第33回 メトロノーム/toe「The Book About My Idle Plot On A Vague Anxiety」より

 toeは4人組のインストゥルメンタル・バンドです。ツインギター、ベース、ドラムから成ります。
 今回取り上げるCDは、toeのファーストフルアルバムです。生っぽい、或いはライヴ感のあるサウンド・録音のように感じます。曲は10曲目、曲名のとおりメトロノームの音から入り、ギターがしばらく続いた後に、ベースとドラムが展開されていきます。後半はそこに女性の声と若干の打ち込み音が加わります。主役はギターでしょうが、ドラムも負けじと主張してきます。
 ヘッドホンとしては、生っぽさを表現してくれて、音の厚みがあり、音場感の良いものが合うでしょう。


・1台目 MDR-7506(SONY)
 前述の通り、合いそうなヘッドホンの条件がいくつか重なったため、まずは生っぽさ重視で選びました。ただ、そうは言っても音の厚みや低域の量感も良く合います。全体的に見て、悪くはないですし、どちらかと言うと良いのですが、特別良いと言うほどではないです。ただし、生っぽさだけは非常に良いです。
 不満点としては、音場感です。また、もう少し艶の乗った音楽的表現の方が楽しめるように感じました。

・2台目 PROline750(ULTRASONE)
 1台目の不満点をすべて解消できると考えて選びました。確かに1台目と比べれば音場感ははるかに良いですし、艶と言う意味でも勝っています。ただ、やはり原音の生っぽさや粗を感じさせる点では1台目に分があるようです。
 不満点としては、原音の生っぽさや粗をもう少し出して欲しい点、もう少しシャープな鳴らし方をして欲しい点です。

・3台目 SR-325i(GRADO)
 2台目より原音の生っぽさや粗を感じさせる鳴らし方で、しかもかなりシャープです。1台目と比べてみると、音場が明確で音楽的表現をしてくれます。
 音場感、艶、原音の生っぽさと、様々な意味で1台目と2台目の間にあるように感じます。ただ、音の厚みやシャープさは独特のものを持っていますし、音の抜けは明らかにもっとも良いです。そういう意味では、バランスが良く、しかも個性があると言えます。また、ライブ感のある録音と臨場感のあるGRADOの鳴らし方はやはり相性が良いように感じました。


 今回は1台目としてMDR-7506を選びましたが、重視するポイントによっては、DJ1 PRO、HP-M1000、RH-300等も良いでしょう。音の厚みや音場感を重視するならDJ1 PRO、音楽として楽しめることを重視するならHP-M1000、総合的なバランスを重視するならRH-300といった感じでしょうか。
 今回選んだ3機種についても、どれが最良というのはなかなか言えないように感じます。生っぽさを重視するならMDR-7506、音の厚みや音場感を重視するならPROline750、バランスの良さやシャープさを重視するならSR-325iといった感じで好みに応じて選ぶのが良いでしょう。


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