第76回 時代の変化

 本サイトは2004年に立ち上げたのですが、2014年現在までの間にヘッドホン業界とそれを取り巻く環境は大きく変化したように思います。
 初心者講座第9回にも書きましたが、書かれた時期と読まれた時期のギャップが大きいと同じ文章でも意味が大きく異なってしまうケースがありますし、それだけでなく本サイトは基本的に立ち上げ当初から一貫した基準でレビューを書いているため最近のものでも厳密には2004年頃の感覚で読む方が適切だったりします。なので、今回は2004年から2014年までの間にどのような変化があったのかを振り返ってみることにしました。ただし、これはあくまでも私個人の主観なので、違う意見の人もいるかと思います。参考程度にしてください。


・オーディオ機器におけるヘッドホンの立ち位置の変化
 2004年頃、ヘッドホンはスピーカーの代用品で、オーディオアクセサリーの一つに過ぎませんでした。もちろん2014年でもそういう考えの人はいるでしょうし、逆に2004年頃でも違う考えの人はいたでしょうが、比率としては2014年よりも2004年の方がそういう考え方の人が多かったのではないかと思います。
 2014年では、ヘッドホンはオーディオアクセサリーと言うより独立した一つのカテゴリーになっているように思われます。少なくとも、売上、雑誌の誌面上の扱い、販売店の売り場面積といった面から考えると、2014年の方がヘッドホンの存在感は大幅にアップしています。
 2014年ではヘッドホンの専門誌や専門店が存在しますが、2004年頃だと(まったくなかったというわけではありませんが)想像だにしない人が多かったのではないでしょうか。

・音楽の聴き方の変化
 先ほどのオーディオ機器におけるヘッドホンの立ち位置の話にも繋がるのですが、2004年と2014年では音楽の聴き方がだいぶ変化したように思います。
 その変化の一つとして、携帯電話やスマートフォンで音楽データをダウンロードして聴く人が増えたという点が挙げられます。その影響でヘッドホンが売れるようになったという風に言われることも多いようです。
 更に携帯電話やスマートフォンで音楽データをダウンロードした場合、それまで屋内で多く使われていたようなCDプレーヤーやラジカセで音楽を聴くということがしにくくなります。そこで屋内でもヘッドホンの出番が増えたり、あるいはスマートフォンをセットして使うタイプのスピーカーが登場したりしました。
 2004年と比べて2014年では音楽の聴き方における屋内と屋外の境界が曖昧になった、あるいは屋内が屋外によって侵食されたという見方もできるのではないでしょうか。
 音楽の聴き方を広い目で見ると他にも様々な変化があると思いますが、それらについては後々触れていきたいと思います。

・海外メーカーの躍進と新規メーカーの参入
 2004年頃に日本で売られていたヘッドホンの多くは国内の大手家電メーカー製で、海外メーカーや中小メーカーはほとんど見かけませんでした。
 2004年頃に有名だった海外メーカーはSENNHEISERとAKGくらいのもので、大抵の店で取り扱っているのはせいぜいその2社、海外メーカーのヘッドホンはまったく置いていない店も珍しくありませんでした。当時日本で最高レベルの品揃えと知名度を誇っていたダイナミックオーディオ5555でもbeyerdynamicやGRADOを取り扱っていなかったと言えば、2014年との違いが良く分かるのではないかと思います。
 他にも例えばPHILIPSやULTRASONEは2014年ではかなり有名なメーカーと言って差し支えないと思いますが、2004年頃はマイナーなメーカーで、ヘッドホンマニアでも持っている人はほとんどいませんでした。
 新規参入について見ていくと、DENONがヘッドホンに本格参入したのは2007年、SHUREがオーバーヘッド型のヘッドホンに参入したのは2009年になってからです。
 更に2014年では2004年と違って国内海外問わず中小メーカーの製品が多数出ています。感覚的にはメーカーの数が数十倍に増えたような印象です。ここまで急激に増加したのには、ネット通販の普及も影響しているように思われます。実店舗ではスペースの都合で扱える商品は限られてしまいますが、ネットショップであればその制限から解放されます。更にネット上で情報の入手や共有が容易になり、マイナーな製品でも売れるようになったのではないかと思います。もちろん、前述のとおりヘッドホン業界が活性化していればこそではありますが。

・ヘッドホン及びヘッドホンアンプの製品数増加
 海外メーカーのヘッドホンが日本で多く売られるようになったり、新規メーカーが参入したりした結果、必然的に全体の製品数が増えました。
 日本で売られている海外メーカー製品だと、例えばbeyerdynamicは2003年10月のカタログで11製品ですが、2014年では一時約40製品にまで増えました。
 国内の大手メーカーの製品数についても増えているように感じる人もいるかもしれませんが、実際にはメーカーによってかなり異なるようです。例えばaudio-technicaは約2倍になっていますが、SONYはあまり変わっていません。
 ジャンルとしては、特にノイズキャンセルヘッドホン、ワイヤレスヘッドホン、スマートフォン用ヘッドホンといったものが増えたように思います。冗談のような話ですが、2004年頃はノイズキャンセルヘッドホンと言ってもどういうものなのか(つまり周囲の騒音を低減するものであるということが)分からない人も多かったです。もちろんスマートフォン用ヘッドホンは存在しませんでした。
 ヘッドホンアンプは、ヘッドホン以上に変化が大きかったように思います。そもそも2004年頃は単体ヘッドホンアンプを使っている人は非常に少なく、ヘッドホンを何台も持っているような人でもヘッドホンアンプは持っていないということが珍しくありませんでした。ある程度名の知られている製品としては10製品もなかったように思います。それが2014年では現行製品だけ見ても数百製品(複合機含む)、ヘッドホンに凝っている人は何台も持っていて当たり前という状況です。

・高価なヘッドホン、ヘッドホンアンプの増加
 製品数が増えたことによって様々な意味で製品の幅が広がったのですが、中でも高価な製品が増えてしかもそれが次々売れる状況になったのは、マニア視点では大きな変化ではないでしょうか。
 ヘッドホンについては、2004年でも数万円するヘッドホンは10製品以上ありました。ただ、それを買う人は2014年よりもはるかに少なかったです。1万円以上のヘッドホンを買う人はほぼ確実に変人扱いされるレベルでした。
 イヤホンにいたってはそれどころはありません。2004年頃は5千円以上するイヤホンはほとんど売られていませんでした。それが2014年では数万円するイヤホンが沢山売られているという状況です。
 ヘッドホンアンプは、2004年頃だと10万円以上するヘッドホンアンプは本当に数えるほどでしたが、2014年では数十製品あります。それを買う人については言わずもがなです。

・製品の変化
 もう少し具体的に見ていくと、2004年と2014年では製品そのものにも色々な変化があったように思います。
 例えば、密閉型ヘッドホンのイヤーパッドはシワシワのビニールレザーが多かったのが、あまり使われなくなってきました。
 コードの着脱ができるヘッドホンが増えました。それまでもSENNHEISERとAKGにいくつかありましたが、それでも2004年にULTRASONEのPROlineシリーズ(コードの着脱が可能)が発売されたときはまだかなり新鮮味がありました。
 フィーリングの問題ではなく、デザインを重視したヘッドホンが増えたように思います。明らかにデザインを売りにしたメーカーが増えたことに加え、ファッションブランドとのコラボのような売り方も珍しくなくなりました。
 音質的には低域の量が多いヘッドホンが増えました。これについては後述します。

・複数のヘッドホンを所有している人の増加
 2004年頃はヘッドホンを10台以上持っている人は非常に限られていたように思います。少なくとも、ネット上では数えるほどしかいませんでした。それが2014年では10台以上持っている人は相当数いるように思われます。感覚的には、2004年に10台以上持っていた人の数と、2014年に100台以上持っている人の数が同じくらいというイメージです。このイメージがどこまで実際に近いのかはさておき、2004年と比べて多くなっているのは間違いないでしょう。
 複数のヘッドホンを所有している人が増えたということは、他の機種と比較する人やヘッドホンと曲の相性の問題に注目する人が増えるということに繋がります。そうして、聴く曲に合わせてヘッドホンを選んで買う、あるいは曲によって所有しているヘッドホンを使い分けるといったことも増えたように思います。

・オーバーヘッド型の屋外・電車での使用
 音楽配信が普及し携帯電話やスマートフォンで音楽を聴く人が増えたことも影響していると思いますが、2004年と比べて2014年では屋外や電車でオーバーヘッド型を使用している人を頻繁に見かけるようになりました。感覚的には10倍くらいに増えたようなイメージです。
 それもあってか、ヘッドホンの遮音性や音漏れについて考えるときに無意識に電車での使用を想定する傾向が増したように感じられます。2004年頃はそういったことがもっと曖昧で、遮音性については電車、車、人の声、エアコン等、どんな音を遮るのかケースバイケースだったように思います。
 また、こういった状況の変化が影響してノイズキャンセルヘッドホンやデザイン重視のヘッドホンが増えたという面もあると思います。

・カナル型の普及とその他の型式の衰退
 2004年と2014年のヘッドホン業界の違いを考える際、カナル型の普及は特に大きなポイントになるのではないでしょうか。
 2004年頃はイヤホンと言えばインナーイヤー(イントラコンカ)型でした。カナル型も一応販売されてはいましたが使っている人はほとんどいませんでしたし、それどころか存在自体知らない人が多かったと思います。カナル型が増え始めたのは2005年以降だったと思いますが、それからしばらくはあちこちでカナル型という言葉が使われるたびにそれがどんなものなのかという説明が添えられていたのを覚えています。ちなみに2004年のカタログを見ると、audio-technicaとVictorにはカナル型が一つも載っていません。
 カナル型が普及するにしたがって、インナーイヤー(イントラコンカ)型、耳かけ型、ネックバンド型が衰退しました。これはおそらく、主に使用される場所が屋外や電車という共通点があった上、そういう場所で使う際に重要になってくる遮音性と音漏れ防止という点でカナル型の方が圧倒的に優れていたことが原因だと思われます。2004年頃はイヤホンの何分の一かの割合で耳かけ型を見かけたように思いますが、2014年ではほとんど見かけなくなってしまいました。

・カナル型の普及と音質
 2004年頃は「音質を求めるならオーバーヘッド型、携帯性を求めるならイヤホン」という常識があったように思います。それが2014年だと、5千円以下あるいは1万円以下ではイヤホンの方が音が良いと考えている人も多いのではないでしょうか。先ほども書きましたが、2004年頃は5千円以上のイヤホンはほとんどありませんでした(価格で音質が決まるわけではありませんが)。広い目で見れば、イヤホンの価格と音質がアップしたと言うことができると思います。
 カナル型の普及は、オーバーヘッド型の音作りや音質評価にも影響を及ぼしたように感じられます。ひとことで言うなら低域の量の多いヘッドホンが増えました。それだけでなく、「これくらいの量が普通」というユーザーの感覚もかなり引き上げられた印象を受けます。
 分かりやすい例がMDR-Z900です。このヘッドホンは2004年頃は低域の量が多いことで有名でしたが、2014年の感覚で聴くとたいして多くありません。おそらく平均かそれより少し多いかなという程度、しかも100Hz以下は落ちているので人によっては重低音が全然出ていないと感じるおそれがありますし、それどころか低域の中でも重低音に重きを置いている人からすれば低域の量が少ないと片付けられるかもしれません。
 イヤホンで言うなら、2004年頃は有名どころだとMX500をフラットだと言う人が大勢いた時代で、この基準を2014年に当てはめるなら(比較的フラットと言われることの多い)HP-CN40やMDR-EX1000でも低域の量が多いと判断されるレベルです。
 このように、カナル型が普及した後にヘッドホンに凝るようになった人のレビューと、それ以前のレビューとでは、かなり基準が異なると考えられます。

・再生環境の変化
 据え置きとポータブル、どちらも大きな変化があったと思います。
 据え置きだと、2004年頃はほとんどの人がCDプレーヤー、コンポ、ラジカセといったものを使っていたと思いますが、2014年ではPCを使っている人の比率がかなり高くなったのではないでしょうか。単体ヘッドホンアンプは2004年頃だと数えるほどしか売られておらず、使っている人もごく一部のマニアだけだったと思いますが、2014年では複合機を除いても数十製品はありますし、使っている人もさほど珍しくないように思われます。2004年頃はヘッドホンアンプでさえもそんな状況でしたから、単体DACとなると更に使っている人が少なかったはずです。
 ポータブルでは、2004年頃はポータブルCDプレーヤー、MDプレーヤー、DAPを使っている人が混在していたように思いますが、2014年では大部分の人がDAPやスマートフォンを使っているのではないでしょうか。この間、記録メディアの違いだけではなく技術の進歩によって基本的には音質も向上したと思います。ポータブルヘッドホンアンプは2004年頃だと据え置きよりも更に少なく、使っている人も当然ほとんどいなかったように思いますが、2014年では据え置き同様数十製品はありますし、使っている人も比較にならないほど増えたと思います。それどころか高音質を売りにした高価なDAPやポータブルDACまで出てきている状況です。
 そんなわけで、仮に再生環境の音質やCDプレーヤーとPCの違いといったものが音質評価に影響を与えるとするなら、2004年と比べて2014年では優れた再生環境で力を発揮するヘッドホンの方が高く評価される傾向や、あるいはCDプレーヤーよりもPCで力を発揮するヘッドホンの方が高く評価される傾向があることになります。私の感覚としては、これは仮の話ではなく実際に起きているように感じられます。

・優秀録音と音質評価
 2004年と比べると、2014年では所謂優秀録音盤やハイレゾ音源を聴く人が増えたように思います。これは、ネットでの情報交換が活発になったことにより優秀録音盤の知名度がアップしたり、PCオーディオの普及に後押しされるように高音質音楽配信が広がり始めたことが原因なのではないかと思います。
 その結果、優秀録音でないと機器の良さが発揮されないと考える人や、優秀録音の良さを出してくれることと音質に密接な関係があると考える人、あるいは優秀録音の良さを出してくれることがイコール音質が良いということだという感覚の人が増えてきたように思われます。それどころか、逆に録音の悪い音源の悪さをストレートに出すことが良いという考えの人さえいるようです。
 ともあれ、ヘッドホンの音質評価に優秀録音盤を使用する人が増え、その結果優秀録音で力を発揮するヘッドホンの音質が高く評価されるようになったという変化があるように思われます。

・ネット通販の普及
 2004年頃はネット通販でヘッドホンを購入する人はかなり限られていました。2014年ではamazon、楽天、家電量販店のネット通販等で購入する人もかなり多いと思いますが、2004年頃これらのネットショップは存在しなかったり、存在してもヘッドホンをほとんど売っていなかったり、売っていても非常に割高だったりといった状況でした。ヘッドホンマニアの間ではネット通販と言えばサウンドハウスとAIRY(個人経営のショップ)がかなりのウエイトを占めていたことだけ見ても、2014年とは状況がまったく異なることが分かります。
 また、ヘッドホンを取り扱うネットショップが増えれば、当然競争が激しくなって販売価格が下がるという現象も生じます。2004年頃は家電量販店を含む店頭販売は高い店もあれば安い店もあるというイメージだったものが、2014年では家電量販店はネットショップと比べて高いというイメージがすっかり定着してしまったように思います(最近は少し状況が変わってきたかもしれませんが)。
 2004年頃はちょっとこだわってヘッドホンを買おうと思うと品揃えの良いショップにわざわざ足を運んで高めの額を払わなければならなかったのが、2014年では誰でもどんなヘッドホンでも簡単に安く買えるようになったというのが、非常に大きな違いだと思います。

・偽物の氾濫
 2004年頃はヘッドホンの偽物というのはほとんど話題にならなかったように思います。それが2014年では一歩間違えると偽物を掴まされてしまうような状況です。
 ここまで偽物が増えた理由は色々考えられます。例えば、中国で生産するメーカーが増えたことにより情報や場合によっては部品そのものが漏れて偽物が作りやすくなった、ヘッドホンが沢山売れるようになったため偽物を作って売ると儲かるようになった、オークションが普及したり個人レベルで簡単にネット販売ができるようになったりして売る場所ができたといったことです。

・試聴機の充実
 2004年頃は「聴いたこともないのに批判するな」といった発言が見られたような気がしますが、2014年では「試聴しただけの癖に批判するな」といった発言が出てくるようになりました。個人的には昔から前者と後者両方の意見を持っていましたが・・・・・・ ともあれ、それくらい試聴できることが当たり前のようになってきたと言えます。レビューにも「試聴必須」のような記述が散見されるようになりました。
 試聴機の配置や人口の分布を考えれば、特定のヘッドホンを気軽に試聴できる場所に住んでいる確率は実はそれほど高くないと考えられますが、2004年と比べれば試聴できるケースが格段に増えたのは間違いないでしょう。
 また、試聴機が充実したことによって、必然的にレビューの有用性は下がったものと思われます。

・レビューの増加とクオリティーアップ
 レビューには大雑把に分けて雑誌に載っているものとネットで公開されているものの2つがありますが、両方とも2004年と比べて2014年の方が質・量ともにアップしていると思います。
 雑誌のレビューについては疑問視される方も多いかもしれませんが、私の見る限りヘッドホンの雑誌記事はクオリティーが格段にアップしています。2004年頃の雑誌記事は、大甘に見ても半分程度しか同意できないレベルでした。この大甘というのは、実機を使わずに適当に書いても半分は当たる、というくらいの甘さです。つまり読んでも読まなくても同じ、むしろ5割の確率で騙されると考えれば読まない方が良いのではないかという考え方もできます。2014年では同じ基準で読んだ場合、7〜8割くらいは同意できるように思います。
 これには色々な理由が考えられます。例えば、2004年頃はヘッドホンを"ついでに"手がけるオーディオライターが多かったのが2014年ではヘッドホン関連を得意とするライターが何人も出てきた、ヘッドホンに注目する人が増えて適当なことばかり書いていると読者にばれるようになった、一般のブロガー等下手なプロライターよりもヘッドホンに詳しくメーカーや出版社とのしがらみのない人が記事を書くことが増えた、といった理由です。
 ネット上のレビューは雑誌以上の変化があったかもしれません。2004年頃はネットショップや価格比較サイトのカスタマーレビューはほとんど存在しませんでしたし、ブログ等で情報を発信している人も2014年よりだいぶ少なかったと思います。また、2014年では1人で10台以上のレビューを公開している人も珍しくありませんが、2004年はそういう人は数えるほどしかいませんでした。
 ネットで公開されているレビューのクオリティーがアップした理由は、ひとことで言えば経験を積んだ人が増えたからではないでしょうか。例えば、多くのヘッドホンを使ったことのある人、レビューを沢山読んだことのある人、レビューを沢山書いたことのある人、そういう人の方が質の高いレビューを書ける傾向があるということです。2004年頃は他のヘッドホンと比較するということもかなり少なかったので、レビューの質が低かったのも当然と言えば当然かもしれません。ただし、レビューを簡単に公開できる環境が整った結果、ヘッドホンにあまり詳しくない人もレビューを公開するといったことが起きているため、すべてのレビューの平均点という見方をするなら微妙なところかもしれません。
 それからネット上のレビューが増加したことによって複数のレビューを読んで総合的に判断することが可能になり、個々のレビューの重要性は下がったものと思われます。


 細かい部分やあまりに個人的な話はかなり省略したのですが、それでもだいぶ長くなってしまいました。それだけ2004年から2014年までの間に起きた変化が大きかったということだと思います。おそらく2014年から2024年までの10年間では、これほど大きな変化は起きないのではないでしょうか。
 今回のコラムを単なる昔話として楽しむのか、それとも実用的なものとして読むのか、どんな読み方をしていただいても構いませんが、時期が違うだけで実に様々な変化が生じるということくらいは覚えておいて損はないと思います。







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