廃人日記



某月某日+60日
 苦節60日にしてようやく公開。
 言葉は要らない。音楽と同じだ。
 ならなんでこんなもん書いてるんだろう?
 分からなくなったので、今日で日記はやめることにした。


某月某日+58日
 マジ祓いたい。何打この変換は。
 マジ腹痛い。何だこの変換は。と書きたかったのだ。
 おさまったと思って風呂入ってたら、再発してもらしそうになった。
 関係ないけど私は風呂でしたことはない。大も小も。これは数少ない私の自慢だ。人は誰しも風呂に入っていてもよおした経験があるだろう。だが私はこれまで一度たりともその誘惑に屈したことはない。
 そんな私もトイレでもらした経験はある。我慢して我慢して、ようやくトイレに辿り着いたが、ズボンを下ろす前に臨界点を突破したのだ。自宅のトイレだったのがせめてもの救いだ。それでも衆人環視の中もらしてしまった某芸能人よりは遥かにましだ。風呂の湯船につかっているときにもらすよりも遥かにましだ・・・リアルに想像してしまった。
 動揺したようだ。
 ストレスだろうか。ヘッドホンのサイトを立ち上げなければならないという重圧が私の心を蝕んでいるのかもしれない。だが、ここで立ち止まるわけにはいかないのだ。例え病に倒れることになろうとも。


某月某日+56日
 だいたいさー、ヘッドホンのサイトなんて作ってどうすんの。需要ないでしょ。普通の人はヘッドホンなんて一つ持ってれば十分だし、ヘッドホンに1万円以上出すなんてどうかしてるよ。
 それに某有名サイトがあるわけで、ヘッドホンのために複数のサイト巡回する暇人はいないよ。どうやったって、大幅な後発でしかもオーディオの知識も耳もレベルがダンチなんだから、あのサイト以上のもんを作るの無理だし。
 仮に公開しても更新続かないでしょ。誰も見に来ないのに作り続けるのって苦痛だし、やっと人がくるようになったと思ったら仕事が忙しくなったりして。更新できなきゃ公開してる意味ないし。
 だいたい持ってるヘッドホンのレビューだけだと限界あるよ。今後も毎週のようにヘッドホン買うことになるだろうし、金が続かん。置き場もないし。
 そもそもこんな適当なサイトでいいと思ってんのかね。いくら素人でもこれはひどいんじゃないの。公開しない方が良い、っていうかむしろ公開したらまずい。それぐらいレベル低い。
 ・・・と、悪魔が囁くのです。
 たしかに私はオーディオの知識全然ないし、耳もクソ耳だし、ホムペ作成についても素人だ。そんな人間がヘッドホンのサイトを作ろうと言うのだ。そりゃ、悪魔も囁く。楽な方へ、楽な方へと。
 だけど、頑張れば何とかなるはずだ・・・いや、なると思う、なったらいいなぁ・・・


某月某日+55日
 前回の日記で気づいた人もいるかもしれないが、実はサイトがほぼ出来上がったなどというのは大嘘だ。何故ならヘッドホンで音楽を聴くのに夢中で、サイトの作成などやっている暇がないからだ。
 世の中にヘッドホンのサイトがあまり多くないのは、ヘッドホンに夢中になるあまりサイトの作成が手に付かない私のような人が多いからに違いない。
 世の中には、数十万円もするヘッドホンを何台も持っている人や、ヘッドホンに50万円以上使った人が五万といるに違いない。もし50万円で5万人とすると売り上げ250億円・・・これはすごいのか? 金額が大きすぎてリアルに想像できない。しかし仮に2億円で一生を過ごせるとすると、100回以上生きられる。そんなに生きたくないなぁ・・・1回でもつらいのに。
 さらにCDプレーヤーやヘッドホンアンプ、ケーブルまで入れたらどうなってしまうのだろう。おそらく倍は軽いだろう。つまり200回以上生きられる。仮に2億円でなく200万円で一生を過ごせるとすると、2万回生きられることになる。笑い話ではない。200万円あれば2万人のアフリカの恵まれない子供の命を助けられるのだ。2億円なら200万人である。でもそれと日本人が200万円で一生過ごせるかどうかは全然関係なかった。
 悲しくなった。
 つまりヘッドホンに50万円も使う人は全部寄付した方が良い。もし5万人のヘッドホンマニアが全員それを実行すると、世界の人口が2億5千万人増える。地球、ピンチ。それ以前にヘッドホン業界、ピンチ。
 ちなみに私はまだ50万円使ってないような気がするので寄付しません。


某月某日+52日
 突然だが、私はヘッドホンを愛している。どれくらい愛しているかと言うと、ヘッドホンさえあれば彼女なんて要らないし、新しいヘッドホンを買ったらそれをオカズに3杯はご飯が食べられる、というぐらいだ。変な意味じゃないですよ? 確かにテレビにヘッドホンが出てくると興奮しますし、街中でかわいい女の子がヘッドホンしてると後つけて行ってヘッドホンの製品名が分かるまで頑張りますが。
 話が脱線しました。
 私は新しいヘッドホンを買ったら、3食飯抜きで音楽聴いちゃいます。もし1日3台ヘッドホンを買ったとしたら、3日間飲まず食わずです。もしヘッドホンで音楽を聴きながら餓死している男性が発見されたら、それは私です。


某月某日+51日
 ・・・やっちまったよ・・・昨日は酔ってました。泥酔した勢いで日記を書いてしまうとは、廃人ここに極まれりだ。しかも内容がつまらない。私は自分のことを、酔うと少しは冗談がうまくなると思っていた。超絶に冗談が下手な素面のときと比べたら、少しは人並みに面白いことも言えるのではないかと思っていた。でもそれは大いなる勘違いだった。
 これまで一緒に飲んだ皆さん、ごめんなさい。きっと大変つまらないことを聞かされて、迷惑だったでしょう。それだけではない。私は辛党なので、酔うと、みんなで食べようと頼んだピザにタバスコ1本丸ごとかけてしまったりする。それだけならまだしも、そのピザを無理やり食べさせる。食べないなら代わりにこれを飲めとウイスキーのロックを渡す。私はウイスキーのロックが好きなのだ。
 これらすべてに、心から謝罪します。人に迷惑ばかりかけているこんな私は、やはり死んだほうがいいのかもしれない。でも今はまだ駄目だ。ヘッドホンサイトもほぼ出来上がってあとは公開するばかりになっているので、こんなところで死んでしまったらもったいない。
 だから、私はヘッドホンサイトを公開してから死にます。それまでは皆さん、我慢してください。


某月某日+50日
 今日はヘッドホンサイトを立ち上げようと決意してからちょうど50日目だ。
 記念すべき日だ。というわけで、今日を私的ヘッドホンの日とする。
 でもほんとのヘッドホンの日は2月22日だ。
 クマー
 今年は熊の被害が多くて大変みたいだ。いろんな意味で。でも私は熊なんて動物園でしか見たことない。
 あと、どうでもいいけど「熊」という漢字はあまり好きじゃない。「くま」の方が良い。むしろ、くま最高。音の響きを感じさせる平仮名特有の見た目、テディベアを髣髴とさせる丸み、漢字よりずっと良い。それに親戚のおじさんが飼っていた犬の名前もくまだった。と言うわけで今後この日記では「熊」を廃止し「くま」にします。
 クマー
 「クマー」も廃止して「くまー」にします。
 今年はくまの被害が多くて大変みたいだ。
 くまー
 無理して面白いこと書こうとしたので疲れた。アデュー。
 じゃなくて、ほんとはHFI-2200ってくまっぽいという話をしたかったわけだが。
 でもHFI-2200の被害は来年になりそうだ。今から被害にあうのが楽しみ。


某月某日+46日
 今日、気づいてしまった。ヘッドホンをメインに扱うサイトを立ち上げるに当たって、非常に重要なことに。
 思わず倒置法を使ってしまった。それぐらいショッキングだったのだ・・・関係ないけど、ショッキングって死語?
 話が脱線した。
 実は、私は耳が悪いのだ・・・っていうかサイト云々以前の問題だった。
 どれくらい耳が悪いかと言うと、日常生活に支障をきたすほどだ。人に話しかけられても気づかないで通り過ぎてしまって後で怒られたりするし、携帯が鳴っても気づかないことがある。
 ごめんなさい、嘘です、ネタでした。
 人に話しかけられても気づかないのはコミュニケーション能力の欠如が原因だし、携帯が鳴っても気づかないのはマナーモードになってるからでした。
 冗談はともかく、私は耳が悪い。
 小学生の時には中耳炎でプールに入れなかったため今でも泳げないし、その後も聴力検査のため時々通院しているというのに美人の看護婦さんに顔を覚えてもらえない。
 これは致命的だ。泳げないこととか、美人の看護婦さんに顔を覚えてもらえないことではなく、耳が悪いことが、だ。書いてから気づいたが、泳げなかったらマジ死ぬかもだし、女の子にもてないと結婚できない。こっちの方が致命的だった。
 そんなわけで、耳が悪いことくらい気にしないことにした。


某月某日+44日
 日記を読み返してみて思った。
 廃人上等、ということは、生きていく上で実はヘッドホンはマイナスなのではないのだろうか。そもそもヘッドホンがなければこのサイトを作る必要もなかったし、第3の廃人人生を始めることもなかった。
 でも、既にヘッドホンを20台以上も所有しているし、サイトもほとんどできてしまった。
 困った。
 結局、貧乏性なのでサイトを公開せずにはいられないと思った。


某月某日+43日
 我がヘッドホンサイトもだいぶできてきた。だが完成に近づくにつれ、一つの疑問が私の心をさいなみ始めた。
 それは、「ヘッドホン紹介サイトなんてものを作ってしまったら、それこそ本当のヘッドホン廃人になってしまうのではないか」という疑問だ。
 私はこれまで2度、廃人と呼ばれた。その詳細は恥ずかしくてとても書けないが、私は今まさに第3の廃人人生へと足を踏み入れようとしているのだ。一度ならず二度までも、もう許してもらえまい。
 怖かった。
 もう普通の人間には戻れないかもしれない。だが、それでも私は、このサイトを立ち上げなければならないのだ・・・貧乏性がもとでこのサイトを立ち上げなければならないという話は前に書いたが、最近その貧乏性が悪化してきた気がする。実際に貧乏なので、生きていく上で必要な性質なのだが、やはりテレビで億万の人が出てくると憂鬱にもなる。
 気分が滅入ってきたので、HFI-650を装着しトランスを大音量で鳴らした。
 廃人上等、という気分になった。やっぱり生きていく上でヘッドホンは必要だった。


某月某日+34日
 私はめんどくさがりで貧乏性なだけではなく、とても小心者だ。
 どれくらい小心者かというと、ゴミ捨て場をあさっている野良猫くらいだ。半径3m以内で動くものがあると、逃げ出す。それだけでなく、その後「あの人ゴミ捨て場でゴミをあさっていたわよ」などという近所の主婦の陰口まで想像して落ち込む・・・別に私はゴミ捨て場をあさったりはしないが・・・本当ですよ?
 そもそも私がヘッドホンを愛用するようになったのは、小心者だからだ。スピーカーで音楽を聴いていると、近所からクレームが来そうで、音楽に集中できないのだ。もし一度でも近所の人が訪ねてきて「うるさいです。もう少し静かにしてください」などと言おうものなら、私はきっと引っ越さずにはいられない。そんなわけで、だんだんと音量が小さくなっていき、ついにはまともに聴き取れないほどになってしまった。
 話が脱線した。最近脱線が多い。もしかした何らかの精神病に罹ったのだろうか・・・またしても脱線だった。
 つまり何が言いたいかというと、私は小心者なのでいつまでも仮病を使って会社を休んだりはできない。もしコンビニに行った帰りに会社の人に目撃されたら、あるいは近所の人に見つかって会社に連絡されたらと考えると、気が気ではない。
 だから、今日はホームページの作成はできなかった。私はやっぱり忙しいからという理由でホームページの更新ができない人になってしまうかもしれない。ごめんなさい。


某月某日+33日
 一心不乱です。もう何がなにやら分からないです。かつてこれほどまでに私が何かに努力したことがあったでしょうか・・・いや、ないわけない、それじゃほんとの廃人だ。私はまだ廃人の一歩手前くらいなので、人生やり直したりもできると思う。ということは、やり直す必要があるのだろうか・・・?
 話が脱線した。
 つまり、今日も仕事をサボってサイト作りに勤しんだ。


某月某日+32日
 すごい HeBiの HP作成
 というサブタイトルがつきそうなぐらい頑張った。誤解しないで欲しいのだが、私は決して○レイドスターのファンではない。どこぞの絵描きとは違うのだ。
 そういうわけで今日も仕事をサボった。


某月某日+31日
 当然のことながら、死ななかった。痛そうだからだ。
 それに、ヘッドホンのサイトを立ち上げるまでは死んでも死にきれない。これまで買ってきたヘッドホンが無駄になるような気がしたのだ。私はそれほどの貧乏性なのだ。
 今日も頑張ってホームページの作成に勤しんだ。その代わり仕事をサボった。忙しいからという理由でホームページの更新ができない人がいるようだが、自分ならそんなことにはならないと思った。


某月某日+27日
 今日は夢ではなく、ホームページ作成ソフトなるものでサイト作りを始めた。
 心を無にして頑張った。自分で自分をほめてやりたくなった。こんなことは大学受験に受かったとき以来のことだった。間違えた。こんなことはこの間サイトを作った夢をみたとき以来のことだった。幸せの絶頂だった。
 そのとき、ホームページ作成ソフトが強制終了した。
 死にたくなった。


某月某日+20日
 自力でサイトを作ってみることにした。友人に頼んだが、断られたのだ。私は友人が一人しかいないので、彼に断られると自分で作るしかない。
 しか何しろホームページ作成なんて大学の授業でhtmlソースを生打ちで作って以来だ。全く分からない。ゼロからの出発だ。いや、むしろ脳が退化している分マイナスからの出発だ。
 まずホームページ作成ソフトを選択することからはじめた。たくさんあって、どれがいいのか分からない。どうせどれを使っても全然分からないのだからどれでもいいのだが、後の苦労の度合いがこれで決まるかと思うとくじびきのようでドキドキした。でも、結局無料で有名なのを手に入れて使うことにした。その辺、私は妙にリアリストだった。
 それからは心を無にして頑張った。自分で自分をほめてやりたくなった。こんなことは大学受験に受かったとき以来のことだった。幸せの絶頂だった。
 そのとき、突然耳障りなベルの音が響いた。無意識のうちに手が動き、音を止めていた。手の中にあるのは、目覚まし時計だった。すべて夢だったのだ・・・友人に断られたことを除いて。
 死にたくなった。


某月某日+13日
 このままではいつまでたってもホームページ公開などできない。そう思った私は、落書きを整理し、並べ替え、書き足し、推敲した。
 仕方がないのだ。
 なにしろ、私はめんどくさがりだ。店頭でとっかえひっかえヘッドホンを装着し、集中して音に耳を傾けなければならない試聴などという行為はとてもできない。だいたい、店に行くのがめんどくさい。それだけの理由で買っていたヘッドホンが、結構な数たまってしまった。
 めんどくさがりなだけではなく、私は貧乏性でもある。買ったからにはできるだけ役立てたい。しかし、ヘッドホンなんて一度に一つしか使えない。二つ以上使える人は人間じゃない。有効利用にも限度がある。とりあえず、部屋にある、ありとあらゆるヘッドホン端子にヘッドホンをさしてみたが、せいぜい10個が限度だった。悲しくなった。この上もなく邪魔だった。
 テレビをつけても音が鳴らず、仕方なくヘッドホンを装着する。PCゲームを起動したら音楽が鳴らない。仕方なくヘッドホンを着けかえる。すると、テレビの音が聴こえなくなった。泣きたくなった。
 もうこうなったら、ヘッドホンのサイトを立ち上げるくらいしか残された道はなかった。
 そう、すべては仕方がないのだ。


某月某日+7日
 ホームページの作り方がわからないことに初めて気づく。仕方ないので、内容を書き始めた。内容があれば、webサイトは友人にでも作ってもらえばよかろう。何しろめんどくさい。
 というわけで、日ごろ書き溜めたヘッドホンのスペック・レビュー・評点を見直す。レビューというより落書きだった。どっと疲れた。
 おもむろにHD650を装着し、音楽スタート。癒された。満足。


某月某日+3日
 決意は鈍っていない。私はヘッドホンのサイトを立ち上げなければならないのだ。だが、今日も音楽を聴いてばかり。T50RPのくもりまくった音に嫌気がさしてきたので、突然SR-225にしてみる。改めて驚いた。やっぱりヘッドホンのサイトを作ろう。
 でも、今日はこの文章を書いたので疲れた。これで一歩進んだということにして、今日はここまでにしよう。なにしろヘッドホンの製品名を明記した文章を書いたのだ。前回の日記と比べたら大幅な進歩である。


某月某日
 唐突に、ヘッドホンのサイトを立ち上げようと決意。だが、それを成し遂げるには大きな壁が立ちふさがっていた。
 実は、私は非常にめんどくさがりなのだ。どれくらいめんどくさがりかと言うと、近所のコンビニまで弁当を買いに行くのもめんどくさいし、風呂に入るのも歯を磨くのもめんどくさい。風呂と歯磨きは仕方なくやっているが、休みの日など食事は一日一食だ。洗濯も最小限にするため、着るものがなくなってからまとめて洗濯する。さらに、洗濯したものは乾燥機で乾燥したらカゴに入れっぱなしだ。もちろんたたむのがめんどくさいからだ。時々呼吸をするのもめんどくさくなるが、しないと苦しいので仕方なくしている。
 それぐらいめんどくさがりな私が、何をトチ狂ったかホームページを作ろうというのである。一大事。うまくいくわけがない。とりあえず、めんどくさいのでヘッドホンで音楽を聴くことから始める。もちろん、ヘッドホンを装着するのもめんどくさいし、CDプレーヤーの再生ボタンを押すのもめんどくさいのだ。この文章を書くのもめんどくさいのでここまででやめる。



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