第91回 ヴァイオリン協奏曲/ブラームス

 今回取り上げるのはブラームスのヴァイオリン協奏曲です。指揮はクレンペラー、演奏はオイストラフ(ヴァイオリン)とフランス国立放送管弦楽団で、1960年の録音です。
 この曲は1878年、ブラームス全盛期に作曲された唯一のヴァイオリン協奏曲で、ブラームスらしい重厚さと調和が感じられる印象です。今回の録音はブラームスのヴァイオリン協奏曲としては高く評価されているものです。
 「どういう風に聴きたいか」「どういう点を重視するか」については、「重視したい点はヴァイオリンの音とオケとの兼ね合いです」とのことです。癖のない機種が良いと思いますが、後は実際に聴きながら選んでいきたいと思います。


・1台目 APHN-AC30(VOX)
 前述の条件を最も満たしているように感じたので選びました。癖がなくすんなり聴くことができます。ヴァイオリンが目立ちすぎたり、オーケストラの低弦が他の音を覆ってしまったりすることがありません。
 他にはATH-TAD500、HD449、HS-AVNLV2、K121studio等で聴いてみました。ATH-TAD500はヴァイオリンがやや浮いてしまう感じです。HD449は最後までAPHN-AC30と迷いましたが、HD449はAPHN-AC30と比べるとヴァイオリンに力強さや生っぽさが感じられずただ何となく鳴らしているような印象だったので外しました。HS-AVNLV2は低弦がやや他の音を覆ってしまう感じです。K121studioはヴァイオリンもオーケストラもはっきりせずもやっとしている感じが気になります。
 不満点は特にどこがと言うより全体的に物足りない感じです。

・2台目 K612PRO(AKG)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。1台目と比べると音場が広く個々の楽器をきちんと鳴らしてくれる点が大きな違いです。音色としては1台目よりヴァイオリンが目立つ方向性ですが、ヴァイオリンの音とオーケストラとの兼ね合いという点では見劣りしません。
 他にはK240monitor、MDR-CD900ST、MDR-MA900、SRH840等で聴いてみました。K240monitorは調和が取れていると言えばそうなのですが、ヴァイオリンもオーケストラも存在感に欠けるようなところがあります。MDR-CD900STはオイストラフの力強いヴァイオリンを思う存分楽しみたい人には向いていると思いますが、その分オーケストラとの兼ね合いには難があるような印象です。MDR-MA900はヴァイオリンの音色に若干癖があり浮いてしまう感じです。SRH840はヴァイオリンとオーケストラがそれぞれ前に出ようとする印象で、これはこれで魅力的だと思いますが、ヴァイオリンの音とオーケストラとの兼ね合いという点ではK612PROに及ばない印象です。
 不満点は特にありません。全体的に少しずつ改善できれば良いのではないかと思います。

・3台目 HD650(SENNHEISER)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。バランスとしては2台目より1台目に近い印象ですが、それ以外の部分は1台目より2台目に近いと思います。力強いヴァイオリンと重厚なオーケストラが一体となって迫ってくるような感じです。独特の相性の良さがあり、雰囲気と言うか、これぞブラームスとでも言いたくなるような風格が感じられる印象です。
 不満点は特にありません。次は色々聴いてみて選ぶしかないと思います。

・4台目 DT880(beyerdynamic)
 色々聴いてみた結果これになりました。基本的には3台目と近い方向性ですが、若干ヴァイオリンが目立つ印象です。ヴァイオリンの音とオーケストラとの兼ね合いを重視するなら3台目、もう少しヴァイオリンの力強さを重視するなら4台目という選び方ができるかもしれません。
 他にはHD800、K701、SR-007+SRM-717、SRH1840、T1等で聴いてみました。HD800はやや分析的と言うか、ヴァイオリンの音とオーケストラとの兼ね合いよりも個々の楽器をしっかり聴きたい場合に向いているような印象です。K701は悪くないのですが、これなら2台目でもという気もします。SR-007+SRM-717はヴァイオリンの音とオーケストラとの兼ね合いという点だけを見れば良いのですが、音色や質感に特徴があるせいか違和感が気になってしまいます。SRH1840とT1はヴァイオリンが若干浮いてしまう感じです。ただし、微妙なところが多いのでどれが選ばれてもおかしくなかったように思います。

・5台目 SE535(SHURE)
 最初に書いた条件を最も満たしているように感じたので選びました。ヴァイオリンが目立ちすぎたり、オーケストラの低弦が他の音を覆ってしまったりすることがありません。それだけでなく、3台目に近い相性の良さがあるような印象です。色々と聴いてみたのですが、ER-4Sはヴァイオリンがやや浮いてしまう、Image X10は低弦がやや他の音を覆ってしまう、MDR-EX1000はヴァイオリンの音とオーケストラとの兼ね合いよりも個々の楽器をしっかり聴きたい場合に向いている等の不満がありました。
 他にはHP101とZH-DX200-CTが良かったです。最初に書いた条件をそれなりに満たしています。


 今回はヴァイオリンの音とオーケストラとの兼ね合いを重視しましたが、オイストラフのヴァイオリンの力強さや、あるいはオーケストラの重厚さを重視するといった聴き方もあると思います。その場合には選ばれるヘッドホンはかなり違ってくると思われます。
 ヘッドホンアンプはHD-1L Limited Edition(RC1)が良いと思います。ヘッドホンで言えば3台目に近い相性の良さがあるような印象です。
 今回の内容を参考に、好みに合わせて選んでください。


試聴は下のamazonのページで。













戻る





TOP > 曲別HP探索2 > 第91回