第4回 ヘッドホンの分解
ヘッドホンがどのような原理で音を鳴らしているかは、知っている人も多いでしょうし、色々なサイトで説明されているので、ここでは細かい説明は省きます。
内部を見たことのない人も多いと思うので、今回はヘッドホンを実際に分解してみました。
クランケは某国内メーカーの密閉ダイナミック型です。コンデンサー型では根本的に構造が違います。
1.ハウジング
写真はハウジングの内側です。ヘッドホンの最外面です。このヘッドホンではプラスチック1枚のシンプルなものでしたが、他にも木やアルミ等様々なものがあります。また、二重になっているものもあります。
2.ドライバを保持する部品
このヘッドホンではプラスチック製でしたが、他にも金属製のもの等があります。ハウジングの内側に取り付けてあります。
3.ドライバ + 振動板
写真の後面の金属部分がドライバ、前面の透明なフィルム部分が振動板です。
ドライバの材質はネオジウムマグネットが主流のようです。普通のオーバーヘッド型のヘッドホンでは、口径は35m〜53mm程度です。ヘッドホンの動力源、言わば心臓部で、大きいほど駆動力が上がり音場も広いようです。基本的には大きい方が音質に有利ですが、その分どうしても高価になる傾向があります。
振動板の材質はポリエステルなどが一般的なようですが、メーカーによってはバイオセルロースやチタニウムコーティングなど変わったものを使っているものもあります。
4.振動板と耳の間を遮断する板
このヘッドホンではプラスチック製で、ハウジングにはめ込む形になっていました。
5.異物の侵入を防ぐフィルタ + イヤーパッド
このヘッドホンでは、異物の侵入を防ぐフィルタとイヤーパッドが一体になっていましたが、別々のものもあります。写真の内側がフィルタ、外周がイヤーパッドです。
フィルタはヘッドホンによって粗い布地のものから分厚いスポンジまで様々です。安価なものでは耐久性を増すため分厚いことが多いようですが、当然音の通りは悪くなります。このフィルタを取り外すことで音質が良くなることもあるようです。当然、埃に弱くなりますが。逆に、開放型はフィルタが薄い傾向にあるので、その構造上から考えても埃に注意して扱う必要があると思います。
イヤーパッドの材質は、密閉型は音を漏らさないよう皮製、開放型は音の通りを良くするため布製が主流ですが、例外もあります。天然皮、クラリーノやエクセーヌなどの人工皮革、布、ビニールなど様々です。
戻る