UE400VI
音質
低音よりのドンシャリ。低域はある程度量が多い。ただし、質的にも量的にも微妙なところがあり、それほど多くないと感じる人もいると思われる。中低域よりも所謂重低音の方がしっかり出る。どちらかと言うと締まりや制動が感じられる質。ソースによってぼやけることはあっても曇ることはない印象。重心はやや低め。中域は低域に邪魔されずはっきり聴こえてくるし、変な癖もない。高域は若干多め。どちらかと言うと線が細く明るい質。粗は気にならない。
分解能は価格の割にやや良い。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろなかなか良い。音場感は、広さは普通からやや広め、明確さはなかなか良い。原音忠実性はそれなりと評価すべきかなかなか良いと評価すべきか迷うところ。一聴して大きな違和感はない。原音の粗や生っぽさはそれなりに感じられる。エッジのきつさは普通で、聴き疲れは特に問題ないレベル。高域にしろヴォーカルのサ行にしろやや細く刺さると感じることはあるが、特に酷くはない。ヴォーカルのサ行より高域の方が痛い印象。
明瞭さ、音の鮮やかさはなかなか良い。厚みは普通。温かみはそれなり、ヴォーカルの艶っぽさはなかなか良い。どちらかと言うと女性ヴォーカルに向いている印象。芯が通っていると言うよりは透明感がある。ノリの良さと繊細さをある程度両立しているが、どちらかと言うと繊細な傾向。切れやスピード感、低域に基づく迫力や力強さ、いずれも悪くない。ただし、やや音の圧力に欠けるところや低域・中域に芯が通っていないところが気になることがある。響きは適度からややあっさりで、こもり感はあまり気にならない。響きが綺麗。どちらかと言うと付帯音が少なく表面がやや無機質な傾向。
弦楽器はそれなりに繊細かつ心地よい。特にヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいなら良い。金管楽器はなかなか鮮やかで、金属的な質感を出してくれる。どちらかと言うと細く綺麗な質。打ち込み系の音の表現はなかなかうまい。音の質感の相性が良いし、切れや厚みも悪くない。
重低音はある程度出るが、全体の印象としては迫力があると言うより明瞭で繊細。ジャズ・ロックよりはクラシック・ポップス向きの印象。高域やピアノの質感が魅力的と感じる人もいるだろう。
装着感
良好。カナル型だが、イヤーピースを耳の奥に押し込むタイプではないので装着しやすいし、耳の穴が痛くなりにくい。ずれやすい、重い、コードが顔に当たりやすい等の不満もない。
イヤーピースの材質はシリコンのようだ。5サイズに加えて、Comply低反発ポリウレタンフォームチップが付属している。
その他
遮音性及び音漏れ防止は良好。カナル型としてもやや良いレベル。
作りは価格の割にやや良い。デザインは本体の光沢とコードの一部にラインが入っている点が個性的。
プラグは金メッキのL型ミニプラグ(マイクがあるため4極)。プラグが4極のせいか、通常の3極のプラグと比べて機器によっては接触不良が発生しやすいようだ(使えないほど酷いことはまずないと思われる)。コードの太さは合流前は幅約2.5mm・厚さ約1mm、合流後は幅約3mm・厚さ約1mm、 硬さは普通だが幅広なので扱いやすさは個人差があるだろう。絡みにくい点は良い。
付属品
イヤーピース5種類
Comply低反発ポリウレタンフォームチップ
キャリングケース
クリップ
参考
代理店製品ページ
周波数特性グラフ
比較メモ
HA-FXD80
HA-FXD80は高音よりのドンシャリ、UE400VIは低音よりのドンシャリ。低域はUE400VIの方がやや量が多い。HA-FXD80の方が締まりや制動が感じられる。重心はUE400VIの方が若干低い。中域はHA-FXD80の方がやや明るく、低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。高域はHA-FXD80の方がやや量が多い。硬く鋭い質で目立つ。HA-FXD80の方が粗が気になる。分解能はHA-FXD80の方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。ただし、一つ一つの音の微細な描写はUE400VIの方が粗なく丁寧にこなしてくれる面はある。音場感は、UE400VIの方がやや広い、HA-FXD80の方がやや明確。原音忠実性は微妙。UE400VIの方が一聴して違和感がない。原音の粗や生っぽさはHA-FXD80の方がやや感じられる。エッジはHA-FXD80の方がきつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろHA-FXD80の方が鋭く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはHA-FXD80の方が若干上。厚みはHA-FXD80の方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはUE400VIの方がやや感じられる。ヴォーカルは、HA-FXD80の方が擦れやリップノイズを出してくれる、UE400VIの方がスモーキーで聴きやすい。HA-FXD80の方が明るくノリが良い。UE400VIの方が粗がないという意味で繊細。HA-FXD80の方が切れやスピード感がある。UE400VIの方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きは、低域はUE400VIの方が豊か、高域はHA-FXD80の方が豊か。HA-FXD80の方がドラムや破裂音が目立つ。弦楽器は、HA-FXD80の方が生楽器らしさが感じられる、UE400VIの方が滑らかで心地よい。金管楽器はHA-FXD80の方がやや鮮やかで金属的な質感を出してくれるが、やや癖が気になる。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性はUE400VIの方が若干上、切れはHA-FXD80の方がやや上。ただし、HA-FXD80はざらつく感じが合わないことがある。使い分けるなら、高域の量や切れを求めるならHA-FXD80、低域の量や聴きやすさを求めるならUE400VI。
K374
どちらも低音よりのドンシャリ。低域はK374の方が若干量が多い。ソースによってK374の方が曇っているように感じられたり芯が通っているように感じられたりする。重心はUE400VIの方が若干低い。中低域はK374の方がしっかり出る。中域はUE400VIの方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。質的にはK374の方が芯が通っている印象。高域はほぼ同量。UE400VIの方がやや線の細い質。分解能はUE400VIの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はUE400VIの方が若干広く明確で見晴らしが良く把握しやすい。原音忠実性はUE400VIの方が若干上。K374は低域の量が多すぎる。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジはUE400VIの方が若干きついが、K374は音の圧力やこもり感で疲れる面があるため、総合的な聴き疲れはソースや聴く人によって変わってくるだろう。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さだが、K374の方がやや粗っぽく痛い、UE400VIの方がやや細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはUE400VIの方が若干上。厚みはK374の方が若干ある。温かみはK374の方が若干感じられる、ヴォーカルの艶っぽさはUE400VIの方が若干感じられる。K374の方が若干ノリが良い、UE400VIの方が若干繊細。K374の方が低域に基づく迫力や力強さがある。響きはK374の方が若干豊かでこもり感が気になる。弦楽器はUE400VIの方がやや繊細。ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならUE400VIの方が良い。金管楽器は、K374の方が若干太く力強い、UE400VIの方が若干細く綺麗。打ち込み系の音の表現はUE400VIの方が若干うまい。音の質感の相性で勝っている。使い分けるなら、厚みや迫力を求めるならK374、明瞭さや繊細さを求めるならUE400VI。
SE215
SE215は低音より、UE400VIは低音よりのドンシャリ。低域は微妙。ソースによって印象が変わりやすい。所謂重低音はUE400VIの方がしっかり出る。SE215の方が薄く曇ったような質。重心はUE400VIの方が低い。中低域はSE215の方がしっかり出る。中域はUE400VIの方が低域に邪魔されずはっきり聴こえてくる。質的にはSE215の方が芯が通っている印象。高域はUE400VIの方が若干量が多い。線が細く明るい質。分解能はUE400VIの方がやや上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ若干勝っている。音場感はUE400VIの方が若干広く明確で見晴らしが良く把握しやすい。SE215の方が近くで音を鳴らす感じが気になる。原音忠実性は微妙。周波数特性上の癖のなさは大差ない。原音の粗はUE400VIの方が若干感じられるが、生っぽさはSE215の方が若干感じられる。エッジはUE400VIの方が若干きつく聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろUE400VIの方が若干細く刺さる。明瞭さ、音の鮮やかさはUE400VIの方がやや上。厚みはSE215の方が若干ある。温かみはSE215の方がやや感じられる、ヴォーカルの艶っぽさはUE400VIの方がやや感じられる。SE215の方が男性ヴォーカル向き、UE400VIの方が女性ヴォーカル向き。ノリの良さは微妙。UE400VIの方がやや繊細。SE215の方がややどっしりとした安定感がある。響きはSE215の方が若干豊かでこもり感が気になる。UE400VIの方が響きが綺麗。SE215の方が付帯音が多めで、ジャズやロックの楽器の質感に合うように感じられることがある。弦楽器はUE400VIの方が繊細。ヴァイオリン等を澄んだ感じで聴きたいならUE400VIの方が良い。金管楽器は、SE215の方が太く力強い、UE400VIの方が細く綺麗。打ち込み系の音の表現はUE400VIの方がうまい。音の質感の相性や切れで勝っている。使い分けるなら、厚みや温かみを求めるならSE215、明瞭さや繊細さを求めるならUE400VI。
ZH-DX200-CT
UE400VIは低音よりのドンシャリ、ZH-DX200-CTはややドンシャリ。低域はUE400VIの方が若干量が多い。UE400VIの方が若干柔らかい質。重心はUE400VIの方が若干低い。中域は低域の量が少ない分ZH-DX200-CTの方が若干はっきり聴こえてくる。質的には良く似ている。高域はほぼ同量だが、どちらかと言うとZH-DX200-CTの方が多い。質的にも良く似ているが、ZH-DX200-CTの方が若干刺激的。分解能はZH-DX200-CTの方が若干上。音の分離にしろ一つ一つの音の微細な描写にしろ大差ないが、どちらかと言うとZH-DX200-CTの方が勝っている。音場感は、UE400VIの方が若干広い、ZH-DX200-CTの方が若干明確。原音忠実性はZH-DX200-CTの方が若干上。周波数特性上の癖のなさで若干勝っている。原音の粗や生っぽさが感じられる度合いはほぼ同レベル。エッジのきつさや聴き疲れは大差ないが、どちらかと言うとZH-DX200-CTの方が聴き疲れしやすい。高域にしろヴォーカルのサ行にしろ大差ない痛さだが、どちらかと言うとZH-DX200-CTの方が痛い。明瞭さはZH-DX200-CTの方が若干上、音の鮮やかさはほぼ同レベル。厚みはUE400VIの方が若干ある。温かみ、ヴォーカルの艶っぽさはUE400VIの方が若干感じられる。ノリの良さは微妙。ZH-DX200-CTの方が若干切れやスピード感がある。UE400VIの方が若干低域に基づく迫力や力強さがある。ZH-DX200-CTの方がこじんまりまとまっている感じ。響きはほぼ同量だが、どちらかと言うとUE400VIの方が豊か。弦楽器は良く似ているが、チェロやコントラバスを濃厚に鳴らして欲しいならUE400VIの方が良い。金管楽器は良く似ている。打ち込み系の音の表現は微妙。音の質感の相性は大差ないが、どちらかと言うとUE400VIの方が上。切れはZH-DX200-CTの方が若干上。ソースによってはUE400VIの方が低域の量感が合うことがある。使い分けるなら、低域の量や音場の広さを求めるならUE400VI、原音忠実性や切れを求めるならZH-DX200-CT。
サイン波応答
位相+高周波歪み
インパルス応答(CSD)
インパルス応答(録音波形)
100Hz・1kHz・10kHzサイン波の再生
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スペック
駆動方式 | 構造 | 周波数帯域 | 音圧感度 | インピーダンス |
ダイナミック | - | 20Hz〜17kHz | 105dB | 16Ω |
重量 | ドライバー直径 | コードの長さ | コードの出し方 | 備考 |
4g | - | 1.22m | 両出し(Y型) | - |
評点
音質 | 装着感 | 遮音性 | 音漏れ | デザイン | 携帯性 | 音の傾向 | 参考最安価格 |
4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 5 | 低(高) | 6200円 |
公開日:2014.3.29