第50回 CARAT-PERIDOT試聴レポ
・概要
詳細はメーカー製品ページ(http://www.styleaudio.jp/php/peridot.php現在リンク切れ)を参照のこと。
USB専用のDAC。入力はUSB(1.1)のみ。対応OSはMicrosoft Windows 2000 Professional, XP, Vista、Mac OS 9.1以降 日本語版/英語版、Mac OS X 10.0以降 英語版、10.1以降 日本語版。ヘッドホン端子は標準サイズが1個。ヘッドホン端子以外の出力端子はRCA×1のみ。電源はUSBバスパワーもしくはACアダプター(付属)。
本体前面には左からヘッドホン端子、電源スイッチ、出力切り替えスイッチ(RCAライン or ヘッドホン)、ボリュームが並んでいる。
サイズは小さめで重量も軽いが、用途を考えればこんなところか。外観はあまり癖がなく、万人受けすると言って良いだろう。質感もなかなか良い。
・音質
味付けの少ない、シンプルで癖のない音。濁りや歪みが少なく、澄んでいて明瞭な傾向。密度は普通で、粗はあまり感じない。輪郭は特に明確でもぼやけているわけでもなく普通。質感は基本的にはニュートラルだが、どちらかと言えば硬く冷たい。立ち上がりは普通で、特に不満は感じない。
周波数特性はかなりフラット。基本的に全帯域に渡り大きな癖はないが、低域はやや重心が高めで締まる方向。制動は悪くない。中域から高域は特に癖はないが、高域はあまり派手な感じではない。全体を見渡すと、中域が比較的しっかり聴こえてくる印象。情報量はそれなり。音の分離にしろ微細な表現にしろ大きな不満は感じないレベル。空間表現は、広さは普通だがなかなか明確で把握しやすい。残響音は適度からややあっさり、伸びは普通。小型・軽量の割にはドライブ能力は高い。何でも聴けるが、あえて得意ジャンルを挙げるならポップス。切れやスピード感で聴かせるタイプだが、力強さもそれなりにある。
あまりヘッドホンを選ばない機種ではあるが、高音よりのヘッドホンよりは低音よりのヘッドホンとの相性が良いように感じる。高音よりのヘッドホンだと、低域が多少物足りない傾向になりがち。
DR.DAC2(USB接続)と比べると、低域は締まっていて量は若干少なめ、重心はやや高い。中高域から高域にかけてはDR.DAC2の方がやや派手だが、シンバル等の高いところはほぼ同等かCARAT-PERIDOTの方がしっかり出るくらいに感じる。DR.DAC2の方がヴォーカルのサ行等エッジがややきつく聴き疲れしやすい。CARAT-PERIDOTの方がやや硬く締まった音で、立ち上がりや切れが良くスピード感がある。生楽器の魅力はCARAT-PERIDOTの方がやや感じられる。どこが違うかと訊かれれば、金管楽器の派手さが大きい印象(DR.DAC2の方がやや作ったように派手)。次いで打ち込み系の明るい曲の表現(CARAT-PERIDOTの方がうまい)。
上記の内容はACアダプター使用時のもの。USBバスパワーとの音の違いはほとんどないが、どちらかと言えばACアダプター使用時の方が迫力や安定感があるように感じる。
・その他
ボリュームノブの直径は約12mm、小さめだが奥行きがあるので使いづらくはない。ギャングエラーはないが、ボリューム最小付近で音が片側に寄る。基本的には問題ないレベルだが、音量の取りやすいイヤホンを小音量で使用したいといには問題になることもあるかもしれない。ガリノイズはない。ゲインは普通。音量の取りやすいヘッドホンでもボリューム調節に難はないし、音量の取りづらいヘッドホンでも音量が取れないことはないだろう。タッチは重すぎず軽すぎず、スムーズに回ってくれるので音量調節がしやすい。
無音時のノイズはかなり小さい。インピーダンスが小さく感度の大きいヘッドホン(例えばSuper.fi 5 Pro等)を使用すると、通常使用域ではあまりノイズを感じないし、ボリュームを最大にしてもそれほど大きくなく普通の音量で音楽を鳴らしたとしたらあまり気にならないレベル。
電源を入れたり切ったり、出力を切り替えたりする際にノイズはほとんどのらない。
発熱はほとんどない。電源ランプは緑色で、かなり明るい。
・付属品
USBケーブル
フットシール
電源アダプター
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スペック
形式 | 再生周波数帯域 | 全高調波歪率(THD) | S/N比 |
Solid State | 20Hz〜20kHz | - | - |
推奨負荷インピーダンス | 外形寸法 | 重量 | 参考最安価格 |
24Ω〜300Ω | 75(W)×125(D)× 31(H)mm ※1 | 250g ※2 | 33800円 |
今回は、Styleaudio社製USB DAC、CARAT-PERIDOTを1週間ほどお借りすることができましたので、その試聴レポです(CARAT-PERIDOTにはヘッドホン出力とライン出力がありますが、今回の内容はヘッドホン出力を使用した際のものです)。