Head Amp 2/MkII SE
概要
詳細はメーカー製品ページ(http://www.meier-audio.homepage.t-online.de/ha2mk2se.htm現在リンク切れ)を参照のこと。
入力端子はRCA×1系統。出力はヘッドホン端子(標準サイズ2個)以外に、プリアウトが1系統。
ボリュームはアッテネータを使用している。ゲイン切替スイッチ等はないが、その代わり2つあるヘッドホン端子の出力レベルが異なる(左が出力小、右が出力大)。
本体前面には左からクロスフィードセレクター、トーンコントロール、ハイカットフィルターのスイッチ、ボリュームがあり、こと音質の微調整についての機能面は非常に充実していると言って良いだろう。それぞれのスイッチを上・中・下に切り替えて使用する。スイッチは下記の通り。
クロスフィードセレクター 上:LOW 中:STEREO(ノーマル) 下:MEDIUM
トーンコントロール(低域) 上:450Hz以下を1dB増大 中:ノーマル 下:450Hz以下を1dB減少
トーンコントロール(高域) 上:2kHz以上を1dB増大 中:ノーマル 下:2kHz以上を1dB減少
ハイカットフィルター 上:20kHzで3dB減少 中:STRAIGHT(ノーマル) 下:20kHzで4dB減少
サイズは小さめで、重量も軽い。外観は、各機能を示す記号の表示を除けばかなり地味でストイック。
音質
総合的に見て優れた能力を持った機種。隙のない鳴らし方をする。味付けが少なく、ソースの持っている温かみや艶も必要以上には出さない感じ。味付けすると言うよりは、味気なくすると言った方が良いかもしれない。特別音の密度が高いとは感じないが、粗や濁り、にじみがない。明瞭で輪郭のくっきりした音。音そのものはタイトで冷たく鋭敏だが、それでいてまったくと言っていいほど窮屈に感じない。硬いと感じることもあるが、硬い音を鳴らすヘッドホンと組み合わせても過度な硬さは感じない。音の立ち上がりが非常に良いのが印象的。このヘッドホンアンプの最大の長所はこの点にあるかもしれない。
周波数特性は非常にフラット。低域も高域も非常に素直に伸びている。スマートでもたついたりだぼついたりしない低域、尖っていて粗がないが決して細くはない高域。低域が豊かで柔らかい質感のヘッドホンを使用してもかなり制動のかかった鳴らし方をしてくれるし、高域に粗のあるヘッドホンを使用してもかなり粗が低減される。フラットではあるものの、どちらかと言えば低域よりも高域に重心が寄っているようだ。低域が弱いヘッドホンを使用するとやや低域がスッキリして物足りなく感じることが多い。情報量は十分なものを持っているが、それを露骨にひけらかしたりしない印象。この辺りが地味な印象を与える要因だろう。音の分離にしろ微細な表現にしろまったく問題ないレベル。一つ一つの音が潰れたり混ざったりせずに明瞭に聴こえる。空間表現はしっかりとこなしてくれる。スッと綺麗に音が広がって消えるのが明確に把握できる。残響音や音の伸びはあっさり。一聴した印象としてはHD53に近い。HD53から粗を取り除き情報量や音の立ち上がりを改善したような印象。
様々な角度から見て、ヘッドホンを選ばない機種。
その他
ボリュームノブの直径は約32mm、大きすぎず、小さすぎずといった感じ。ボリュームはアッテネータで段階的にしか音量を変えられないが、出力レベルの違う2つのヘッドホン端子(左が出力小、右が出力大)があることを考慮に入れれば、音量の取りやすいヘッドホンでも実用上まったく問題ない間隔で音量調節できる。ガリノイズやギャングエラーはまったく感じられない。ボリュームのタッチはアッテネータなので段階的。重すぎず軽すぎず、扱いやすい。
クロスフィードセレクター、トーンコントロール、ハイカットフィルターのスイッチは本体前面にあり、各3段階に切り替えられるが、スイッチが小さくやや扱いづらい上、現在どの位置にあるのかが一目では分かりにくい。
クロスフィードセレクターの効果はその性質上ソースによって大きく変わるが、オーケストラ等ではかなり変化が顕著。一聴した感じでは、音が遠くから鳴っているような印象で、頭内定位の解消の一手法としてそれなりに有効ではあるようだ。また、頭内定位の解消という見方ではなく、もっと単純に音場感の改善という見方もできる。トーンコントロールは、あくまで微調整というレベルで、あまり極端な音の変化は無いが、相応のソース(低域や高域の強いもの)を使えば普通に聴いて変化を感じ取れるレベル。ハイカットフィルターはデジタル独特の高域(15kHz〜22kHz)のきつさを低減させるためのものらしい。確かにハイカットフィルターを使用すると高域のきつさがなくなり聴きやすくなる。
電源スイッチが本体背面に付いている上、電源ケーブル接続部の内側にあるため、やや操作しにくい。
本体の発熱は多少あるが、長時間使用しても素手で触れる程度で、あまり気にならない。電源ランプは赤色で、特に明るくはない。
付属品
無し
※生産終了
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スペック
形式 | 再生周波数帯域 | 全高調波歪率(THD) | S/N比 |
Solid State | - | - | - |
推奨負荷インピーダンス | 外形寸法 | 重量 | 参考最安価格 |
- | 173(W)×179(D)×62(H)mm | 1.2kg | 120800円 |
公開日:2006.11.23