【機種】フレェイ株式会社 BCHS-FT001 「超磁歪トランデューサー Filltune(フィルチューン)」
※おそらくTEACのアレと中身は同じと思います。しかし大層な名前の機種であります。
【はじめに】
この機種は「音が聴こえづらくなった中高年層の方」や「耳に軽度の障害がある方」もターゲットにした製品であります。
現在の自分のように聴覚に特に問題の無い者が聴いて「音質が悪い」と文句を言うのは正直偏っていると思います。
骨伝導ヘッドホンを真に必要としている方は、実際に試聴するか、他の方のレビューを参照お願いします。
※2007/6/3現在、ヨドバシカメラ新宿東口で試聴が出来ました。また新宿西口店、秋葉原店でも店員さんに話せば試聴が出来ると思います。
【再生環境】
ポータブルプレイヤー機:iPod nano(5G 4GB)
据え置き環境:PC(iTunes)>(無線LAN)>AirMac Express>(SPDIF出力)>AT-DHA3000
良く使うヘッドホン:HD650、QuietComfort3
欲しいヘッドホン:Koss ESP-950、Koss QZ-2000
良く聴く曲:緩めのテクノ、クラシック(とても偏りあり)
ちなみに超磁歪(じわい)式とはどんな原理なのかは以下が分かりやすいと思います。
(TDKのホームページ)
http://www.tdk.co.jp/techmag/illustrated/200310/index.htm
【作り】
今ひとつ。
ヘッドホン部:質感やスライダー部分の感触は悪く無い。
取扱いの面では骨伝導スピーカ部分が内側に強力にハネ上がりやすく装着時に少し難儀しがち。
ケーブルは両出しでやや硬めで取り回しは今ひとつのように思う。
専用アンプ部:非常にプラスチッキーで強度的に非常にココロモトない印象。サイズがかなり大きい点もマイナスポイント。
【装着感】
側圧は強め。振動を伝導する円形の接触部は直径25mm程度で面圧が高く、使い始めは若干ズキズキして不快。(結構慣れますけど)
【音質】※以下は自分の耳と、自分で良いと思った装着位置での記述になりますので個人差は大きいと思われますので注意。
シャリシャリのハイ上がり。10mmくらいのメチャ小さなスピーカーで聴いているような印象。
楽器の基音はあまり出ておらず倍音成分で音程(レジデュー・ピッチ)を聴いているようなイメージです。
ローエンドは300Hzあたりから既に量感がかなり少なく、かつ歪み感が顕著。
楽曲によりますがボリュームを上げると簡単に低音がワレてしまう点は残念。ベースやキックはちょっと厳しい。
ボーカルは線が細すぎる。サ行は比較的キツイが痛いと言うほどではないと思う。
高域は2.5Hz前後と6kHzに顕著なピーク感あり。(2.5kHzから下は、ダラっとひたすらパワーが落ちて100Hzあたりで音が消え去る。)
どうも外耳道の共鳴(ピーク約2.5kHz)の影響がそのまま周波数特性に現れているような印象です。
ハイエンドの伸びは意外にも優秀で16kHzあたりまで聴こえます。(※自分の耳は最大16kHzまでしか聴こえません。)
その他ホワイトノイズが比較的大きく、ライン入力端子に何も接続していない場合でも専用アンプのボリューム位置12時を超えるとかなり気になります。
自分のiPodで使う場合、専用アンプのボリュームは大体10〜12時あたりで使用していますので、気になる人は居るでしょうね。
また、音モレは結構しますので注意です。(振動からまた音に戻ってこれがモレるのです。)
【最後に】
低域はかなりダメなレベルで値段なりとは言えませんけれど、是非開発を進めていって欲しい技術であります。
高域は健闘しているように思いますし、スジは悪くない印象でこれからに期待。
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BCHS-FT001
投稿者:粗忽 投稿日:2007.6.3
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