SU-DH1

概要
　詳細はメーカー製品ページを参照のこと。
　本機は通常のヘッドホンアンプではなく、ヘッドホンサラウンドアダプターという名称になっている。ドルビーヘッドホン技術の搭載により、普通のヘッドホンで5.1chサラウンドを楽しめるというもの。
　入力端子はステレオミニ×1系統、光デジタルミニジャック×1系統。小型のため仕方ないと言えば仕方ないのだが、光デジタルミニジャックが使いづらい人も多いだろう。ゲインは-8dBと0dBから選べる。
　本体左側にはDC IN 3V端子（別売ACアダプター接続時に使用）と電源スイッチ、、本体前面にはボリューム、本体右側にはLINE IN ATTスイッチ（ゲイン調節0dB/-8dB）、光デジタル入力端子、ヘッドホン端子がある。本体上面にはドルビープロロジック�Uモード切替ボタン、ドルビーヘッドホンモード切替ボタンに加えて、POWERインジケーター、デコードモードインジケーター、ドルビープロロジック�Uモードインジケーター、ドルビーヘッドホンモードインジケーターがある。
　ドルビーヘッドホンモード（DH1、DH2、DH3、OFF）とドルビープロロジック�Uモード（AUTO、MOVIE、MUSIC、ドルビーヘッドホンモードがONのときのみ使用可）の組み合わせで計10種類の音を選ぶことができる。
　サイズは小さく、重量も軽い（本体のみで62g、電池含めて99g）。外観は価格の割には安っぽくないし、デザインも悪くない。

音質
　癖や味付けの少ない音。接続した再生機器の傾向が素直に出るが、質的には多少音が劣化する印象。厚みやメリハリに欠ける。基本的に、ただ何となく音を鳴らしているだけの機種。密度は薄くやや粗が気になる。輪郭は普通、質感は硬くも柔らかくもなく、温かくも冷たくもない。立ち上がりは普通。
　周波数特性はフラットだが、上も下もあまり伸びない感じ。低域も高域もあまりしっかり鳴らしてくれる感じではなく、質的にはかまぼこととらえた方が良いかもしれない。音の圧力や鮮やかさに欠ける。情報量は少なめ。音の分離や微細な表現は普通。空間表現は、広さ・明確さともに普通。残響音や伸びは普通。
　癖がないため、ヘッドホンを選ばない。ただ、サラウンド機能を使用した場合には、サラウンド効果の感じやすいヘッドホン・感じにくいヘッドホンが出てくる。これは実際に使ってみないと分からないが、基本的には元々音場が狭く不明確なものは良くない。
　ここまでの内容を読むとあまり音質が良くない印象を受けるだろうが、本機はサラウンド機能を使うことを前提として作られた機種であり、サラウンド機能を楽しむために必要な音質は持っていると言える。
　上記の内容はサラウンド機能オフのもの。サラウンド機能を使用すると、バーチャルサラウンドヘッドホン同様非常に違和感のある音になるだけでなく、一つ一つの音の輪郭が不明瞭になって不自然なエコーがかかったようになり、例えば歌詞が聴き取りづらくなる等の変化が起きる。取扱説明書によると、DH1（ミキシングルームのような残響を抑えた空間を再現）、DH2（適度に残響のある一般的なリスニングルームのような空間を再現）、DH3（小規模な映画館やコンサートホールのような空間を再現）ということだが、確かにDH1→DH2→DH3と空間が広くなり残響音が豊かになる。効果を強く感じたいならDH3が良いだろう。ドルビープロロジック�Uを使用すると、ドルビーヘッドホンのみのときと比べて遠くから音を鳴らすような感じで音量が小さくなり、細かい音が更に聴き取りづらくなる。MOVIEモードとMUSICモードを比べると、MUSICモードの方が低音より。低域がしっかり出るだけでなく、高域が弱くなる。サラウンドの効きは、バーチャルサラウンドヘッドホン（MHP-AV1）と比べると左右の広がりや後方で鳴らす感覚がしっかり出る。リアルサラウンドヘッドホン（HP-850XB）と比べるとサラウンドの効果が希薄でしかも音そのものが不自然。最終的な音質は、当然使用するヘッドホンによってかなり変わるが、基本的に前述のような音の傾向は変わらない。

その他
　ボリュームは、通常の時計状のものと異なるため慣れるまで多少使いづらい。ギャングエラーやガリノイズはない。インピーダンスが小さく感度の高いヘッドホンを使用すると、無音時のホワイトノイズが気になる。
　発熱はほとんどない。電源ランプやドルビープロロジック�Uモードは赤色、ドルビーヘッドホンモードは緑色、明るさは普通。

付属品
乾電池


　


※生産終了










戻る

スペック

TOP > HPAレビュー > SU-DH1

公開日：2008.4.15