HD449

音質
 かなりフラット。低域は中域とほぼ同量。あまり癖のない質だが、質的にも量的にもしっかりした低域という感じではない。重心の低さは普通。中域は低域に邪魔されず普通に聴こえてくるし、変な癖もない。高域は中域と同量から若干少なめ。どちらかと言うと線が細く地味。粗は気にならない。
 分解能は価格なり。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろそれなり。音場感は、広さは普通からやや狭め、明確さは普通。耳の近くで音を鳴らす感じがやや気になる。原音忠実性はそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。周波数特性上の癖が小さく、一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさは必要量といった感じ。エッジはあまりきつくなく、それほど聴き疲れしない。高域にしろヴォーカルのサ行にしろあまり痛くないが、ヴォーカルのサ行よりは高域の方が痛い。
 明瞭さ、音の鮮やかさはそれなり。厚みは普通からやや薄め。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。ヴォーカルはあまり癖がないが、どちらかと言うとスモーキー。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない、どちらかと言うとおとなしい傾向。響きは適度で、こもり感はあまり気にならない。
 弦楽器は音色が自然で聴きやすい。金管楽器は普通に聴けるが、あまり派手ではない。打ち込み系の音の表現はいまいちと評価すべきかそれなりと評価すべきか迷うところ。音の質感の相性や切れが若干不満。
 迫力やメリハリには欠けるが、周波数特性上の癖のなさや聴き疲れのなさを求めるならかなり良い機種。

装着感
 良好。側圧は普通でずれにくい。ヘッドバンドにはしっかりクッションが入っているし、軽量なので、頭頂部への負担は小さい。
 イヤーパッドは耳を覆うサイズ、上下左右に角度調節ができる。材質はシワが気になる安っぽい人工皮革。
 ヘッドバンドが短いため頭の大きい人は装着できない可能性が高い。

その他
 遮音性は良好、音漏れ防止は普通。音漏れ防止は密閉型としてはやや悪い。
 作りは価格なりだが、どちらかと言えば安っぽい。デザインはハウジングの斜めのラインを除けば特に癖はない。
 プラグは金メッキのミニプラグ。コードの太さは約2.5mm、硬さは普通で特に扱いづらさは感じない。イヤーパッドのサイズは、外周100mm×80mm、内周58mm×38mm、深さ18mm。

付属品
ミニ→標準変換プラグ
1.6m延長コード
キャリングポーチ




参考
メーカー製品ページ

周波数特性グラフ


比較メモ
APHN-AC30
APHN-AC30はやや低音より、HD449はかなりフラット。低域はAPHN-AC30の方が若干量が多い。どちらもあまり癖のない質だが、量が多い分APHN-AC30の方がやや柔らかい。重心はAPHN-AC30の方がやや低い。中域はどちらも低域に邪魔されず普通に聴こえてくる。質的にも大きな違いはない。高域はAPHN-AC30の方が若干量が多い。若干線の細い質。分解能はAPHN-AC30の方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとAPHN-AC30の方が勝っている。音場感は、APHN-AC30の方が若干広い、明確さはほぼ同レベル。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはHD449の方が若干上。原音の粗や生っぽさはAPHN-AC30の方が若干感じられる。エッジはAPHN-AC30の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろAPHN-AC30の方が若干細く刺さる。明瞭さはほぼ同レベル、音の鮮やかさはAPHN-AC30の方が若干上。厚みはAPHN-AC30の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさは大差ないが、どちらかと言うとAPHN-AC30の方が感じられる。APHN-AC30の方が若干ノリが良い。低域に基づく迫力や力強さがある。響きはほぼ同レベル。弦楽器は、APHN-AC30の方が若干繊細、HD449の方が若干音色が自然。金管楽器はAPHN-AC30の方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現はAPHN-AC30の方が若干うまい。音の質感の相性で若干勝っている。あまり使い分けには向かないが、あえて使い分けるなら、低域の量やノリの良さを求めるならAPHN-AC30、癖のなさや聴き疲れのなさを求めるならHD449。

ATH-M40fs
ATH-M40fsはややかまぼこ、HD449はかなりフラット。低域はHD449の方が若干量が多い。ATH-M40fsの方が弾力のある質、HD449の方が癖のない質。重心はATH-M40fsの方が若干低い。中域は微妙だが、どちらかと言うとATH-M40fsの方が低域の量が少ない分はっきり聴こえてくることが多い印象。質的にはHD449の方が癖がない。高域はほぼ同量。高域の中でも低い音はHD449の方がやや多いが、高域の中でも高い音はATH-M40fsの方がやや多い。ATH-M40fsの方が硬く鋭い質。分解能はATH-M40fsの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はATH-M40fsの方が若干広く明確。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはHD449の方が上。原音の粗や生っぽさはATH-M40fsの方がやや感じられる。エッジはATH-M40fsの方がややきつく聴き疲れしやすい。高域はATH-M40fsの方がやや痛い、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさは大差ないが、どちらかと言うとATH-M40fsの方が上。厚みはATH-M40fsの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはHD449の方が若干感じられる。ヴォーカルは、ATH-M40fsの方が透明感がある、HD449の方が癖がなくソースを選ばない。どちらもノリが良いわけでも繊細なわけでもないが、ATH-M40fsの方が若干メリハリがある。響きはATH-M40fsの方が若干豊かでこもり感が気になる。弦楽器は、ATH-M40fsの方が生楽器らしさが感じられる、HD449の方が音色が自然。金管楽器は、ATH-M40fsの方が若干金属的な質感を出してくれる、HD449の方が癖がない。打ち込み系の音の表現はATH-M40fsの方が若干うまい。音の質感の相性でやや勝っている。使い分けるなら、分解能や生楽器らしさを求めるならATH-M40fs、周波数特性上の癖のなさや聴き疲れのなさを求めるならHD449。

HD215
どちらもかなりフラット。低域はほぼ同量。HD215の方が締まりや制動が感じられる。HD449の方が薄く曇ったような質。重心はHD215の方が若干低い。中域はHD215の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHD215の方がやや量が多い。硬く明るい質で目立つ。分解能はHD215の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。ただし、一つ一つの音の微細な描写はHD449の方が粗なく丁寧にこなしてくれる面はある。音場感はHD215の方がやや広く明確。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはHD449の方がやや上。原音の粗や生っぽさはHD215の方が感じられる。エッジはHD215の方がきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHD215の方が痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはHD215の方がやや上。厚みはHD215の方がややある。温かみはHD449の方が若干感じられる、ヴォーカルの艶っぽさは微妙。ヴォーカルは、HD215の方が擦れやリップノイズを出してくれる、HD449の方が癖がなく聴きやすい。HD215の方がややヴォーカルが遠い。HD215の方が明るくノリが良い。切れやメリハリがある。響きは、低域はHD449の方がやや豊か、高域はHD215の方がやや豊か。弦楽器は、HD215の方が生楽器らしさが感じられる、HD449の方が音色が自然で聴きやすい。金管楽器はHD215の方が鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。打ち込み系の音の表現はHD215の方がややうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、音場の広さやメリハリを求めるならHD215、周波数特性上の癖のなさや聴き疲れのなさを求めるならHD449。

KH-K1000
どちらもかなりフラット。低域はほぼ同量。HD449の方が薄く曇ったような質。KH-K1000の方が質的に存在感がある。重心はKH-K1000の方が若干低い。中域はKH-K1000の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はKH-K1000の方が若干量が多い。細く硬い質で目立つ。分解能はKH-K1000の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はKH-K1000の方がやや広く明確。HD449の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさはHD449の方が若干上。原音の粗や生っぽさはKH-K1000の方が若干感じられる。エッジはKH-K1000の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろKH-K1000の方が若干痛い。明瞭さ、音の鮮やかさはKH-K1000の方が若干上。厚みはKH-K1000の方が若干ある。温かみは曇っている分HD449の方が感じられる面もあるが、人声や生楽器のリアルな温かみという意味ではKH-K1000の方がやや上。ヴォーカルの艶っぽさはKH-K1000の方がやや感じられる。ヴォーカルは、HD449の方が若干スモーキー、KH-K1000の方が若干明るい。KH-K1000の方が若干明るくノリが良い。響きはKH-K1000の方が若干豊か。弦楽器はKH-K1000の方がやや繊細で生楽器らしさが感じられる。金管楽器はKH-K1000の方が若干鮮やか。打ち込み系の音の表現はKH-K1000の方が若干うまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、基本的にはKH-K1000、KH-K1000では周波数特性上の癖が気になるとか聴き疲れしやすいという不満があるならHD449。

MDR-ZX700
HD449はかなりフラット、MDR-ZX700はやや低音より。低域はMDR-ZX700の方が若干量が多い。MDR-ZX700の方がやや柔らかい質。重心はHD449の方が若干低い。中域はHD449の方が若干明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHD449の方が若干量が多い。やや線が細く明るい質。分解能はHD449の方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとHD449の方が上。音場感はHD449の方が若干広く明確。MDR-ZX700の方が近くで音を鳴らす感じで頭内定位が気になりやすい。原音忠実性はHD449の方がやや上。周波数特性上の癖のなさで勝っている。原音の粗や生っぽさはHD449の方がやや感じられる。エッジはHD449の方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域はHD449の方が若干痛い、ヴォーカルのサ行は大差ない痛さ。明瞭さ、音の鮮やかさはHD449の方が若干上。厚みはMDR-ZX700の方が若干ある。温かみはMDR-ZX700の方があるように感じられるが、これは塗りつぶしたような質感によるぬるま湯のような温かみ。ヴォーカルの艶っぽさは微妙。HD449の方が女性ヴォーカルに合う、MDR-ZX700の方がスモーキー。どちらもノリが良いわけでも繊細なわけでもないが、HD449の方が若干明るい、MDR-ZX700の方が若干迫力がある。響きは、低域はMDR-ZX700の方が若干豊か、高域はHD449の方が若干豊か。MDR-ZX700の方がこもり感が気になる。弦楽器は、HD449の方が音色が自然、MDR-ZX700の方が滑らかで心地よい。金管楽器は、HD449の方がやや細く明るい、MDR-ZX700の方がやや太く力強い。打ち込み系の音の表現はHD449の方が若干うまい。音の質感の相性や切れで若干勝っている。使い分けるなら、原音忠実性や明瞭さを求めるならHD449、粗のなさや厚みを求めるならMDR-ZX700。

サイン波応答


位相+高周波歪み


インパルス応答(CSD)


インパルス応答(録音波形)


100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生


曲別HP探索2
第70回 Turn Off The Light/三浦大知
第83回 Let’s go!スマイルプリキュア!
第85回 12の練習曲/ショパン
第95回 大地讃頌(カンタータ「土の歌」から)(混4)/「あの日教室で歌った 思い出の合唱曲 あの素晴らしい愛をもう一度」より













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スペック

駆動方式 構造 周波数帯域 音圧感度 インピーダンス
ダイナミック 密閉型 16Hz〜24kHz 114dB 32Ω
重量 ドライバー直径 コードの長さ コードの出し方 備考
185g - 1.4m 片出し -

評点

音質 装着感 遮音性 音漏れ デザイン 携帯性 音の傾向 参考最安価格
3 4 4 3 4 1 7900円

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公開日:2012.4.28