買った理由は最近TDKのオーバーヘッド型を買っていなかったから。

 作りは価格なり。ヘッドホン本体側でもコードの着脱が可能。コードが幅広で絡みにくい点は良いが、扱いづらいと感じる人もいるかもしれない。やや硬い。プラグが4極のせいか、通常の3極のプラグと比べて機器によっては接触不良が発生しやすいようだ(使えないほど酷いことはまずないと思われる)。装着感は普通。側圧は普通。イヤーパッドは耳を覆うサイズだが、内周はあまり広くないため耳に当たる人も多いだろう。上下左右に角度調節ができるが、調節できる幅があまり広くない。装着の仕方にもよるだろうが、頭の幅が広い人は若干耳の上を押さえて耳の下に隙間ができるような装着感になることがあると思われる。遮音性は良好、音漏れ防止は普通だが密閉型にしてはやや悪い。

 音は価格の割にやや良い。ややドンシャリ。低域はやや量が多い。中低域よりも所謂重低音の方がしっかり出る。特に締まっているわけでもぼやけているわけでもない。重心はやや低め。中域はやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域は中域と同量から若干多め。どちらかと言うと線が細く明るい質。
 分解能は価格の割にやや良い。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろそれなり。音場感は、広さは普通からやや広め、明確さはやや良い。原音忠実性はそれなり。一聴してそれほど大きな違和感はない。原音の粗や生っぽさはそれなりに感じられる。エッジのきつさは普通で、聴き疲れは特に問題ないレベル。高域にしろヴォーカルのサ行にしろやや痛いと感じることはあるが、特に酷くはない。
 明瞭さ、音の鮮やかさはそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。厚みは普通。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。男性ヴォーカルよりは女性ヴォーカルに向いている印象。どちらかと言うとノリが良い傾向。切れやスピード感、低域に基づく迫力や力強さ、いずれも悪くない。響きは適度からややあっさり。
 弦楽器は生楽器らしさが感じられる傾向。金管楽器はそれなりに鮮やか。打ち込み系の音の表現はそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。音の質感の相性や切れが若干良い。
 この価格帯の密閉型ヘッドホンとしては音場が広めで大きな欠点のない機種。













戻る





ST560s

TOP > ファーストインプレ > ST560s