ヘッドホンレビュー各ページの音質の項目書き直しに当たって
今回、以前から問題となっていたヘッドホンレビューの各ページの音質の項目について、不適切な表現や間違い、不統一があった点を訂正しました。これは、初期に書いたレビューと最近になって書いたレビューでは、どうしても食い違い出てきてしまったため、やむなく行ったものです。また、サイトを公開してしばらくしてから比較メモ等のページを追加したために、省略したほうが良いと感じた部分は削除しました。
訂正は以下のような方法で行いました。
1.何も見ないで20枚程度の様々なジャンルのCDを聴きながら、なるべく先入観無しに新しくレビューを書く。
2.旧レビューと新しいレビューを見比べて、新しいレビューをベースに最適と思われるレビューに仕上げる。
3.最終的に書き上がったレビューにおかしい点がないか、実際に音楽を聴きながらチェックする。
正直、一度書いたレビューを書き直すのは苦しい部分もありました。
オーディオのレビューにおいて書き直しというのはタブーではないかという後ろめたさ、書き直すからには最善を尽くさなければならないという重圧、自分の間違いを見直す作業の連続であることの苦痛。それらを背負いながら、それでも楽しむことを忘れずに作業することができたのは、音楽とヘッドホンが本当に好きだったからだと思います。また、利用者の皆様の応援も大きな支えとなりました。
もちろん、本サイトの利用者の皆様の中には、訂正後の内容にも不満を感じる方も多いかと思います。しかしながら、これが現時点で私が最善を尽くした結果です。あまり時間をかけるわけにはいかないという思いから、多少は妥協した点もありますが、それでも自分としては納得のいくものに仕上がったと思っております。また、書き直しは本サイトをできるだけ良いものにするために行ったものです。どうかご理解頂きたく思います。
利用者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫びします。今後とも応援宜しくお願い致します。
05年10月10日 管理人He&Bi
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以下、ヘッドホンレビューの各ページの音質の項目の旧バージョン
HP-AK101
やや低音より。低域は厚みは程々だが全体的に出る。中域〜高域は低域が覆ってしまう感じでやや曇っている。
分解能及び音場感は価格なり。あまり原音に近いとは言えない音。エッジはきつくなく聴きやすい。
そこそこ厚みのある音でノリは良いのだが、明瞭さや鮮やかさはいまいち。音がぼわつく感じで、情報量も少なめに感じられる。その結果分解能も悪くなっている模様。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。響きは適度。
HP-X122の音場感を良くして開放型にしたような音。音の傾向そのものはかなり近い。
HP-X122
これ以上ないほどのドンシャリ。かなり低音が出るが、他社の低価格帯のように全音域を覆ってしまうことはなく、中・高音も比較的良く聴こえる。正直言って、価格から期待される音質をはるかに上回っている。
鳴りっぷりが良く、かつ分解能もそれなりに良く感じる一方音場感はいまいちで、耳のすぐ近くで音が鳴っている上エッジがきつめのためあまり聴きやすいとは言えない。
ノリは良いが、温かみや艶っぽさはなく、音そのものが色付けされているためクラシックなど自然な音楽を聴きたい場合には向かない機種。響きは適度だが、密閉型特有のこもり感が気になる。また、無音時のノイズも大きい。しかし、この価格でそこまで求めるのは酷というものだろう。人によっては1万円クラスの音質と言う人もいるほどだが、個人的にはそこまでではないと思う。それにしてもコストパフォーマンスが抜群であることは確か。
AHP-505
低音より。低域は厚みはあまりないが、量はかなり出る。中域は雲のような低域に埋もれる。高域はやや控えめ。
分解能、音場感、原音忠実性は最低限。特にエッジがきついわけではないが、低域がかなり出ること、こもり感が気になることから、やや疲れやすい。
明瞭さ、音の鮮やかさは悪い。低音よりのため温かみはそれなりにあるように感じられる。ヴォーカルの艶っぽさはいまいち。響きは適度。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない、ただ音を鳴らすだけの機種。
ATH-A500
かなりフラット。低域は全体的にやや強めだが、厚みも量もそれほどでもない。高域はaudio-technicaの癖があるものの、癖の強さはわりと控えめ。中域もしっかり聴こえる。
分解能及び音場感は価格のわりにはかなり良い。エッジはややきつめで聴き疲れしやすい。
明瞭でそこそこ鮮やかな音を鳴らすが、厚みや温かみ、ヴォーカルの艶っぽさには欠ける。かなりシャープで硬い音で、冷たい印象を受ける。
ATH-A900と比べるとややドンシャリで、繊細さや音の広がりに欠ける。低域の強いソースではこもり感がかなり気になる。コストパフォーマンスは良いと言えるが、聴き込むとやや粗が目立つのが残念。
ATH-A900
やや高音よりだがかなりフラット。
価格のわりに分解能・音場感ともに良好。それなりに繊細である一方、不自然な音を鳴らすこともある。音にまとまりがなく、スカスカに感じる。
エージング前は高音やサ行の音がきつく感じる上に低音が不足しているように感じるが、エージングするとややきつさが取れ、低音も良くなる。ただ、若干エッジはきつめかもしれない。音に広がりがある反面、切れやノリの良さには欠ける。
明瞭だが温かみや艶っぽさには欠け、何を聴いても一様に冷たく機械的な音を鳴らすように感じるが、この価格帯でそこまで求めるのは酷か。つまらない音を鳴らすと言われても仕方がないほど個性がないが、どんな音楽でもそこそこ聴けるレベルで鳴らすのは凄いと思う。
ATH-AD2000
非常にフラット。エージング前は高音が全然出ないが、エージング後はそれなりに出るようになる。
分解能、音場感ともに良好。特に音場は分かりやすく、それなりに広い。
エッジのきつさはほどほどで、それなりに聴きやすい。繊細さを要求される曲からノリの良さを要求される曲まで非常にバランスよく鳴らしてくれる。
明瞭ではあるが、これまでのaudio-technicaの機種と違い作ったようなわざとらしい感じはしない。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそこそこ。響きは適度で音の伸びが非常に良く、弦楽器が心地よく楽しめる。その一方で金管楽器はやや鮮やかさに欠けるように感じる。
ATH-W1000やATH-AD700等と比べると高音の癖がなくシャリつく感じもしないし、低音よりでおとなしい音作りになっている。audio-technica独特のスカスカした感じはほとんど感じられない。これまでのaudio-technicaの音が好きな人には正直あまりおすすめできないが、そうでない人にはおすすめ。
ATH-AD700
やや高音よりながらそこそこフラット。
分解能及び音場感はそれなり。音に広がりがあるが、線が細く迫力はいまいち。明瞭だがエッジがきつめでやや聴き疲れする。
艶っぽさや温かみにはやや欠ける。スカスカした感じが気になる。高音よりの機種なのに高音がシャリつき気味なのが不満。何を聴いても冷たく聴こえてしまうし、ノリが良いわりには音の厚みが足りないので、いまいち使いづらい。ただし、響きは適度で好感が持てる。
全体的にATH-A900と似た音質。ATH-A900と比較すると、開放型のため音の抜けはよくなっているが、分解能は下がっている印象。HP1000の対極にあるような乾いた音調だと感じた。
ATH-EM7
かなり中域強調の機種。低音が全く出ず、高音もそれほど聴こえてこない。
分解能は悪くないが当然音場感は悪い。
クリアというよりは粗さの目立つシャープさといった感じの音。温かみや艶っぽさにも欠けるが、かまぼこだけあってそれなりに芯が通った音を鳴らす。正直、総合的な音質はオーバーヘッドの耳覆い型の同価格帯標準レベルよりやや悪いだろう。
ATH-M40fs
かなりフラットだがややかまぼこ。きれいに中域≧高域≒低域≧超高域≒超低域になっている。
分解能、音場感ともに良好。ただし、耳の近くで音が鳴っているのが気になる。
原音に忠実だが、audio-technicaらしいスカスカした感じと高音の癖はある。エージングによって良くはなるもののエッジがきつく、ソースのノイズをかなり拾うため非常に聴き疲れしやすい。モニター用らしい音で、ノリが良いわけでもないし繊細なわけでもないが、それなりに芯の通った音。
そこそこ明瞭だが、温かみには欠ける。ヴォーカルの艶っぽさは不足気味だが、ある種の生っぽさはある。響きは豊かだが、伸びはいまいち。全体的に見てモニター用の音を求めているなら悪くないが、音楽鑑賞にはあまり向かない。
ATH-PRO700
ややドンシャリだが、普通のDJ用の機種と比べると非常にフラット。低域は超低域が若干弱め、厚みはそれほどでもない。高域はaudio-technicaにしてはやや大人しめな印象。
分解能、音場感、原音忠実性はすべて価格なりだが、音場感はDJ用にしてはかなり良いように感じる。ただし、非常に耳の近くで音が鳴る。エッジはややきつめだが、audio-technicaの中では聴き疲れしない部類に入る。
低域が強いわりには明瞭で、そこそこ鮮やかな音を鳴らす。線の太い音で、厚みもかなりある。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。かなりノリが良い。響きは適度だが、かなり低域が出るためこもり感が気になる。
ATH-SX1
ややかまぼこ。高域はやや強め、中域は強め、低域は最低限の厚みはあるが超低域が不足。audio-technicaらしい高音の金属めいた鳴り方がある。
分解能は良好、音場感は普通。モニター用らしく原音に忠実。
エッジはややきつめで聴き疲れするが、MDR-CD900STほどではないし、モニター用にしてはかなり聴きやすい。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない、冷静な鳴らし方。非常に明瞭で澄んだ音を鳴らすが、鮮やかさにはやや欠ける。温かみはそれなりといった感じだが、意外なことにヴォーカルがなかなか艶っぽい。
購入前はモニター用、しかもaudio-technicaとなればスカスカした感じや乾いた感じは避けられないと思っていたが、杞憂だった。響きは適度で、締めるところは締めるという感じで時折切れの良さを見せてくれる。モニター用の機種やかまぼこの機種は、どうしても何か物足りない感じになりがちだが、このヘッドホンはそういう不満がないし、どんなジャンルでもそこそこ鳴らしてくれる。
ATH-T2
低音より。低音は出ないことはないが厚みがあるとはいえないし、高音は全く駄目。
分解能・音場感ともにまったく駄目。
自然さや繊細さは欠片もない。エッジはそれほどきつくなく、一応聴ける音ではあるが、とにかくこもる。それはもう、ソースや機器によっては笑えるくらい。それ以外の変な癖がついてないのがせめてもの救い。ただ音を鳴らすだけのヘッドホンで、音楽を楽しむのには絶対に使えない。
ATH-T44
高音よりのドンシャリ。低域は薄く、かなり曇っているように感じる。高域はかなり細く高い音で、シャリつく。
分解能、原音忠実性は価格なり、音場感は価格のわりにはなかなか良い。エッジはきつくかなり聴き疲れする。
明瞭さは悪いが、音の鮮やかさはそれなり。厚みは薄いが、そこそこ力強い鳴らし方ではある。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。響きは適度だが、こもり感がかなり気になる。こもり感とシャリつきが致命的な印象。
ATH-W1000
やや高音よりながら非常にフラット。他にはない高音の味が楽しめる。
分解能及び音場感も良好。
audio-technica独特の癖があり全体的な自然さやヴォーカルの艶っぽさはいまいち。エッジがややきつめではあるが、それにも増して明瞭さが魅力。繊細でいて響きが豊か。密閉型特有のこもり感はあまり気にならない。
ATH-A900と比較すると、分解能や音場感が若干良く、サ行等のきつさがない。それによって、ATH-A900と違い、あたたかいものはあたたかく聴かせてくれるヘッドホンになっている。自然さという意味ではATH-A900を圧倒していると言える。ATH-A900もバランスが良かったが、さらに良くなっている機種。全体的には温かみよりも、透明感が魅力の音調。密閉型同価格帯のライバル機種であるMDR-CD3000と比較しても透明感がある。ただし音の厚みや温かみではMDR-CD3000に負けており、総合的にみて音質はほぼ互角。
AH-G100
ややかまぼこ。低域は必要最小限、高域はそれなりにしっかり聴こえるが、粗が気になる。
分解能、音場感、原音忠実性すべていまいち。エッジがきつくやや聴き疲れする。サ行の音等も痛い。
明瞭さはそれなり、音の鮮やかさは悪い。密度が薄く、音が粗い。温かみやヴォーカルの艶っぽさは悪い。ノリが良いわけでも繊細なわけでもないが、価格を考えれば最低限のバランスだけは保っているように感じる。響きは適度。
なお、本機は2Wayサウンドシステムという特殊な構造で音の調節ができるが、上記の内容は密封状態のもの。開放状態にすると低域の量がかなり増え、スカスカした感じはしなくなる一方で曇りが気になる。ただし、それでもあまり過剰な低音とは感じないレベル。密封状態と開放状態の中間ぐらいが、ちょうどバランスが良いのかもしれない。
HN-505
かなり低音より。低域は厚みは薄いが量はかなり出る。中域〜高域は完全に低域に埋もれる。かなり曇っているように感じる。
分解能、音場感、原音忠実性は悪い。エッジはあまりきつくなく聴き疲れしない。
明瞭さ、音の鮮やかさは悪い。厚みが無く、迫力に欠ける。温かみやヴォーカルの艶っぽさは最低限。響きは適度。基本的にはただ音を鳴らしているだけの機種。
上記の内容はノイズキャンセル機能がオフのときのもの。ノイズキャンセルをONにすると音量がかなり大きくなってサーノイズが入る代わりに、やや曇りが晴れる。
AH-G500
高音より。
分解能・音場感ともに価格なりの価値はあるが、低音が弱いためノリの良い音楽を聴くには向かない。
エッジがきつく、高音はしゃりつくが、他社の同価格帯にはないクリアな音を鳴らしてくれるのが魅力。そこそこ自然で、ヴォーカルの艶っぽさもあるが、温かみには欠ける。響きは適度。ボリュームを上げると簡単に音が割れる。ホワイトノイズが大きく、長時間聴くと疲れるのが難点。
DR-631
かなりのかまぼこ。特に低域はバッサリ鳴らない。高域も必要最小限。
分解能は非常に高いが、全体的にやや曇っているような音なので、実力よりも悪く感じるようだ。音場は狭いがかなり明確。曇りを除けば非常に原音忠実。ソースの粗もかなり分かりやすいが、意外なことにエッジはきつくなく、聴きやすい音。
明瞭さや音の鮮やかさはいまいち。音の厚みや情報量は十分。温かみやヴォーカルの艶っぽさは感じられない。極めてモニター的な冷静な鳴らし方。響きはあっさり。
コストパフォーマンスは決して良いとは言えないが、モニター用途でMDR-CD900STではエッジがきつすぎると言う人には最適かもしれない。
EH-95
かまぼこ。低域はバッサリ鳴らない。高域も最低限の量しか出ない。
分解能、音場感、原音忠実性すべて悪い。エッジはあまりきつくなく、聴きやすい。
明瞭さや音の鮮やかさは悪い。温かみやヴォーカルの艶っぽさは、曇っているためそれなりにあるように感じるが、それだけ。その他の欠点としては、密度が薄く、音の粒が粗いのが気になる。
価格から想像できる通り、ただ音を出すだけの機種。
T50RP
基本的にはフラットだが、高音はあまり出ず、厚みのない低音が支配的。中域はそれなりに聴こえる。不等号で表すと中域≧低域>高域という感じ。音域傾向云々よりも、かすんで切れのない音が不満。
分解能はそこそこだが、全面駆動型のため音場は広い。広いのだが、音が響きすぎのためハウジング内で音が混ざって分離して聴こえないので、せっかくの音場の広さが死んでいる。特に低音が強いソースではその傾向が顕著。
半開放型だが、音量を上げると密閉型のハウリングのようになる。そのせいか、それほど刺激的ではないのに聴き疲れしやすい。明瞭さやノリの良さは欠片もないが、温かみや艶っぽさはそれなりにある。欠点ばかりのようだが、ヴォーカルはそこそこ良く聴こえるし、特にコーラスが不自然ではない程度に良く分離して聴こえる。
エージング前ははっきり言って聴けたものではないが、エージングによってかすみが晴れてくれる。エージングによってこれほど音質が改善されるヘッドホンも珍しい。
CDH-505
やや低音より。超低域はあまり出ないが、低域の厚みはそれなりにある。高域は弱め。低域〜中域は曇っているが、高域だけは澄んでいる。そのため量は少ないのにハイハットなどの高域がやたら浮いて聴こえる。
分解能及び音場感は価格分の価値はあるが、特に良いというわけではない。あまり自然な音ではないが、エッジがきつくなく聴きやすい。
ノリが良いわけでもなく、繊細なわけでもない。明瞭さに欠け、音に鮮やかさがないが、温かみやヴォーカルの艶っぽさは最低限はある。響きは適度で、外観から想像されるよりおとなしい音。
CDH-507
かなりのドンシャリで、低音よりも高音が痛い。
慣れると価格のわりには分解能が良いことが分かるが、バランスが良いとは言えないし癖が強すぎて安心して聴けないほどすごい音を鳴らす。音場感はいまいち。
基本的にはノリが良いのだが中域が出ず、耳から離れた場所でなっている感じがする。エッジがきつく、非常に癖が強い。サ行の音などもかなり痛い。自然さや温かみは欠片もない。
ある意味RP-HT770などのかすんだ音とは正反対の明瞭な音。
CDH-508
やや低音より。イヤーパッドが布製のわりには音の抜けが悪く、曇っているようにも感じる。DJ用に求められるような、いわゆる締まった低域や物凄い量の低域とは違う。良く言えば柔らかいが、悪く言えばぼやけている印象。中域は低域に埋もれ気味。高域はやや控えめだがそれなりに聴こえてくる。
分解能、音場感、原音忠実性すべていまいち。エッジはきつくなく聴きやすい。
明瞭さや音の鮮やかさはいまいち。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。基本的にはノリが良いのだが、音の切れが悪くウォームさがあるためノリきれないという印象。響きは豊か。
DJ用ではなく、音楽鑑賞用の低音よりの機種と考えれば、価格なりの音質ではあるように思う。
SP-K300
低音よりのドンシャリ。低音は全体的に十分出るように感じられるが、超低域は若干弱めで、厚みもそれほどない。ただ、かなりこもるため圧力はあるし、実際よりも超低域が出ているように感じるようだ。中域〜高域は低域と比べてかなり弱めだが、高域はaudio-technica特有の硬い感じがあるためそこそこ聴こえる。
分解能、音場感ともにそれなり。基本的に低めの音を鳴らすこともあり、あまり自然な音とは言えない。エッジがきつめの上にかなりこもるため聴き疲れする。
明瞭さや鮮やかさには欠けるが、厚みはそこそこある。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。ノリが良いが、切れが良いわけではなく、響きが豊か。ベースが非常に強調されるのが印象的。
Z headphones
ドンシャリで、中域はあまり聴こえない。特に低域はもの凄い量。厚みはそれほどでもないのだが、超低域まで容赦なく大音量で鳴らす。
分解能、音場感ともに良くない。エージング前は非常に曇っているが、エージングによってその曇りは嘘のように晴れる。ただし、それでも低域は曇っているし、全体的にも自然とは言えない音を鳴らす。
エッジはややきつめだが、曇りのおかげかそれほど聴き疲れはしないレベル。基本的にはノリが良いのだが、明瞭とは言えない。ただし、低域のないソースでは非常に明瞭になる。
響きはあっさりで、低域を除けば切れも良い。温かみやヴォーカルの艶っぽさは欠片もない。ベースが非常に強調される上、魅力的とは言えない音になる。
RP-HT510
かなりのドンシャリで、低音よりも高音が痛い。
分解能や音場感は価格分の価値はあるが、とにかくエッジがきつくて1時間聴いていられないほど疲れる。
さらさらした艶っぽさみたいなものはあるのだが、サ行の音等がかなり痛い。明瞭でノリが良いが、ただ音を鳴らしているだけで、まったくまとまりがない。音の響きは適度で好感が持てるが、音そのものの自然さは欠片もない。
ドンシャリ具合やエッジのきつさなど、全体的にはCDH-507と似た音。
RP-HT770
全体的には若干低音よりながらかなりフラット。周波数特性に多少癖があるのか、中〜高域で他のヘッドホンではあまり聴こえない音を大きな音量で鳴らしたりすることがある。
分解能及び音場感は悪く、繊細さや自然さに欠けるが、価格を考えれば気にならないレベル。
基本的にはノリが良いのだが、霞がかかったような明瞭とは言いがたい音を鳴らす。音の広がりが悪く水気が足りないのも魅力不足の原因。低音がぼわつくのもかなり気になる。
MDR-F1などと同じで、開放型だというのにクリアさが感じられないかわり聴き疲れはしない。ただ、低価格開放型でかなりフラットという珍しい機種なので、もっと評価されてもいいと思った。Panasonicだというのにあまり置いている店が無いのが残念。
SE-900D
若干かまぼこ気味だが非常にフラット。ただし、一聴してドンシャリにも感じる。実際よりドンシャリに感じられるのは、音に厚みがあり、しかもなかなか明瞭だからだと思われる。低域は超低域がやや弱めだが基本的には厚みも量も十分。高域は下品にならない程度に出る。
分解能、音場感ともに価格なり。音場はある種の立体感があるが、やや癖がある。音そのものは原音に近いが、ドンシャリ気味で響きが豊かなため、モニター用の機種とは異なる趣がある。全体的に安定した厚みのある音を鳴らす。エッジはきつくなく、聴き疲れしない。
明瞭ではあるが、鮮やかさにはやや欠ける、古臭い音作り。温かみやヴォーカルの艶っぽさは十分。一聴するとノリが良いように感じるが、繊細さも秘めている。音の伸びが良く、弦楽器が心地よく楽しめる。
SE-M870とかなり似ているが、SE-900Dの方がフラット。
SE-A1000
ややドンシャリ。低域は超低域までしっかり出る上、厚みも開放型にしてはかなりのもの。ヴォーカルなどの中域はやや弱め。高域は十分出るが、低域ほど豊かではない。
分解能や音場感は価格なりといった感じだが、癖がなく聴き疲れしない音が魅力。ただし、耳の近くで音が鳴っているのが気になる人も多いかもしれない。
低音が超低域まで出ていて、エッジもきつくなく、温かみがある。それでいて高音も美しい。ノリの良さと自然さを兼ね備えており、ヴォーカルもなかなか艶っぽい。ノリが良いといっても切れが良いわけではなく、むしろ響きが豊か。サラサラした独特の透明感のようなものがある。個人的には好きだが、芯の通った音を求める人には向かない。
当たり前と言えば当たり前なのだが、同じPioneerのSE-MONITOR 10Rとは正反対の音調で、同じメーカーでここまで違う音を鳴らすのは珍しいと感じた。
SE-E33
かまぼこ。低域が出ないわりに、曇っているように感じる。高域もやや控えめ。
分解能、音場感、原音忠実性すべていまいち。特殊な構造のため、耳かけ型でありながら半ばインナーイヤーのような音場。狭い上に立体感もない。エッジはきつくなく聴きやすい。
明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべていまいち。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない。響きはあっさり。力強さが感じられない。全体的に見て出来が良いとは言えないが、価格のわりには大きな欠点がないように感じる。ただし、つまらない音。
SE-F3
かなりフラットだが、ややかまぼこか。耳のせサイズでしかも側圧が弱めなため、頭の幅や装着の仕方によってかなり低域の量が変わってくるが、基本的に必要量は出る。ただし、頭の幅が狭い人はかなり低域の抜けが良すぎるように感じると思われる。ヴォーカル等の中域はしっかり聴こえてくる。高域は十分量出るし、それほどシャリつかない。
分解能、音場感ともにいまいちだが、価格のわりに原音忠実。エッジは多少きつめかもしれないが、それほど聴き疲れしないレベル。
明瞭さ、音の鮮やかさはなかなか良いが、密度が薄く粗があるように感じる。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。基本的にはノリが良いが、低域の抜けが良いので、密閉型のような圧力のある低域を求めている人には向かない。響きはやや豊か。全体的に、かなり癖のない音。
SE-M380
低音より。厚み、量ともに低音が豊かな一方、高音が不満。
分解能や音場感はいまいちだが、エッジがきつくなく、なかなか聴きやすい。
密閉型特有のこもり感が気になるものの、それなりにノリが良い。自然さや明瞭さには欠けるが、温かみや艶っぽさのようなものは多少感じられる。POWERFUL BASS DUCTという独特の構造のため、低音の抜けが開放型に近い印象を受ける。
もう少し音に鮮やかさがあればHP-X122といい勝負なのだろうが、スピード感に欠けるところ等やや力不足。
SE-M870
ドンシャリだがヴォーカルなどの中域もそれなりに良く聴こえる。低域は超低域まで出ており、厚みも量も十分。トライアングル等の高音はそれほど強いわけでもないが、ハイハットくらいになると強くしかも美しい。
分解能は価格のわりにはかなり良いが、音場感はいまいち。音が頭の中で鳴っている感じが気になる。
原音忠実をうたっているだけあって音そのものは原音に近いが、ドンシャリで響きが豊かなため、モニター用の機種とは異なる趣がある。全体的に安定した厚みのある音を鳴らす。
エッジのきつさはほどほど、ホワイトノイズが大きめだが、それほど聴き疲れはしない。ソースの粗はあまり気にならず、チープな環境でもそこそこ鳴らしてくれる。基本的には適度な刺激が楽しめる上、温かみにあふれている。
音の伸びが非常に良く、弦楽器が心地よく楽しめる。低域が強いソースでは密閉型特有のこもり感が気になるものの基本的には明瞭。ベースやハイハットがくっきり聴こえるのが印象的で、かなりノリが良い。ヴォーカルは芯が通っていて尚且つなかなか艶っぽく、しかもコーラスが良く分離して聴こえる。
何を聴いてもそれなりに良く鳴らしてくれるが、あえて得意ジャンルを探すならトランス等の打ち込み系の曲か。総合的な音質はかなり良いだけに、音場感の悪さが非常に残念。
SE-MONITOR 10R
ドンシャリ気味(低音と高音が強調されているというよりも中域が弱く感じる)で高音がややきつい。
分解能、音場感共に悪くない。音にまとまりがなく、少し耳から離れているところで鳴っているように聴こえるのが不満。
名前のとおりモニター用の音で、ややエッジがきつめ。自然でバランスよい音楽を聴きたいならあまり向かない機種だが、明瞭で切れの良い音を求める時には良い。温かみや艶っぽさには欠ける。
SONYやaudio-technicaにはない音だと感じた。
RH-200
低音よりのドンシャリ。低域はかなり量が出る。締りとは無縁の質。中域は低域にやや埋もれ気味。高域はしっかり聴こえてくる。
分解能は価格以上のものを持っているが、やや低域に足を引っ張られている感がある。音場感は普通。原音忠実性はいまいち。エッジはそれほどきつくないのだが、低域がかなり出ることやノイズを拾いやすいことから、多少聴き疲れしやすい。
明瞭さや音の鮮やかさはそれなり。低域が出るわりには温かみに欠ける。ヴォーカルの艶っぽさはいまいち。かなりノリが良い。響きは豊かで、こもり感がかなり気になる。欠点もあるが、勢いのある鳴らし方が魅力的。ロックと相性が良い。
HP-MD1
かなりフラット。耳かけ型にしては低域がしっかり出る。それでいて中域も聴こえてくる。高域は必要量といった感じで、痛く感じたりはしない。周波数特性的には非常にバランスが良いと言えるだろう。
分解能、原音忠実性は価格なり。音場感は意外と良い。エッジはきつくなく聴きやすい。明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはすべていまいち。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない。響きは適度。
なかなかバランスがよく、価格分の音質はある。特に耳かけ型で低域の量が欲しい人にはかなり向いているだろう。
MDR-CD3000
やや中域が強いがかなりフラット。全音域が少しずつ強調されたような独特の音。
分解能が高く音に広がりがあるが、音場そのものは狭い。
エッジはあまりきつくなく、そこそこ自然で温かみがあるが、繊細さにはやや欠ける。かなりオールマイティにバランスよく音楽を聴かせてくれる。密度の高い安定した音で、安心して聴ける。密閉型特有のこもり感がほとんど感じられない。SONYらしい音で鮮やかさや刺激には欠けるものの、密閉型最高レベルの音質。
MDR-CD480
低音より。
分解能及び音場感は値段なり。
密閉型特有のこもり感が気になる。高音がかなり不満でクリアさにも欠けるが、SONYらしい低音はある。温かみや艶っぽさのようなものはあるが、自然さや繊細さには欠ける。また、無音時のノイズが大きい。不満ばかりのようだが、聴き疲れの少ない音で、ポップスはそこそこノリ良く鳴らしてくれる。
MDR-CD900ST
フラット。
分解能が高く、音場感も悪くないがそれほど広いわけではない上、良く響くのでいまいちに感じる。
原音忠実を最優先するならこれ以上の機種はないだろう。ただ、あくまでモニター用なので、ソースの粗を拾いやすく、繊細さやヴォーカルの艶っぽさには欠ける。各楽器は忠実に再現されているのだが、まとまりがなく感じる。また、密閉型特有のこもり感が気になる。
エージングによって多少は良くなるもののエッジがかなりきつく、ホワイトノイズが大きいため、長時間聴くと疲れる。
MDR-F1
低音よりながらそこそこフラット。外観から想像されるよりも癖のない音。うたい文句どおりフルオープンにしては密閉のような厚みのある低音が出るが、中高音はいまいちで、分解能もあまり良くない。
そのためフルオープンだというのに音自体にあまり開放感がない。繊細さには欠けるが、ノリが良く芯の通った、良くも悪くもSONYらしい音。
なお、無音時のノイズが非常に小さく、エッジがきつくないこともあって長時間聴いても疲れない。「接続アンプによる音質のばらつきを低減するインピーダンス整合回路搭載」とあるが、そのおかげだろうか?
MDR-NC20
低音より。
分解能と音場感は最低限。
このヘッドホンの売りはあくまでもノイズキャンセルであり、音質はどうでもいいという方針だったようだ。基本的にはSONYらしいノリの良い音で、低音は出るが、こもり感が酷く自然さも何もあったものではない。
もともと低価格な上にノイズキャンセル機能までつけているので、仕方ないといえば仕方ないが。ノイズキャンセルON時の無音時のノイズがかなり大きい(というよりもそのノイズで外のノイズを消している)。
MDR-Q36LW
広い目で見ればかなりフラット。特に低域が強いわけではないが、その割には曇りが気になる。中域にやや癖があり、ソースによってはヴォーカル等に嫌味がでることがある。高域は比較的癖がなく無難な音。
分解能、音場感、原音忠実性すべていまいち。エッジはそれほどきつくないのだが、何故か聴き疲れする。
明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべていまいち。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない。響きは豊か。価格分の価値があるかどうかは微妙なところ。
MDR-SA5000
非常にフラットだが、細かいことを言うなら超低域が弱めで高域が強め。
分解能、音場感ともに良好。MDR-CD3000と同様の音場の狭さが残念ではあるものの、音楽全体を見渡せるような独特の心地よさがある。
かなり原音に忠実で癖のない音を鳴らすが、それでもなおSONYらしい音。無駄な音を鳴らさない感じで、明瞭で澄んでおり、響きも適度。コンデンサー型に近いと感じる部分もある。
非常にバランスが良く聴きやすい機種だが、小さくまとまっているが故に刺激や鮮やかさに欠ける個性のない機種という見方もできる。艶っぽさや温かみもいまいちで、与えられた仕事を淡々と確実にこなすように感じた。
MDR-XD400
低音よりながらそれなりにフラット。低音よりと言っても厚みも量もそれほどでもない。高音が不足しているが、聴きやすさを優先したのだろう。
分解能、音場感ともに悪くない。鳴り方に立体感があり、なかなか楽しめる。
エッジはあまりきつくなく、自然さや繊細さはそこそこで、細部まで聴き込むのでなければあまり気にならないレベル。音がやや響きすぎで、中低音が強い曲ではそれ以外の音が埋もれ気味なのが残念。ヴォーカルの艶っぽさも不足に感じられた。ただし、全体的には誰が聴いても違和感を感じにくい音だと感じた。1万円以下ということを考えれば、非常に満足できる機種。
HP-M1000のレビューでSONYやaudio-technicaの同価格帯のものより出来が良いと書いたが、このヘッドホンについては当てはまらない。なお、サウンドモード切り替えスイッチなるものが付いているが、上記レビューはMUSIC MODEのもので、MOVIE MODEの方が低音が増える。
MDR-Z700DJ
ドンシャリ。
分解能は価格なりだが、音場は狭い。
DJ用としてはなかなか良くできているのかもしれないが、低音が出すぎて音楽鑑賞用には向かない音。ボーカルを含む中域が良く聴こえないためボーカルを堪能したい曲にも不向き。長所をあげるなら、低音を楽しむには良いところで、ロックやトランスの鳴らし方はかなりノリが良い。高音もDJ用としてはかなり良く聴こえる部類に入るだろう。
MDR-Z900
かなり低音よりのドンシャリ。低域は超低域まで出る上、厚みも十分。高域は必要量は出るし、低域が非常に強いわりには埋もれない。ヴォーカル等の中域はやや弱め。
分解能はなかなか良いが、こもり感が酷いこともあり音場感はいまいちに感じる。原音忠実性はこの価格のモニター用として見るといまいちだが、違和感はそれほど感じない。全体的に低めの音を鳴らすことを除けばかなり原音に近いと言える。モニター用というよりも音楽鑑賞用と考えた方がいいのかもしれない。多少エッジがきついことと低域がかなり出る上に響きが豊かなことから聴き疲れする。
明瞭さや鮮やかさはいまいち。やや暗めの音調。厚みや密度はかなりある。温かみやヴォーカルの艶っぽさは十分。その点については想像以上と言う他ない。ヴォーカルものを聴き込むのに十分使えるレベル。ノリが良いが、それは低域が強いことと音の厚みから来ているもので、スピード感や軽快さはなく、むしろ鈍重。低音が好きで、こもり感が気にならない人にはおすすめできる機種。
SE-2900CD
やや低音より。低域は全体的に鳴らす感じで、厚みはかなり薄い。高域はほとんど聴こえてこない。低音よりと言うよりは、どの音域も前に出てこないが曇りは非常に気になるため、低音よりに感じるという表現の方が正しいのかもしれない。
分解能、音場感、原音忠実性すべていまひとつ。エッジはきつくなくそこそこ聴きやすい。
とにかく曇りが気になる。明瞭さや音の鮮やかさは当然悪い。温かみやヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。このヘッドホンの音質で、価格のわりに良いのはこの点のみではなかろうか。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない、中途半端な印象。響きはかなり豊か。
低音よりで曇っているという点以外、これといって特徴のない機種。
SRS-2020
非常にフラットだが低域は全体的に若干弱めか。
分解能、音場感共に全く不満を感じないレベル。繊細と表現されることの多いコンデンサー型だが、それは粗がないというだけで低音もそれなりに出る。ただしダイナミック型の一般レベルと比べると厚みのある低音は出ない。しかしそれは欠点ではなく、むしろ流麗な音楽を聴かせるための長所のような気がしてならない。
エッジがきつくなく非常に聴きやすい。全音域に渡って全く不自然さがないのは驚異的。生楽器、特に弦楽器やシンバル等の美しさはダイナミック型では決して到達できない域にある。その反面、音の厚み・力強さという点ではダイナミック型に劣る。美しいが退屈と感じる人もいるだろう。どう考えてもクラシック向きの機種だが、ヴォーカルの艶っぽさなどポップス向きの長所もある。
ダイナミック型でコンデンサー型に似ていると言われるK501と比較すると、全体的に温かみがあり、特に低音がK501より遥かに良く伸びていて、自然さでも勝っている。ただ、K501はSRS-2020と比較すると明瞭で、タイトな低音が魅力という見方もできる。
SRS-4040
やや高音よりながら非常にフラット。低域は超低域までフラット。厚みという意味では不足に感じるかもしれないが、必要量は出る。高域は十分な量で最高レベルの質。
分解能、音場感ともに最高レベル。音が細いため細部まで把握しやすく、しかも音場が非常に広く明確なので更に把握しやすさが増している。かなり原音に近いが、原音の粗っぽさ等は一切感じない。エッジはきつくなく非常に聴きやすい。
明瞭で鮮やか、情報量が豊富で密度も高いが厚みはそれほどない。温かみやヴォーカルの艶っぽさは非常に良い。響きは豊か。残響音が空気に溶け、蕩けるような心地よさがある。想像を絶する繊細さと言って良い。音が細くきめ細かいのに、硬さはまったくなく、むしろ柔らかい。
SRS-2020ではわずかに残っていた芯の通った感じや曇った感じが皆無。
RP-DH1200
低音より。音量的には低域、高域、中域の順。DJ用らしい音。
分解能、音場感ともにいまいち。
ノリがよく、繊細さに欠ける。MDR-Z700DJとかなり近い音。MDR-Z700DJと比較すると音場は広く、低音が出るかわりに高音がやや犠牲になっている。また、無音時のノイズが若干大きい。
MDR-Z700DJと同じで低音が出すぎるため聴き疲れし、音楽鑑賞にはあまり向かない。繊細さや明瞭さは欠片もない。個人的には物凄い低音と言えばこれ。
RP-DJ700
ややドンシャリだが、DJ用にしてはかなりフラット。低域はDJ用らしくしっかりした低い音を鳴らしてくれる。ただし、締まっているという感じではなく、ややぼわついた印象を受ける。中域は埋もれずにしっかり聴こえてくるし、中高域も意外と鮮やか。高域はややシャリつくものの価格を考えれば質も悪くない。
分解能、原音忠実性は価格なり。音場感はいまいち。狭いだけでなく立体感にも乏しい。エッジはややきついが、それほど聴き疲れしないレベル。。
明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてそれなり。特に良くもなく、悪くもない。素直にノリの良さが感じられる。響きは普通。
音質的にはかなりバランスが良く、価格なりの価値はあるDJ用ヘッドホンと言ってよいだろう。
HP-AL700
かなりフラットだが、やや低音より。低音は厚みはそれほどないが、量がそれなりに多い。そのせいか、全体的に曇っている印象。
分解能、原音忠実性はいまいち。音場感は見た目どおり、耳かけ型にしてはかなり広く良好。エッジはそれほどきつくなく聴きやすいが、音が粗い。
明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはいまいち。温かみやヴォーカルの艶っぽさは悪くない。基本的にはノリが良いのだが、切れや厚みが足りないためノリ切れない印象。響きはやや豊か。
HP-D7を耳かけ型にしたような音。
HP-D7
そこそこフラットだが、やや低音より。低音の厚みはそれほどでもないが、ヴォーカルなどの中域や高域は若干弱めで、澄んだ感じがいまいち足りない。ただし、ハイハットはかなり聴こえるところなど、周波数特性にはやや癖があるようだ。
分解能及び音場感はいまいち。全体的に音が膨らんでいてぼやけた感じが気になる。かなり耳の近くで音が鳴っているが、エッジはきつくないためあまり聴き疲れしない。ただしホワイトノイズは大きめ。
温かみや艶っぽさはそれなりにあるし、響きが適度なこともあり一聴して違和感を感じにくい音になっている。自然さにはやや欠けるが、音の鮮やかさはそれなりにある。打楽器がかなり分離して聴こえるのが特徴的。ノリが良いわけでもなく、繊細なわけでもない、ある意味中途半端な機種だが、それ故なんでもそこそこ鳴らす。
HP-M1000とかなり似ており、打ち込み系の音は気持ちよく鳴らしてくれる。
HP-DX3
低音より。高域は弱めであまり聴こえてこない。中域も高域ほどではないがやや弱め。低域は厚みが十分なだけでなく超低域までものすごい量が出る。
分解能及び音場感は低域が前面に出てくるためどうしてもいまいちに感じるが、低域のないソースではそこそこ良く感じる。エージング前は低域が非常に強いだけでなく、曇った感じがするが、エージング後は若干良くなる。そうは言ってもものすごい低音よりで、曇ったような感じは残る。
音に丸みがあり聴き疲れしにくいが、高域をまともに聴こうとするとどうしても音量を上げることになるため、別の意味で聴き疲れする。音そのものは太くない上、立ち上がりも悪いため、低域が出るわりにはかなりノリが悪く感じる。明瞭さや鮮やかさが感じられないかすんだ音だが、それ故温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなりにはある。響きは豊かで、イヤーパッドから音が漏れるわりにはこもり感が気になる。
HP-M1000
ドンシャリ気味だが、普通のDJ用と比べるとフラット。ドンシャリはドンシャリでもシャリのほうが目立つ。ノリが良くかつ比較的聴き疲れしない音で、しかもどの音域も不足なく出るので、これ一台で済まそうと思うならかなり良い機種。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそこそこ。
分解能や音場感はいまいちで、自然さや繊細さに欠けるが、ヘッドホン初心者に聴かせたら誰からも文句の出ない音だと感じた。
そういう意味ではSONYやaudio-technicaの同価格帯のヘッドホンよりできの良い機種。もう少し分解能が良く自然な音を鳴らしてくれれば、ATH-A900並の評価をしても良いと思った。分解能や音場感がいまいちでも、ノリとバランスの良さで十分音楽を楽しませてくれる。こういうヘッドホンもありだと思った。
RH-5Ma
ドンシャリ。低域は分厚い雲のような感じで、厚みはそれほどないが量は凄い。ソースにもよるが、中域だけでなく中高域まで低域に埋もれ気味。超高域はかなり綺麗ではっきり聴こえる。
分解能や原音忠実性は基本的にはなかなか良いが、低域が強いソースでは中域がかなり埋もれる上、低域の表現は原音忠実とは言いがたい。音場感はいまいち。エッジはきつくないが、低域がかなり強いためソースによっては低音で疲れる。
明瞭さ、音の鮮やかさ、厚みはそれなり。温かみやヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。響きは豊か。音そのものには繊細さがあるのだが、あまりのドンシャリなのでどうしても繊細さに欠けるように感じてしまう。
VR-403SV
ドンシャリ。低域は超低域まで全体的にそこそこ出るが、厚みは程々。高域は十分聴こえるが、ヴォーカル等の中域がやや弱い。
分解能及び音場感はいまいちだが、価格のわりには良好と言えるだろう。しかも、それなりに自然な音を鳴らす。エッジはややきつめだが許容範囲といった感じでそれほど聴き疲れしない。ただし、サ行の音はやや痛い。
比較的明瞭だが、低域が出るソースでは全音域を覆ってしまう感じで曇ってしまうことが多い。ノリが良いが、音の厚みや鮮やかさはいまいち。温かみやヴォーカルの艶っぽさは最低限はある。響きは適度。曇った感じや密度の低さが残念だが、コストパフォーマンスは良いと言える。
AU-618
ややかまぼこ。低域は抜けが良いこともあり、薄くのばしたような音。高域は控えめ。中域はしっかり聴こえてくる。ただ、一聴するとやや曇っているために、低音よりに感じる人もいるかもしれない。
分解能、音場感、原音忠実性はすべていまいち。エッジはきつくなく、聴きやすい。
明瞭さや音の鮮やかさには不満が残る。粗があり、曇りも感じる。なかなかバランスは良いのだが、音の密度が低く、力強さに欠けるという致命的欠点がある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさは価格のわりにはかなり良い。
基本的にはただ音を鳴らすだけの機種。響きはややあっさり。本を読んだりしながら何となく聴くのには向いているように思った。コストパフォーマンスが最高であることは間違いない。
K101
やや低音よりだが、中域〜高域もしっかり聴こえてくる。低域は厚みも量も程々なのだが、密閉型のこもり感や曇った感じに似ている。
分解能、音場感ともにいまいち。そこそこ自然で、エッジがきつくなく聴きやすい。
繊細さはあまり感じられず、かといってノリが良いというほどでもない。明瞭さや鮮やかさにはやや欠けるが、芯の通った音を鳴らす。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。響きは適度。セミオープンという表記だが、実際の音は開放型よりも密閉型に近い鳴り方をする。
K501やK271studioのような繊細さを求めるならあまりおすすめできないが、価格なりの音ではある。
K240monitor
分解能、音場感ともに良好。非常に原音忠実だが、原音の粗はあまり感じない。モニター用であるのにエッジはそれほどきつくなく、かなり聴きやすい。
明瞭さや音の鮮やかさは十分感じられる。温かみやヴォーカルの艶っぽさもなかなか良いが、過剰ではなく、ソースの良さをそのまま出してくれる印象。音の圧力はあまり感じることが出来ないが、そのぶん透明感や適度に線の細い音が好印象。全体的にはAKGらしい上品な音作り。
K501では低域が不足に感じる人やK271studioでは曇っているように感じる人には最適だろう。モニター用にも音楽鑑賞用にも使える素晴らしいヘッドホン。コストパフォーマンスも非常に良い。
K24P
そこそこフラットだが、ややドンシャリ。低域は超低域までしっかり出るし、ヴォーカル等の中域も埋もれない。高域はソースによってはシャリつくが、基本的には美しい。
分解能はかなり良く、音場感も外観から想像されるよりは良い。音に広がりがあり、伸びが良い。
エッジはきつくなく聴きやすい。繊細さとノリの良さを両立させている。音そのものはやや細めなのだが立ち上がりが良くスピード感がある。音の抜けが良く、明瞭。それでいて温かみがありヴォーカルもなかなか艶っぽい。
K271studio
やや高音よりながらかなりフラット。K501と同様繊細な音を鳴らすが、密閉型のぶん低音の厚みがあるようだ。
分解能、音場感ともにそれなりで、K501と比較すると悪い。
K501と比較すると若干繊細さに欠けるが、それでも十分繊細でK501より温かみがあり、これ一台で何でも聴くならK501より良い機種。ただ、やはり生楽器の自然さが素晴らしいので、得意ジャンルをあげるならクラシックだと感じた。エッジがきつくなく非常に聴きやすい一方、音に鮮やかさや明瞭さが不足していて、ブラスなどの輝きがいまいち。響きは豊かで、密閉型特有のこもり感が気になる。
K501
高音よりの機種で、繊細さが魅力。ただし、SRS-2020などのコンデンサー型と比較すると全体的に音がシャープで、低音もタイト。コンデンサー型に似ていると言われるが、似ているのは繊細さだけで、その音調はかなり異なる。
分解能、音場感共に悪くないが、迫力に欠けるのが欠点。
ただし、かなり自然な鳴り方をし、価格を考えると十分満足できる音質。温かみには欠けるが、明瞭でヴォーカルの艶っぽさもそれなりに感じられる。クラシックに限れば、この価格帯最高の音質だろう。その反面ロックには不向き。
低音が不満と言う人も多いだろうが、周波数特性から考えるともっと低音が出そうなもので、実際アンプによってはそこそこ低音が出るようだ。低音の量が不満な場合でも、タイトで質の良い低音を鳴らしてくれるので、低音の動きを見たいときなどはなかなか良い。
K55
ドンシャリ。低音よりも高音が強いのが気になる。低域は厚みはそれほどないのだが、全体的に鳴らす感じ。カタログにパワフルな重低音再生と書いてあるが、実際にはAKGにしては出るというレベルで、一般的な見方をするならそれほど凄い低音ではない。高域は非常に高い音で、はっきり聴こえてくる。
分解能、音場感は価格なりといった感じだが、なかなか自然な音を鳴らす。エッジのきつさはそれほどでもないのだが、シャープな音でやや聴き疲れする。
そこそこ明瞭で鮮やかな音を鳴らすが、厚みには欠ける。温かみはあまり感じられないが、ヴォーカルの艶っぽさはそれなりにある。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない。音は粗いのに低域は十分とは言えない量だし、中途半端な印象。響きはあっさりで、こもり感はあまり気にならない。良くも悪くも薄味。
MUSIC SERIES ONE
ややドンシャリながらそこそこフラット。低域は柔らかい感じで十分量出る。高域はあまり痛くなく、必要量といった感じ。
分解能はかなり高いし、音場感も耳のせ型のわりには良い。ただし、耳のすぐ近くで音が鳴るため、気になる人も多いと思われる。原音忠実性も価格以上のものはある。
明瞭さにしろ音の鮮やかさにしろ価格なりのものはある。自然な低域で、温かみに溢れている。ヴォーカルの艶っぽさも申し分ない。基本的にはノリが良いのだが、繊細さも十分。響きはやや豊か。
SR-225とSR-60の間のような音だが、音の抜け等SR-225よりはSR-60に近い印象を受けた。
Form2
かまぼこ。低域は必要量出るが、高域が不足。
分解能、音場感ともにいまいちだが、意外と立体的な鳴り方が楽しめる。
エッジがきつくないためかなり聴きやすいが、原音忠実とは程遠い。温かみや艶っぽさはそれなりにあるが、明瞭さにはやや欠ける。音がシャープではなくぼやけている感じが、分解能の悪さやノリの悪さにつながっている。
それなりに繊細ではあるのだが、少しばかりかすんだ音を鳴らす。音に広がりがあり、響きも比較的豊か。また、意外とソースのノイズを拾う。個人的には外観から想像される音とかなり近く、上品さがあると感じた。
HPS3000
低音より。低域は厚みはさほどないが、量がかなり出る。ヴォーカル等の中域はやや埋もれる。中高域〜高域もあまり聴こえてこないが、超高域はそれなりにはっきり聴こえる。
分解能、音場感ともに価格以上の能力はある。それなりに原音に近いが、低域が出すぎでこもり感が気になるのは否めない。エッジはきつくなく聴きやすい。
明瞭さ、音の鮮やかさはいまいち。厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはそれなり。特に良いところが無いという印象。ノリが良いが、音の厚みが足りないためあまり迫力がない。響きは基本的には適度だが、低域はやや響きすぎで振動や歪みが気になる。
HPS5000
ドンシャリだが超低域はあまり出ず、低音が支配的でもないためそれなりにフラットに感じる。中域〜中高域が弱く、ヴォーカルも若干埋もれ気味。高音はかなりシャリつくものの良く聴こえ、ハイハットがなかなか楽しめる。周波数特性にかなり癖がある模様。
分解能、音場感ともに価格分の価値は十分あるが、耳から離れたところで音が鳴っていてスカスカに感じる。
エッジがきつくかなり聴き疲れする。自然さや温かみ、艶っぽさはあまり感じられない。基本的には明瞭でノリが良く、響きもあっさりだが、音に広がりがありこもり感はあまり感じない。湿り気のない乾いた音を鳴らす。明らかにクラシックには向かない機種。
DT231PRO
ややドンシャリ。低域は厚みはあまり無いが、量はそれなりに出る。高域は量が多い上にかなりシャリつく。NGと言う人もかなり多そうだ。ヴォーカル等の中域も低域に埋もれずに聴こえる。
分解能、原音忠実性は価格のわりにはかなり良い。音場感は価格なり。エッジがきつく高域が突き刺さってくるため非常に聴き疲れする。また、ソースによってはかなり音が割れる。おとなしいジャズを聴いたりするのには丁度良いかもしれないが、最近のポップスは聴けたものではない。
明瞭さ、音の鮮やかさはいまいち。暗い音調と高域の刺激が際立っているbeyerdynamicらしい音。温かみやヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。エッジはきついが切れは悪いので、ノリの良さという意味では微妙。響きは適度。
価格を考えれば悪くはないのだが、個人的には聴き疲れが致命的に感じる。
DT770PRO
ドンシャリで、ヴォーカルなどの中域が若干埋もれ気味。エージング前は高域が強いが、エージング後は高域のきつさが弱まり、その上低音がかなり強くなる。
分解能、音場感ともに悪くない。
エッジがきつめだが、刺激として楽しめる範囲。ノリが良い上、それなりの自然さは持ち合わせている。温かみがあり、ヴォーカルの艶っぽさ等もなかなか良いが、ソースによってはサ行の音等がきつい。ブラスが美しく、弦楽器も自然。響きは適度だが密閉型特有のこもり感が気になる。全体的に情感豊かで鳴りっぷりが良い。
DT880
フラットだが決して大人しいとは言えない音調。
分解能や音場感については良好で、温かみにあふれながら切れも良く、高音をきちんと聴かせてくれる。
弦楽器の自然さやヴォーカルの艶っぽさもほとんど文句ないレベル。
HP1000のエッジをきつくして低音をタイトにし、分解能と音場感を良くしたような音。HD650と比較すると分解能・音場感ともにやや劣るが、全体的にさわやかで高音が明瞭なので、HD650の薄い低音の支配する感覚が嫌な人にとってはかなりオススメできる機種。ただし、その分聴き疲れはする。
beyerdynamicの中ではかなりおとなしい部類に入るようだが、刺激的な部分があるのは確か。ジャズに合うと言われているのに思わず納得する音。個人的にはアコギの音がなかなか良いと感じた。また、一概に良いとは言えないがテクノやトランスを聴くとなかなか刺激的で面白い音を鳴らす。
DT990PRO
ややドンシャリ。低域よりも高域の痛さにまず目が行く。低域は開放型にしては厚みも量もかなりある。高域はかなり硬く尖っている。
分解能、原音忠実性はなかなか良く、音場感も悪くない。エッジがきつく、かなり聴き疲れする。
明瞭さや音の鮮やかさはそれなりにあるのだが、明るい音調とは言えない。温かみがあり、ヴォーカルの艶っぽさ等もなかなか良いが、ソースによってはサ行の音等がきつい。
ドンシャリで刺激が強いわりにはノリが良くない感じ。線が細く、基本的にbeyerdynamicらしいウォームさがあるためだろう。ブラスが美しく、弦楽器も自然。響きは適度。全体的に情感豊かで鳴りっぷりが良い。ロックやポップスより、ジャズやクラシックの方が得意。
DTX900
ややドンシャリ。低域は超低域まで出る上、開放型にしては厚みもある。中域〜高域は低域に負けて若干埋もれ気味だが、超高域ははっきり聴こえてくる。
分解能、音場感ともにいまいち。エッジはきつくなく聴き疲れしない音。beyerdynamic独特の刺激的な部分はほとんど感じられないが、ハイハットの明瞭さ等は辛うじて残っている印象。
明瞭さや鮮やかさにはやや欠けるが、そこそこ厚みのある音。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。ノリが良いわけでも繊細なわけでもないが、なかなかバランスの良い音で、なんでもそこそこ鳴らしてくれる。
TriPort
ドンシャリだがヴォーカルなどの中域もそれなりに良く聴こえる。原音忠実とは正反対の路線を行く機種。何と言っても小型・軽量とは思えない低音が魅力。
TriPortの名のとおり三つの振動板を持つせいか、まるでスピーカーのような音の鳴らし方をする。純粋な音場の広さとはまた違った印象。また、メイン以外の音もそれなりに良く聞こえる(分解能が高いわけではない)。
ノリが良く、低音の響きも豊かである一方、弦楽器の自然さやヴォーカルの艶っぽさには欠ける。無音時のノイズがやや大きい。総合的な音質は価格のわりには良くないが、アウトドア用で装着感や遮音性が良いことを考えれば気にならないレベル(反論も多そうだが)。
RS-1
ややドンシャリ。超低域は弱いが、低域の厚みはかなりある。高域は質も量も最高レベル。
分解能は非常に良い。音場は狭いが明確。立体感があり、普通の耳覆いのヘッドホンより音場感が良く感じるほど。非常に空気感豊か。マイルドさに目が行きがちだが、実は非常に原音に近い。極めて自然で癖のない音。原音の粗はしっかり聴き取れるのにエッジはきつくなく聴き疲れしない。サ行の音等もまったく痛くない。
非常に明瞭で鮮やか、しかも厚みのある音だが、人によっては芯の通った感じが不足に感じられるかもしれない。温かみやヴォーカルの艶っぽさは十分。非常に柔らかく繊細な音だが、ノリの良さの必要な曲はしっかりノリ良く鳴らしてくれる。響きは適度だが、抜けが非常に良いためややあっさりに感じる。装着感の悪さを忘れてしまうほど自然で心地よい音楽を奏でてくれる。代えのきかない貴重なヘッドホンの一つ。
SR-225
ドンシャリ気味ではあるが、中域もきちんと聴こえるし音の鳴り方が素直でそれほど癖が感じられない。細かいことを言うなら超低域が弱く、高域が強い。
audio-technicaなどによくある耳から離れた場所で音が鳴っている感触とは正反対の独特の近さを持ち、それによる臨場感が魅力。GRADOサウンドという言葉が使われることがあるのも納得。
非常に鮮やかで切れの良い音を鳴らすので、これに慣れると他のヘッドホンが味気なく感じられる。分解能もかなり高い。開放型の音の抜けの良さという長所が強く感じられ、トライアングル等の高音を非常に美しく聴かせてくれる。個人的には高音を聴くならこれ、という機種。
音場の広さや繊細さを求める人には不向きなのが欠点だが、その欠点以上の魅力を持っているのは間違いない。温かみやヴォーカルの艶っぽさには欠ける。ロックに向いていると言われ、確かにそのとおりだと感じる。
SR-325i
ドンシャリだが、中域もきちんと聴こえる。超低域が弱めだが低域の厚みはかなりのもの。高域〜超高域が非常に強く、ソースによってはかなりキンキンして痛いが、音が割れたりはしない。
分解能はかなり良いが、価格分の価値があるかどうかは微妙。音場は狭く耳の近くで鳴る感じだが、明確で臨場感に溢れている。テンションが高いことを除けば、かなり原音に近い音を鳴らしてくれる。エッジがややきつめな上に高域が強いため聴き疲れするが、サ行の音等はそれほど痛くない。
非常に明瞭で鮮やか。厚み、密度、情報量どれをとっても不満を感じない。温かみはあまり感じられないが、ヴォーカルの艶っぽさは悪くない。非常にノリが良く、GRADOサウンド全開といった印象。
SR-225ほど音が粗くなく、RS-1ほど柔らかくない。これら3機種の中で最も硬く尖って澄んでいるのではないだろうか。決して万人に薦められる音ではないが、臨場感と刺激を好む人にはこれ以上の機種はそう無いと思われる。当然のようにロックとの相性は抜群だが、ブラスの鳴りっぷりも素晴らしい。アンプとの組み合わせによってはジャズや交響曲の魅力を存分に引き出してくれると思われる。
SR-60
低音よりのドンシャリ。低域は分厚い雲のような印象で、低域の動きは分かりやすいとは言えないが、中域〜高域が聴こえないということはない。高域はあまり尖った感じのしない鳴らし方。
分解能は価格なりだが、かなり原音に近い音を鳴らしてくれる。音場感はいまいち。エッジはきつくなく聴きやすい。
明瞭さや音の鮮やかさはいまいち。厚みは十分ある。温かみやヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。響きは豊か。
GRADOの上位機種と比べると抜けが悪く曇っているように感じるものの、一般的に見るなら及第点。むしろロックをノリ良く楽しんだり、温かみが欲しい曲を聴くなら、これくらいのバランスもありだと感じた。ヘッドホンに詳しくない人からは、不満の出にくい機種という印象。
HDS-701
高音よりのかまぼこ。超低域はかなり不足に感じるが、低域は必要量出る。中域〜高域ははっきり聴こえる。
分解能及び原音忠実性は価格のわりにはかなり良い。音場感も小型のわりには明確。エッジはきつくなく、特に聴き疲れするということはない。
明瞭さや音の鮮やかさはなかなか良いが、やや密度が薄いように感じる。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。ややモニターライクな部分もあるが、切れが良く、低域が不足であることを除けば基本的にはそれなりにノリが良いと言えるだろう。響きはあっさり。
dj1001
ややかまぼこだがそこそこフラット。DJ用とは思えないほど低音がタイトで、音楽鑑賞用として見るとノリが良い。
分解能及び音場感はなかなか良い。
エッジはきつくなく聴きやすいのだが、独特の音場感に慣れるまではかなり違和感がある。ヴォーカルの艶っぽさはいまいち。
HFI-650と非常に良く似た音を鳴らす。周波数特性にやや癖があるところや、明瞭で温かみには欠けるところ等も似ている。HFI-650と比べるとやや音の粒が細かく繊細で、音に広がりがある一方、音の厚みや切れでは負ける。
PRO/4AA
中域が非常に強い。モニター用の音で、余分な音がせず高音が美しいところが魅力。その半面、低音の量が不満。
分解能、音場感は価格分の価値はある。
ノリが良いわけでもなく、繊細なわけでもないが、原音に忠実で芯の通ったしっかりした音を鳴らす。音楽を楽しむにはあまり向かない機種。中・高音は良いが、エッジがきつめで聴き疲れする点と低音が不満な点が、音楽を楽しむ上でかなり大きなマイナス。温かみやヴォーカルの艶っぽさにも欠ける。
同価格帯密閉型なら、はっきり言ってK271SやATH-A900の方がバランスが良い。
PortaPro
ドンシャリ。厚み、量ともに低音が豊かだが、ヴォーカルや高音もそれほど埋もれずに聴こえる。
分解能は意外と高く、音場は狭いもののその外見から想像されるよりは良好。
ノリの良さに気を取られがちだが、実は弦楽器などもそこそこ自然に鳴らしてくれる。エッジはそれほどきつくなく、温かみや艶っぽさのようなものも感じられるが、それでいてロック向きと言われる刺激的な部分が前面に出ている。低音の響きは開放型とは思えないほどだが、高音はかなりあっさり。この価格帯のアウトドア用ということを考えると、総合的な音質は悪くない。
R/200
かまぼこ。高域はまだしも、低域はまったく出ない。中域がきつく突き刺さってくる上、粗がある音。想像を絶する音と言って良い。大音量でオーケストラ等を鳴らすとひどい雑音にしか聴こえない。
分解能はいまいち、音場はかなり広く明確。低音が出ないことを除けばかなり原音忠実。エッジがきつく、ソースのノイズを非常に拾うため聴き疲れしやすい。
明瞭で、それなりに鮮やかな音を鳴らす。温かみやヴォーカルの艶っぽさは皆無と言って良い。ノリが良いわけでも繊細なわけでもない、モニター的な芯の通った音。
かなりのかまぼこで芯の通った音を鳴らすところなど、PRO/4AAとかなり似ているが、PRO/4AA以上に音楽鑑賞には向かない。
UR/29
かまぼこだが、低域も高域も最低限は出る。超低域はかなり弱い上、厚みも薄い。高域も癖がある。超低域は非常に弱い。
分解能はいまいち。音場は意外と立体感があり楽しめる。そこそこ原音に近いが、原音の粗はあまり感じない。基本的にシャープな音だが線は細くなく、聴き疲れしない。
もさもさした音で、かなり曇っているように感じる。明瞭さや鮮やかさはいまいち。厚みも中途半端。温かみやヴォーカルの艶っぽさはいまいち。どちらかと言えばノリが良く、響きはあっさり。
ポップス向きの音調なのだが、ポップスをノリ良く楽しむには低音が不足している上にスピード感に欠けるのが不満。UR/40のような軽快さはなく、むしろ鈍重。
UR/40
ややドンシャリだがそこそこフラット。低域は超低域が若干弱めだが全体的には十分だし、高音も質・量ともに十分でハイハット等が美しい。
分解能、音場感ともに価格分の価値は十分あるが、原音忠実を求める人にはあまり合わないかもしれない。
程よい低音の抜けが心地よく、セミオープンの長所をうまく利用していると感じる。基本的にはスッキリとした音調だが、最低限の温かみはある。エッジはあまりきつくなく非常に聴きやすいが、それでいて基本的にはシャープな印象。ヴォーカルの艶っぽさもそれなりにある。
ノリの良さと繊細さを併せ持っている。音の厚みや芯の通っている感じが不足しているため若干迫力には欠けるが、なかなか鮮やかな音。非常にバランスが良く、しかも他にはない個性を持つ珍しい機種。とても低価格とは思えない。
HP1000
かなりフラットだが、若干ドンシャリ気味か。ドンシャリと言っても、高音の一部がソースによってはきつめに感じるぐらいで、基本的には美しい高音を聴かせてくれるし、低音は超低域までフラットであるがために厚みが不足気味でぼわつくものの深みはあり量も十分。HD650の低域とDT880の高域を併せ持つといった印象。
分解能は価格なり、音場はあまり広くないがそれほど悪くはない。
比較的繊細でかなり自然な音を鳴らす上、なんでもそこそこ聴かせてくれる。非常に温かく大人しめの音調で、切れや明瞭さには欠ける。
K501と比較するとかなり温かみがありバランスも良いが、明瞭さと生楽器の表現力では一歩譲る。ATH-AD700と比較すると、自然で温かみのある音で、高音がしゃりついたりもしないし、サ行のきつさ等も無い。また、特筆すべきは女性ヴォーカルの艶っぽさで、その点についてはとても1万円台の機種とは思えない。
HP430
かなりフラットだが、ややかまぼこか。耳のせサイズでしかも側圧が弱めなため、頭の幅や装着の仕方によってかなり低域の量が変わってくるが、基本的にはやや不足気味。ヴォーカル等の中域は非常にはっきり聴こえる。高域はやや控えめ。
分解能、原音忠実性ともに価格の割りにはかなり良い。音場感は耳のせサイズにしては良い。エッジはきつくなく、聴き疲れしない。
明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み等すべて価格なり。厳しい見方をするなら、低域が足りない割りには曇っているように感じるし、その上ソースによってはかなりスカスカに感じる。厚みも足りずノリが良いとはいえない。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなりに感じられる。響きは適度。
特筆すべき長所はないが、大きな欠点もない。価格を考えればなかなか良いバランス。
HP830
ややドンシャリ。低域は超低域が若干弱めだが厚みは十分で、密閉型らしい低音が楽しめる。高域はかなりシャリつくが、ハイハット等の音を大音量で鳴らしてくれるのが面白い。
分解能、音場感ともにそれなりだが、価格分の価値は十分にある。一聴して違和感がない音を鳴らす。
ややエッジはきつめだが、サ行の音等は痛くないし、全体的には聴き疲れはしないレベル。基本的にはノリが良いが、最低限の繊細さは持ち合わせている。明瞭でありながら温かみや艶っぽさも十分。
密閉型特有のこもり感が気になる一方、打ち込み系の音となかなか相性が良い。それでいて弦楽器や金管楽器も不自然ではなく、むしろ価格を考えれば素晴らしいと言わざるを得ないレベル。
PC-100
やや高音より。DJ用にしてはかなり低音がタイト。中域はしっかり聴こえる。
分解能、音場感ともに悪くないが、音そのものはあまり原音に近いとは言えない。このヘッドホンでクラシックを聴く人はあまりいないと思われるが、あえて言わせてもらうのなら弦楽器に共通の癖が出るためかなり相性が悪い。
エッジはきつくなくそれなりに聴きやすいが、芯の通った音を鳴らすので、キンキンした女性ヴォーカル等でそれが痛く感じられることもある。ノリが良く、切れの良い音を鳴らす。明瞭である反面、温かみやヴォーカルの艶っぽさは不足している。基本的には乾いた音だが、打ち込み系のソースではその他のソースと比べて見違えるような鮮やかな音を鳴らす。
外観だけでなく音もHFI-650やdj1001と似ている。HFI-650と比べて低音が出ず、dj1001と比べてかなり粗が目立つ。
PHP-200
ややドンシャリ。低域はほどほどの量だが、耳かけ型にしてはかなり出る方だろう。かなり低い音を鳴らしてくれる。それでいてヴォーカル等の中域も埋もれない。高域は細く硬い音で、ソースによってはシャリつく。
分解能、音場感、原音忠実性はすべてそれなり。エッジはややきつめだが、高域が出る割には聴き疲れしない。これは、音があまり細くないせいだろう。
明瞭さ、音の鮮やかさ、厚み、温かみ、ヴォーカルの艶っぽさすべてそれなり。それなりだが、どれ一つ取ってみても致命的な欠点を持っていない。基本的にノリが良い。響きは適度。
バランスが良く、大きな欠点や癖がない。この価格帯の耳かけ型としては、それだけでも貴重と言えるだろう。ただし、その反面、突出した長所が感じられないのは否めない。
HD25-1
ややドンシャリ。超低域は弱めだが、厚みはかなりある。高域はしっかり出ているがシャリつかないしあまり痛くない印象。中域も埋もれずに聴こえる。
分解能は価格なり。小型のわりには非常に音場感が良い。原音忠実性よりも、いかに楽しく聴かせるかに重点を置いた機種。
密閉型で低域が出るわりには明瞭で、非常に厚みがありそこそこ鮮やかな音を鳴らす。ただし、GRADOのような明るさはない。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなり。非常にノリが良い。響きは適度。
かなりこもり感を感じるが、それよりも音に力があり、立ち上がりの良さに目が行くために欠点が気にならない。合う人には合うが、合わない人にはどこが良いのかまったく分からない可能性はあると思われる。特にクラシックしか聴かない人にはコストパフォーマンスが悪いと思われるが、一部で言われている通りロックをノリ良く楽しみたいならこれ以上の機種はあるまい。
HD280Pro
そこそこフラットだが、かまぼこ。SENNHEISERの中では超低域が弱めで、高域が強めの部類。
分解能はかなり高く音場感も悪くないが、エッジがきつく、ホワイトノイズが大きめで、ソースのノイズをかなり拾うため聴き疲れしやすい。ただ、エージングによって多少はエッジのきつさはとれ、MDR-CD900STほどではなくなる。
SENNHEISERらしい音調は感じられるものの、モニター用の音で音楽鑑賞にはあまり向かない。響きは適度だが密閉型特有のこもり感が気になる。音場が特に広いと言うわけではないが、立体感のある鳴り方が楽しめる。繊細さやヴォーカルの艶っぽさはあるのだが、全体的にやや霞がかかったような印象を受ける。
HD497
やや低音より。低域は超低域まで出るが、厚みは薄く、SENNHEISERらしい。中域、高域もそれなりにしっかり聴こえてくるが、きつい感じはまったくしない。
音場は狭いものの分解能は価格以上の価値がある。原音忠実性はそれなりだが、自然な味付けはさすが。エッジはきつくなく非常に聴きやすい。
明瞭さや鮮やかさには欠けるが、情報量は実は意外と多い上、何より温かみやヴォーカルの艶っぽさはなかなかのもの。繊細で音の伸びが良く、響きは嫌味でない程度に豊か。そのため弦楽器が魅力的。
あまり良い評価を聞かないような気がするが、価格を考えれば十分満足できる音質。しかもSENNHEISERらしい音作りは維持されているので、低価格で温かみ・ヴォーカルの艶っぽさ・繊細さ・音の伸びを求めている人には自信を持っておすすめできる。
HD590
低音が豊かで、全体的に表現豊かで鳴りっぷりが良い。SENNHEISERの中では中高音域が美しい機種。
分解能及び音場感は価格のわりにはやや不満か。
エージング前はサ行の音などがきつめに感じるが、エージングによってある程度角が取れる。エッジがきついというわけではないのだが、もう少しおとなしい音の方が好みという人が多いかもしれない。
ヴォーカルが良く聴こえ、ポップスを楽しむことを前提とするなら音質は最高水準。あたたかいものはあたたかく、冷たいものは冷たく鳴らしてくれるところも非常に魅力的。ドンシャリと言ってしまえばそうなのだが、そう表現するのを躊躇うほど魅力的な音楽を聴かせてくれる。
SENNHEISER独特の低音のため、高音のクリアさや音の抜けの良さがいまいちなのが不満といえば不満。
HD595
非常にフラットだが若干低音より。SENNHEISERの中では高音よりの機種。
分解能、音場感ともにかなり良い。
温かみがあり、しかも透明感のある音で、エッジもきつくなく非常に聴きやすい。弦楽器の自然さやヴォーカルの艶っぽさはなかなかのもの。基本的には繊細だがノリの良さも十分。
HD650は低音が強すぎて高音が不満という人にはおすすめできるが、それでもbeyerdynamic等に比べると高音は弱めな上にエッジもきつくないので、退屈と言う人もいるかもしれない。非常に癖がなくバランス良くまとまっているのだが、HD650と比較すると音の厚みや鮮やかさにはやや欠ける。
HD650
低音よりながら、かなりフラット。
周波数特性云々より、高い分解能と広い音場感が圧倒的な魅力。これが長時間聴いていても飽きずに音楽を楽しめることにつながっている。正直言って、感動的なほどの音質。
エージング前はやや野暮ったい印象を受けるが、エージングによってかなり繊細さを増す。温かみにあふれ、ヴォーカルは艶っぽく、それでいて生楽器の自然さも損なっていない。バランス良く音楽を聴かせてくれるので、そういう意味でも最高のヘッドホンの一つといえるだろう。
退屈に感じるという人がいるが、それはこのヘッドホンの音の傾向がやや低音よりで、しかもエッジがきつくないため非常に聴きやすいだけに思われる。
あえて弱点を挙げるなら、高音の音量が欲しい人には不向きなところか。これはどうもSENNHEISER全般に言えることかもしれないが、薄い低音が支配的で明瞭さには欠ける。そうは言っても、HD590と比較すると低音がおとなしめな印象を受ける。
PX100
低音よりだが、中域や高域もそれなりに聴こえる。ただし、低域が強いソースでは低域の広大な海に中域・高域の島が散在するような感じになる。
分解能はそれなり、音場感は外観通り悪いが、低音の抜けは非常に良い。
かなり自然でしかも聴き疲れしない音を鳴らす。繊細さはあるが、低域が支配的で明瞭さには欠ける。温かみにあふれ、ヴォーカルの艶っぽさも申し分ない。響きは豊かだが、抜けが良いのであまり痛い響き方はしない。
DJ Pro 3000
ややドンシャリだが、DJ用にしてはかなりフラット。低域はDJ用らしい質感で、厚み・量ともに十分。高域も意外としっかり聴こえるし、中域もそれほど埋もれない。
分解能、音場感は価格なり。DJ用にしてはかなり原音に近いが、原音の粗は感じられない。エッジはきつくなく非常に聴きやすい。
明瞭さや音の鮮やかさは良いとは言えないが、低域が出るわりには曇りはない。厚みはそこそこ。情報量はあまり多くないし、太い音で細部は聴き取れない。あまり芯が通っていない柔らかめの音。温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなりで、普通にヴォーカルものを聴くのにも何とか使えるレベル。
絶対評価ならノリが良いレベルだが、DJ用にしてはかなり落ち着いた鳴り方。響きはあっさりだが、低域が強いためこもり感が気になる。癖がなく、大きな欠点がない印象。
DJ1 PRO
ドンシャリだが、普通のDJ用と比べて線が細いためか比較的フラットに感じる。低域は超低域が若干弱めだが、基本的にはかなり出るし、厚みも十分。高域はやや細めでかなり高く澄んでいる。ただし、audio-technicaやbeyerdynamicと比べて硬く芯の通った感じはしない。
分解能、音場感ともになかなか良い。DJ用とは思えないほど原音に近い音を鳴らしてくれる。エッジはややきついが、それほど聴き疲れしないレベル。
明るい音調で、非常に明瞭で鮮やかな音。厚みや密度も十分。テンションが高く、これに慣れると他のヘッドホンが暗くてノリが悪く感じられる。そういう意味では最高レベルの魅力を持っている。
温かみやヴォーカルの艶っぽさはそれなりに感じられるが、ヴォーカルは艶っぽいと言うより瑞々しいと言ったほうがしっくりくる。ノリの良さと繊細さを両立している。響きはややあっさりで、切れが良い。何でもそこそこ鳴らしてくれるが、打ち込み系の音との相性は最高レベル。
HFI-15G
低音より。低域は超低域まで出るが、厚みはそれほどでもない。高域は控えめだがそれなりに聴こえてくる。
分解能はそれなり、音場感は耳のせ型のわりには良い。かなりマイルドで原音の粗や生っぽさはあまり感じられない。エッジはきつくなく聴きやすい。
明瞭さや音の鮮やかさには欠ける一方、厚みや情報量はそれなりにある。温かみやヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。ノリが良いわけでも繊細なわけでもないが、一聴して違和感を感じにくい音。上品でおとなしい音調。響きは適度で、耳のせ開放型独特の抜けが心地よい。集中して音楽を聴くよりは、リラックスしてまったり楽しむのに向いている。
HFI-2200ULE
かなりフラットだが、細かいことを言うなら高音よりのドンシャリ。低域は量、厚み共に十分で開放型にしてはかなり強い。高域は硬く尖っている感じで、質は微妙なラインだが量は十分。
分解能、音場感ともに不満を感じないレベル。一般的な意味での原音忠実とは違うが、ある種の原音の実体感を感じる。エッジはきつめで、やや聴き疲れする。サ行の音等も痛い。
明瞭さや音の鮮やかさはなかなか良い。ULTRASONEらしい、かなり厚みのある音。温かみやヴォーカルの艶っぽさもなかなか良い。ノリの良さと繊細さを兼ね備えている。響きはやや豊か。
ULTRASONEの中では癖がなく、かなりオールマイティーな部類に入ると思われる。PROline2500では低音が強すぎる上に高域がザラザラしていて馴染めないという人や、DJ1 PROはウォームさが足りなすぎると思う人には最適だろう。
HFI-650
ノリが良く骨太の音を鳴らすため多少ドンシャリに感じるが、低・中・高域それぞれかなり均等に鳴らしてくれる。そういう意味ではフラットなのだが、細かい周波数特性にはやや癖があるようだ。DJ用として見ると低音がタイトで、音楽鑑賞用として見るとノリが良い。
分解能、音場感ともになかなかのもの。
音の粒が粗い感じで繊細さには欠けるが、芯の通ったしっかりした音を聴かせてくれる。明瞭でありながらエッジのきつさを感じさせない。密閉型特有のこもり感はあるものの、それを苦にしていないと感じさせる機種。音場感が独特で、飽きずに音楽を楽しめる。それほど癖はないのだが、他のヘッドホンであまり聴こえない音をしっかり鳴らしてくれるし、楽譜をめくる音などのノイズをかなりひろったりするなど、モニター用らしい一面も持つ。
なんでもそこそこ鳴らすし、打ち込み系の音をうまく鳴らすところなど、ATH-A900に近いと感じた。ATH-A900よりは温かみがあるしノリも良いが、残響音がかなりあっさりなので人によって好みが分かれるかもしれない。
PROline2500
ややドンシャリ。超低域から超高域まできれいに出る上、中域もきちんと聴こえる。
音場感が非常に良く、分解能も良好。
基本的には鮮やかで刺激的な音調だが、繊細さとノリの良さを両立させており、温かみにあふれている。ソースによってはサ行の音等がやや痛い。生楽器の音が素晴らしく、ヴォーカルもなかなか艶っぽいが、基本的には原音忠実とは違った路線を行く機種。響きは適度で、ロックからクラシックまで何でも聴かせてくれる。
HD650と比較すると高音が強く、DT880と比較すると低音が強い。個人的に、非常に好きな機種。理屈ではなく、感動できるヘッドホン。
PROline750
ややドンシャリ。低域は超低域まで出る上、厚みも十分。高域は癖があるものの美しいし、中域も埋もれずに聴こえてくる。
分解能及び音場感は良好。あまり原音に近いとは言えないが、味付けすることで逆に原音の鮮やかさや存在感を再現しているように感じる。
エッジはややきつめで聴き疲れしやすいが、その欠点を補って余りあるほど鮮やかで厚みのある音を鳴らす。基本的にはノリが良いが、繊細さも併せ持っている。非常に明瞭でありながら、ヴォーカルの艶っぽさや温かみも十分。響きは適度で、何でも聴かせてくれる。
PROline2500と比べておとなしい音調だが、それでも刺激的であることに変わりはなく、全体的にはかなり近い。特にギターの独特の味は良く似ており、非常に魅力的。HFI-650と比べるとかなりウォームで、クラシックやジャズに向いている一方、打ち込み系のソースとの相性はやや悪くなっている。
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