第5回 ヘッドホンの扱い方

 ヘッドホンは精密機器です。扱いには意外と注意が必要です。今回はヘッドホンの扱い方についてまとめてみます。


☆高温・高湿・直射日光のあたる場所は避ける
 温度・湿度は、特にヘッドホンを長期間保管する場合には注意が必要です。
 ヘッドホンの振動板はポリエチレンなどが主流で温度・湿度でそれほど劣化するものではありませんが、機種によって様々な材質を使用していますし、音質に最も敏感に影響する部分ですので、注意するに越したことはありません。また、ドライバやコイルは金属製なので、高温・高湿は良くありません。
 1台しかヘッドホンを持っていない場合には出しっぱなしにするのが普通でしょうが、その場合でも窓やエアコン、電気ポットの近くなどは避けたほうが良いでしょう。

☆ホコリ対策
 ヘッドホンの天敵と言えばホコリです。特に開放型では振動板の両側からホコリが攻撃してくると考えたほうが良いです。
 長期間保管する場合はもちろん、普段使用する物もホコリが入りにくいようにケースに入れたり、空気の動きが激しい場所に置かない等の注意が必要です。
 また、フィルタやハウジングにホコリが付着しても、息を吹きかけたりエアーブローしたりしてはいけません。手で取るのが一番ですが、材質によっては粘着テープなどで取ると良いでしょう。

☆コード・プラグの扱い方
 コードの断線は意外と侮れません。特にアウトドア用やインナーイヤー型のものについては、大きな故障原因です。ヘッドホン本体とコードの接続部は弱いので、無理に引っ張ったり曲げたりしないようにしましょう。また、Y字のものは合流部で接触不良になることが多いです。
 再生機器と接続するプラグは、時々乾いた布で拭いた方が良いです。ホコリが付着している状態で使用すると、音質に影響することもありますし、再生機器のヘッドホン端子を痛める可能性もあります。当然のことながら、端子を抜き差しする際はプラグの根元を持ち再生機器を押さえるようにしましょう。

☆衝撃
 意識したことがない人も多いと思いますが、ヘッドホンのドライバはあまりしっかり固定されていないことがあります。従って、手荒に扱って衝撃を加えると、がたつきが生じて故障する可能性があります。場合によっては、それが原因で異音が発生することがあります。

☆イヤーパッド
 イヤーパッドは肌に直接触れるので、実はかなり汚れます。交換用のイヤーパッドを売っている機種もあるので、その場合にはある程度汚れたり痛んだりしたら交換した方が良いです。分からない場合にはメーカーのサポートセンターに電話するのが基本です。交換してくれることもあります。
 交換しない(できない)にしても、皮製のものなら中性洗剤を染み込ませた布で拭き、布製のもので取り外しできるものなら洗濯するのも手です。シンナーなどの溶剤は使用してはいけません。
 直接音質には影響しませんが、肌に触れるものなので衣服と同じような感覚で扱う気持ちも必要です。


 基本的なことを書き過ぎですね・・・不快に感じた方がいたらすいません。しかし今回の内容は、大切なヘッドホンを少しでも長く快適に使用するため必要なものです。なので手抜きせずに書いたつもりです。
 機種によっても差が出ますが、ヘッドホンは大切に使えば10年以上使用できます。また、個性的で代えがきかないヘッドホンも多数ありますし、エージングによって音が変化し愛着が湧くものです。今回の内容を守ってヘッドホンライフを楽しんでください。







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