ヘッドホン SHURE SRH440 投稿レビュー

『再生環境、アクセサリー』
VGN-FZ50B(ノートPC)→CARAT-T2(USB-DDC)→CARAT-SAPPHIRE(DAC※DDCと同軸接続)→HD53N(HPA)
foobar2000・WASAPI出力(再生ソフト)
NOISE HARVESTER(PS Audio)、OCB-1 ST(オヤイデ電気)

『所有ヘッドホン』
AH-D7000、ATH-SJ55、ATH-W1000X、EXH-313、HP-53FB、HP-DX1000、K271 MKII、KNS8400/6400、MDR-CD900ST、MDR-Z1000、
MDR-ZX700/500/300/100、SRH840

※100時間使用してのレビューです。
『音の特徴』
帯域のバランスは、中高音・ハイエンドが強く、高音はさらに強い。ローエンドはやや弱い。
高音はやや硬い。金属的で鋭いうえに、明るいため聴き疲れる。
中音は厚みがあり、滑らかで、柔らかい。明るめで、中高音の擦れがやや気になる。
低音は厚みはあるが、量感は少ない。締まりは良くないが、音圧が低いため、それほど気にならない。

明るく煌びやかな音。ただ、低音～中音に厚みがあり、しっかり出ているので、高音がうるさいだけの音ではない。
中高音～高音に刺激があるわりには、低音～中音の柔らかさと滑らかさのおかげで、聴きやすい。
鈍くはないが、キレは今ひとつで、スピード感やノリは良くない。

音場はやや狭い。左右の広がりは良くないし、奥行きも浅い。ただ、響きが良いため、空間が狭いなりに広がりを感じられる。
音の分離・細部を拾う能力は今ひとつで、音の位置・距離感がぼやけていて、やや分かりにくい。
さらに響きが良いこともあって、曇り・こもりを感じる。

『相性』
高音楽器と相性が良い。明るく派手な高音表現が持ち味。ハイハットの刺激的で金属的な響きを、しっかり楽しめる。
また、厚みがあるので、トランペットなどを力強く鳴らしてくれる。

ボーカルは重心が高く、明るく聴こえるため、男女の声ともに自然さは今ひとつ。
ただ、厚みがあり、滑らかなので、違和感はかなり少ない。女性の声では、明るさと張りの表現に優れている。
SRH840と同様、透明感・艶は今ひとつ。サ行はかなり目立っていて、鋭い。SRH840よりも鮮明に聴こえる。

『その他』
側圧はやや緩い。イヤパッドが硬いため、ごつごつした感触が気になる。本体が軽量なため、頭頂圧はそれほど気にならないが、ヘッドバンドの硬さは若干気になる。
側圧の緩さ、イヤーパッドの吸着の弱さなどから、重量のわりにズレやすい。遮音性・音漏れ防止は優秀。遮音性はSRH840よりも若干落ちる。

本機はSRH840の下位機種だが、帯域のバランスが違うので、単純に本機がSRH840よりも劣っているとは言えない。
ローエンド～低音よりも、中高音～ハイエンドを明るく鮮明に聴きたい場合には、本機の方が合っている。
低音の音圧が弱いため、SRH840で感じられるような低音由来の曇り・こもりも少ない。
本機の低音が弱いと感じたり、中音の重心の高さ、音場の狭さに不満を感じたり、もっと厚みや滑らかさが欲しい、
と思った場合にはSRH840を選ぶか、本機のランクアップとして購入すると良いだろう。

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