第47回 iHA-1 V2+iPSU-1試聴レポ

概要
 詳細はメーカー製品ページを参照のこと。
 入力端子はデジタル同軸×1、角型光×1、USB×1、RCA×1。出力端子はヘッドホン出力1個(標準サイズ)に加えて、アナログパススルー出力端子(RCA)がある。電源は、付属のACアダプターまたは専用電源ユニット・iPSU-1を使用する。
 本体前面には左から電源スイッチ、ヘッドホン端子、デジタル入力切替ボタン(USB or 光角型 or 同軸)、入力切替スイッチ(Digital or Analog)、ゲイン切替スイッチ(High・約10dB or Low・約0dB)、ボリュームが並んでいる。
 豊富な入力に加えてスルーアウトやゲイン切替スイッチがあり、様々な使い方ができて使い勝手の良い機種。
 デザインはシンプルで一般受けしそう。作りはかなりしっかりしていて、小型・軽量の割には高級感があるし、安心して使える。

音質
 かなりニュートラルで癖がない。味付けはあまり感じられず、ソースの持っているものを比較的そのまま出す印象。密度が高く粗がない。音の圧力は普通。輪郭は明確でもぼやけているわけでもなく、自然な感じ。質感は多少柔らかく、若干温かい印象を受ける。立ち上がりは普通。切れやスピード感にはやや欠ける。
 周波数特性はかなりフラットだが、若干低音よりのドンシャリか。低域は基本的には質・量ともに普通だが、若干重心が低めで重厚で粘りがある感じ。厳しく見るならわずかにぼやけていて塗りつぶしたような質感で、分離や細かい描写がいまいち。締まりや制動にもやや欠けるが、ベースの量感等を求める向きには合う。高域は鮮やかかつ粗がないが、厳しく見るならもう少し線が細く上まで伸びていればなお良かっただろう。情報量は十分ある。音の分離や微細な表現も同様。ただし、前述の通り低域は中域・高域と比べると若干の不満はあるし、中域や高域にしてもエッジのきつさやヴォーカルのサ行の痛さを若干感じることもある。空間表現はやや遠くから音を鳴らすような印象で、広さ・明確さともになかなか良い。残響音は適度からやや豊か。伸びはなかなか良い。
 癖がなくヘッドホンを選ばない機種。強烈な個性や魅力はないが、価格なりの能力は持っているので、豊富な入力や使い勝手の良さ目当てで本機を選んでも後悔はしないだろう。
 上記の内容は、デジタル同軸入力で専用電源ユニット・iPSU-1を使用したときのもの。角型光及びRCAでは若干鮮やかさやメリハリに欠ける印象(ただしデジタル同軸との音の違いは小さい)。USBではやや音がやせる。iPSU-1を使用せずにACアダプターを使用した場合の音は、iPSU-1使用時と比べるとややぼやけて元気がない感じ。また、低域の制動が甘い。違いは劇的とは言わないまでも、ある程度は感じられる。価格なりの違いがあるかは、人によって感じ方が違うだろう。そのあたりは他の電源環境と同じ。少しでも良くしたいなら、iPSU-1を使った方が良さそうではある。

その他
 ボリュームノブの直径は約22mm、普通からやや小さめに感じるが、実用上問題ないサイズ。ガリノイズはまったくないが、極々小音量でギャングエラーが若干ある。ただし、実用上まったく問題にならないレベル。ゲインは平均的なヘッドホンアンプより小さいように感じる。音量の取りづらいヘッドホンを使用する場合、ゲインがHighでもボリュームを12時以上に上げることも有り得るだろう(普通のヘッドホンアンプでは12時以上まで上げることはあまりない)。そのため、小音量でのボリュームコントロールがしやすく、音量の取りやすいヘッドホンを小音量で使用する際にも困ることがない。タッチは普通で、特に重くもなく軽くもないが、もう少し滑らかに回ってくれるとなお良かっただろう。
 また、無音時のノイズが非常に小さい。インピーダンスが小さく感度の大きいヘッドホン(例えばSuper.fi 5 Pro等)を使用してもほとんどノイズが感じられない。その点については最高レベルと言える。
 電源を入れたり切ったり、入力を切り替えたりする際にノイズはほとんどのらない(ただ、デジタル入力切替の際にはわずかにプツッというノイズが入る)。
 発熱は多少あるが、手で触ると温かく感じる程度で、長時間使用しても触れないほど熱くはならない。電源ランプや入力切替表示のランプは青みがかった白色で、明るさはやや暗め。

付属品
ACアダプター
USBケーブル

スペック

形式 再生周波数帯域 全高調波歪率(THD) S/N比
Solid State 10Hz〜20kHz 0.005% 123dB
推奨負荷インピーダンス 外形寸法 重量 参考最安価格
8Ω〜1kΩ 147(W)×180(D)× 43(H)mm 1kg ※ 79800円

 今回は、izo社製ヘッドホンアンプiHA-1 V2と電源ユニットiPSU-1を2週間ほどお借りすることができましたので、その試聴レポです。

※ 取扱説明書の値。メーカーサイトでは870gと記載。

概要
 詳細はメーカー製品ページを参照のこと。
 iPSU-1はizoデスクトップラインナップ、iHA-1/A/B/C/V2のための高品位の専用電源。iPSU-1、1台でizoデスクトップラインナップ製品2台に電源供給が可能(ただし接続に必要な専用ケーブルは1本しか付属しないため、2台接続するためにはケーブルを別途入手する必要がある)。
 背面に電源スイッチ、ACインレット、専用電源出力端子×2がある。電力を供給するための最低限の機能といった感じ。特筆すべき機能は何もない。
 デザインはシンプルで一般受けしそう。作りはしっかりしていて、小型・軽量の割には高級感があるし、安心して使える。
 音質についてはiHA-1 V2を参照のこと。

その他
 発熱はわずか。手で触ると少し温かく感じる程度。電源ランプは青みがかった白色で、明るさはやや暗め。
 電源スイッチが背面ではなく前面にあった方が良かっただろうが、それ以外は特に不満のない機種。

付属品
ACケーブル
iPSU-1専用ケーブル(20cm)x1







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※1 取扱説明書及びメーカーサイトの記載は「147(W)×43(D)× 100(H)mm」となっているが、これは誤り。
※2 取扱説明書の値。メーカーサイトでは1.27kgと記載。
推奨負荷インピーダンス 外形寸法 重量 参考最安価格
- 147(W)×180(D)× 43(H)mm ※1 1.5kg ※2 45800円
形式 再生周波数帯域 全高調波歪率(THD) S/N比
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スペック

iHA-1 V2

iPSU-1

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