DAC-AM
概要
入力端子はデジタル同軸×1、デジタル光×1、AES/EBU×1。出力端子はRCA×1、XLR×1、ヘットホン出力×1。安価でありながら入出力が充実している。ただし、ヘッドホンアンプとして使用する場合、ヘッドホン端子が背面にある上、接続するとロックして抜けない機構になっているためやや使いづらい。
本体前面には左からPOWER(電源スイッチ)、DOWN(音量減)、UP(音量増)、SELECT(デジタル入力選択、押す度にCOX(同軸)/OPT(光)/AES(AES/EBU)切替)が並んでいる。ボリュームはRCA、XLR、ヘッドホンすべて共通。ゲイン調節機能や特殊な機能は一切ない。
サイズ・重量ともに普通。外観は飾り気がなくあまり良いとは言えないが、癖がない点は良い。
音質
堅実な音。味付けが少なく、ソースの持っている温かみや艶も必要以上には出さない感じ。音の圧力や迫力はあまり感じない。どちらかと言えばモニター的で冷静な鳴らし方。密度は普通からやや薄めで、特に粗は感じないが多少細めの音であるように感じる。輪郭は明瞭で、硬めの質感。どちらかと言えば冷たい音で、温かみや心地よさが欲しいときには向かない。立ち上がりは良い。
周波数特性はかなりフラットだが、どちらかと言うとやや高音より。全体のバランスは悪くない。低域は締まる方向。高域はやや明るく金属的。情報量はそれなりのものは持っている。価格の割には多い方だろう。音の分離はなかなか良く細かい音も聴き取ることができるが、一つ一つの音の微細な表現はやや丁寧さやきめ細かさに欠けるように感じる。空間表現は、広い空間に的確に音が配置される感じ。明確で把握しやすいが、空間の広さに対して音の量が足りないような不満を感じることもある。残響音や音の伸びはあっさりだが、音が広がって消える様をしっかり聴き取ることができる点は良い。全体的な傾向としてはHead Amp 2/MkII SEに近い。
特に相性の悪いヘッドホンはないように感じるが、厚みが薄くエッジのきついようなヘッドホンでは、その欠点がそのまま出てしまうようだ。
また、エージングに非常に時間がかかる。最低でも200時間、できれば400時間はみておきたい。
その他
ボリュームはデジタルボリュームなのでギャングエラーやガリノイズがない点は良い。かなり細かく(約330段階)、幅広く調節できるが、大幅に音量を変えたいときには時間がかかる(音量最小から最大まで最速で約30秒)。また、音量の取りやすいヘッドホンでは小音量での調整があまり細かくできない(ただし、ほとんどのヘッドホンでは実用上問題ないレベル)。音量のレベル表示がないのはやや使いづらい。
本体の発熱は多少あるが、長時間使用しても素手で触れる程度で、あまり気にならない。ランプは赤色で、明るさは普通からやや明るめ。
付属品
電源ケーブル
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スペック
形式 | 再生周波数帯域 | 全高調波歪率(THD) | S/N比 |
Solid State | 2Hz〜20kHz | - | 105dB |
推奨負荷インピーダンス | 外形寸法 | 重量 | 参考最安価格 |
- | 200(W)×270(D)×75(H)mm | 2.7kg | 25800円 |
公開日:2008.1.11