明るい質だが、あまり目立つような癖や特徴はない。
 分解能は価格の割にやや良い。一つ一つの音の微細な描写はそれほどでもないが、音の分離はかなり良い。音場感はかなり明確で把握しやすいし、広さもやや広め。原音忠実性はそれなり。細かい周波数特性にはある程度癖があるが、それほど大きな違和感はない。原音の粗や生っぽさはある程度感じられる。エッジのきつさは普通。エッジよりも中域の張り出しや音の圧力で疲れるような印象。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ特に痛くはない。総合的な聴き疲れは普通からやや悪め。ホワイトノイズはやや大きい。
 明瞭さはなかなか良い、音の鮮やかさはそれなり。厚みはやや厚め。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはいまいち。特にヴォーカルは張り出すような癖が気になることがある点がマイナス。かなりノリが良い傾向。低域の量でごり押しするような感じではなく切れやスピード感があるし、明るさや力強さという意味でも十分なものを持っている。響きはややあっさりで、こもり感は気にならない。
 弦楽器はいまいち。繊細さにしろ心地よさにしろ不足気味。生楽器らしさが欲しい場合には悪くないが、基本的にあまり自然な音とは言えない。金管楽器はなかなか鮮やかだが、弦楽器同様やや不自然さが気になる。贅沢を言うなら、金属的な質感をもう少し出して欲しかったところ。打ち込み系の音の表現はかなりうまい。切れ、厚み、低域の質が良い。
 総合的に見てコストパフォーマンスが良いし、切れや制動重視でポップスやロックを聴きたいときには非常に良い機種。特にバスドラの連打の表現は見事だし、ベースの動きが分かりやすい点も魅力。

装着感
 良好。カナル型だが、イヤーピースを耳の奥に押し込むタイプではないので装着しやすいし、耳の穴が痛くなりにくい。ずれやすい、重い等の不満もない。
 イヤーピースの材質はシリコンのようだ。3サイズ付属している。

その他
 遮音性及び音漏れ防止は良好。特に音漏れ防止は国内メーカーのカナル型にしては良い。
 作りは価格なり、デザインは悪くないが本体がツヤツヤしたプラスチックである点が気になる人もいるかもしれない。タッチノイズがかなり大きい。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は幅約3mm・厚さ約1.5mm、やや硬いが癖が付いてもすぐに戻せる柔軟性もあり扱いづらさはそれほど感じない。

付属品
イヤーピース3種類
ボリュームコントローラー付延長コード(約0.5m)
携帯電話用平型プラグアダプター



参考
メーカー製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
AH-78
AH-78はやや高音より、KH-C311はややドンシャリ。低域はKH-C311の方がやや量が多い。どちらも締まっている点は似ている。重心はKH-C311の方がやや低い。中域はAH-78の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はAH-78の方がやや量が多い。硬く明るい質で目立つ。分解能はAH-78の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はKH-C311の方がやや広く、AH-78の方がやや明確。原音忠実性は微妙。どちらも多少癖のある音でしかもその方向性が異なるため、人によって評価が違ってくるだろう。原音の粗や生っぽさはAH-78の方が感じられる。エッジはAH-78の方がきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろAH-78の方が鋭く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはAH-78の方が上。厚みはKH-C311の方がややある。温かみはKH-C311の方がやや感じられる。ヴォーカルの艶っぽさは微妙。擦れやリップノイズを求めるならAH-78の方が良いが、柔らかく鳴らして欲しいならKH-C311の方が良い。どちらもノリが良い傾向だが、AH-78の方が明るく切れが良く、KH-C311の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きは、低域はKH-C311の方がやや豊か、高域はAH-78の方がやや豊か。KH-C311の方が生気に欠ける印象。弦楽器は微妙。AH-78の方が生楽器らしさが感じられ、KH-C311の方が粗がなく聴きやすい。金管楽器はAH-78の方が金属的で鮮やか。打ち込み系の音の表現はAH-78の方がややうまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、高域の量や分解能重視ならAH-78、低域の量や聴き疲れのなさ重視ならKH-C311。

ATH-CKM50
ATH-CKM50は低音よりのドンシャリ、KH-C311はややドンシャリ。低域はATH-CKM50の方がやや量が多い。やや柔らかくぼやけた質。KH-C311の方が締まりや制動が感じられる。重心はATH-CKM50の方が若干低い。中域は、KH-C311の方がやや高い音で、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。KH-C311はソースによってはやや張り出すような癖が気になるが、ATH-CKM50はそんなことはない。高域はATH-CKM50の方が若干量が多い。ATH-CKM50の方がやや細く明るい質。分解能はほぼ同レベル。音の分離はKH-C311の方がやや上、一つ一つの音の微細な描写はATH-CKM50の方がやや上。音場感は、ATH-CKM50の方がやや奥行きがあり、KH-C311の方がやや明確。原音忠実性は微妙。ATH-CKM50は低域の量が多すぎる点がマイナス、KH-C311は中域の癖がマイナス。原音の粗や生っぽさはKH-C311の方が若干感じられる。エッジはATH-CKM50の方が若干きつい。ATH-CKM50は低域が過剰で疲れることがあるのに対して、KH-C311は中域の張り出しで疲れることがある。総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろATH-CKM50の方が若干痛い。明瞭さはKH-C311の方がやや上、音の鮮やかさはATH-CKM50の方が若干上。厚みはATH-CKM50の方がややある。KH-C311の方が締まっている。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはATH-CKM50の方が感じられる。特にヴォーカルは、KH-C311と違って張り出すようなこともなく自然で魅力的。どちらもノリが良い傾向だが、KH-C311の方が切れやスピード感がある。繊細さという意味ではATH-CKM50の方がやや上。響きはATH-CKM50の方がやや豊かでこもり感が気になる。弦楽器はATH-CKM50の方が繊細かつ心地よい。生楽器らしさが欲しいならKH-C311の方がやや良いが、総合的に見て自然で違和感が小さいのはATH-CKM50の方だろう。金管楽器はどちらもなかなか鮮やかだが、ATH-CKM50の方がやや明るく金属的。打ち込み系の音の表現はKH-C311の方がややうまい。音の質感の相性は大差ないが、切れや低域の質で勝っている。使い分けるなら、温かみやヴォーカルの艶っぽさが欲しいならATH-CKM50、切れや明瞭さが欲しいならKH-C311。

BI-RACKEAR
BI-RACKEARは低音よりのドンシャリ、KH-C311はややドンシャリ。低域はBI-RACKEARの方がやや量が多い。BI-RACKEARの方がズシンと腹に響くような重低音を鳴らす。どちらも質的にも量的にも充実した低域だが、BI-RACKEARの方が量と圧力、KH-C311の方が締まりと制動にバランスがよっている印象。重心はBI-RACKEARの方が若干低い。中域はソースによって印象が変わってくる。中域の中でも低めの音はKH-C311の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくることが多いが、中域の中でも高めの音はBI-RACKEARの方がやや明るくはっきり聴こえてくることが多い。基本的にはBI-RACKEARの方が癖がない。高域はほぼ同量。BI-RACKEARの方が金属的。分解能はほぼ同レベル。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ない。音場感は、広さはほぼ同レベル、明確さはBI-RACKEARの方が若干上。原音忠実性は微妙。BI-RACKEARは低域の量が多すぎる点が気になるのに対して、KH-C311は中域から高域の音色に癖がある点が気になる。原音の粗や生っぽさはBI-RACKEARの方が若干感じられる。エッジはBI-RACKEARの方が若干きつく、低域の量で疲れる面もあって聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さ。明瞭さはKH-C311の方が若干上、音の鮮やかさはBI-RACKEARの方が若干上。厚みはBI-RACKEARの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさは微妙。全体としては大きな差はなく、ソースや聴く人によって変わってくるように思われる。ヴォーカルはBI-RACKEARの方がやや硬いものの音色は自然なことが多いが、明るい女性ヴォーカルはややうわずる点が気になる。どちらもノリが良い。BI-RACKEARの方が低域に基づく迫力や力強さがある。KH-C311の方が軽快。響きはBI-RACKEARの方が若干豊か。BI-RACKEARの方が全体的に硬い音を鳴らす印象。KH-C311の方が生気に欠ける印象。弦楽器は繊細さや心地よさという意味では大差ないが、音色はBI-RACKEARの方が自然に感じられることが多い。金管楽器はBI-RACKEARの方がやや鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はBI-RACKEARの方が若干うまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、低域の量や鮮やかさを求めるならBI-RACKEAR、聴き疲れのなさや軽快さを求めるならKH-C311。

Ceramique
どちらもややドンシャリ。低域はKH-C311の方が若干量が多い。どちらも締まりや制動が感じられる質だが、KH-C311の方がやや圧力がある。重心はKH-C311の方がやや低い。中域は、Ceramiqueの方が音の分離が良い分はっきり聴こえてくるのに対して、KH-C311の方が張り出すような感じで目立つ分はっきり聴こえてくる。中高域はKH-C311の方がしっかり出る。高域はCeramiqueの方が若干量が多い。硬く明るい質で目立つ。分解能はCeramiqueの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はKH-C311の方がやや広く明確。Ceramiqueの方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はCeramiqueの方がやや上。周波数特性上の癖のなさで勝っている。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさは大差ないが、KH-C311の方が中域の張り出しや音の圧力で疲れる面がある。高域は大差ない痛さ、ヴォーカルのサ行はKH-C311の方が若干痛い。明瞭さはKH-C311の方が若干上、音の鮮やかさはCeramiqueの方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはCeramiqueの方が若干感じられる。ヴォーカルはCeramiqueの方が癖がなくソースを選ばない。どちらもノリが良い傾向。Ceramiqueの方が明るい。KH-C311の方が若干低域に基づく迫力や力強さがある。響きはKH-C311の方が若干豊か。弦楽器はCeramiqueの方がやや繊細で、音色も自然。金管楽器は、Ceramiqueの方が金属的な質感を出してくれる、KH-C311の方が量的に多く目立つ。打ち込み系の音の表現はCeramiqueの方が若干うまい。音の質感の相性にしろ切れにしろ若干勝っている。使い分けるなら、原音忠実性や高域の鮮やかさを求めるならCeramique、低域の圧力や迫力を求めるならKH-C311。

CX300
CX300は低音よりのドンシャリ、KH-C311はややドンシャリ。低域はCX300の方が若干量が多い。KH-C311の方がやや締まりや制動が感じられる。重心の低さはほぼ同レベル。中域は、どちらかと言うとKH-C311の方が低域に邪魔されずにはっきり聴こえてくる。KH-C311はソースによってはやや張り出すような癖が気になるが、CX300はそんなことはない。高域はCX300の方が若干量が多い。明るく金属的で目立つ。分解能はCX300の方が若干上。音の分離は大差ないが、一つ一つの音の微細な描写でやや勝っている。音場感はKH-C311の方がやや広く明確。原音忠実性はCX300の方がやや上。一聴して違和感が小さい。KH-C311は中域の癖がマイナスだが、CX300はそれほどの欠点は見当たらない。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはCX300の方が若干きつく、やや聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろCX300の方が若干痛い。明瞭さはKH-C311の方が若干上、音の鮮やかさはCX300の方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはCX300の方が感じられる。特にヴォーカルは、KH-C311と違って張り出すようなこともなく自然。どちらもノリが良い傾向だが、KH-C311の方が若干切れが良い。響きはCX300の方がやや豊か。弦楽器はCX300の方が繊細かつ心地よいし、自然で違和感が小さい。金管楽器はどちらもなかなか鮮やかだが、CX300の方がやや明るく金属的。打ち込み系の音の表現はほぼ互角。音の質感の相性はCX300の方が若干上、切れはKH-C311の方が若干上。使い分けるなら、基本的にはCX300、CX300では聴き疲れするとか音場が狭いという不満があるならKH-C311。

DN-T50
DN-T50はやや高音より、KH-C311はややドンシャリ。低域はKH-C311の方がある程度量が多い。重心が低く厚みもあるため、存在感にかなりの差がある。中域は基本的にはどちらも低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、低域の多いソースではDN-T50の方が有利。KH-C311はソースによってはやや張り出すような癖が気になるが、DN-T50はそんなことはない。KH-C311の方が中域から中高域にかけてやや出っ張っている印象。高域はほぼ同量だが、どちらかと言うとDN-T50の方が多い。DN-T50の方が若干明るく金属的。KH-C311の方が粗がない。分解能はKH-C311の方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろKH-C311の方が若干上。音場感はDN-T50の方がやや広く、KH-C311の方がやや明確。原音忠実性は微妙。どちらも一聴して多少の違和感があり、どちらが許容できるかによって評価が割れるだろう。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはDN-T50の方がややきついが、KH-C311は低域の量や音の圧力で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域やヴォーカルのサ行の痛さは大差ない。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはDN-T50の方が若干上。厚みはKH-C311の方がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはDN-T50の方がやや感じられる。どちらもノリが良い傾向だが、DN-T50の方が明るい音色、KH-C311の方がしっかりと制御されて無駄のない鳴らし方。響きはDN-T50の方がやや豊か。DN-T50の方がドラムや破裂音がやや目立つ。弦楽器はDN-T50の方がやや心地よく、音色も自然に感じられることが多い。金管楽器は、DN-T50の方が若干明るく、KH-C311の方がやや太く力強い。打ち込み系の音の表現はKH-C311の方がややうまい。音の質感の相性はDN-T50の方が若干良い印象だが、厚みや低域の質はKH-C311の方が良い。使い分けるなら、低域が欲しいならKH-C311、それほどでもないならDN-T50。あるいは、基本的にはKH-C311、KH-C311では中域から中高域の癖が気になるとか音の圧力がありすぎて疲れるという不満があるならDN-T50。

E4c
E4cはかなりフラット、KH-C311はややドンシャリ。低域はKH-C311の方がある程度量が多い。重心が低く厚みもあるため存在感がある。中域はE4cの方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。KH-C311はソースによってはやや張り出すような癖が気になるが、E4cはそんなことはない。中域から中高域にかけてKH-C311の方が出っ張っている印象。高域はほぼ同量だが、どちらかと言うとE4cの方が多い。E4cの方がやや明るく目立つ質。分解能はE4cの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はE4cの方が遠くから音を鳴らす感じで把握しやすい。原音忠実性は微妙。どちらも一聴して多少違和感がある。周波数特性上の癖はKH-C311の方がやや大きい印象。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはE4cの方がややきついが、KH-C311は低域の量や音の圧力で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろE4cの方がやや痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはE4cの方がやや上。厚みはKH-C311の方がややある。温かみはほぼ同レベル、ヴォーカルの艶っぽさはE4cの方がやや感じられる。どちらもノリが良い傾向だが、E4cの方が明るく爽やか、KH-C311の方が低域の量や厚みに基づく迫力や力強さがある。響きは、低域はKH-C311の方がやや豊か、高域はE4cの方がやや豊か。E4cの方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器はE4cの方が繊細。チェロ等の量感が欲しいならKH-C311の方が良いだろうが、基本的にE4cの方が一枚上手の表現力を持っている。金管楽器はどちらもなかなか鮮やかだが、音色の違いはある。ソースによって印象が変わってくるが、E4cの方が明るく綺麗、KH-C311の方が力強い傾向。打ち込み系の音の表現はE4cの方が若干うまい。音の質感の相性で若干勝っている。ただし、E4cは低域の量が足りず軽い音に感じられることもあるので、そういう場合にはKH-C311の方が良い。使い分けるなら、基本的にはE4c、E4cでは低域が足りないとか高域が明るすぎるという不満があるならKH-C311。

HA-FX11
HA-FX11は低音よりのドンシャリ、KH-C311はややドンシャリ。低域はHA-FX11の方が若干量が多い。HA-FX11の方が柔らかくぼやけた質。KH-C311の方が圧力があるため存在感があるように感じられることも多い。重心はKH-C311の方が低い。中低域はHA-FX11の方がしっかり出る。中域はKH-C311の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるが、ソースによっては張り出すような癖が気になる。中高域はKH-C311の方がしっかり出る。高域はKH-C311の方が若干量が多い。どちらもあまり派手ではない点は似ている。分解能はKH-C311の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感は、HA-FX11の方が若干広く、KH-C311の方が明確。原音忠実性はHA-FX11の方が若干上。周波数特性上の癖が小さく、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはKH-C311の方が若干感じられる。エッジはKH-C311の方が若干きつく、音の圧力で疲れる面もあって聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろKH-C311の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはKH-C311の方がやや上。厚みはKH-C311の方があるが、それよりもKH-C311の方が締まった音である点に目が行く。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHA-FX11の方がやや感じられる。ヴォーカルはHA-FX11の方が癖がなく聴きやすい。KH-C311の方がノリが良い。KH-C311の方が切れやメリハリがある。響きはHA-FX11の方がやや豊かで、こもり感が気になる。弦楽器は、HA-FX11の方が柔らかく聴きやすいし音色も自然、KH-C311の方が生楽器らしさが感じられる。金管楽器は、量的にはKH-C311の方が多く目立つが、HA-FX11の方が癖がなく若干金属的な質感を出してくれることもある。打ち込み系の音の表現はKH-C311の方がうまい。切れや厚みで勝っている。使い分けるなら、癖のなさや聴き疲れのなさを求めるならHA-FX11、分解能や切れを求めるならKH-C311。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生



   










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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 20Hz〜20kHz 95dB 16Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
4g 9mm 0.8m 両出し(Y型) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
3 5 4 4 4 5 均(低、高) 2500円

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公開日:2009.8.6