第97回 DESTINY/GALNERYUS「RESURRECTION」より

 GALNERYUSは日本のヘヴィメタル・バンドです。メンバーはヴォーカル、ギター、ベース、ドラムス、キーボードです。
 今回取り上げるのは2010年発表のアルバム「RESURRECTION」の10曲目です。テンポの速さと声の高さが特徴と言えると思います。なお、本作のヴォーカルは歌手として有名な小野正利です。
 「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、「ギターがここまで泣き、ヴォーカルがここまでハイトーンを駆使する曲もなかなかないと思うので、そういう曲想を十全に表現できるHPで聞きたいです」とのことです。中高域がしっかり出る、ギターとヴォーカルの質感がリアル、切れが良いといった点が求められるのではないかと思います。


・1台目 ATH-TAD500(audio-technica)
 前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。ギターの泣きやヴォーカルのハイトーンがそのまま聴ける印象です。全体のバランスも悪くないので、あまり違和感なく入り込めます。ただし、スピード感や迫力を求めるならあまり合わないのではないかと思われます。
 他にはHPS5000、MDR-V6、PortaPro、PRO DJ100等で聴いてみました。HPS5000は全体的には今回の曲との相性が良いと思いますが、ヴォーカルのハイトーンはあまり生きませんし、個々の音があまり聴こえてこない点も気になります。MDR-V6はギターの質感や切れは良いのですが、音色の癖が大きい点が気になります。PortaProは低域の量が過剰でギターとヴォーカルがあまり聴こえてきません。PRO DJ100はギターの線が細い点が気になりますし、低域不足でスカスカに感じられます。
 不満点は特にどこがと言うより全体的に物足りない感じです。

・2台目 MUSIC SERIES ONE(ALESSANDRO)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。1台目と比べるとフィーリングとしてギターの泣きが良い感じですし、全体的に物足りない感じも弱まります。
 他にはAH-D1100、ES-HF300、HA-MX10-B、K181DJ、MDR-MA900等で聴いてみました。AH-D1100とMDR-MA900は悪くないのですが、ギターの泣きにしろヴォーカルのハイトーンにしろ特に良くはありません。ES-HF300はギターとヴォーカルがあまり前に出てこない点が気になります。HA-MX10-Bは最後までMUSIC SERIES ONEと迷いましたが、MUSIC SERIES ONEの方がフィーリングとしてギターの泣きが良い感じだったのでそちらにしました。K181DJは重低音最優先でギターとヴォーカルも聴きたいといった場合には向いていると思いますが、ギターの泣きやヴォーカルのハイトーンは特に良くはありません。
 不満点は、まとまりが良すぎると言うか、もう少し個々の楽器がしっかり聴こえてきてくれるとなお良いと思われる点です。

・3台目 SR-325i(GRADO)
 2台目の不満点を踏まえて選びました。この点についてはある程度改善されます。他にも、ギターの質感がリアル、ヴォーカルのハイトーンをしっかり鳴らしてくれる、切れが良く今回の曲のスピード感がしっかり感じられるといった長所があります。感覚的には、1台目と2台目の違いよりも、2台目と3台目の違いの方が大きいくらいかもしれません。明るすぎると感じるおそれはありますが、その点さえ問題なければ非常に相性が良いと感じる人が多いのではないかと思います。
 不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。

・4台目 T1(beyerdynamic)
 色々聴いてみた結果これになりました。特にどこが良いと言うよりは消去法で選ばれたようなところがあります。3台目と比べると個々の楽器が更にしっかり聴こえてきてくれるところはありますが、それ以外の点については概ね3台目の方が良い印象です。
 他にはATH-A2000X、Beats Pro、Crossfade M-100、HD25-1、HFI-780等で聴いてみました。ATH-A2000Xは悪くないのですが、ギターの泣きやヴォーカルのハイトーンを堪能するにはあっさりと流れていってしまうような物足りなさがあります。Beats Proは音色の癖が大きいためヴォーカルのハイトーンが生きません。Crossfade M-100はギターとヴォーカルがあまり前に出てこない点が気になります。HD25-1はやや落ち着いた音色でヴォーカルのハイトーンが生きません。HFI-780は悪くないのですが、変にメリハリがあったりドラムスが目立ちすぎたりするせいでギターの泣きや今回の曲のスピード感が損なわれてしまう印象です。

・5台目 HiDefJax AcousticSteel(ATOMIC FLOYD)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。ギターの泣きやヴォーカルのハイトーンが良い感じです。スピード感と迫力をある程度高いレベルで両立しているようなところも好印象です。色々と聴いてみたのですが、e-Q7はギターの泣きやヴォーカルのハイトーンを堪能するにはあっさりと流れていってしまうような物足りなさがある、IEM856mdはヴォーカルのハイトーンが生きない、MDR-EX1000はなかなか良いもののHiDefJax AcousticSteelと比べるとギターの泣きが物足りない等の不満がありました。
 他にはIE-1とHA-FX3Xが良かったです。消去法で選ばれたような感じで癖も強めですが、はまる人にははまると思います。


 今回はギターとヴォーカルに焦点を当てたので、メタルらしい迫力を求めるなら合わないものもあると思います。もう少しそちらにバランスを移すなら、HPS5000、K181DJ、Crossfade M-100あたりが選ばれるかもしれません。
 ヘッドホンアンプは難しいところですが、ヴォーカルのハイトーンを重視するならhpa200b(ハイエンド仕様)が良いと思います。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。


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