第57回 Town-0 Phase-5/平沢進「救済の技法」より

 平沢進は約30年にわたり活動している息の長い音楽家。シンセサイザーをメインに使用しており、ジャンル的にはテクノに分類されることもあるようですが、実際は独特の個性がありどのジャンルにも当てはまらないと考えた方が良いかもしれません。
 今回取り上げる曲は、7thアルバム「救済の技法」の1曲目。一聴して平沢進と分かる、アジア風でかつ勢いのある曲です。
 ヘッドホンとしては打ち込み系の音と相性が良いもので、低域の量感や音の厚みがしっかりあるものが良いでしょう。


・1台目 DJ1 PRO(ULTRASONE)
 色々聴き比べましたが、消去法でこうなりました。他には、TR-HP03BとRP-21も良かったのですが、DJ1 PROと比べると音場に難があります。RH-300とHP-M1000は全体的なバランスは良いのですが、前述の機種と比べると輪郭がぼやけてしまう感じです。ソースによってはこれくらいの方が良いことも多いのですが、今回の曲はソース自体がややぼやけているような感じなので外しました。
 また、一応男性ヴォーカルとコーラスが入っているのですが、かなり加工されているので、男性ヴォーカルの表現がうまいヘッドホンである必要はないと感じました。
 DJ1 PROの不満点はほとんどないのですが、逢えて挙げるならやや不自然な点です。

・2台目 HP-DX1000(Victor)
 打ち込み系の音と相性が良く、DJ1 PROより自然な機種ということで選びました。聴いてみるとやはり相性が良く、音の厚み・低域の量感・明瞭さ等、どれも不満のないレベルです。ただ、DJ1 PROで感じた不自然さがあまり改善されていない気がします。このあたりはもともと打ち込み系の音との相性や明瞭さとトレードオフになっている面はあるので、仕方ない気もしますが・・・・・・
 不満点は不自然さです。

・3台目 ATH-AD2000(audio-technica)
 1台目と2台目の不自然さの原因は低域の質と中域の作ったような明るさにあるように感じたので、そのあたりを改善してかつ打ち込み系の音と相性の良いものということで選びました。
 聴いてみると、確かに不自然さは改善されますが、1台目と2台目のような厚みや明るさがないのも事実です。このあたりはアンプをHead Amp 2/MkII SEやAT-HA2002に変えると改善されます。


 今回の曲は、正直あまりヘッドホンを選ばない曲だったと思います。極端な話、HD650やSR-007で聴いてみてもそれはそれで良いです。ただ、今回選んだ機種と比べるとぼやけてメリハリのない鳴らし方です。自分の好みに応じて選んでみてください。


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