TU-HP01

概要
 詳細はメーカー製品ページを参照のこと。
 入力端子はステレオミニ×1。使用する電池は単4乾電池4本。連続動作時間は約10時間(マニュアル記載の値、実測は約15時間)。ヘッドホン端子はミニサイズが1個。
 本体前面には左からヘッドホン端子、ボリューム(電源スイッチ兼用、ボリューム最小で電源オフ)、ゲイン切り替えスイッチ、入力端子が並んでいる。
 サイズはiPodより一回り大きいが、厚みは薄め。重量は電池を含めてもそれほど重くない(本体のみで123g、電池含めて約169g)。外観は赤いフロントパネルとリアパネルを除けば特に癖はない。作りは悪くないが、リアパネルを固定しているツマミや電池ボックスは微妙。

音質
 ややおとなしく聴きやすい印象。美音系と言っても差し支えないかもしれない。力強さや重厚さよりは繊細さや透明感の方がある。ロックや打ち込みよりも、室内楽やバラードに向いているように感じられる。ヴォーカルに艶がある感じ。味付けはそれなりに感じられる。密度は普通で、特に粗は感じない。輪郭はややぼやけ気味。質感はやや柔らかく、温かい傾向。立ち上がりはいまいち。切れやスピード感に欠ける。音の圧力に欠け、あまりガツンと鳴らさない印象。
 周波数特性はそこそこフラットだが、あえて表現するなら中低域が目立つような印象。低域はややぼやけたり曇ったりする質。高域はどちらかと言うと線の細い質だが、痛い感じではない。情報量は特別多くはないが、必要量はある。音の分離はくっきりはっきり分離するタイプではないが、その代わり調和が取れているような印象。音の分離より微細な表現の方が良い。空間表現は音の広がりが感じられる傾向で、明確さにはやや欠ける。残響音や伸びはやや豊か。その意味で真空管らしい音と言えるかもしれない。
 ヘッドホンとの相性よりも、聴く曲やどういう風に聴きたいかが大事になってくる印象。
 上記の内容は、デフォルトのオペアンプ(MUSES8820)でのもの。付属しているオペアンプ(OPA2604)に交換すると、若干濃密で迫力が感じられるようになる。

その他
 ボリュームノブの直径は約12mm、ポータブル用としてはやや大きめ。奥行きがあるため使いやすいが、携帯性という意味では邪魔になることがあるかもしれない。タッチはやや重めだが、ポータブル用であることを考えるとこれくらいが適度だろう。ガリノイズはない。ギャングエラーはボリューム最小付近で若干ある。音量の取りやすいヘッドホンを使用する場合はゲインを下げた方が良いだろう。ゲインはそれなりに高く音量の取りづらいヘッドホンでも十分な音量が取れるし、音量の取りやすいヘッドホンの音量調節もそれほど難しくはない。
 無音時のホワイトノイズはやや気になる。音量の取りやすいヘッドホン(例えばSuper.fi 5 Pro)を使うと、音楽を鳴らしていても小音量では気になることがある。
 電源をON/OFFする際、ゲインを切り替える際にノイズは発生しない。衝撃を与えるとキーンというノイズが発生するが、それほど大きい音ではなく、耳が痛くなったり音楽をかき消したりするようなことはない印象。
 発熱はほとんどない。電源ランプは緑色で、フロントパネルの「VACUUM TUBE」とうい文字が光る。明るさは普通。なお、電池残量が少なくなると赤色になる。

付属品
mini-miniケーブル
六角レンチ
交換用フロントパネル
交換用オペアンプ(OPA2604)













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スペック

形式 再生周波数帯域 全高調波歪率(THD) S/N比
Hybrid 9Hz〜65kHz - -
推奨負荷インピーダンス 外形寸法 重量 参考最安価格
16Ω〜32Ω 78(W)×117(D)×16(H)mm 125g ※ 18100円

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公開日:2014.2.24

※ 電池を含まない値。