AMP800
概要
詳細はメーカー製品ページ(英語)を参照のこと。
入力端子はTRSフォン(バランス・アンバランスどちらでも可)×2系統。プロ用機材らしくRCA入力はないので注意が必要(通常のオーディオ機器に接続する場合には、RCA⇔フォンケーブルまたはRCA→フォン変換プラグが必要)。出力端子はTRSフォン×1(スルーアウト、バランス)、ヘッドホン出力×8(4系統×2、すべて標準サイズ)。合計8台のヘッドホンを同時に使用できる(本体前面に4つ、本体背面に4つのヘッドホン出力端子があり、背面の端子の音量調節は前面の該当端子のボリュームで行う)。
普通のヘッドホンアンプと異なり、出力レベルだけでなく入力レベルも入力ごとにボリュームで調節できる。各入力に独立してL/Rバランス調整があり、各ヘッドホン出力端子に独立して入力切替スイッチがある。
サイズは小さめで、重量も軽い。外観はあまり良いとは言えないだろう。
音質
癖のない音。入力された信号をそのまま増幅するような印象。味付けや個性はほとんど感じられない。良くも悪くもモニター的で地味。音楽を楽しむという観点からすると、濃密さや瑞々しさといったプラスアルファの魅力には欠ける。特筆すべき点はほとんど見当たらないが、あえて挙げるなら若干制動が悪くメリハリに欠けるように感じられることがある点くらいか。密度は若干薄めで、ソースによっては粗が気になる。輪郭は普通からやや明確。質感はどちらかと言うと硬く冷たい。立ち上がりは普通。
周波数特性はかなりフラット。基本的に低域から高域まで素直に出る。低域は、量、重心の低さ、締まりどれをとってもあまり特徴らしい特徴はない。しいて言うなら若干重心が高めで曇ったような質かもしれないが、十分普通と言える範疇。高域は若干伸びが悪いと感じることがあるが、一部のシンバル等で伸びの悪さを感じるだけで高域全体の量が足りないとかそういうことはないし、ほとんど気にならないレベル。情報量は特別多くはないが、必要量はある。音の分離や微細な表現も普通にこなしてくれる。ただ、低域の質や高域の伸びの影響もあるのか、わずかに曇っていて明瞭さに欠けるように感じることがある。空間表現は普通だが、若干明確さに欠ける。残響音や伸びは適度からややあっさり。
あまりヘッドホンを選ばない機種だが、厚みの薄い機種や高音よりの機種だとスカスカに感じられるかもしれない。
いくつか欠点も書いたが、どれも厳しく見ればという程度で、価格を考えれば欠点らしい欠点はないと言える。音楽を楽しめるような魅力や個性を求めるなら避けた方が良いだろうが、そうでないなら数万円の単体ヘッドホンアンプと比べてもそれほど遜色のない音質。
その他
ボリュームノブの直径は約9mm。小さめだが奥行きがあるのでそれほど使いづらくはない。ボリュームのタッチはやや重いが、細かい音量調節がしづらいというようなことはない。ガリノイズはない。ギャングエラーはボリューム最小付近であるが、入力レベルを調節できることを考えると音量の取りやすいヘッドホンでもほとんど問題にならないレベル。
入力レベルをボリュームで調節できるため、音量という意味で様々な音源・ヘッドホンに対応してくれると言える(実際、非常に音量を取りやすいカナル型イヤホンから非常に音量を取りにくいオーバーヘッド型までほとんどストレスなく音量調節ができる)。
無音時のホワイトノイズは若干あるが、実用上ほとんど問題にならないレベル。音量の取りやすいヘッドホン(例えばSuper.fi 5 Pro)を使うと、ボリューム最小ではノイズがほとんど聴こえず、音量を上げるに従って大きくなり最大だとかなり気になる音量になるが、ボリューム実用域ではあまり気にならないレベルで音楽を鳴らすとほとんど聴こえない。
電源を入れる際にプツッというノイズが発生する。このノイズはある程度大きいので、電源を入れる際にはヘッドホンを接続しない方が良いだろう。入力を切り替えたりする際には、ノイズはほとんど発生しない。
発熱は多少あるが、長時間使用しても素手で触れる程度で、あまり気にならない。電源ランプは緑色で、発光部が大きいせいか、やや明るめに感じる。入力レベル・出力レベルに応じて該当ランプが点滅するため、視界に入っていると煩わしいと感じる人もいるだろう。
付属品
無し
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スペック
形式 | 再生周波数帯域 | 全高調波歪率(THD) | S/N比 |
Solid State | 10Hz〜120kHz | 0.007% | 95dB |
推奨負荷インピーダンス | 外形寸法 | 重量 | 参考最安価格 |
- | 242.6(W)×120(D)×48(H)mm | 0.495kg | 5300円 |
公開日:2009.10.25