D12 Hj
概要
詳細は代理店製品ページを参照のこと。
入力端子はステレオミニ×1(DACとして使用する場合の出力兼用)、同軸デジタル×1、光デジタル×1、USB×1。ポータブルヘッドホンアンプとしては入出力がかなり充実している。入力切り替えスイッチがないが、複数の入力端子にケーブルを接続した場合には同軸・光・USBの順に優先される。アナログ入力を使用する場合にはデジタル入力のケーブルをすべて外す必要がある。DACとして使用する場合はボリュームを通らない。充電は専用のACアダプターとUSBケーブルを接続して行う。充電にかかる時間は約6時間(完全に空の状態からフル充電する場合)。連続動作時間は、DAC+アンプ動作時が約18時間、アンプのみ動作時が約30時間(マニュアル記載の値、実測もほぼ同じ値)。ヘッドホン端子はミニサイズが1個。
本体前面には左からヘッドホン端子、AUX入力/出力端子(アナログヘッドホンアンプとして使用する場合には入力、DACとして使用する場合には出力)、ゲイン切り替えスイッチ(+3dB/+10dB)、ボリューム(電源スイッチ兼用、ボリューム最小で電源オフ)が並んでいる。
サイズはiPodと重ねて使用するのにちょうど良いが、厚みがもう少し薄ければなお良かったかもしれない。重量もそれほど重くない。外観はあまり癖がなく、万人受けすると言って良いだろう。作りはしっかりしている。
音質
あまり大きな癖はないが、あえて特徴を挙げるなら全体的に硬く締まっている印象。明るくクリアで、やや聴き疲れしやすい。切れやスピード感があるし、骨格がガッチリしているような感じで実体感もそれなりにあるが、前に前に音が出てくるタイプではないので迫力や圧力はあまりない。味付けはほとんど感じられない。密度は普通、粗は若干気になる。輪郭は明確。質感はやや硬く冷たい傾向。立ち上がりはなかなか良い。
周波数特性はそこそこフラットだが、低域よりは高域の方が目立つ。より正確には、中低域が目立たず中高域が目立つような印象。低域は締まりや制動が感じられる質で、量感はそれほどない。高域は線の細いタイプではないが、やや硬く明るめできつく感じることがある。情報量は十分ある。音の分離にしろ微細な表現にしろ特に問題ないが、どちらかと言うと音の分離の方が優れている。空間表現は明確で見晴らしが良く把握しやすい。あまり広がりが感じられる傾向ではないが、遠くで音を鳴らすような感じで頭内定位が気になりにくい。音像がシャープで音と音の間隔が空いているという意味で空間を感じさせる表現。残響音や伸びはややあっさりで、響きを楽しみたい場合には向かない。
あまりヘッドホンを選ばない機種だが、エッジのきつい機種や高音よりの機種だと聴き疲れしやすかったりバランスが悪くなったりする傾向なので避けた方が良いかもしれない。ヘッドホンとの相性以前に、ソースや聴き方との相性(柔らかくしっとり鳴らして欲しい場合には合わない)の方が重要になってくる印象。
上記の内容は、同軸デジタル入力でのもの。他の入力でも音の傾向はほぼ同じ。ただし、(使用機器のDACによるが)アナログ入力では立体感が乏しくなることが多い印象。
その他
ボリュームノブの直径は約11mm、やや小さめだがポータブル用としては普通か。特に使いづらくはない。タッチはやや重めだが、ポータブル用であることを考えるとこれくらいが適度だろう。ガリノイズはないが、ボリューム8時くらいまで音が右よりになる。音量の取りやすいヘッドホンを使用する場合はゲインを下げた方が良いだろう。ゲインはそれなりに高く音量の取りづらいヘッドホンでも十分な音量が取れる。
無音時のホワイトノイズは、若干あるが実用上ほとんど問題にならないレベル。音量の取りやすいヘッドホン(例えばSuper.fi 5 Pro)を使うと、ボリューム最小でもややノイズが気になるし音量を上げるに従って大きくなるが、音楽を鳴らすとほとんど聴こえない。
電源を入れる際にプツッというノイズが発生する。このノイズはある程度大きいので、電源を入れる際にはヘッドホンを接続しない方が良いだろう。
発熱はほとんどない。電源ランプは薄い水色で、明るさは普通。
付属品
ACアダプター
USBケーブル
mini-miniケーブル
※生産終了
戻る
スペック
形式 | 再生周波数帯域 | 全高調波歪率(THD) | S/N比 |
Solid State | 17Hz〜100kHz | 0.005% | 104dB |
推奨負荷インピーダンス | 外形寸法 | 重量 | 参考最安価格 |
8Ω〜300Ω | 55(W)×98(D)×25(H)mm | 150g | 27300円 |
公開日:2011.10.18