iriverイヤホン

音質
 やや低音より。低域は全体的にやや量が多めで、質的には柔らかめ。低域が支配的というほどではない。中域は変な癖もなく普通に聴こえてくるが、どちらかと言えばやや低めの音でおとなしい。高域は普通に出るが、低域よりは量が少ない。線が細くあまり目立たない感じ。
 分解能及び音場感はごく普通だが、価格を考えればなかなか良いと言えるレベルだろう。原音忠実性はそれなり。一聴して違和感を感じにくい点は良い。エッジはきつくなく、あまり聴き疲れしない。
 明瞭さ、音の鮮やかさは普通で、特に曇っていたり不明瞭な印象を受けることはない。厚みは普通。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない、ニュートラルな鳴らし方。響きは適度。なかなかバランスが良いが、安物イヤホンに良くある密度の薄さや粗はある。
 弦楽器は繊細さ・心地よさともに及第点で、無難に鳴らしてくれる。金管楽器はそれなりに聴けるが、もう少し中高域がしっかり出てくれた方が良かっただろう。打ち込み系の音の表現はそれなり。低域の量は十分だが、もう少し音の厚みや低域の締まりが欲しかったところ。
 上記の内容はアタッチメント不使用の際のもの。アタッチメントを使用するとやや低音よりになり、全体的に柔らかく温かみのある音になる。

装着感
 良好。一般的なインナーイヤーヘッドホンなので、装着しにくい等の問題はないし、長時間装着してもまったく疲れない。ずれやすさは普通のインナーイヤーヘッドホンなみで、コードを引っ掛けたりしない限り問題ないレベル。コードに癖が付きやすいので、癖の付き方によってはコードが顔に当たりやすいという不満が出る。
 付属しているアタッチメント(通常のスポンジ状)を使用すると、ずれにくくなり更に装着感が良くなるように感じる。

その他
 遮音性は悪い。音漏れ防止は普通。
 作り、デザインともに安っぽい感じ。iriverのT10シリーズ、T20シリーズ、T30シリーズ、E10[6GB]ブラック 、H10jrシリーズ、iFP-790、iFP-890に付属するイヤホン。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは合流前は約1.5mm、合流後は幅約3mm・厚さ約1.5mm、やや硬く癖が付きやすい。

付属品
アタッチメント×2



参考
比較メモ
EHP-IE10
EHP-IE10はやや低音よりのかまぼこ、iriverイヤホンはやや低音より。低域はiriverイヤホンの方が量が多く、重心が低く厚みもあるため存在感がある。中域はEHP-IE10の方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。ソースによっては中域から中高域にかけてEHP-IE10の方が張り出すような感じで目立つことがある。高域はiriverイヤホンの方が高く鋭い音で、量も多いため目立つ。分解能はiriverイヤホンの方がやや上。一つ一つの音の微細な描写でやや勝っている。音場感はEHP-IE10の方がやや前方定位する感じ。広さはiriverイヤホンの方が若干広い。原音忠実性はiriverイヤホンの方がやや上。どちらも一聴して違和感のあるような音ではないが、EHP-IE10は高域が少ない点が気になる。原音の粗や生っぽさはiriverイヤホンの方が感じられる。エッジはiriverイヤホンの方がややきつく聴き疲れしやすい。ヴォーカルのサ行の痛さは大差ないが、高域はiriverイヤホンの方がやや痛い。明瞭さはEHP-IE10の方が若干上、音の鮮やかさはiriverイヤホンの方がやや上。厚みはほぼ同レベル。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはiriverイヤホンの方がやや上。どちらかと言うとEHP-IE10の方がノリが良い印象。音の圧力やスピード感がある。ただし、iriverイヤホンの方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはiriverイヤホンの方がやや豊か。弦楽器はiriverイヤホンの方が繊細かつ心地よいし、生楽器らしさも感じられる。金管楽器は、量だけならEHP-IE10の方が多く目立つが、iriverイヤホンの方が金属的な質感を出してくれるし原音に近い印象。打ち込み系の音の表現はほぼ同レベル。切れはEHP-IE10の方がやや上、音の質感の相性はiriverイヤホンの方がやや上。使い分けるなら、基本的にはiriverイヤホン、iriverイヤホンでは聴き疲れするとか低域も高域も多すぎるという不満があるならEHP-IE10。

iPod付属イヤホン
iPod付属イヤホンはかなりフラット、iriverイヤホンはやや低音より。低域はiriverイヤホンの方がしっかり低い音を鳴らしてくれるし、量も多い。中域はどちらも癖なくはっきり聴こえてくる。高域は質的にも量的にも多少近いものがあるが、iriverイヤホンの方が線が細く上まで伸びている感じ。分解能はiriverイヤホンの方がやや上。音場感はほぼ同レベル。原音忠実性はiriverイヤホンの方がやや上。iriverイヤホンの方がややエッジがきつく聴き疲れする。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはiriverイヤホンの方がやや上。厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはiriverイヤホンの方がやや上。どちらもノリが良いわけでも繊細なわけでもない感じだが、iriverイヤホンの方がやや生気が感じられる。響きはiriverイヤホンの方がやや豊か。弦楽器はiriverイヤホンの方が繊細かつ心地よい。金管楽器はiriverイヤホンの方がやや鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現はiriverイヤホンの方がややうまい。低域がしっかり出る点が良い。使い分けるなら、基本的にはiriverイヤホン、低域の量が少ない方が良い場合やよほど聴き疲れを避けたいときだけiPod付属イヤホン。

MX500
iriverイヤホンはやや低音より、MX500はやや高音より。低域はiriverイヤホンの方がしっかり低い音を鳴らしてくれるし、量も多い。中域はMX500の方が低域に邪魔されない上に高い音ではっきり聴こえてくる。中高域はMX500の方がかなりしっかり出る。高域はMX500の方が明るく量が多い。iriverイヤホンの方が線が細い。分解能はMX500の方がやや上。音場感はMX500の方がやや広く明確。原音忠実性は微妙。iriverイヤホンの方が一聴して違和感がないが、MX500の方が原音の粗や生っぽさが感じられる。MX500の方がエッジがきつく聴き疲れしやすい。明瞭さ、音の鮮やかさはMX500の方が上。厚みはiriverイヤホンの方がややある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはiriverイヤホンの方が上。MX500の方が明るく元気が良い鳴らし方。響きは、低域はiriverイヤホンの方が豊か、高域はMX500の方が豊か。MX500の方がタイトで硬質。弦楽器はiriverイヤホンの方が心地よく聴ける。金管楽器はMX500の方が明るく鮮やかで楽しめる。打ち込み系の音の表現は微妙。低域が出るという点ではiriverイヤホンの方が良いが、中高域の明るさや元気の良い鳴らし方はMX500の方が良い。使い分けるなら、低域が欲しいならiriverイヤホン、いらないならMX500。あるいは、硬質な音を嫌うならiriverイヤホン、硬質な音が良いならMX500。

v-moda remix m-class
iriverイヤホンはやや低音より、v-moda remix m-classはややドンシャリ。低域はiriverイヤホンの方がややぼやけていて量が多い感じ。v-moda remix m-classの方が重心が高めではあるものの締まりや厚みがある。中域はどちらかと言うとv-moda remix m-classの方がしっかり聴こえてくる。高域はv-moda remix m-classの方が太く金属的。iriverイヤホンの方が細い。分解能はv-moda remix m-classの方がやや上。音場感はほぼ同レベル。原音忠実性はv-moda remix m-classの方が上。原音の実体感にかなり差がある。iriverイヤホンの方がエッジがきついが、v-moda remix m-classの方が圧力のある音なので、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってきそう。明瞭さ、音の鮮やかさはv-moda remix m-classの方がやや上。厚みはv-moda remix m-classの方がかなりある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはv-moda remix m-classの方がやや上。v-moda remix m-classの方がしっかりした迫力のあるノリの良さがある。響きはどちらも適度だが、iriverイヤホンの方がやや豊か。v-moda remix m-classの方が密度が高く粗がない。弦楽器はv-moda remix m-classの方が粗がなく心地よい。金管楽器はv-moda remix m-classの方が力強い。打ち込み系の音の表現はv-moda remix m-classの方がややうまい。音の厚みで勝っている。使い分けるなら、基本的にはv-moda remix m-class、低域の量や高域の線の細さを求めるならiriverイヤホン。


※生産終了










戻る





スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 開放型 12Hz〜22kHz 100dB 16Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
6g - 0.8m 両出し(ネックチェーン) -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
3 4 2 3 4 5 均(低) 1200円
※生産終了

TOP > ヘッドホンレビュー > iriverイヤホン

公開日:2008.3.6