SXH2
概要
詳細はメーカー製品ページ(http://www.perreaux.com/product.php?idp=48現在リンク切れ)を参照のこと。
入力端子はRCA×1系統。出力はヘッドホン端子(標準サイズ2個)以外に、RCAが1系統ある。RCA出力端子はスルーアウトとしても使用できる。
背面にゲイン切り替えスイッチがある。その他には特筆すべき機能はない。
比較的小型・軽量だが、内部写真を見る限り中身がスカスカと言うよりはケースが軽いようだ。外観はシンプルで癖のないデザインだが、質感等全体的に見るとやや安っぽいか。
音質
柔らかく、すべるように滑らかで聴きやすい。ジャンルで言うなら室内楽向き。特に室内楽をゆったり聴きたいときに向いている。ゆるいと言っても良い。付帯音という意味での味付けは感じないが、音そのものが柔らかくなり、非常にマイルドで心地よい。使用するヘッドホンやケーブルによっては、ベールがかかったように明瞭さに欠ける音に感じたり、塗りつぶしたように繊細さに欠ける音に感じたりする。ただし、これはそういう味付けというだけで、ドライブ能力の低さ等から来るものではないようだ。密度は高くないが、粗がなく非常に聴きやすい。輪郭は甘く、メリハリに欠ける。柔らかい質感で、温かいと言うよりはぬるい印象を受ける。音の立ち上がりはあまり良くないように感じる。圧力や元気の良さも感じられない。
周波数特性は多少癖がある。低域はローエンドまで伸びているのだが、厚みが薄く滑らかになる。高域は刺激や粗がなく聴きやすくなるが、全体的な量はそれほど少なくない。おそらくかなり高域の末端が弱くなっているのだろう。情報量は多くない。特に、質感のせいか、良くも悪くも微小なノイズ等は消えてしまう傾向にある。音の分離や微細な表現もあまり良くない。一つ一つの音を明確に描写したり、あまり線の細い鳴らし方をしたりはしない。ただ、音楽としては全体的にしっかりまとめてくれている印象。空間表現はどこか平面的になってしまう。残響音は適度だが、とにかく伸びが良い。その他気になる点としては、オーケストラ等を聴くと力感に欠けるし、激しいロックはかなり刺激が殺される点が挙げられる。
明るい、硬い、刺激が強すぎる、まとまりがないといった欠点を持ったヘッドホンと相性が良いように感じる。それらの欠点をかなり抑えてくれる。ただし、元々明るい表現やノリの良さを求めている人には決定的に合わない機種だろう。そういう意味では、ヘッドホンとの相性以前に、どんな音を聴きたいのかということの方がはるかに重要になってくる機種。
その他
ボリュームノブの直径は約24mm、大きすぎず、小さすぎずといった感じ。ただ、もう少し奥行きがあっても良かったかもしれない。ボリュームが8時以下では若干ギャングエラーが気になることがあるが、基本的にはほとんど問題ないレベルだし、ゲイン切り替えスイッチを使用すれば8時以下で使用する必要はまずない。ガリノイズはほとんど感じられない。ボリュームはごく低音量を除いて破綻しないが、若干ゆるみがあって、わずかに音量を上下しようとしても少し回しただけでは音量が変わってくれない。ただし、実用上はそれほど問題ないレベル。ゲイン切り替えスイッチをHIGH GAIN側にした状態で音量のとりやすいヘッドホンを接続すると、8時くらいで十分な音量が取れることもあるが、LOW GAIN側にすれば10時位で同音量になる。HIGH GAIN側では、音量のとりづらいヘッドホンでも12時以上に上げる必要はほとんどないだろう。ボリュームのタッチはやや軽い。
ゲイン切り替えスイッチは背面のかなり内側にあるため操作しにくい。ゲイン切り替えスイッチを上下してもノイズは発生しない。
発熱はほとんどない。電源ランプは青色で、発光部が小さいせいか、やや暗めに感じる。
付属品
電源ケーブル
測定データ(THD+N:20Hz-20kHz@64Ω、周波数特性:5Hz-60kHz、スペクトラム解析:5Hz-35kHz with 1kHz)
参考
不定期コラム『第40回 ヘッドホンアンプの内部写真』
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スペック
形式 | 再生周波数帯域 | 全高調波歪率(THD) | S/N比 |
Solid State | 5Hz〜60kHz | 0.001% | 115dB |
推奨負荷インピーダンス | 外形寸法 | 重量 | 参考最安価格 |
- | 216(W)×181(D)×58(H)mm | 1.4kg | 45000円 |
公開日:2006.11.2