聴いてみた・・・・・・別名曲別HP探索の有効活用

 ルールは簡単。

1. 所有しているすべてのヘッドホンの中から、ダイス(サイコロのこと)でランダムにヘッドホンを選択する。
2. 曲別HP探索の100曲の中から、ダイスでランダムに曲を選択する。
3. 1で選んだヘッドホンを使って、2で選んだ曲を聴く。

 環境は一応他のページと統一取るためにCD3300+HD53で。とは言え遊びなんだけどね。曲別HP探索を100回までやったらこの遊びをやってやろうと1年くらい前に思いついたんだけど、実際に100回まで行ったときには忘れてしまってて、唐突に思い出して作ってみた。更新はページの上部に追加していくので、下に行くほど古い内容になりまする。でもそれは続いたらの話。
 れっつびぎん。



・MDR-XB700   EROTICA(Radio Edit Version)/Madonna「GHV2(Greatest Hits Volume 2)」より
 MDR-XB700はイヤーパッドが本体と言われているような気もする個性的なヘッドホン。発売当初からイヤーパッドの耐久性が心配されていて、実際劣化報告もちょいちょいあった気がするけど、私のは購入から約8年経つ割には劣化していない。一応普通に使えるレベル。使用頻度は低めだし、使わないときにはしまってあるので湿気の影響も小さいおかげか。
 曲は被った4回目で前回と同じどういうことだよてやんでいばろちくしょー。
 聴いてみると、イントロから低域の量が凄い。流石にこれはちょっと出すぎなんじゃないかとも思ったけど、すぐに慣れた。ヴォーカルも普通に聴こえてくるし、質的にも悪くない。ただし、全体のフィーリングとしてはあまりしっくり来ない。気になって曲別HP探索の際に選ばれたヘッドホンを確認したら納得がいった。MDR-XB700はもっさりしすぎ。単にゆったり聴きたい場合には合うんだろうけど、今回の曲ではちょっと違うと感じる人が多いんじゃなかろうか。
 良い点は、低域がしっかり出る上に密度が高い感じである種の満足感がある点、その割にはどの音もきちんと聴こえてくる点。悪い点は、今回の曲の魅力を引き出すには切れや冷たさが足りないように感じられる点、低域が出すぎなせいかやや聴き疲れしやすい点。


・RP-HT560   EROTICA(Radio Edit Version)/Madonna「GHV2(Greatest Hits Volume 2)」より
 RP-HT560、発売から10年近くになるのか・・・・・・ かなり長命と言って良いかもしれない。イヤホン並みのコードの細さが難点だったんだけど、マイナーチェンジで普通の太さに。これで欠点らしい欠点はなくなったかな。
 曲は被った。3回目。相変わらずモヂジラミミヂ。前回のときよりも日本語カッケー的外国人が増えたような気がするのは気のせいか。そういう報道が増えたから?
 聴いてみると、悪くない。と言うか、3千円台で買えることを考えると十分すぎる。RP-HT560はレビューではフラットという評価になってるけど、こういう曲を聴くと低域がしっかり出てるように感じる。低域を広い目で見るとさほど多くないんだけど、この曲に含まれている帯域は他のヘッドホンと比べて割と多めってことだと思う。それでいて中域・高域も全然埋もれずに聴こえる。この曲の持つヴォーカルのエロさや人工的な冷たさもそれなりに感じられる。とは言え、フィーリングの面で楽しめるかどうかって話になると微妙。無難すぎると言うか、この曲の尖った魅力が出ていないように感じられる。それを含めても十分コストパフォーマンスが良いとは思うけど。
 良い点は、違和感なく聴ける点、どの音もきちんと聴こえてくる点。悪い点は、音の圧力やメリハリがもう少し欲しい点。


・SR-325i   「必殺仕掛人」 〜必殺!/「必殺 The BEST」より
 SR-325i、2回目。SR-325isを経て、現在はSR325eになっている。型番が同じでもマイナーチェンジしてたりするので、私が持っているものから一体何回変わったのかは不明。大雑把に言えば近い傾向ではあるんだろうけど、自宅でじっくり聴き比べたりはしてないので何とも。最近買ってないのでそろそろGRADOのヘッドホンを買おうかとは思ってるんだけど、そう言えばつい最近大幅値上げが・・・・・・
 曲は誰でも知ってそうだけど、この曲のために真面目に高級ヘッドホンを選ぶ人は少なそう(失礼)。曲別HP探索でこの曲を取り上げた2008年頃と比べると、最近はテレビでもあまり使われていない気がする。流石にもう飽きられたからなのか、テレビ番組の内容が以前とは違うものになってきたからなのか。
 聴いてみると、まずトランペットが良い。質感にある種のリアルさがあって、朗々と鳴り響く。これまでにも何度となく感じてきたことだけど、こういうのを聴いてしまうとGRADOのヘッドホンは欠点を補って余りある長所があると言わざるをえない。全体としては、良くも悪くも渋さよりカッコ良さに偏っているような印象。明るすぎるとも言える。
 良い点は、トランペットの鳴りが魅力的な点、他の楽器もしっかり主張していて全体として生き生きしている点。悪い点は、今回の曲の渋さがあまり感じられない点、もう少し低音よりのバランスの方が自然でまとまりがあるように思われる点。


・RH-A7   crazy sunshine/GOLLBETTY「GOLLING!!」より
 おやまたレビュー公開前の機種が。Rolandはヘッドホンを発売してもニュースリリースを出さないので、発売からしばらく経ってもほとんど話題にならないことが多かったりする。RH-A7もそんな感じだったと思う。何かもったいない。1万円以下の開放型はあまり数が多くないので存在価値はそれなりにあるんじゃないかと。
 曲は被った。今でも結構好き。一歩間違ったら嫌いになりそうな、好き。
 聴いてみると、なかなか良い感じ。今回の曲の特徴は、明るい女性ヴォーカル、ヴォーカル並みに目立つサックス、速いテンポといった感じなんだけど、RH-A7はこれらの特徴にマッチしている・・・・・・とまでは言わないまでも、苦手ではない。価格を考えれば大きな欠点はない。むしろ聴いていて単純に楽しいと言ってしまって良いかもしれない。
 良い点は、スピード感がある点、どの楽器も過不足なく鳴らしてくれる点。悪い点は、低域が少し軽い点、音場が狭めで耳の近くで音を鳴らすせいかややゴチャゴチャした感じが気になる点。


・Beats Pro   ナイトクルージング/フィッシュマンズ「空中キャンプ」より
 Beats Proはヘッドホンマニア的にはBeatsという時点で敬遠している人も多そうだけど、個人的にはそんなことで敬遠するのはもったいない機種だと思う。こんなに野太い音を出すヘッドホンはほとんどない。低音バカみたいなイメージを持っている人は一度それを忘れるべき。
 曲は被った。この前出たばっかやん。
 聴いてみると、微妙。どこがどうと言うより、フィーリングで。今回の曲はフィーリング重視で浸るような聴き方をする人が多いと思うので、その意味ではお薦めしがたいものがある。もっとも、フィーリング以外の部分で致命的な欠点はないし、普通に聴けると言えば普通に聴ける。価格の割に良くないと言えばそうなんだけど、そもそも今回の曲については価格はあまり関係ないと思う。Beats Proより高価なものでも、Beats Proより相性が悪いということも珍しくないんじゃないかと・・・・・・色々書いているようでほとんど中身がない! しょうがないので具体的に言うと、もう少し低域の量が少なくて響きが豊かで音場が広いヘッドホンが合うと思う。
 良い点は、低域の量が多すぎる点を除けばあまり違和感なく聴ける点、意図的に入っているノイズがあまり不快な目立ち方をしない点。悪い点は、曲の浮遊感や夜の雰囲気があまり感じられない点、低域の量が多すぎてバランスが悪い点。


・ATH-CKB50   Joy/本田雅人「Growin'」より
 Westone3以来? レビュー公開前の機種が出るのは。ファーストインプレにも書いたけど、意外なことにこれ買うまではaudio-technicaのシングル・バランスド・アーマチュア型を持っていなかったのよね。Ultimate EarsとかWestoneもそう。どっちも早く買わなきゃと思ってるうちにUltimate Earsはラインナップが激減して後の祭りな感じに。諸行無常。ATH-CKB50の話に戻ると、音はまあ安価なバランスド・アーマチュア型はこんなもんか。タッチノイズが個人的に厳しい感じ。あとカラバリがあるのは良いんじゃないかな。バランスド・アーマチュア型はカラバリのない機種が多いし、せっかく安価な入門機を出すならカラバリ増やして少しでも初心者にアピールするって意味で。
 曲はノリノリのフュージョン。嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、ちょっとコンプかけすぎじゃないの。最近のポップス・ロックより音圧高くて全部の音がガンガン鳴る感じ。PCに取り込んでAudacityで開いてみたらやっぱりベッタリ。残念。特に今回みたいに音量の取りやすいカナル型をゲインの高いHPAに接続すると大変なことになる。
 聴いてみると、まあこんなもんかという感じ。と言っても、5000円以下のイヤホンとしては十分すぎる気も。今回の曲はカナル型だと低域の量が多すぎて台無しになりかねないけど、ATH-CKB50だとその点は全然問題ない(バランスド・アーマチュア型なんだから当然と言えば当然だけど)。フィーリング的にも普通に楽しめた。
 良い点は、今回の曲の明るさがきちんと出る点、個々の楽器が聴こえてくる点。悪い点は、サックスがやや味気ない点、それでいて主役のサックスばかり目立ちすぎる点。


・イヤホンNo.24   BILLIE JEAN/Michael Jackson「NUMBER ONES」より
 イヤホンNo.24はダイソーの100円イヤホン。昔はダイソーのイヤホンてそこそこ話題になってたと思うんだけど、最近はほとんど聞かないような。メーカー数&製品数が増えて埋もれたか。音は平均的なダイナミック型カナルを基準に考えると明らかにチューニング間違っちゃった系。昔はこの手の音(カナル型なのに重低音が出なくて全体の凹凸も激しいタイプ)が散見されたもんだけど、今は見かけないかも。
 曲は被った。前回のときもアレだったけど、今回も同じような感じで相性良いとは思えないなこれは。
 聴いてみると、マイルド。色んな意味で尖った曲なのに、まるでその尖りがなかったかのよう。最初にこの組み合わせて聴いて慣れてしまえばこういうもんだと思えなくもないんだろうけど、他のヘッドホンで聴いた音を知っていると違和感がある。それから、声。音色が暗く擦れも出してくれないので、Michael Jackson独特の色気が感じられない。しかも重低音が不足しているためどうにもリズムに乗り切れない。振り返ってみると前回もほとんど同じ不満が書いてあった。やっぱり。
 良い点は、痛い音を鳴らさないため聴き疲れしない点、個々の音が(質は兎も角)埋もれず聴き取れる点。悪い点は、マイルドすぎて今回の曲の尖った感じが出ない点、ヴォーカルの独特の色気が感じられない点。


・mix-style headphones   ナイトクルージング/フィッシュマンズ「空中キャンプ」より
 mix-style headphonesは音質評点1点のヘッドホン・・・・・・なんだけど、ネット上では「デザインでこれを選んだけど音も悪くない」みたいな発言を何度か見かけたことがある。ないわー。まあマイナーチェンジしたみたいなので、最近買った人は音も変わってるかもしれないけど。
 曲は嫌いじゃない。冬の夜に部屋を暗くして聴きたくなるような。ただ、この曲を楽しむのにヘッドホンの音の良し悪しはあまり関係ない気がする。良し悪しより相性の影響の方がずっと大きいんじゃないかと。
 聴いてみると、これはちょっとピンポイントな相性の良さがあるかもしれない。今回の曲は意図的なノイズが入っていたり声が加工してあったりとレトロっぽい雰囲気があって、mix-style headphonesも言ってしまえば古臭い音なので。相性と言えば、曲の側から見てもヘッドホンの側から見ても悪くないって面もあるように思う。曲の側から見ると最悪なのは硬質できつい音を鳴らすようなヘッドホンだと思うんだけど、mix-style headphonesはそういうタイプではない。ヘッドホンの側から見ると最悪なのはヘッドホンの音の酷さがが露呈してしまうような曲(録音が良くて低域から高域までしっかり出るような)だと思うんだけど、今回の曲はそういうタイプではない。あとは今回の曲の浮遊感も出してくれる傾向だと思う。
 良い点は、雰囲気がマッチする点、癖の強いヘッドホンの割にはあまり違和感なく聴ける点。悪い点は、歪みや頭内定位が不快な点、個々の音があまりしっかり聴こえてこない点。


・IE-1   青きドナウの岸辺〜愛あればこそ/「2001 宝塚歌劇全主題歌集」より
 IE-1は単品で見るとそれほど変な音ではないんだけど、ダイナミック型のカナルとして見ると凄く珍しい音。ある程度経験を積んで「ダイナミック型のカナルってこんな音」というイメージを持っている人に是非聴いてみてもらいたい。もっとも、ゴミだと感じる人も少なくないと思うけどw
 曲w 前回と同じ。しかも4回目。今回で60回目だから、確率的には1回出るかどうかってとこなんだけどなぁ。次こそは違う曲が出ますように。
 聴いてみると、まず低域が足りない。そして金管楽器がチープ。しかも高域がざらつく。これはイマイチかも・・・・・・と思ったら声が入った途端良い感じに。もうちょい硬くなったり粗っぽかったりするかと思ったんだけど、声に関してはなかなかどうして悪くない。それからダイナミック型のカナルに頻繁に見られる過剰な低域やこもり感といった欠点が皆無なのも魅力。できればステージを見るような感覚で聴きたい曲なので、この点はかなり大きなメリットだと思う。
 良い点は、各楽器がしっかり聴こえてくる点、閉塞感がない点。悪い点は、低域が足りないせいか迫力に欠ける点、やや楽器の粗が気になる点。


・AH-P372   青きドナウの岸辺〜愛あればこそ/「2001 宝塚歌劇全主題歌集」より
 AH-P372は・・・・・・うーん、この折りたたみ方はどうなんだろ。今だとBeats Proなんかと似たタイプ。個人的には嫌いじゃないけど、慣れるまで使いにくいと感じる人もいるかも。あとヘッドバンドのクッションが頭頂部ではなく側頭部に当たるのが特徴的(もっとも、重量や側圧から考えてクッションゼロでもあまり問題なさそうな気も)。特徴的と言えば、オーバーヘッド型でコードの長さが0.5mってのは割と珍しいかな? それからカラーバリエーションにホワイトがある。発売当時白いヘッドホンは結構珍しくてしかもニーズがあったと思うので、そこは売りになっていたと思う。音はあまりDENONらしくないと言うか、いやほんとDENONなのこれ? 多分OEMなんだろうけど。あまり話題にならないし、発売から6年以上が経ってるからとっくに生産終了になっているものと思っていたのは私だけではあるまい。って言うか存在自体知らない人の方が多いか。
 曲は被った・・・・・・って言うか3回目。
 聴いてみると、なかなか良いような。この価格帯のヘッドホンだと大抵の曲ですぐに大きな欠点が見つかることが多いものだけど、今回はそういう感じではない。ましてや6年以上前のポータブルヘッドホン。そういうことを考えると、これはもしやかなり優秀なのでは。
 良い点は、全体的にあまり違和感なく聴ける点、声にあまり癖がなく適度な柔らかさが感じられる点、聴き疲れしにくい点。悪い点は、曲の内容から考えて音場の広さが足りない点、曇りやこもり感がやや気になる点。


・MDR-ZX700   BILLIE JEAN/Michael Jackson「NUMBER ONES」より
 これはまた何と言うか微妙な・・・・・・MDR-ZX700の個人的印象を一言で表すなら、「マイルド」。これに尽きる。ヴォーカルのサ行はまだしも、他の部分は音源の痛さを丸めまくる。MDR-ZX700やMDR-Z1000が出るまでこういう音を鳴らすヘッドホンはほとんどなかった気が・・・・・・していたんだけど、この間ふとTF10が似ていることに気づいた。もちろん直接詳細に比べたらそこまで似ているわけではないけど、カナル型としては重低音と中高域が少なくて痛い音を鳴らさない(高域を除く)あの感じをダイナミック型オーバーヘッドに置き換えると相当近い雰囲気があるんじゃないかと。あの超有名定番機種であれば、発売時期を考えてもSONYの開発陣に影響を与えた可能性は十分あるように思う。いや個人的にはTF10はそんな神格化されるようなもんでもないと思うんだけども。閑話休題。一応まだ売ってるけど生産終了。後継機はないけど、発売時期や価格から考えるとMDR-10Rが代替になるのかな。ちょっと高いけど、他にない。
 曲は特に書くこともないかな。超有名だし。個人的にはあんまり聴かない感じ。
 聴いてみると、思ったより良い感じ。考えてみれば今回の曲は結構シャープな感じと言うか、きつめの音を鳴らすところがあるので、他のヘッドホンと比べずにMDR-ZX700と曲との相性だけを考えるとプラスマイナスゼロでちょうど良い塩梅になるという面がある。とは言え、今回の曲を聴き慣れていて「この曲はこういうもんだ」という明確なイメージを持っている人にとっては、変にぬるい感じで気持ちが悪いかもしれない。それからこれは絶対触れておかなければならないと思うんだけど、ヴォーカルに難がある。今回の曲、と言うかMichael Jacksonの声は音色の明るさと擦れが独特の魅力と色気に直結していると思うんだけど、それがMDR-ZX700では音色が暗くなり擦れも抑えられるために殺される。MDR-ZX700は落ち着いた音色のスモーキーな色気は出してくれるんだけど、色気は色気でもMichael Jacksonはダメ。あとは、もうちょっと重低音が出てくれた方がリズムが生きて好ましいかな?
 良い点は、痛い音を鳴らさず聴きやすい点、全体のバランスがそれなりに良い点。悪い点は、曲のシャープさがあまり感じられない点、ヴォーカルの独特の魅力と色気が感じられない点。


・ATH-CK100PRO   カリオカのサンバ/小野リサ「BOSSA CARIOCA」より
 ATH-CK100PROは出力インピーダンスの小さいHPAを使うと高域が刺さりまくりで使えないって意見を見かけるけど、個人的には普通に使える範囲だと思う。私が使った範囲だとSuperDarts + Remote、IE800(SENNHEISERの方、個体差が大きいような)、XBA-4SLあたりの方が痛い。ちなみにレビューもこのページもHD53を使ってて、HD53は出力インピーダンスが大きいので高域は全然刺さらない。
 曲は小野リサ、最近あまり見かけないような? 人気のピークは10〜20年前という印象。個人的には嫌いじゃないけど、積極的に聴く感じではないかな。昔はお洒落な曲ってイメージがあったのに対して、最近はこういうのをお洒落って思う感覚は古いものになっているような。流行なのかな? それよりも慣れとか進歩と言った方が実態に近い気も。
 聴いてみると、特に良くもなく悪くもなく。ハイレベルな話をするなら、もっとヴォーカルに艶が欲しいとか全体の調和が足りないとか色々出てくるかな。とは言え、他の機種と比較せずに聴いて大きな不満が出てくるような感じではない。音量的にピアノやギターがもう少し出て欲しい気もするけど、これは録音のバランスの問題。
 良い点は、あまり違和感なく聴ける点、個々の音がしっかり聴こえてくる点。悪い点は、ヴォーカルの艶が少し足りない点、リラックスして聴くには少しカッチリしすぎている点。


・SE-M390   牧神の午後への前奏曲/ドビュッシー
 SE-M390は特に惜しまれることもなくつい最近生産終了になった機種。後継機はSE-M531。どうも世間では下位機種のSE-M290の方が装着感が圧倒的に良いということで人気みたいだけど、個人的にはあまり同意できない。いやSE-M390よりは良いんだけども、絶賛するほどでもないように感じる。側圧はそれなりにあるし、耳は完全にフリーになるとは言いがたいし、イヤーパッドは安っぽくケバケバチクチクする。あと音は個体差が大きいようで、世間では高域が全然出てないとか言われてるみたいだけど、私が使ったSE-M290はSE-M390より少し高域がおとなしいというくらいで特に少なくはなかった。あ、SE-M390についてほとんど語ってないやw
 曲はフワフワ。眠くなる。もっとも、この曲の元になった詩が昼寝してるときの夢を題材にしているらしいから、これはむしろ褒め言葉なのかもしれない。個人的にはあまり好きなタイプの曲ではないけど、こういうアプローチがあってその後バラエティに富んだ音楽(クラシックに限らず)が生み出されてきたと考えると何か納得できるようなところがある。
 聴いてみると、そんなに悪くはない。SE-M390は結構癖が強いし聴き疲れしやすい音なので曲によっては聴くに堪えない感じになることも多いんだけど、そういう曲と比べればかなりマシ。癖も聴き疲れもそれほど気にならない。
 良い点は、全体としてはあまり違和感なく聴ける点、今回の曲のフワフワした感じを出してくれる点。悪い点は、個々の楽器の音の細部の表現がいまいちな点、音場が狭く頭内定位が気になる点。


・HI2050   Little Wish 〜lyrical step〜/田村ゆかり
 HI2050は良いヘッドホンだと思うけど、取扱店が少なかったりパクリと言われていたりで、出来の割には持っている人は少ない印象。当時日本ではほとんど正規販売されていなかった中国メーカーのヘッドホンということで、私はろくに画像も見ずに買った記憶があるけど、今だったら買わないかもしれない。
 曲は被った。最近ますますご活躍の模様。何だか昔より良い曲が多くなっているような気が。いや良く知らんけど。あの声とビジュアルで37歳とは(知らない人は)誰も思うまい。この曲は10年前だから、27歳頃。今より若干声が細くて明るいかな? それにしても10年間の変化としてはかなり小さいんじゃないかと。
 聴いてみると、なかなか良い。HI2050は曲によっては高域が刺さりまくることがあって、今回の曲もどうかと思ったけど、それほど問題なく聴けた。まあ聴き疲れがまったく問題ないかと言われればちょっと微妙だけど。それよりも曲の明るい魅力がしっかり感じられるというメリットの方が大きい。
 良い点は、声の明るさや甘さを出してくれる点、全体のバランスが良く違和感なく聴ける点、曲の明るいイメージをストレートに出してくれる点。悪い点は、若干聴き疲れが気になる点、打ち込み系の音の質感がもう少し太くてしっかりしていた方が良かったと思われる点。


・AH-D5000   宿替え/桂枝雀「THE 枝雀」より
 凄い組み合わせだなw AH-D5000はDENONがヘッドホン市場に本格参入した際の最高級機。良いヘッドホンだと思うけど、AH-D5000が発売されてから1年半後にAH-D7000が発売されてしまったのでちょっと影が薄くなってしまった残念な製品でもある。と言うか、ヘッドホン市場に本格参入していきなり5万円前後の製品(当時としてはハイエンドでしかもOEMで中国製)を出しておいて、その上位機種をあまり間を空けずに出したDENONは(ry あと、装着感について絶賛される向きがあるようだけど、これまでにあちこちで書いたとおり私は正直問題有りだと考えている。理由は側圧の弱さ。密閉型で側圧が弱いと、人によって密封度合いが変わってしまうため音質の個人差が大きくなる。つまり真面目に音作りしてない証拠と言われても仕方ない。実際、ある程度高価なヘッドホンはほとんどが十分な側圧をそなえている。側圧を弱くすれば長時間使用しても負担の少ない装着感が得られるのはバカでも分かる。だからと言ってメーカーが安易にそれをやらないのは、ずれやすくなったり音質の個人差が大きくなったりという問題があることを知っているからだと推測される。残念なことに、AH-D5000・AH-D7000の装着感が絶賛された影響があったのか、その後ATH-A2000Xのように高価で側圧の弱いヘッドホンが出てきた。もし影響があったのだとすれば、これはあんなものを絶賛したユーザーにも原因があると言わざるを得ない。はっきり言って反省してもらいたい。 ・・・・・・もっとも、私もAH-D5000の音質や装着感が良いのか悪いのかと問われれば間違いなく良いと答えるわけだけども。
 曲は、と言うか曲じゃないけど、リクエストされたものではなくて、私が不足成分を補うために選んだもの。普段からこういうのを聴いているわけではない。もっと聴くべきかも? 一度聴き始めると時間を忘れて最後まで一気に聴いてしまう。本当に芸術の域に達しているなぁと感服。観客の笑い声が頻繁に入っていて一体感がある。
 聴いてみると、なかなか良い感じ。声の音色が自然だし、しゃがれ具合も出してくれる。AH-D5000は基本フラットでありつつ重低音はそこそこ出るので曲によってはそれが気になることもあるわけだけど、今回の曲は重低音が含まれていないのでまったく気にならない。
 良い点は、声の音色が自然な点、しゃがれ具合や囁きの細部まで聴こえる点。悪い点は、若干聴き疲れしやすい点。


・UE700r   Twelfth Style/Tatsh&DAYBREAKERS NEXT「beatmania U DX 12 HAPPY SKY ORIGINAL SOUNDTRACK」より
 UE700r・・・・・・これも"要望に応えて取り上げたけどすぐに生産終了になってしまった"ヘッドホンにカウントしたい気もする。初代UE700が発売されてから約3年後にレビューを公開し、その約1年後に生産終了。まあ1年もてば普通なのかな(と言うかもう1年も経ってたのか・・・・・・)、最近のサイクルだと。しかしUE600なんかはVIで生き残ってるのに、UE700系統は存在せず。
 曲は被った。こういう曲は嫌いじゃない・・・・・・ふと気になったので振り返ってみたら前も同じこと書いてたわ。同じ人間なので、適当に書いてると前とまったく同じことを書いてることがあるのはご愛嬌。
 聴いてみると、なかなか悪くない。悪くないけど、何か物足りない。数秒考えて気づいた。低域が物足りないんだわ。元々低域の多いソースじゃない上に、UE700rもそんなに出る方じゃないし。今回の曲はそこまで低域の量を必要とするわけじゃないけど、やっぱりある程度はあった方が良い。その"ある程度"にちょっと足りない感じがする。人によってはこれくらいで良いって人もいるだろうけど。と言うか、低音よりで高音が全然出ないヘッドホンよりはUE700rの方がずっと合うと思う。
 良い点は、曲の明るい雰囲気をそれなりに出してくれる点、スピード感がある点。悪い点は、低域が質的にも量的にも物足りない点、線が細くあっさりしすぎている点。


・ATH-CM7TI   太陽/槇原敬之「SYMPHONY ORCHESTRA"cELEBRATION"」より
 ATH-CM7TI、2回目。何となく振り返ってみたら、この5回audio-technicaとPHILIPSしか選ばれてないw まあダイスだから回数が少ないとこういうこともある。audio-technicaとPHILIPSのヘッドホンはどっちも沢山持ってるしね。
 曲も被った。良い曲だよね、うん。ATH-CM7TIで聴く曲じゃないけど。
 聴いてみると、まずピアノが硬い。曲によってはこういう質感が良いこともあるけど、今回の曲は真逆だと思う。同じようなことがピアノ以外の点についても言える。全体の雰囲気も低域が足りないせいで明らかに合わない。
 良い点は、低域を除けば一つ一つの音がしっかり聴こえる点。悪い点は、今回の曲の温かみがあまり感じられない点、ヴォーカルが硬い点、ヴォーカルが目立ちすぎる点。今回の曲はどう考えてもアタッチメント(スポンジ)を着けた方が良いと思ったので試してみたところ、前述の悪い点がすべて改善された。とは言え、思ったほどではないし、もっと他に良い機種があると思われる点は変わらない印象。更に欲を言えばもう少し包み込まれるような鳴らし方が望ましいけど、それはイヤホンよりもオーバーヘッド型ヘッドホンの方が圧倒的に有利だと思う。


・ATH-SX1   The Boy With The Gun/David Sylvian「Secrets of the Beehive」より
 ATH-SX1はaudio-technicaで唯一favorite!のついているヘッドホン。現在は生産終了になって後継機のATH-SX1aが出ている。イヤーパッドが硬くなって側圧も強くなっているため装着感の心地よさは劣化している模様。ちなみにATH-SX1用の交換用イヤーパッドは本体の生産終了とほぼ同時に入手不可になり、ATH-SX1a用のイヤーパッドで代用してくれというのがメーカーの方針らしい。他社含め散々言われているように天然コラーゲン配合レザーは耐久性に問題があるための処置だろうか。それにしてももうちょっと何とかしてほしかったところ。ここまでテンプレ。
 曲は確か黒川さんからリクエストされたような記憶が。黒川さんらしい曲。黒川さんて誰だよって人は、本サイトとかリンク先とかを適当に調べれば分かると思う。最近は音楽より原発関連で有名な坂本龍一が参加している曲。
 聴いてみると、何か良い感じ。雰囲気が壊されないと言うか。ATH-SX1は低域の量があまり多くないはずなのに、この曲だと十分に感じられる。ヴォーカルがしっかり聴こえてくるだけでなく、ギターやベースが浮かずに一つの曲としてきっちりまとまっている。変に分離の良いヘッドホンや切れの良いヘッドホンだと台無しになりかねない曲だけど、ATH-SX1だとそういうこともない。良い点を探すより悪い点を探す方が圧倒的に難しい印象。曲別HP探索で選ばれていてもおかしくなかったんじゃないかと思うレベル。
 良い点は、曲の雰囲気に合っていて違和感なく聴ける点、ヴォーカルがしっかり聴こえてくる点、ヴォーカルに艶や柔らかさがあり魅力的な点。悪い点は、ヴォーカル以外の楽器を聴きたい場合にはあまり目立たず物足りない点。


・SHP2500   EROTICA(Radio Edit Version)/Madonna「GHV2(Greatest Hits Volume 2)」より
 これはまた微妙な・・・・・・ SHP2500はこういう人工的な曲よりもっと生っぽい曲に合うと思う。と言うか、人工的な曲を生っぽくしちゃうので合わないと言うべきか。テレビ用としてそれはどうなんだと思わなくもないけど、価格を考えればしょうがないか。音楽鑑賞用としてはなかなかコストパフォーマンスが良いと思う。ドライバーは最近珍しいフェライトマグネットということで、ある意味マニアなら持っておきたい一品。
 曲は被った。何か書くネタないかと考えてたら、このCDの盤面に「モヂジラミミヂ」と書いてあるのを見つけた。欧米にはときどき「日本語かっけー」的なセンスで意味不明な日本語を使う人がいるけど、これもそういうのだろうか。カタカナだと何か大正時代を連想する。もしそういう意図だとしたら凄い。
 聴いてみると、台無しになるかと思いきやそうでもなかった。ちゃんとエロいし、低域不足ということもない(今回の曲は低域不足だと何か違うと感じやすい)。2000円でこれは十分合格点。低域の量が多い割にヴォーカルが全然埋もれずきっちり聴こえてくるし、ヴォーカルの質も悪くない。
 良い点は、あまり違和感なく聴ける点、ヴォーカルの擦れやリップノイズを出してくれる点。悪い点は、やや聴き疲れしやすい点、今回の曲の人工的な冷たさが感じられない点。


・ATH-PRO5MK2   Everywhere/Michelle Branch「The Spirit Room」より
 ATH-PRO5MK2は、音質評点3点の割に嫌いなヘッドホン。3点の中で嫌いなヘッドホンを選ぶなら筆頭候補。これが2点や2.5点(私の好み・主観全開で選ぶならそれくらいになりそう)ではなく3点になった理由は、SP-K300にあるような気がする。本サイトの音質評点はレビュー公開時に比較した機種の影響を受けるんだけど、SP-K300とATH-PRO5MK2を比べると総合的な音質はほぼ同レベルなので、どうしてもATH-PRO5MK2だけを2.5点にするは抵抗があった。もちろん、総合的な音質がほぼ同レベルなんだから3点にして何の問題もないんだけど、それでもフィーリングの部分で・・・・・・
 曲は1期の前半、洋楽ポップスの女性ヴォーカルということで選んだような記憶がある。個人的に好きな曲で、当時の洋楽ポップスとしては割と良くある感じのものだったと思う。最近はまた違った感じの曲が多い気がするけど。
 聴いてみると、イントロのギターでつまづく。音色の癖が気になるし、エッジが変に丸く、シンセで適当に作った音みたいに聴こえる。ヴォーカルもギターと同じくらい酷い。測定結果を見ると500Hz〜5kHzあたりが他のヘッドホンではほとんど見られない奇妙な曲線を描いているためと思われる。ただ、何回か繰り返し聴いていると耳が慣れて一応何とか聴けるようにはなった。
 良い点は、広い目で見たときのバランスはそれほど悪くない点。悪い点は、ヴォーカルが張り出すような感じで聴きづらい点、一聴して違和感がある点、ギター等でエッジの表現が下手な点。個人的に好きな曲を不快な音で鳴らされたのがイヤだったので、口直しならぬ耳直しとしてTR-HP03Bで聴いてみたら、圧倒的に良かった。上記不満点が全部改善される。この曲を楽しめるかどうかだけで点をつけるなら、ATH-PRO5MK2は2点、TR-HP03Bは4.5点。


・SHL9600   LEGEND/中島美嘉「Music」より
 SHL9600は漠然と評価するなら価格なりと評価する人が多いような気もする。ただし、「耳のせサイズの密閉型ヘッドホンはコストパフォーマンスが悪いことが多い」とか「こういう質の低域はレアで、しかも特定の音楽との相性が良い」といった点に関して補正をするなら、人によっては非常にコストパフォーマンスが良いと感じる可能性がある。ポータブル用として、ずれにくさ、遮音性、音漏れ防止、携帯性、外観といったポイントまで評価するなら、それこそ2万円くらいの価値があると言う人がいても別に驚かない。実際、ロック向きポータブル用ヘッドホンということを総合的に考えるなら、これより優れたヘッドホンは数えるほどしかないと思う。久しぶりに使ったけど、購入してから約5年が経過するのにイヤーパッドの劣化や断線等の問題がまったくなかった点も評価したい。
 曲は割と好き。曲と言うよりはこの頃の中島美嘉と言うべきかもしれないけど。もっとも、中島美嘉は非常に有名なアーティストだし、むしろ年代によっては知らない人や嫌いな人の方が珍しいか。ただ、何と言うかこういうアーティストがヒットチャートの上位に出てきたことが個人的にちょっと嬉しかった。昔から上位には好きなアーティストがほとんどいなかったもので・・・・・・ 長い目で見ても中島美嘉とスピッツくらいじゃなかろうか、ヒットチャート上位常連で好きなアーティストって。そう言えば曲別HP探索1期では中島美嘉とスピッツ両方を取り上げていたんだけど、両方とも私が好きで選んだわけではなくリクエストされた曲だった。もしリクエストされていなかったら、別の曲を私が選んで取り上げていたような気もする。
 聴いてみると、意外と悪くない。もっと声の表現にガッカリするかと思っていたから、その反動か。4千円のポータブル用ヘッドホンと考えれば何の不満もない。それでも「このヘッドホンで聴くならこの曲じゃない」という感覚にはなるので、その意味での相性はそれほど良くないと思われる。
 良い点は、特に違和感なく聴ける点、あまり聴き疲れしない点。悪い点は、声に透明感や艶が足りない点、低域がやや目立ちすぎる点。


・ZM-DS4F   For the love of you (Vanski's superdooper dance mix)/Candy Dulfer「For the love of you」より
 まだ売ってるけど、そろそろなくなりそうな気のするヘッドホン。マルチドライバーで珍しい折りたたみ方式という特徴がある反面、音はあまり特徴がない。マルチドライバーだと再生周波数帯域が広そうってイメージを持ってる人が多いと思うけど、こいつのスペックは50Hz〜20kHz。この値にたいした意味がないことは周知のとおりだけど、しょぼいヘッドホンでも人間の可聴帯域やCDの再生帯域に合わせて20Hz〜20kHzとしている製品が多い中、実際の特性に合わせてきちんと50Hzとしているところには好感が持てる。某大手メーカーはこれと似たような低域特性のヘッドホンを沢山出してるけど、10Hzだの5Hzだの書いてるからなぁ・・・・・・
 曲は被った。そう言えばDee Carstensenの「Beloved One」はまだ聴いてない。時間がないのよねー。
 聴いてみると、いきなり曇りが気になる。思い返せばZM-DS4Fの音の傾向をやや低音よりとしたのもこの曇りのせいだったと思う。ただ、測定結果からも分かるように量的には中域〜中高域がしっかり出ている。人によってはかまぼこと評価すると思う。低域=重低音みたいな基準の人は特に。しっかり出ているのが2〜3kHzで、ここがしっかり出ててもヴォーカル等の中域の音色はあまり明るくならないから曇りの解消には役立たないし、単に不自然に感じられたり張り出して聴きづらいように感じられたりするので、質的にメリットよりデメリットの方が大きい気がする。もう少し上の帯域がピークになってれば曇りの解消に寄与してくれたりするんだけどね。それは兎も角、主役のアルトサックスがもうちょい何とかならんものか。質的に存在感なさすぎ。BGMとして聞き流すなら使えないこともないけど。
 良い点は、価格を考えれば致命的な欠点はない点、それほど聴き疲れしない点。悪い点は、曇りが気になる点、メリハリがない点、生楽器らしさが感じられない点。


・MDR-NC20   My Plague/Slipknot「IOWA」より
 MDR-NC20、当時はSONYのノイズキャンセルヘッドホン最上位だったような。買ってすぐ生産終了になって上位機種のMDR-NC50が発売されたけどw 確認したところ、2004年9月に購入してて、2004年秋カタログには姿がなかったw 参考最安価格は6500円になってるけど、作りは2000円レベル。イヤーパッドが何かの間違いなんじゃないかってくらいペッタンコ。音質も酷いし、たいして効かないノイズキャンセルに4500円かかってるような印象。これに比べれば最近のノイズキャンセルヘッドホンはかなりできが良いんじゃないかと(ここ数年メーカーも力を入れてきたしね)。そう言えばあの頃はノイズキャンセルって周囲の騒音をキャンセルするのか他(再生機器等?)のノイズをキャンセルするのか分からんて人が結構いたようなw しかし電源入れたらまだ電池が生きていたのには驚いた。そして相変わらずノイズがきつい。もっとも、ノイズについては現行製品でも大差ないレベルのもあったりするので、致し方ないところか。
 曲は特に書くことないかな。最近はこういうイカニモな曲は少なくなってきている気がする。ポップスでもそうだけど、80年代とか90年代を基準にするとストレートな曲が少なくなってきて色んな意味で変化球が多すぎと言うか。かつてこれほどまでに音楽的にカオスな時代ってあったんだろうかって思ったり。いやもちろん私もそんな昔のことは知らんしたいして詳しいわけでもないんだけども。超雑談だな。
 聴いてみると、凄い曇り。どの帯域も出てないような感じ。相対的には低域が多そうだけど、重低音はそんなに出ない。そしてそれ以上に高域が足りない印象。楽器の質感とかまったく感じられないし、ノリって意味でもダメ。ただ音を鳴らすだけ。
 良い点は、曇りを除けばそれほど不快な癖はない点、聴き疲れしにくい点。悪い点は、重低音が足りない点、メリハリが足りない点。と言うか、基本的には悪いところばかりと考えた方が近そう。
 上記の内容はノイズキャンセル機能がOFFのときのもの。ノイズキャンセルをONにするとある程度曇りが晴れる。重低音が少し出るようになるし、メリハリも感じられる。その代わり音が粗っぽくなって聴き疲れしやすい。とは言え、これなら今回の曲を聴くのに2000円の価値はありそう。音にこだわらない人なら普通に使えるかも。


・ HP-850XB   ナオミの中のもう一人の勇魚 乖離性同一性障害 そうはいっても飛ぶのは易しい/「白倉由美作品集ベストセレクションシリーズVOL.3 S-nery リーディングストーリー「東京星に、いこう」総集編」より
 HP-850XBとか普段使ってないから出すのが大変だわw LR各4つのドライバーを積んだリアルサラウンドヘッドホン。箱にプロゲーマー仕様とか書いてあるけど、どの辺がプロゲーマー仕様なのか良く分からない・・・・・・入力が豊富なところとか? ちなみに今回の曲はステレオ音源なので、リアルサラウンドなんて意味がない。HP-850XBはステレオ音源だと普通のステレオ再生かDolby Pro LogicII(ステレオ音源をサラウンドで再生する技術、所謂バーチャルサラウンド)が選べる。この場合はフロントの40mmドライバーだけが使われてるのかな?
 曲は・・・・・・と言うか曲じゃない。リーディングストーリー、大雑把に言うと朗読みたいなもん。女性の声とピアノだけで構成されている。内容的に、好きな人は好きだろうけど、そうじゃない人にはまったく良さが分からないと思われる。
 聴いてみると、まず曇りが気になる。普通のステレオ再生とDolby Pro LogicII両方で聴いてみたけど、曇りはDolby Pro LogicIIの方が若干マシ。ただし、Dolby Pro LogicIIだからと言ってサラウンド効果はほとんど感じられない。まるで普通のステレオヘッドホン。その代わりDolby Pro LogicII独特の違和感や不自然さもあまり気にならないけど、これは音源がどうとか言うことよりHP-850XBのヘッドホン部が元々曇りまくりなのが原因な気も。何にせよ、サラウンド音源をリアルサラウンドで再生するのと比べると非常にガッカリな音場表現。
 良い点は、あまり聴き疲れしない点、曇りが今回の曲の雰囲気とマッチしていないこともない点。悪い点は、全体的に曇っていて不明瞭な点、声やピアノの音色が暗すぎる点。BGM的に聞き流すなら悪くないかもしれないけど、しっかり聴き込むには絶対使えない。


・MHP-EZ1   All The Love In The World/hard Romantic「Sincerely」より
 これは酷いw MHP-EZ1は単品で見てもかなり曲を選ぶ機種だけど、特に今回のような曲だと相性が良いとは思えない。曲のイメージと真逆の音。もう少し具体的に書くなら、音が硬すぎ、響きがあっさりすぎ、低域の量が少なすぎといった点が合わないように思われる。逆に言うと、これだけ音が硬くて響きがあっさりで低域の量が少ない機種はそうないから、使い分けにはかなり向いている。個人的には小さすぎて装着が安定しないけど、これも逆に言うなら耳の小さい人にはかなり向いている可能性があるということになる。
 曲は曲別HP探索でリクエストされた曲の中ではかなり好き。こういう曲を聴いたことのない人も多そうなので、是非お薦めしたい。イメージとしては冬の夜。部屋を暗くしてココアでも飲みながら聴きたい曲。
 聴いてみたら、とりあえずイントロは思ったほど酷くはない。おそらくイントロの柔らかい音は200Hz以上が主要成分で、MHP-EZ1の低域不足がそれほど影響しないんだと思う。ヴォーカルはかなり明るい。ボーイソプラノだから元々男性とは思えないほど女性らしい声なんだけど、MHP-EZ1だと幼い少女のような質にも感じられるほど。大抵のヘッドホンではヴォーカルと伴奏が一体化したような鳴りになるのに対して、MHP-EZ1では良くも悪くもヴォーカルがかなり浮く。響きはあっさりなんだけど、かなりリバーブをかけてある音源なので、MHP-EZ1で響きが激減してもまだある程度の響きがある感じ。
 良い点は、ヴォーカルが幼い少女のようになり聴きようによっては独特の魅力があるように感じられる点、広い目で見ればそれほど違和感なく聴ける点。悪い点は、今回の曲のしっとりさや柔らかさがあまり感じられない点、高音よりのせいで全体のバランスがいまいちな点。


・ヘッドホン-3   Astaroth/「SHADOW HEARTS U Original Soundtracks」より
 音質評点1きたw そう言えば初回も音質評点1だったんだよな。既に懐かしい。それはさておきヘッドホン-3、これはダイソーの100円イヤホン。2006年頃のものなので、今はこれと同じものは売ってないんじゃないかな。久しぶりに使ったのでちゃんと音が出るか心配だったけど、特に問題なかった。外観にも目立った損傷はなし。しかしコード長い。イヤホンで3mってかなりレア。折角なので意味もなく部屋を歩き回ってみたけど、なかなか快適だった。
 曲はゲーム音楽。久しぶりにCDを引っ張り出したら、曲別HP探索以外で使ってないから新品みたいにピカピカだった。ケース、歌詞カード、ディスクどれも開封したてのよう。買ってから5年くらいは経ってるはずなんだけど。話がそれるけど、このCDには諫山実生の歌ってる曲が入ってて、どうも聞き覚えがあると思ったらこの人の別のCDを持っていた。完全に偶然の巡り合わせ。
 聴いてみると、意外とまともかも・・・・・・と思ったのは最初だけ。最後まで聴くと歪みや独特の曇りのせいでエッジが丸い割にかなり疲れた。ただ、今回の曲はヘッドホン-3が苦手とするスピード感や重低音が要求されるような曲じゃないから、致命的なことにはなっていない感じ。「古いラジカセみたいな音だなぁ」と思ったらレビューにも「古いラジカセのような音」と書いてあって微妙な気持ちに。6年半経っても感性が変わってないということなのか、無意識のうちに覚えていたのか・・・・・・
 良い点は、古臭い音で聴きようによっては味わいがあるようにも思われる点、ヘッドホン-3から見ると相性は良い方だと思われる点。悪い点は、歪みや独特の曇りで聴き疲れする点、低域・高域ともに明らかに足りない点。


・HP-170   Our Town/Radio 4「Gotham!」より
 HP-170は1000円前後のヘッドホンとしては悪くないと思う。特にロックをメインに聴く人や味付けを嫌う人には。測定結果を見てもそんなにおかしなことにはなっていない。ただ、作りは1000円でもちょっとどうかと思う。コードの質がHP1000に似ていて個性的。どっちかと言うと嫌いな人が多そう。久しぶりに装着したら思ったより装着感が悪い感じ。左右方向の角度調節ができないのとイヤーパッドのサイズが半端なのが原因か。
 曲は被った。100曲ある割には結構被るなぁ・・・・・・ 数えてみたら、42回中5回被ってる。てことはこれまで100曲中37曲選ばれてるから、現時点では約1/3の確率で被ることになる。そして今後この確率は上がり続けるわけだ。
 聴いてみると、いきなりこもり感が気になる。超安価な密閉型で低域がある程度しっかり出るから仕方ないところか。その反面、前回のImage X10と比べるとパンクっぽさがかなり感じられるのは魅力。楽器の質感や歪んだ感じが良い。ただ、もう少しエッジがきつめで切れが良ければなお良かったかもしれない。約1000円と考えれば十分アリな音。
 良い点は、楽器の質感や歪んだ感じを出してくれる点、全体のバランスは悪くなくそれほど違和感なく聴ける点。悪い点は、こもり感が気になる点、頭内定位が気になる点、そのせいか聴き疲れが気になる点。この聴き疲れはエッジのきつさによる聴き疲れとはまったく異なる。安価な密閉型を使ったことのない人には分からないと思われる。ただ、これはヘッドホンだけでなく曲にも原因があるような。強く加工されていて不自然に音圧があるので。


・SR-325i   For the love of you (Vanski's superdooper dance mix)/Candy Dulfer「For the love of you」より
 これはなかなか良いんでない? SR-325iはロックというイメージがある人も多いと思うけど、金管楽器もなかなかリアルで魅力的。特に今回みたいに明るい曲だと合う。あんまり話題にしたことなかったような気もするけど、かなり好きなヘッドホンの一つ。手元に10台残すなら入るかな? RS-1がなければ確実に残すんだろうけど・・・・・・
 曲はアルトサックスが主役。ジャンルはスムースジャズらしい。聴いた感じジャズではなくフュージョンだろうと思ってたんだけど、スムースジャズってのはフュージョンの一ジャンルらしい。無知ですみません。Wikiによると「イージーリスニングの発展系でもあるともいえる」とか書いてあるけど、確かにそんな感じはしていた。オサレ系で、私が普段聴いているイージーリスニングとはまったく違うけど。余談。最初にこのCDを中古CD屋の店頭で購入したときに店員が中身を間違えて、私もしばらく確認せずにだいぶ後になってから気づいて買いなおした経緯がある(その中古CD屋では店頭にケースだけ並べて中身は別に管理していた)。なので、私の手元には「For the love of you」のパッケージが2つあって、片方の中身は別のCD。ちなみにそのCDはDee Carstensenの「Beloved One」。間違えられて偶然入ってた割にマイナーなような・・・・・・ ちゃんと聴いたことなかった気がするので、今度聴いてみようかな。
 閑話休題。聴いてみると、なかなか。ちょっと悪い点が思い浮かばない。何度も繰り返し聴いてると聴き疲れと装着感が問題になってくることくらいか。あとはイージーリスニング的に聴くにはちょっと生き生きしすぎって問題もあるかもしれないけど、これは欠点とまでは言えないと思う。
 良い点は、サックスの質感がリアルで生き生きしている点、違和感なくすんなり聴ける点、グルーヴ感がある点。悪い点は、やや聴き疲れしやすい点。


・HP-RLF11   EROTICA(Radio Edit Version)/Madonna「GHV2(Greatest Hits Volume 2)」より
 HP-RLF11、2回目。現在は生産終了になっている模様。ちょっと残念。
 曲はMadonna。Madonnaらしい曲なのかなぁ? あまり聴かないから良く分からないけど。なかなかのエロス。HP-RLF11はスモーキーな艶っぽさがあるんだけど、この曲はスモーキーなのよりも擦れやリップノイズを出してくれる艶っぽさの方が合う気がする。
 聴いてみると、まず低域の量が多すぎる点に目が行く。普段からこういう重低音ガンガンの曲を聴いている人は普通に聴けるかもしれないけど、そうでなければ最初の数秒で違和感があるんじゃないかと。次に、この曲は意図的にノイズが入ってるんだけど、良くも悪くもそのノイズが目立たない点も気になる。全体的に柔らかく聴きやすい音で、それが今回の曲の刺激的な魅力を殺しているような気がする。もっと低域が少なくて切れが良く音色が明るくエッジがきついヘッドホンの方が今回の曲には合うような。ヴォーカルも、例えばNorah Jonesみたいなしっとりした上品な艶っぽさを求めるなら良い感じなんだろうけど、この曲はもっと下品な、言ってしまえば娼婦のような色気が欲しかったところ。
 良い点は、方向性は兎も角それなりに色気が感じられる点、聴き疲れしにくい点(ただし低域の量やこもり感で疲れる面はある)。悪い点は、低域の量が多すぎてバランスが悪くこもり感が気になる点、切れが悪い点、今回の曲の刺激的な魅力が感じられない点。


・P5   The Wizard's Last Rhymes/Rhapsody「Rain of a Thousand Flames」より
 この組み合わせはどうなんだ。正直この組み合わせで聴いてる人はほとんどいないんじゃないかと思うが・・・・・・ この曲でアウトドアだとHD25-1があるし、なかったとしてもK181DJとかATH-ES7の方が良いような。閑話休題。個人的にP5と言えばApple Storeの先行販売で4万5千円で買った思い出が。B&Wだから期待してたとかではなく、ニーズがあると思ったから高いの承知で買った。今は3万5千円前後。思ったより値下がりしてない気がするけど、海外ではもっと値下がり幅が小さいから、メーカーから圧力かかってるのかな。高いとは言っても、開き直ってデザイン料1万円、ブランド料1万円、製品が1万5千円と考えればこんなもんか。低域がローエンドに向かってまっすぐ落ちていくヘッドホンとしてはかなり珍しい特性なので、聴いたことのない人は聴いてみる価値があるかもしれない。個人的にはざらつきがダメ。私が聴いた範囲では女性ヴォーカルが全滅とは言わないまでも、半分くらいは酷いことに。プラグが4極なんで接続する機器によっては接触が悪いこともあったり。
 曲はドヴォルザークの「新世界より」をメタル風にアレンジしたもの。個人的に「新世界より」は割と好きな曲で、そういう曲のアレンジってのは気に入らないことも多いもんだけど、この曲は悪くない。イタリアのバンドってこともあってその辺の感性を持ち合わせてたりするんだろーか? もっとも、メタル聴かない人にとっては論外なのかもしれないけど。
 聴いてみると、普通に聴ける感じ。だけど何か物足りない。何だろう、足りないかもしれないものを挙げてくと、重低音の量、音の圧力、刺激(ざらつきはあるのに音が丸いと言うか)、高域、切れって感じか。何か音が団子なのは録音のせいもあるのかもしれないけど、P5の音場の狭さと音の分離の悪さにもある程度原因があると思われ。とは言え、そういうポイントが比較的気にならない曲だとは思うんだけど。ベースはしっかり出てるけど、バスドラは物足りない感じ。個々のポイントについて見ていくと致命的な欠点はないけど、聴いてて楽しくないって意味ではダメダメかも。
 良い点は、違和感や聴き疲れがあまり気にならない点、P5の欠点であるざらつきや音場の狭さがそれほど気にならない点。悪い点は、音の圧力や迫力がもう少し欲しい点、重低音が足りない点。


・Piano Forte   Continuum/Jaco Pastorius「Jaco Pastorius」より
 ん? これは割と聴ける組み合わせかも? Piano Forteは激しく曲を選ぶんだけど、この曲なら・・・・・・ 激しく曲を選ぶ理由は、中低域ばかりで他の帯域があまり聴こえてこない、切れやメリハリが皆無、複数の音を同時に鳴らしたときの音の分離が悪い、生楽器らしさをまったく出してくれない、といったあたり。個性は認めるけど、総合的な音質評価って意味では誰が評価しても良くないと思う。まあ雑誌の付録だったことを考えれば、文句を言うほどの酷さでもない。
 曲は・・・・・・エレキベース。エレキベースが好きじゃない人にとっては何が良いのかまったく分からない可能性有り。ふわふわと捉えどころのない感じ。エレキベース以外にドラムスや電気ピアノ(電子ピアノにあらず)も入ってるけど、あくまで脇役。とは言えその電気ピアノ、定番のフェンダーローズをHerbie HancockとAlex Darquiが演奏していて、エレキベースの音色と実にマッチしている。これが普通のピアノを凡百の演奏家が弾いていたら台無しだったに違いない。
 聴いてみると、思ったとおり悪くない。ただ、これはどちらかと言うとPiano Forte側から見て曲との相性が良いって意味で、曲側から見ればもっと相性の良いヘッドホンはあると思う。ふわふわ感を出して欲しいなら、非カナルイヤホンとしてはかなり上位に来るかも。あとは全体の雰囲気とかまとまりは良い感じ。個々の楽器をしっかり聴きたいなら合わない。ベースの音一つとってもぼやけすぎと感じる人も多そう。全体的に、超まったり。
 良い点は、柔らかい音で全体の雰囲気を良く出してくれる点。悪い点は、かなり脚色された音になってしまう点、個々の楽器がしっかり聴こえてこない点。


・ATH-A500   夢ノエンアレ/PE'Z「千歳鳥」より
 生産終了が続くなぁ。ATH-A500はイヤーパッドが痛んできてたんで今回の「聴いてみた」のために交換した。事前に他のイヤーパッドと一緒にまとめ買いしてあったから購入の手間はかからなかったけど、やっぱりめんどくさい。イヤーパッドの交換をやったことない人だと30分くらいはかかるんじゃないのかと。他に痛んできてるところは、布巻きケーブルが若干ほつれかかってきてるところと、変換プラグが汚れてきた上に引っ張ると伸びてしまう(安物変換プラグにはそういう構造になっているものがある)ところくらいか。購入から約7年が経ってこれだから、耐久性に問題はないと思われる。
 曲は何だか懐かしい。探索を公開したのが今から約4年前。5人組ジャズインストバンドで、トランペット、テナーサックス、ウッドベース、ピアノ、ドラムで構成って、今考えても結構珍しい。曲は嫌いじゃないけど、録音が・・・・・・何と言うか、ライブ録音みたいな粗さがある。これはこれで好きな人もいるだろうけど、所謂優秀録音盤と比べるとただ粗が目立つだけのような。
 聴いてみると、まずイントロの雑音(子供の声とかが入ってる)が騒がしい。これは録音のせいもあるんだけど、半分はATH-A500のせいかと。その騒がしさが、曲が始まっても続く印象。雑然としていてまとまりやグルーヴ感に欠ける。そのくせ妙に圧力があって疲れる。
 良い点は、個々の音がきちんと分かれて聴き取れる点、トランペットの金属的な質感を出してくれる点。悪い点は、まとまりに欠ける点、やや聴き疲れしやすい点、低音が潰れたようになっていて楽器の質感があまり感じられない点。書いてみて思ったけど、悪い点の原因は録音とATH-A500双方にあるんじゃないかと。


・KSC24   澪音の世界/Sound Horizon「Elysion〜楽園への前奏曲〜」より
 またマイナーなのが出たなぁ。しかも生産終了だし。PortaProのネックバンド版(ちょい劣化)。KSC75がなければ価格的にもう少し評価されても良かったんだろうけど、耳かけはNGでネックバンドはOKって人はあまり多くないだろうし、しかも音質でも見劣りするとなると・・・・・・ 改めて現物を見ると、アーム部が安っぽいピカピカのメッキで目立つ。とは言え、ネックバンド型としては割と良い出来。でも生産(ry
 曲は曲別HP探索1期の比較的初期。同人音楽出身でそこそこ(かなり?)有名になったアーティスト。当時は珍しかったけど、最近はVOCALOIDの影響もあってか珍しくもないような。とは言え、Sound Horizonのようなアーティストは未だに珍しい気も。嫌いじゃないし大好きな人がいるのも分かるけど、人を選ぶという印象がどうしても拭えない。
 聴いてみると・・・・・・これはなかなか。まず声の柔らかさが良く出てる。低域が適度に出てるおかげで迫力やまとまりがある。その上、不快な癖がないから違和感なくすっと曲の世界に入って行ける。個人的にこの曲は民族音楽的な濁りを持っているように感じるので、硬く冷たい音を鳴らすヘッドホンで聴くとだいなしになってしまうと思われるんだけど、KSC24にそういう気配は微塵もない。こもり感や聴き疲れも気にならないレベル。総合的に見て、3千円前後という価格を考えたら素晴らしすぎる。この曲を聴くなら2万円くらいの価値がある。
 良い点は、声の表現がうまい点、変な癖がなく違和感なく聴ける点、まとまりがあり世界観をきちんと表現してくれる点。悪い点は、音が近すぎる点。探索の時にはMUSIC SERIES ONEとかHFI-2200ULEの名前が出てきてたけど、さもありなん。KSC24もそういう傾向の音なので。


・RP-HJE70   勇者王誕生!/遠藤正明「勇者王ガオガイガー ― ソング・コレクション」より
 RP-HJE70は国内カナル黎明期の迷作。ATH-CK52がそのエッジのきつさから地雷扱いされることがあるけど、それならRP-HJE70も地雷扱いされてもおかしくないのでは、と思ったり。ATH-CK52よりだいぶ高価だし。発売当時は紛れもなく高級イヤホンだったけど、今となっては"ちょい高"くらい? どうもこれくらいの価格が音にちょっとこだわりたい人に売れている模様。RP-HJE70はメタリックでカッコ良かったりするしね。生産終了になって寂しい限り。ただ、角度調節のギミックは未だに意味不明。
 曲はどうも好きな人はほんとに好きらしい。熱血な感じ? 地球を守ったりするアニメの主題歌(歌詞からして多分)。私はアニメの主題歌ってことを抜きにしてもこういう男性ヴォーカルをあまり聴かないけど、魅力は分からなくはない。声質はアメリカンなハードロックに多そうなしゃがれた感じ。
 聴いてみると、サ行が刺さりまくり。全体としては明るくメリハリがあって割と相性が良いと思うんだけど、この曲を楽しむには音量を大きめにする人が多そうで、音量を上げると痛いという。ほんと、ちょっと音量を上げるとヴォーカルのサ行が主役なんじゃないかというくらい目立つ。その点を除けばヴォーカルがきちんと主役として目立つという意味では良いのかもしれないけど、個人的には逆にもう少し伴奏が目立って欲しい気も。もっとも、サ行が痛いのも伴奏が目立たないのもRP-HJE70だけじゃなく音源にも原因があるとは思う。
 良い点は、ノリ良く聴ける点、声のしゃがれた感じを出してくれる点。悪い点は、サ行が刺さったりして聴き疲れしやすい点、ヴォーカルが目立ちすぎで伴奏が目立たない点。GRADOでハードロックを聴くのが好きな人には割と合いそう。


・EPH-100   Kung-Fu World Champion/上原ひろみ「Brain」より
 また新しいのが出たな。良いイヤホンだと思う。欠点はタッチノイズが大きめなことと、イヤーピースの交換が難しいことくらい? 音は「ちゃんと耳で聴いて調整してるんだなー」と感じる。周波数特性には多少凹凸があるけど、楽器の質感がリアル。通販限定なのがどうこう言われたりするけど、売り方なんてメーカーの自由。EPH-100は海外での販売を中心に考えているようにも見えるし。
 曲はグニョグニョ。上原ひろみはジャズピアニストと言われたりするけど、そのイメージでこの曲を聴くとあまりのギャップに驚くこと請け合い。とってもフュージョン。「フュージョンてどんな曲か分からない」って人にとりあえず聴かせてみたいくらいフュージョン。まあそうは言ってもフュージョン初心者に薦めるのに一番妥当なのはT-SQUAREとかなんだろうけど。
 さて、実際聴いてみるとなかなか良い。探索の時にDJ1 PROを選んでるけど、それに近い良さがある。もう少し低音の量が少なければもっとDJ1 PROに近い感じになってたと思う。EHP-100で聴くとエレキベースが主役のシンセ並に主張してくるのが何とも。人によってはむしろそれが魅力的なのかもしれないけど。魅力と言えばあとは定位が明確なのも魅力か。基本は相性良いと思うんだけど、EPH-100の魅力が最大限発揮できるかというと微妙な気も。やっぱりEPH-100で聴くならピアノとかギターの方が好き。
 良い点は、シンセとの相性が良く今回の曲の独特の質感をある程度うまく表現してくれる点、躍動感やスピード感がそれなりに感じられる点、あまり違和感なく聴ける点。悪い点は、低域の量がやや多すぎる点。


・SHJ080   青きドナウの岸辺〜愛あればこそ/「2001 宝塚歌劇全主題歌集」より
 SHJ080は割と最近だな。購入からレビュー公開までの間に生産終了になってしまった残念な機種。去年のジョギングブームのせいかスポーツ用イヤホンは一気に増えたけど、SHJ080はそれ以前からネット上では定番だった。とは言え、不定期コラムでも書いたとおりスポーツ用としてはずれやすかったり防水じゃなかったりしてイマイチだと思うけど。久しぶりに出してみたら、プラグが汚れてた。金メッキじゃないから腐食に弱いのか・・・・・・それにしても急激に汚れすぎ。乾いた布で拭いたら新品のように綺麗になったけど。
 曲は被った。相変わらず宝塚を観に行ったことがない。日本人の5人に1人くらいは観たことあるのかな?
 聴いてみると、いきなり中域の張り出しが気になる。金管楽器が目立ちすぎ。そして低域は少ない。声の質もちょっと違和感。要するにイマイチ。
 良い点は、ヴォーカルがしっかり聴こえる点。悪い点は、ヴォーカルがやや硬く張り出すような癖が気になる点、金管楽器が悪目立ちする点、低域が足りずバランスがあまり良くない点。前回に続いて今回もアタッチメント(スポンジ)を着けた方が良いんじゃないかと思って試してみたら、案の定。ヴォーカルが柔らかくなって張り出しが気にならなくなり、金管楽器の悪目立ちが抑えられ、低域不足が改善されてバランスが良くなる。要するに上記の悪い点がすべて改善される傾向。非カナルイヤホンはアタッチメントを着けた方がバランスが良くなる傾向はあるけど、曲との相性を考えたときにここまで良くなるのも珍しい。


・ATH-CM7TI   Fable (Message Version) /Robert Miles「Dreamland」より
 ATH-CM7TIは"生産終了した名機"に数えても良いかもしれない。購入当時の高音質イヤホンはこれかA8かって感じだった記憶がある。カナル型を使ってる人なんてほとんどいなかった時代。個人的に長いバーは実用的ではないと思うし角度調節も不要だと思うけど、そういった外観やギミックも安価なイヤホンにはない売りと言われればそういうもんか。今だと「高価なイヤホンなのにコードがY字じゃなくネックチェーン(u字)て音質的にどうなんだ」と思う人も多そうだけど、当時そんな意見はなかった気がする。久しぶりに使ったから音が鳴るか心配だったけど、特に問題なし。プラグが汚れてたので拭いた程度。ATH-CM7TIに限らず生産終了になった機種は基本的に比較メモや曲別HP探索でも使わなくなるから、どうしても長期間放置ってことも出てきてしまう。定期的に使った方が良いとは思ってるんだけど、忙しくてなかなか・・・・・・
 曲は割と好き。リクエストされた曲だし、それまでCDは持ってなかったけど、私の趣味からして持っててもおかしくなかった。
 聴いてみると、思ったとおりなかなか相性が良い。あまり違和感なくすんなり聴ける。ただ、今回の曲の良さが出てるかって言うと微妙かもしれない。低音が足りないせいもあるんだろうけど、それ以上に硬さと響きが問題だと思う。
 良い点は、打ち込み系の音と相性が良い点、女性ヴォーカルに透明感がある点。悪い点は、やや聴き疲れしやすい点、音が硬すぎて今回の曲の温かみや響きをあまり楽しめない点。アタッチメント(スポンジ)を着けた方が良いんじゃないかと思って試してみたら、案の定。一般論としては打ち込み系の音との相性はアタッチメントを着けない方が良いと思うし今回もその点はそうなんだけど、曲の良さが出てるかどうかって意味ではまた別。先入観で選んでミスしないように気をつけよう・・・・・・


・VTH-HD01   悪魔を憐れむ歌/ローリング・ストーンズ「ベガーズ・バンケット」より
 VTH-HD01って持ってる人少なそうだよなぁ・・・・・・ ググってみたら、トップ10のうち5件が本サイト絡みだった。マイナーにもほどがある。折りたたみ可能でコード巻き取り機能があるだけでなく、巻き取った後にプラグが本体に固定できるよう凹みがある。しかしそれでいてミニ→標準変換プラグ付属。どういう用途を想定してるんだか。価格を考えればそんなに悪いものだとは思わないけど、積極的に薦めるようなものでもなく。何となくMDR-D777SLと似てると思ったので周波数特性グラフを重ねてみたら、低域から中域のラインが良く似ていた。低域・高域ともにVTH-HD01の方がしっかり出てるけど。
 曲は超名曲・・・・・・だけど、それでも知らない人も結構いるよね。日本人の半分くらいは知らない? 個人的には特に好きでも嫌いでもなく。1968年の作品、一部の団塊の世代が若い頃に聴いてたというイメージが。
 聴いてみると、曇ってる。こもりも気になる。切れやメリハリがない。頭内定位が気になる。そういったことが原因で聴き疲れするレベル。要するに、あまり良くない。良くないけど、古いが故の渋みやアナログ的な魅力を求めるならありかもしれない。
 良い点は、古臭さを出してくれる点。悪い点は、曇りやこもりが気になる点、切れやメリハリがない点。何だか疲れた。イヤーパッドが浅くて耳が当たりまくり、ヘッドバンドが一見フリーアジャストなのに動かない、ってあたりが原因か・・・・・・いややっぱり頭内定位か。


・CPH7000   FantasMic/Nightwish「Wishmaster」より
 CPH7000はだいぶ安くなったなぁ。発売当時は約6千円だったのが今は約4千円。発売から約5年経ってるから一般的な製品ならこれくらいの値下がりは普通だけど、CPH7000はClassic Proというサウンドハウス企画のブランドで元々割安感のある製品が多いから、漠然とあまり値下がりしないんじゃないかと思ってた。円高の影響も受けにくいはずだし。購入から約5年経ってるけど、パッと見で経年劣化は見られない。あまり使ってないからだろうけど、使ってなくても5年も経つとパッドがボロボロになったり何故か音が出なかったりすることもあるので。音はまぁこんなもんじゃないのかな。測定上はそんなに低音が少ないわけではないんだけど、実際に音を聴くとかなり少ないように感じることが多い機種。
 曲は1期初期のもので、リクエストされたものではなく私が選んだもの。メタルはあまり聴かないんだけど、その中から私が好きでメタルっぽいと思うものを選択したような記憶がある。今でもメタルの中では割と好き。
 聴いてみると、低域の量が足りない・・・・・・が、思ったほどではないかも。ソースの低域の量が多いおかげで若干相殺されたか。それよりも違和感の方が気になる。これは低域不足に加えて中域〜中高域がキンキンするせいだと思う。CPH7000は3kHzにちょっと出っ張りがあって、しかもCSDを見るとかなり長く残ってるから。そしてキンキンのせいで疲れる。この曲は音量上げたくなるから余計。正直、聴いててあまり楽しくないし、この曲を相性の良いヘッドホンで聴いたときに感じるカッコ良さやゾクゾクする感じが出ない。
 良い点は、各楽器がしっかり分離して聴こえる点、切れや制動が良い点。悪い点は、一聴して違和感がある点、低域の量が足りない点。残念な気持ちになったのでCPH7000を引っ張り出したときに近くにあったSE-M870で聴いてみたら、圧倒的に良かった・・・・・・


・HP-NC80   Have a nice day/BON JOVI「HAVE A NICE DAY」より
 HP-NC80は個人的に嫌いじゃない。分解能とか音場感を求めるならオススメはしないけど、あまり違和感のない音という意味ではHP-RX900やHA-S800より上だと思う。ノイズキャンセルのON/OFFでほとんど音質が変わらない点も好印象。この点は測定結果を見ても明らか。ただ、ノイズキャンセルの効きは良くない。前に不定期コラムで書いたことあるけど、多分周囲の音をマイクで拾って相殺するタイプではなく、一定の音を出して相殺するタイプ。エアコンの音とかはだいぶ消えるんだけどね・・・・・・ 久しぶりに出してみたら、ポータブル用ヘッドホンとしてはコードが太くてごついように感じた。そして延長コードの方が細い。他の製品の流用なのかな。でも硬さとか質感は似てる。
 曲は被った。BON JOVIを聴くといつも思うんだけど、アメリカン。こういう分かりやすいのは、色んな曲を聴いてて道に迷ったとき(もちろん比喩ね)に聴きたくなる。
 さて、HP-NC80で聴いてみると、第一印象は曇りが気になる、ってとこか。イントロのギターの時点で「あらららら」って感じ。切れも足りない。ヴォーカルのしゃがれた感じもあまり出ない。ひとことで言うと、つまらない、かな? ただし、全体としてはそれほど違和感がない。この点は価格を考えれば十分。測定結果から想像されるより曇ってるように感じるのは、多分中低域がしっかり出るせい。ローとハイの両方を少し上げるだけでだいぶ良くなるような気がする。イコライザーで調整しやすい点は人によっては魅力か?
 良い点は、あまり違和感なく聴ける点、聴き疲れしにくい点。悪い点は、切れや迫力が足りない点、ギターやヴォーカルのエッジが丸すぎて刺激に欠ける点。


・Image X10   Our Town/Radio 4「Gotham!」より
 Image X10、2回目。これが発売された頃はHPAの出力インピーダンスによって大幅に音が変わることがあるってことがあまり認識されてなかった気がするけど、最近ではだいぶ認識されてきた気がする。それでも、ある程度ヘッドホンに興味がある人限定なんだろうけど。初期のImage X10は本体とコードの接続部が裂けてくる不具合があったらしいけど、私のは初期のものであるにも関わらずそういう兆候はない。それなりの頻度で使ってはいるけど、屋外では使ってないためと思われる。たまたま価格が気になったんで調べたところ、分かった範囲でこれまでの最安は22800円、私の購入価格(発売当時の最安)は39800円。発売から2年以上が経過してる上に円高の影響もあってか、ちょっと値下がり幅が大きめ。
 閑話休題。曲はパンク。何か前回の組み合わせと似たようなミスマッチさを感じる。ファンクに続いてパンクってのも何だかなぁ。個人的にはあまり聴かない感じの曲。改めて聴いてみても、好きではないかなぁ・・・・・・ それでもこの曲をカッコ良いと言う人の気持ちは分かる気がするけど。あと、こういう極度に音をいじってある曲は、普通の基準で良いオーディオ機器かどうかではなく相性が大事になってくると思う。
 実際に聴いてみると、思ったよりは今回の曲の粗っぽさを殺さずに出してくれる感じ。でもどこか上品でセーブしてるようなとこがあるのはやっぱりImage X10。このセーブしてる感じが今回の曲のカッコ良さを殺している気がする。とは言え、カナル型としては特に悪いとは思わない。ただ、これはHD53だからで、出力インピーダンスの低いHPAだと粗っぽさは出ないわ切れはないわでもっと酷いことになりそう。
 良い点は、適度に粗っぽさを出してくれる点、バランスが良く普通に聴ける点。悪い点は、今回の曲のカッコ良さがあまり感じられない点、音の圧力が足りない点。一応HD-1Lでも聴いてみたけど、低音ぼわぼわ、粗っぽさが出ない、切れが足りないとHD53の方が圧倒的に良かった。やっぱりImage X10は出力インピーダンスの高いHPAに繋いだ方が良いことが多いと思うんだ・・・・・・


・HP-RLF11   Untitled/Phat Phunktion「You & Me」より
 HP-RLF11は偶然にもこの間日記でちょろっと書いたな。ヴォーカルが良い。IE8みたいな感じ。落ち着いた音色で柔らかくスモーキーで粗がなく響きが豊かで綺麗。こういうのを好む人にとっては物凄くコストパフォーマンスが良い気がする。前に音楽鑑賞メモで取り上げた藤田恵美の「camomile Best Audio」とか凄く合いそう。明るくシャキシャキ鳴らして欲しい場合には向かない。今回の曲は・・・・・・(笑) あとはイヤーピースがなぁ・・・・・・ そう言えばIE8も比較的似たような質感だけど、カサカサなので耳に密着しない感じで装着感がいまいち安定しない。耳垢がウェットな人が使い込んだら問題なくなるのかなぁ? もしくはハンドクリームとかを塗ってみるとかw
 曲はファンク。1期の第12回だから、120曲以上探索した今からすると比較的初期の頃に取り上げてたことになるけど、未だにこれと似た曲はやってない気がする。その意味で良いリクエストだった。今更ながら感謝。なかなかイカした曲でやんす。探索時にはDT770PROを取り上げてるけど、これはちょっと凄い。当時(2006年3月)はファンクにDT770PROが合うなんて評価はあまり見なかったように思うし、私自身そんなことは考えもせずただ聴いて素直に選んだだけだったと思うんだけど、最近だとDT770PRO・DT990PROがファンクに合うという評価は割と見かける気がする。
 自画自賛はこの辺にして聴いてみますかね・・・・・・ うん、「意外と」と言ったら失礼だけど、悪くないや。もっとおとなしい感じになるかと思ったけど、トランペットの最初の一音で「あ、割と聴けるかも」と思った。と言ってもこれはマイナスの先入観があったからで、上を見るならまだまだ良いのはあると思う。HP-RLF11は平均点くらいかな? 全体の印象としても、もうちょっと尖った感じが欲しかったかなぁとも思う。尖った感じってのは、具体的には中高域から高域の明るさ、切れ、圧力、エッジのきつさなんかがもうちょいあれば出ると思う。あと、個人的にはちょっと低音多すぎかも。ベースがかなりはっきり聴こえてくる。
 良い点は、聴きやすい(あまり違和感なく聴ける上に聴き疲れしにくい)点、ヴォーカルが自然で声のざらつきや子音が適度に耳に入ってくる点、適度な音の分離が感じられる点。悪い点は、やや切れやメリハリに欠ける点、ホーン・セクションに派手さが足りないように感じられる点。しかしホント聴きやすいな、これ書きながら10回くらい聴いたけど、BGM聞き流すみたいな感じでまだまだ聴けそう。


・ATH-T44   青きドナウの岸辺〜愛あればこそ/「2001 宝塚歌劇全主題歌集」より
 ATH-T44、2回目。前は何て書いたんだっけ・・・・・・色々書いてあったので読み返したら満足してしまった。特になし。購入してからだいぶ経ったけど、シワシワビニールレザーのイヤーパッド含め経年劣化や故障は見受けられない。安物なので、この辺も褒めてあげても良いと思う。HP-S150なんかと違って左右で音が極端に違うこともないしね。特になしって書いたのにうっかり語ってしまった。やれやれ。
 曲は宝塚。何かシュールな組み合わせに感じるのは私だけだろーか・・・・・・ 宝塚ファンは私の周囲ではあまり見かけないけど、関西ではかなり多いみたい? 人気があるのは分からなくもないけど、個人的には特に好きではない。まーでもこういうものは一度生で見てみないと何とも言えないのかしらん?
 聴いてみると、開始3秒で曇りが気になった。声は・・・・・・まぁこんなもん? ちょっとスモーキーで柔らかめ。今回の曲に関しては硬くてうわずったりするよりはずっとマシだと思う。伴奏は曇りを除けばそれほど違和感ないけど、生楽器らしさには欠ける。しかし何度か聴いてたら疲れてきた。ヘッドバンドが剥き出しのプラスチックでフリーアジャストだからだろうか。装着感で聴き疲れする感じ。そんなことあるのかと思う人もいるだろうけど、ある。例えば目が疲れると頭痛がしてくるように、聴き疲れが酷くなると頭痛がしてくるように、頭痛から耳の疲れが引き起こされるのだ。 ・・・・・・いいんだって、気のせいでも。広い目で見れば頭部が疲れてることに変わりはないって。
 良い点は、全体のバランスはそれほど悪くない点、声が硬くなったりうわずったりしない点。悪い点は、最初から最後まで曇りが気になる点、声の魅力があまり感じられない点、原音の粗や生っぽさがあまり感じられない点。


・DR-631   Achilles Last Stand/LED ZEPPELIN「PRESENCE」より
 DR-631は音楽鑑賞には向かない。ただ音(主に人の声)を拾うためだけに作られた機種。音楽を味気なく鳴らすのが得意・・・・・・と言うよりも音楽を鳴らすことを想定していないのだろう。あまり語られることはない気がするけど、遮音性と音漏れ防止は非常に良い。この点は、放送機器としてのヘッドホンにとっては音質以上に重要なので当然と言えば当然だけど。MADE IN JAPANで手作り感がある。本体にシリアルナンバー、製造年月、インピーダンスが掘られているのがおもしろい。製造年月はメンテナンスの上で意味があるのかもしれない。インピーダンスは、DR-631の場合8Ω、50Ω、600Ω、10kΩのものがあるため、本体にインピーダンスを明記する必要があるのだろう。
 曲は被った。特に語ることはない。
 聴いてみると、微妙。個々の楽器がかなり明確に分離して聴こえるけど、これは低音が出てないおかげもありそう。エッジはそれほどきつくないのに、それなりに聴き疲れする。ヴォーカルやギターがややキンキンする上、密封度が高いため音のエネルギーが逃げずに鼓膜に負担がかかりやすいようなところがあるせいだと思われる。とにかくヴォーカルとギターをしっかり聴きたいという人向け。そうでないならバランスが悪すぎる。妙な生っぽさ・存在感があるような気もするけど、これは気のせいかも・・・・・・
 良い点は、個々の楽器の音がしっかり聴き取れる点、切れやアタック感がそこそこ良い点。悪い点は、低域が少なすぎる点、そのせいもあって音色が不自然な点、やや聴き疲れしやすい点。しっかし側圧きついわ・・・・・・


・ATH-ON3   Little Wish 〜lyrical step〜/田村ゆかり
 ATH-ON3は、製品としてはおもしろいと思うし街中で使ってる人も時々見かけるけど、音質的には微妙な機種。価格を考えれば悪くはないんだけど、低価格帯だと低音が重視される傾向があるので不満に感じる人も多そう。屋外で使うとなると余計打ち消されるわけだし。後継機のATH-ON300が出たくらいだから、売れてはいるんだろうけど・・・・・・
 曲は田村ゆかりの曲の中では結構好きな方かも。こういう系統の曲が好きな人にとってはかなりはまるんじゃないかと思われる。キャッチーで単純にポップスとして楽しめる。そういう意味では完成度が高い。一般人が聴くには甘ったるくてウザイだろうけど。
 聴いてみると、1秒で違和感が。声が変。単に違和感があるだけじゃなくて、この曲で求められる明るさや瑞々しさがあまり感じられない(そこまで酷くはないけど)。とは言え、数回聴いているうちに慣れてきて「価格の割には聴ける方かも?」という印象に変わった。頭の中にはedition7あたりで鳴らしたときの音があったんだと思う。何となく、声よりも声以外のところの方が良いような。声が主役だから困ったもんなんだけど。
 良い点は、全体のバランスはそれほど悪くない点、どの音もそれなりに聴こえてくる点。悪い点は、声が不自然で魅力にも欠ける点、全体的に明るさや切れが足りない点、歪みが気になる点、低音がやや足りない点。


・MDR-7509HD   toi et moi/安室奈美恵「ポケットモンスター映画主題歌ソング集」より
 MDR-7509HDは、MDR-Z900HD海外版みたいな感じなのかな。正直どういう見方をしてもコストパフォーマンスが悪い。でも私が買ったときは25800円で今は22800円なので、今なら多少はマシかも。モニター用にしては音場は広いけど、それならHD280Proがあるし、そもそもMDR-7509HDはモニター用に使えるのかどうかもあやしい音。粗はあまり拾わないし、周波数特性にもそれなりに癖があるし。スペックでは5Hz〜80kHzとなってるけど、一体何dBの幅ならこの値になるのか謎。測定結果と耳で聴いた印象からすると20dB〜30dBくらいか。酷い。まぁ再生周波数帯域のスペックなんて本当に意味な(ry モノとしてはそこそこしっかり作ってあるだけに、少し残念。
 曲は被ったなり。何でこんなに被るんだ。ちなみに前はJHF350で聴いたんだけど、今回のも何だかそれに似たような相性の悪さがありそうな予感。
 聴いてみると、思ったほど悪くない。と言うか、聴きようによっては相当相性が良いとも言える。今回の曲は少し暗めのR&Bっぽい感じなんだけど、MDR-7509HDはその暗さを壊さない印象。曲別HP探索のイントロで「ヘッドホンとしては、女性ヴォーカルとの相性が良いもので、あまり派手なものや逆におとなしすぎるものでない方が良いと思います」と書いたけど、その条件に意外と当てはまっているような。とは言え、聴いてて楽しいかと言われると個人的にはイマイチ。
 良い点は、あまり違和感なく聴ける点、曲の雰囲気とヘッドホンの雰囲気がそれなりにマッチする点、ヴォーカルがそこそこ自然で相性も悪くない点。悪い点は、切れやメリハリが足りない点、低域の重心が高く質的に物足りない点。人によって評価が割れそう。


・AH-G100   パガニーニによる大練習曲「ラ・カンパネラ」/フジ子・ヘミング「フジ子・ヘミングの奇蹟〜リスト&ショパン名演集〜」より
 ギャーーーー!!!! やっちまった。AH-G100は既に出たし、曲も既に出た。つまりヘッドホン紹介も曲紹介もなしっすよ。確率を考えると相当低いと思うんだけどなぁ・・・・・・ まぁ組み合わせまで被ったわけじゃないから善しとするか・・・・・・ どうでも良いが、AH-G100みたいな滅多に使わないヘッドホンは取り出しにくい場所にしまってあるので、引っ張り出すだけで一苦労だ。
 さて、聴いてみると思ったとおりイマイチ。聴き始めてすぐにピアノのチープさが気になる。少しトイピアノっぽい感じ。それから中域の張り出しがかなり目立つ。中域の張り出しって意味分からない人もいるかもしれないけど、特に量が多いわけでなくてもハウリングみたいに目立つ上に音が崩れて変になることを、私はそう表現している(低域や高域ではこういうことはほとんどない)。うわずるとはまた少し違っていて、うわずるのは周波数特性上で中域から中高域にかけて出っ張っているために中域が不自然に明るい音色になってしまっているわけだけど、張り出すのはうわずらないヘッドホンでも起こり得る。ちなみに今回の曲はピアノソロなので、全体の音うちかなりの部分を中域が占めている。従って、1曲通して聴くと何十回も中域の張り出しが気になる個所がある(音程や音の大きさによって気になる度合いが変わってくるので、常に気になるわけではない)。AH-G100を使っても、普通の曲ならここまで気になることはない。そういう意味ではかなり相性が悪い。音量控え目にすればだいぶマシにはなるが・・・・・・
 良い点は、一つ一つの音がある程度しっかりはっきり聴こえる点。悪い点は、癖のある音で原音忠実性が悪い点、中域が張り出すように目立つ点、そのせいでやや聴き疲れしやすい点、この曲の良さである肉感的で血の通っている感じを出してくれない点。正直、あまり聴いていたくないと思ってしまった。


・HPS3000   Have a nice day/BON JOVI「HAVE A NICE DAY」より
 HPS5000は既にやったから、これで私が所有しているBEHRINGERのヘッドホンは全部やったことになる。BEHRINGER、何と言う強運。HPS3000については特に言うことがない。普通の安物ヘッドホン。DJ用かモニター用かと言えば、DJ用の音。低音がボンボン出る。正直、しばらく使ってなかったから細かいとこまでは思い出せない。そう言えばBEHRINGERはドイツのメーカー。ドイツはSENHEISER、beyerdynamic、ULTRASONEと、妙にヘッドホンメーカーが多い。実際には多いわけじゃなくて、色々な理由があって日本に入ってきてるメーカーが多いだけだと思うけど。ドイツの音楽はそれほど日本に入ってきているわけではないのに、何か不思議。
 曲はBON JOVI。BON JOVIと言えば、私的にはアメリカンなロックの代表格。中学時代にはまってた奴がいたなぁ、とか思い出したりする、ちょっと古いアーティスト。嫌いじゃないけど、進んで聴いたりはしない感じ。
 実際に聴いてみると、最初の1秒で違和感が。周波数特性の凹凸のせいだと思われる。ギターの音色が変。しかも歪んでいるような。数秒後、低音が過剰で更に違和感。そして1回聴いただけで妙な聴き疲れが。原因は、低音が過剰でこもり感が酷い上、全体的に粗っぽい音だから。ただ、我慢して数回聴いていたら割と違和感なく聴けるようになってきた。このあたり、流石はBEHRINGERと言うべきか、そこまで変な音にはなっていないようだ。何となくだけど、HPS3000は今回の曲みたいなのを聴くことを想定して作られたんじゃないかな。間違ってもクラシックやアニソンではないw
 良い点は、低音がそれなりにしっかり出るので迫力が感じられる点。悪い点は、聴き疲れしやすい点、切れやスピード感が足りない点、こもりが酷い点。何だか不満ばかりが目についたけど、価格を考えればそんなに悪くない。世の中の多くの人はこれくらいの音質で聴いているんじゃないかと。そう考えると、とてももったいないような。


・MX760   キラキラ/aiko「彼女」より
 おや、MX760、2回目。これまで曲が被ったことはあったけど、ヘッドホンが被ったのは初めてか。でもま、曲までは被ってないので問題なし。そして毎回やってるヘッドホン紹介(?)は省略。考えてみたら今後回を重ねていくとヘッドホン紹介も曲紹介も省略されて聴いてみた感想だけになっていくのか。何か嫌かも。まーどーせそのときの気分で戯言を書くとは思うけど。こんな風に。
 曲はaiko。どんな曲かと訊かれたら、aikoらしい曲と答えるのが妥当だと思う。そんな曲。リクエストを貰った当時は最新シングルだったのに、取り上げたときにはかなり旬を逃していた。まぁ曲別HP探索はそういうものなので仕方ないが、もっとリアルタイムに近いやり取りができるコーナーがあっても良いと思った。現状、日記でそういうこともできるんだけど、何故か滅多にないな。例えば「出たばかりの新曲をこのヘッドホンで聴いたらどう?」というような質問もありだと思うんだけど・・・・・・ ところでaikoってSACDが結構出てるし、オーディオ雑誌でもポップス代表みたいな形で取り上げられることが多いけど、何故なんだろう? 個人的にはaikoののっぺり塗りつぶしたような声をSACDで聴いても旨みがないと思うし、オーディオ的にも違いが出にくいような気がするんだけど。ってこんなこと書くとアンチaikoみたいだけど、別にそういうわけではない。むしろ個性的でかつ親しみやすい、良いアーティストだと思う。いやまぁ個人的には好きでも嫌いでもないんだけどね。
 さて、聴いていきますか。聴く前から今回の曲とMX760の相性は割と良さそうと思っていたけど、実際聴いてみても同じ印象。カナル型ではこの爽やかさはなかなか出ない。MX760は低域が足りないと感じることもあるけど、今回の曲では全然そんなことはない。ただ、手離しで褒められるかと言うと、そうでもない。何だかあまり魅力的に感じられないのだ。これは多分、MX760の魅力である明るく爽やかなところが、今回の曲の曇ったような録音で相殺されているからだと思う。相殺ってことはそれでバランスが良くなっている面もあることはあるんだけど、どうもフィーリング重視で聴くと悪い意味で相殺されているような気がする。しかしこの点についてはまったく根拠がないので要注意。
 良い点は、バランスが良い点、明るく爽やかに鳴らしてくれる点。悪い点は、ヴォーカルが張り出すような感じで痛い個所がある点、それが原因でやや聴き疲れしやすい点。
 上記の内容はすべてアタッチメント(スポンジ)無しのもの。アタッチメントを着けると低音よりに、マイルドになる。ヴォーカルの張り出しがやや気にならなくなり、聴き疲れも低減する。爽やかさは落ちるけど、個人的にはこっちの方が聴きやすくて好きかも。


・ATH-T44   平俗宇宙に不滅の皇帝/「少女革命ウテナサウンドトラックvol.3 体内時計都市オルロイ」より
 ありゃ、この間ATH-T2やったばかりだと思ったらその後継機の上位機種が。PC-100/d1001といい、何かあるんかね。ATH-T44はATH-T2と違って折りたたみできないしプラグを固定する穴もないところが劣化している。まぁ屋内で使う分には特に問題はないけど。ヘッドバンドがフリーアジャストで、剥き出しのプラスチックを頭頂部に押し付けて装着する点は同じだけど、ATH-T2よりはATH-T44の方が頭頂部に優しい構造になっているようであまり痛くない。ATH-T2と同じくミニ→標準変換プラグがコストダウン品で、普段頻繁に見かけるものとは異なる。何か微妙。周波数特性グラフを重ねてみると、そっくりでおもしろい。全体的に何となく似てるってだけでなく、100Hz以下が緩やかに減少している点、4kHz前後が凹んでいる点等、明らかな共通点がある。ちなみに100Hz以下が緩やかに減少していると重心が高く曇ったような低域になる傾向があり、4kHz前後が凹んでいると高域が高く鋭く強調されるような傾向がある。ATH-T2とATH-T44はまさにそんな音。
 曲は、曲別HP探索でも書いたけど「変」という表現が一番しっくり来ると思う。好きな人は好き、嫌いな人は嫌いと好みが分かれそう。私はどちらでもないけど、どちらかと言うと嫌いかも。
 聴いてみる・・・・・・こんなもんか。曇っている。曲別HP探索ではMDR-7506、HFI-780、SR-325iを選んでいるけど、この3台と比べると切れやエッジが足りないため、メリハリがなく漠然と鳴らしているような印象を受ける。ATH-T44はソースによってはかなり高域が目立つんだけど、この曲ではあまり聴こえてこない。高域少な目の曲だとは思うけど、ここまで目立たないのは少し意外。でもまぁ、前述の3機種で高域が痛いとか多すぎって不満はなかったように思うので、こんなもんなのか。
 良い点は、低音が量だけはあるのでスカスカでチープというような不満は出にくい点、ヘッドホンを基準に見るとATH-T44の欠点があまり目立つ方ではない点。悪い点は、切れやエッジが足りない点、低域が支配的で曇りやこもりが気になる点、聴き疲れしやすい点。


・dj1001   Capone/the band apart「Eric.W」より
 dj1001の特徴は、何と言ってもドライバがコバルトマグネットである点。最近のヘッドホンのほとんどはネオジウムマグネットで、確かにネオジウムマグネットは優れているから普及したんだけど、コバルトはコバルトで味があるような気もする。PC-100と同じく本機はULTRASONEのHFI系に似た外観だけどS-Logicは搭載されていない。しかしどーでもいーけどこのヘッドホン改めて見ると古臭い上に安っぽいな。色のせいもあるんだろうけど、HFI-650やPC-100の方が遥かに高そうに見える。ちなみに音もちょっと古臭いテイスト。
 曲は隠しトラックなのにネット上で普通に曲紹介されていることもある謎な曲。割と好き。「ぱぱやぱぱっぱっぱっぱっぱー」という意味不明な言葉の繰り返しでやたら盛り上がる。そして終わったかと思ったら続いているという、時々見かける構成。
 聴いてみると、イントロのハイハットがちょっとおもしろい。若干コンデンサー型っぽいと言うか、金属的なことは金属的なんだけど金属の質が違う気がすると言うか。普通のダイナミック型ヘッドホンでこういう音はあまり聴かない。この曲をdj1001で聴くと「あまり聴かない」感じになるのは、この曲の方にも原因があるとは思うけど。全体的には特に良くもなく悪くもなく。あ、でも2万5千円てことを考えるとちょっと・・・・・・まぁ古いヘッドホンだし仕方ないか。
 良い点は、どの楽器もそれなりにしっかり聴こえてくる点、やや癖はあるものの致命的な違和感や欠点はない点。悪い点は、声にあまり生気や魅力が感じられない点、低音が多少足りない点。


・ATH-T2   ASAYAKE/CASIOPEA「Asian Dreamer」より
 希代の名機ktkr! と言うのは冗談だけど、一部でこれほど有名な悪音を鳴らすヘッドホンはそうない。それでいて適当な売り場の試聴機等に使われていたりして街で見かけることも多いヘッドホンだった。今は生産終了になってしまっているけど、機会があれば一度聴いてみるのも良いかと。「ヒドスwwww」とニヤニヤするも良し、「こういうのが多くの人に嫌われる音なのか」と一般人の音の好みを量るも良し。本体の構造としては、折りたたみ可能な上にケーブルを本体に巻きつけてプラグを固定する穴がある点がおもしろい。
 曲はフュージョンの名曲。爽やか。普段HR/HMとか聴いている人にとっては音が軽くてチープに感じられるかもしれない。個人的には、それはそれ、これはこれ。嫌いじゃない。
 聴いてみると、それほど酷くないような・・・・・・と思ったのは最初の数秒で、聴いていくとどんどん不満が出てくる。ただ、そうは言ってもやっぱりそんな地雷中の地雷扱いされるほど酷くもないのではなかろうか。どっかの機種みたいに特定帯域ががっつり凹んでいることはないし、頭内定位もそれほど酷くないし、エッジもそれほどきつくないし、断線しかけのような不安定な感じもないし、左右の音量差・音質差も気にならないし・・・・・・2千円以下でこれだけクリアしてれば及第点をあげても良い気がする。
 良い点は、価格の割には致命的な違和感がない点、それほど聴き疲れしない点。悪い点は、曇っていてこの曲の爽やかな感じが出ない点、切れが足りない点、一つ一つの音の細部が潰れて全然把握できない点、曲全体としてだけでなくどの楽器も魅力的に感じられない点。正直、全然楽しめない。


・PC-100   空耳ケーキ/Oranges & Lemons
 おおっ!? これは結構いけるかも。PC-100は正直生楽器はつらいんだけど、HFI-650なんかとちょっと似てて打ち込み系の曲やアニソンとはなかなか相性が良い。HFI-650等と似た形状だけど、S-LogicやULEは搭載されていない。当たり前と言うなかれ、海外で販売されているHFIシリーズ似のヘッドホンの中にはS-Logic搭載機が複数あるのだ(当然ULTRASONEのOEMなんだろうけど)。あとはプラグがL型標準プラグってのは珍しい。そう言えばStantonのDJ Pro 3000の時も書いたな。私の手持ちだとこの2台だけかも? そして両方DJ機器メーカー。やはりDJ機器に使用することを考えてのL型標準プラグなのだろう。基本的には問題ないんだけど、ヘッドホン端子が奥まった位置にある機器(SAECのHP2000等)だと使えないかも?
 曲は一昔前に大ヒットしたアニソン(だと思う)。かなり個性的な曲。元ZABADAKの上野洋子が参加していたり、あずまきよひこ(本サイト唯一のオフィシャルコミック「よつばと!」を描いている漫画家)原作のアニメ「あずまんが大王」のオープニングテーマ曲だったりと、個人的に縁があって曲別HP探索にリクエストされる以前から知っていた。
 聴いてみると、思った通り悪くない。ただ、曲別HP探索実施時に出てきていた「シャキシャキ、フワフワ、脱力」という条件についてはシャキシャキだけしか満たさない。フワフワや脱力という条件を満たすには、PC-100は少し骨太で圧力がありすぎるような。元気が良くてノリノリな感じ。この辺りはまがりなりにもDJ用といった印象。低音は(DJ用としては)少ないんだけどね。
 良い点は、基本的な音の相性が良い点、この曲の明るさがしっかり出る点、あまり違和感がない点(PC-100は曲によってはかなり違和感のある音になってしまうので)。悪い点は、フワフワした感じや脱力感が出ない点、言い換えると力強すぎる点。


・LPSP-11000   Salsa Caliente Del Japon/Orquesta De La Luz「De La Luz」より
 LPSP-11000は何とも微妙なヘッドホン。持っている人はかなり少ないだろうし、全然知らん人も多いと思うけど、プレスリリースはこんなんだった。一応PSP用ヘッドホン。改めて考えてみると、近未来チックで奇抜なデザイン、ポリカーボネイト素材採用、生活防水、落下の衝撃に強い(これはヘッドホンの売り文句として面白いだけでなく、実際に使ってみると確かにそのように感じられる、別にわざと落としたりはしないけど)、交換用イヤーパッド・コンフォートリング付属と、色々変わったところのあるヘッドホン。しかし音は地味。いっそのこと音もはっちゃけてくれれば良かったのに、と思う。
 曲の方はサルサ。ラテンな感じ。底抜けに明るい。いつもこんな音楽ばかり聴いていたら、人格まで底抜けに明るくなりそう。別に嫌いじゃないんだけど、そんな気分じゃないときに強制的に聴かされたらとても腹が立ちそう。
 聴いてみると、普通に聴ける。普通に聴けるが、それだけ。まー実売2千円台なので、それで十分だとは思う。
 良い点は、あまり違和感なく聴ける点、聴き疲れしにくい点。悪い点は、この曲の明るさや軽さがあまり出ない点、もっと言うなら特に魅力が感じられず楽しい気分になれない点、生楽器らしさが感じられない点。


・ATH-CK52   太陽/槇原敬之「SYMPHONY ORCHESTRA"cELEBRATION"」より
 ATH-CK52は地雷扱いされることも多いイヤホン。そりゃーあの聴き疲れはちょっと尋常じゃないが、それを除けば価格の割に特に悪いとは思わない。ちなみにMy Fatherが以前偶然使ってたけど、聴き疲れとかまったく感じていなかった。何せ難聴気味ですからw 特に高音の聴力が著しく低下してるようだからなぁ。前にテストやったら確か10kHz以上はほとんど聴こえてなかった気がする。常に耳鳴りがしてるらしいし。それでも日常生活にはほとんど支障がないんだから、人間てタクマシイ。ちなみに難聴になった理由は、何十年もの間やかましい工場内で働いていたから。お疲れさんです。
 曲の方は、14曲目にして初めて被った。そろそろ被るんじゃないかと思っていたけど、別に被ってもヘッドホンが違うので問題ない。今後もしヘッドホンと曲の組み合わせまで被ってしまったら、そのときはダイスを振り直すかもかも。相当確率低いから心配するのも馬鹿馬鹿しいけど。
 聴いてみると、まず「サー」というノイズが気になる。このCDはライブ盤なのもあって元々ノイズが大きいんだけど、他のヘッドホンならここまで気になることはなかったように思う。これまでの経験上、古いCDやライブ盤の「サー」というノイズはヘッドホンによって聴こえ方が変わってくる。2〜6kHzあたりが盛り上がっているヘッドホンだと、ノイズが高く耳障りに感じる傾向があるようだ(これは個人個人の耳の特性によっても多少違ってくるだろうけど)。この傾向は、だいたいヴォーカルの表現と一致する。ヴォーカルを低く落ち着いた音で鳴らしてくれるヘッドホンだとノイズも低く気になりにくいのに対して、ヴォーカルが高くうわずったりするヘッドホンだとノイズも高く耳障りに感じることが多い。そんなわけでノイズが気になる時点でヴォーカルの表現も予想できたんだけど、やっぱり予想通りでした。
 良い点は、個々の音がそれなりに分離してはっきり聴こえる点、粗っぽい音であるせいかライブらしい感じがある程度感じられる点。悪い点は、この曲の温かみがあまり感じられない点、ヴォーカルが高くキンキンして本来の魅力が感じられない点、エッジがきつく聴き疲れしやすい点(それほど聴き疲れしない曲なので、そこまで酷くはないけど)、ハイハットが目立ちすぎる点。だいたい思った通りの鳴らし方だった。


・RH-5Ma   Twelfth Style/Tatsh&DAYBREAKERS NEXT「beatmania U DX 12 HAPPY SKY ORIGINAL SOUNDTRACK」より
 RH-5Maは何だか一部で有名な気がする変なヘッドホン。YAMAHAのオフィシャルサイトで音楽制作機器として掲載されている唯一のヘッドホンでもある。YAMAHAのヘッドホンは他にもあるんだけど、電子ピアノのオプション(フットペダルとかと同列)扱い。総合的にははっきり言ってせいぜい価格なりの音で、低音が多すぎたりこもってたりするのを嫌う人にとってはゴミ。音質評点は2.5点になってるけど、2点よりの2.5点。外観だけでなく、音も古臭い。まー発売から10年以上が経っているので仕方ない気もするけど。
 曲は一世を風靡したような気がするbeatmaniaから。最近はゲーム音楽というとこういうのを想像する人も多いと思う。ユーロビートとパラパラの間みたいな曲。日本ではこういうのがトランス何とかというタイトルのついたCDに入っていたりすることがあるけど、トランス好きの人からは「こんなのトランスじゃねぇ!」と怒られそう。個人的にはジャンル分けにはあまり意味はないと思っているので気にならないけど。話が逸れたが、この曲は嫌いじゃない。好み的には10点中6〜7点くらい。
 聴いてみると、何か重い。暗いとも言える。この曲は明るく聴きたいので、この点だけでNG。でも思ったほど低音の量の多さは気にならない。質はダメダメだけど。
 良い点は、それほど聴き疲れしない点。悪い点は、打ち込み系の音との相性が良くない点、切れが悪くスピード感に欠ける点、低音が柔らかくぼやけている点、中域から高域にかけての明るさがない点、こもりが気になる点。正直、良い点より悪い点の方がかなり気になる。口直しならぬ耳直しに、久しぶりにDJ1 PROを引っ張り出して聴いてみたけど、雲泥の差。RH-5Maと比べると、上記の悪い点がすべて大幅に改善される。でもま、こんだけ違ってもRH-5Maの方が良いと言う人もいるんだろう。ヘッドホンの好みってのはほんと個人差が大きいから。


・AH-G100   feel the moon/チェン・ミン「MOON-月亮心-」より
 AH-G100の影の薄さときたらATH-CK7どころではない気がする。そもそも売ってる店が少ない(電器屋とかではほとんど売ってなくて、新星堂とか)から仕方ない気もするけど。価格の割に特に悪くはないし、低音の調節ができる独自の機構が装備されていて、しかもそれがちゃんと使えるものになっている点は評価したい(音の変化の幅は適度だし、2段階の切り替えスイッチではなくダイヤル式で中間の調節も可能)。AH-P372と同様の少し変わった折りたたみ方。AH-P372の折りたたみ方法を見たとき「変わってるけどどっかで見たことある気がする」と思ったんだけど、コイツでした。忘れてしまっててスマンこってす。
 この曲は、曲別HP探索全体を見渡して不足成分を補うために私が選んだもの。曲としては結構好きだし、二胡の音も好きだけど、録音はもう少し頑張って欲しかったところ。ぶっちゃけ普通の日本のポップスと同レベル。
 聴いてみる・・・・・・意外と普通ですよ? これがZUMREED PORTABLE HEADPHONEやRP-DJ500だったらもっと酷いことになるんだろうけど、AH-G100だと一応聴けなくはない。
 良い点は、価格を考えれば致命的な欠点や違和感はない点。悪い点は、やや曇りが気になる点、二胡らしい感じが出ない点。曲別HP探索で選んだHD650やAH-D5000と比べると(比べるなやw)雲泥の差。HD650やAH-D5000では感動できるけど、AH-G100では感動できない。そういう意味で、個人的には「0」と「1」くらいの違いがあるように思った。


・ATH-CK7   WE WILL ROCK YOU/Queen「GREATEST HITS」より
 何だかロックが続きますな(GOLLBETTYはロックに入れたくない人も多そうだけど)。ATH-CK7は、最近影が薄いような気がするのは気のせいか。ATH-CK7が発売された頃、この価格帯はそれほどライバル機種は多くなかったんだけど、今はかなり沢山出てるから影が薄くなるのも仕方ない気もするけど。ただ、音が個性的なのはライバル機種が増えた今でも変わらないように思う。ある意味audio-technicaらしい硬く明るい音で、個人的にはこういう個性的な機種はなくなって欲しくないと思う。そう言えば以前打ち込み系の音を聴くならedition9やHFI-780よりATH-CK7の方が好きという人がいたけど、それくらいの魅力を持っているということだろう。
 曲は耳タコと言うか何と言うか。有名だから曲別HP探索で取り上げる前から知っていたし、繰り返しの多い覚えやすい曲だし、曲別HP探索で取り上げたことによって何十回も聴いたしで。
 聴く前は手拍子が張り出すような感じで痛いかもと心配したんだけど、全然そんなことはなかった。ATH-CK7はだいぶ使ってなかったから音を忘れかけてたかな? 低音がしっかり出るから床を踏み鳴らす音が目立つかもと思ったんだけど、こちらもそんなことはなく(不足ではなく、適度くらいだと思う)。ATH-CK7はだいぶ使(ry 逆にヴォーカルが目立つ。これは男性にしてはかなり高い声だからだろう。ATH-CK7の音だと、低い声はここまで目立たない。そもそも低い声は目立たないだろとかそういうことでなく。
 良い点は、曇りが気にならない点(この曲は録音が古いせいか曇っているように感じることが多い)、ヴォーカルが高く力強い点、切れがなかなか良い点、全体のバランスがそこそこ良い点。悪い点は、この曲の味わい深さみたいなものが出ない点、ヴォーカルが少しキンキンするような感じでやや疲れやすい点。ギターは微妙。特に良くも悪くもなく。個人的にはやや良いくらいの感じだと思うけど・・・・・・このページは基本的に他のヘッドホンと聴き比べたりしないで単品で聴いた印象を主観的に書くようにしてるから、どのくらい良いとか悪いとかってのはアテになりませぬ。
 曲別HP探索で取り上げた3台(ATH-PRO700、SR-325i、PROline2500)の中では明らかにATH-PRO700に近い。同一メーカーだから似ててもおかしくないと言えばそうなんだけど、それにしても近い。ATH-PRO700に似てるイヤホンを挙げるとしたらATH-CK7は有力候補だし、逆にATH-CK7に似てるオーバーヘッドを挙げるとしても同様。あと、曲別HP探索では書かなかった(書き忘れた?)けど、ATH-CK7やATH-PRO700には足りない味わい深さみたいなものを出して欲しいのならPROline2500が良いと思う。他にはDT990PRO、HD650、DR150なんかも同じような良さがある。


・HPS5000   crazy sunshine/GOLLBETTY「GOLLING!!」より
 これはなかなか良さそうな予感。HPS5000は、音質は明るくてメリハリがあって結構好きなんだけど、側圧(と言うかヘッドバンドの幅)がきつすぎるのが難点。ほんと、それさえなければな・・・・・・ 音質評点は2.5点だけど、今思うと3点でも良いくらい。
 曲は結構好き。ただ、たまたまこの曲が好きなだけで、こういう傾向の曲が好みかと訊かれると困ってしまう。少なくとも、こういう曲を探して集めたりはしていない。
 聴いてみると、思ったとおり良い。と言うか、思った以上。凄い。良い点と悪い点を挙げなきゃいけないのに良い点ばかりが浮かんでくる。これだから安価なヘッドホンを買うのはやめられない。
 良い点は、ヴォーカルが明るく魅力的な点、ベースが質・量ともに十分な点、ブラスが力強くそこそこ鮮やかな点、切れが良くスピード感がある点、癖や違和感がほとんど気にならない点。悪い点は、音場が狭いため各楽器の距離が近くややゴチャゴチャしているような印象を受ける点。
 ぶっちゃけ、この曲を楽しめるかどうかという意味において、HPS5000には1万円以上の価値が十分にある。曲別HP探索で選んだedition7やSR-325iより若干落ちるという程度。装着感が相当悪いにも関わらず、この文章を書きながら10回近く聴いてしまった。


・MX760   Achilles Last Stand/LED ZEPPELIN「PRESENCE」より
 MX760は良いイヤホンだと思う。イヤホンの新製品はカナル型ばかりという風潮の中で出て来たため、ちょっと珍しいし久しぶりに非カナルイヤホンを買ってみるかという程度の動機で入手してみたんだけど、実際に聴いてみたらカナル型では絶対に味わえない開放感があって、今のカナル型ばかりもてはやされてる世の中はおかしいとまで思うようになった。イヤホンをオーバーヘッド型に例えると、カナル型は耳のせサイズの密閉型ヘッドホン、非カナルは耳覆いサイズの開放型ヘッドホンというくらいの鳴らし方の違いがある。単純にどちらが上とか下とかはないけど、耳のせサイズの密閉型ヘッドホンでは耳覆いサイズの開放型ヘッドホンの音を出すのは非常に難しいし、耳覆いサイズの開放型ヘッドホンには耳のせサイズの密閉型ヘッドホンにはない魅力が沢山ある。MX760で音楽を聴いていると、本当にそう思う。
 曲は、特に好きでも嫌いでもなく。あまりロックを多く聴かない私でもLED ZEPPELINは当然知っているし、曲を聴くと人気があるのも何となく分かるけど、それで何度も繰り返し聴くかと言うと・・・・・・
 聴いてみると、イントロで軽く鳴らされるハイハット(多分)の質感が妙にリアルで、いきなり引き込まれる。軽くてスピード感重視の鳴らし方。ちょっと爽やかすぎるような気がする。
 良い点は、切れが良い点、高めのヴォーカルがそれっぽく聴こえる点、カナル型と比べると音場が二次元的に広く音に包まれるような臨場感がある点。悪い点は、低域が少し物足りない点、それにともなって迫力も不足気味な点、ハイハットが目立ちすぎる点。とは言え、これはこれでかなり楽しめる。
 上記の内容はすべてアタッチメント(スポンジ)無しのもの。アタッチメントを着けると切れはやや落ちる代わりに低域が増えて迫力も増す。こっちの方がニュートラルでバランスが良いけど、アタッチメント無しとどっちが良いかは一概には言えないように思う。


・Image X10   Mighty Heart〜ある日のケンカ、いつもの恋心〜/KOTOKO
 Image X10はとても素直な音を鳴らすイヤホンという印象。装着感が非常に良いのも大きな長所。しかし接続する機器(の出力インピーダンスの違い)によって音が激変するのが困りもの。それってメーカーは真面目に音作りしていないんじゃないかと思う。しかも出力インピーダンスの低い多くの機器ではなく、出力インピーダンスの高い少数の機器の方が明らかに音が良いという・・・・・・
 曲は電波系エロゲソングという説明で良いのかな。それほど電波でもないような気もするけど。特に好きでも嫌いでもなく。I'veの曲という括りで見ても、真中くらい?
 しかし微妙な組み合わせだぁ。決して悪くはないんだけど、Image X10の良さを生かすという意味ではもっと良い曲がいくらでもあると思う。細かい音までかなり普通に聴こえてくるけど、この曲ではそんなことはあまり重要でない気がする。
 良い点は、バランスが良く違和感がない点。悪い点は、低域にもう少し締まりやガツンと来る感じが欲しい点、切れや音の厚みが足りない点、打ち込み系の音との相性が特に良くはない点。悪い点を沢山挙げたけど、どれも贅沢を言うのならという程度で、基本的には問題ないレベル。バランスの良いImage X10らしい鳴らし方で、良くも悪くも安心して聴けてしまう。
 以上はHD53で聴いた感想だけど、試しにHD-1L(HD53よりかなり出力インピーダンスが低いと思われる)で聴いてみると、全然ダメ。前述の悪い点がすべて増幅される印象(音の厚みは除く)。当然バランスも悪くなる。更にヴォーカル含むすべての音が低めの音になるため、じっとり暗くなってこの曲らしさが全然出なくなる。ほんと、Image X10はHD53に繋いだときの音が他の機器でも出ればなぁ・・・・・・(あ、抵抗を挟めば勿論出るけどね)


・JHF350   toi et moi/安室奈美恵「ポケットモンスター映画主題歌ソング集」より
 JHF350は正直微妙。微妙なヘッドホンが欲しい人(この世のどこかにきっといるハズ!)には是非買ってみて欲しい機種。周波数特性グラフを見れば分かるけど、かなり凹凸がある。とは言え、価格を考えれば致命的な欠点はない・・・・・・と思う。
 曲は別に好きでも嫌いでもなく。曲別HP探索には安室奈美恵の曲が2曲リクエストされていたんだけど、二つの理由があってこっちを選んだ。一つは、先にリクエストされたのはこっちだったこと。もう一つは、こっちの方が「普通の女性ヴォーカル」とは少し違っていてこれまでに取り上げた曲と被らないと思ったこと。ってこれは安室奈美恵を取り上げるとしたらどっちを取り上げるか、という話だけど、元々できれば安室奈美恵は取り上げたいと思っていた。何といっても凄く有名だから。しかしもう片方の曲は安室奈美恵の代表曲でもある超絶有名曲「CAN YOU CELEBRATE?」だったから、迷いがなかったと言えば嘘になる・・・・・・
 聴いてみると・・・・・・微妙。スルスルとメリハリなく流れていくような感じ。でも声は良い。JHF350の長所はやはりヴォーカルの艶っぽさだと再確認。
 良い点は、声に癖や不自然なところがなくそれなりに魅力的な点。悪い点は、切れや音の厚みが足りない点、低域が薄く曇ったような質である点。低域は全体的にはそれなりの量があるんだけど、ローエンドがかなり弱いので存在感がなく薄く曇ったような質になってしまう。違和感はそれほど酷くはないんだけど、どうにも迫力不足。


・DJ Pro 3000   21世紀の精神異常者/キング・クリムゾン「クリムゾン・キングの宮殿」より
 DJ Pro 3000は、音質はとても普通のDJ用。別にコレでなくても良いけど、コレで不都合ということもないと思う。ハウジングに付いてるランプが入力に合わせて点滅したり、ローパスとハイパスが選べたりと、個人的にはおもちゃ。それから、L型で標準プラグってのは凄く珍しいと思う。思うけどDJ用機器にはヘッドホン端子が天井向いてるのも多いので、そういう機器にはL型の方が都合良さそう。
 曲は、正直あまり好きではない。音楽に限った話ではないけど、私は「新しいことやりました」「人と違うことやりました」ってのがメインになってる創作物は好きじゃない。もちろんそれ自体価値のあることだとは思うし、この曲の良さがそれだけじゃないのも分かっている。それでもこの曲が、と言うかプログレというジャンル自体が「新しいことやりました」「人と違うことやりました」という成分を多く含んでいるのは事実で、それが本質であるという人も多いだろう。それが嫌。人と同じだっていーじゃない。良いものはこれまで多くの人が手を付けているのが普通。無理矢理そこを避けて通る必要なんてない。人が手を付けていようがいまいが、良いものは良い。似たようなものが既に世の中にあったとしても、製作者が自分の頭と体を使って作ったものには、オンリーワンの価値がある。無理して人と違うことをするよりも、自分の作りたいものを技術と知識と経験と努力をもって作り上げることの方が尊いと思う。作った本人達は「作りたいものを作ったら変なもんができただけ」と言うことも多いけど、私から見るとそれはとても嘘っぽく聴こえる。そういう人に「人と同じことをするのは嫌い?」というアンケートを取ったら嫌いと答える人が多いと思うし、だったら製作にもそういうのが出るはず(例え無意識にせよ)。ま、音楽を楽しむ上ではどうでも良い話だけど。
 DJ Pro 3000でこの曲を聴くと、普通。思った通りの音。良くもなく悪くもなく、でもちょっと悪いみたいな感じ。
 良い点は、バランスが良く違和感が小さい点、ベースがしっかり鳴る点。悪い点は、原音の粗や生っぽさが感じられない点、切れが足りない点。あと、この曲はヘッドホンによっては中盤ギターがキンキンして凄く痛いこともあるんだけど、DJ Pro 3000は全然痛くない。痛くないのは良いんだけど、逆にもうちょっと痛くても良いんじゃないかと思ってしまうくらい痛くない。中高域が凹んでるので当然と言えば当然だけど。


・HD280Pro   メトロノーム/toe「The Book About My Idle Plot On A Vague Anxiety」より
 HD280Proは、私は結構高く評価しているんだけど、世間一般ではイマイチという評価みたい。これは音質以前に「SENNHEISERの密閉型はイマイチ」という風評があって、実際に聴いたことさえないのに敬遠したり貶したりする人が多いのが最大の理由だと思われる。SENNHEISERは確かに世界で初めて開放型ヘッドホンを出したメーカーだし、開放型ヘッドホンは素晴らしい機種がいくつもあるけど、私はSENNHEISERの密閉型が他社の同価格帯の密閉型ヘッドホンと比べて劣っているとは少しも思わない。
 曲の方は、意外と好きな曲。曲別HP探索にリクエストされたロック系の曲の中ではかなり上位になるんじゃないかな。ただ、2本のギターが完全に左右に分かれているのが気になる。気のせいかと思って試しに片側ずつ聴いてみたけど、やっぱり片方のギターはLチャンネルからしか音が出ず、もう片方のギターはRチャンネルからしか音が出ていなかった。普通はこういう風に分かれているように聴こえても多少は混ざってるものだけど、この曲は100%分かれている(意図的にそういう風に録音・ミックスしたんだろう)。スピーカーで聴くならあまり気にならないんだろうけど、ヘッドホンでこういう音源を聴くと前方定位しにくく頭内定位が気になりやすいのが難点。前に日記で書いたけど、こういう音源にはクロスフィードが非常に有効。試しにHead Amp 2/MkII SEでクロスフィードをONにして聴いてみたけど、やはり効果大。もうクロスフィード無しでは聴きたくないくらい。
 HD280Proでこの曲を聴くと、凄く良い。曲別HP探索で取り上げられていてもおかしくないんじゃないか。例えばMDR-7506やHP-M1000のような派手さはない、と言うか地味だけど、この曲には地味なくらいで良いと思う。バンドのメンバーがスタジオで真摯に音楽に向き合っている様子が目に浮かぶようだ。ストイック。
 良い点は、各楽器が味付けなくしっかりと表現される点、切れが良い点、音場が広く各楽器が十分な間隔を空けて配置されるような感じになる点。悪い点は、若干低域の量が足りない点、実体感がもう少し欲しい点。とは言え、悪い点は無理矢理挙げたようなもの。他のヘッドホンと比較せずにHD280Proでこの曲を聴く分には、不満はまったくない。


・IE-20 XB   マタイ受難曲/バッハ
 IE-20 XBは価格の割に使用頻度の低い機種なので、個人的に歓迎。
 曲については、私なんかが言えることは何もない。おこがましいと言うか、恐れ多いと言うか。クラシックを全然聴かない人にとっては何のことか分からないだろうけど。そもそもキリスト教を信仰していない私ではこの曲の本当の良さは理解できないだろうというのもある。もし欧米のキリスト教社会の知識人を対象に「世界で最も優れた楽曲は何か」というアンケートをとったら、この曲が1位になる可能性は結構高いんじゃないかな。しかしこのページの「聴いてみた」というニュアンスを考えると内容的にも演奏時間(約3時間)的にも厳しい曲ではある。が、ダイスは絶対なので従わざるを得ない。
 聴いてみる・・・・・・意外と普通ですよ? IE-20 XBは低音の量が多いのが最大の特徴だけど、この曲ではあまり気にならない。当たり前だけど、IE-20 XBの低音がいくら多くても音源に低音が入っていなければ過剰になりようがない。今回の曲に低音が入っていないわけではないけど、少なくともあまり多くはないし、ほとんど低音を鳴らさない個所もかなり多い。それからこの曲の主役は声だと思うんだけど、そういう意味ではそこそこ。うわずったり張り出したりするような癖がなく落ち着いた表現で、曲の雰囲気を壊したりしない点は好印象。
 良い点は、そこそこ自然に違和感なく聴ける点、あまり聴き疲れしない点、カナル型にしては音場が広いため飽きにくい点。悪い点は、声や楽器の生っぽさがあまり感じられない点、柔らかくぼやけた音で張り詰めたような緊張感が出ない点。
 あとは実際に長時間使ってみると分かることなんだけど、イヤホンとしては装着していてかなり疲れる。装着感が悪いとは言わないけど、長時間使用したときの外耳全体に対する負荷という意味ではイヤホンとしては最悪レベル。大きい、重い、コードが太く硬い、コードを耳にかけなければ安定して装着できない等の理由による。聴き疲れではなく装着感の問題で3時間連続で聴くのは無理だった。


・HP1000   パガニーニによる大練習曲「ラ・カンパネラ」/フジ子・ヘミング「フジ子・ヘミングの奇蹟〜リスト&ショパン名演集〜」より
 何だか微妙な組み合わせです>< でもこのページは曲別HP探索と違って相性の悪い組み合わせでも聴いてみてその良い点・悪い点を挙げることによってヘッドホンの音をこれまで以上に表現するのが目的の一部(そうだったのか!)なので、これは喜ぶべきことなのか。HP1000生産終了だけどなー。
 曲の方は、結構好き。ピアノはちょっと苦手な私だけど、この曲は特に苦手とは感じない。肉感的で血の通っている感じが良いと思うのは私だけではあるまい。
 HP1000で聴くと、心地よい感じになる。イージーリスニングなんかでピアノを心地よく聴きたいときにはなかなか良さそうだけど、この曲には合わないと思う。さっき書いた肉感的で血の通っている感じを出してくれない。個人的にはこの点だけで大きなマイナス。HP1000の良いところとこの曲の良いところが明らかに食い違っている感じ。
 良い点は、あまり変な音を鳴らさず安心して聴ける点。悪い点は、この曲の良さである肉感的で血の通っている感じを出してくれない点、厚みや切れが足りない点。もっと言うなら、迫力や説得力に欠けるという言い方もできる。曲別HP探索ではRP-21、edition7、HP-DX1000を選んでるけど、HP1000はそういった点でこれらの機種にまったく及ばない。


・Westone3   太陽/槇原敬之「SYMPHONY ORCHESTRA"cELEBRATION"」より
 Westone3が出ちゃいましたかー。良い機会なので説明しておくと、このページで選ぶヘッドホンはレビューを公開したかどうかは関係なく、私が所有しているすべてのヘッドホンから選ぶ。のでWestone3もアリアリ。
 そして曲は槇原かー。槇原はMy Motherが好きなんだよな・・・・・・ ちなみにMy Motherはスピッツと槇原敬之が好きで、平井堅と森山直太朗が嫌い。分かるような、分からんような。
 ・・・・・・脱線しまくりですな。いい加減Westone3で「太陽」を聴いてみる・・・・・・ 困った。こんな気持ちになったのは久しぶりだ。どうにも表現できない。決して手離しで褒められる音じゃない。でも良い。「太陽」は曲別HP探索で取り上げたから何十回と聴いたことがある。曲別HP探索とは関係ない状況で聴いたこともある。だけど、今回ほど感動したことはない。これは単なる気の迷いであることは否定できない。でも良い。イントロのピアノの最初の一小節だけで「おっ」と思った。自然さとリアリティと美しさが絶妙にブレンドされたような音。ヴォーカルが入るとまた「おっ」となる。オーケストラが本格的に動き出すとまた・・・・・・ でもこんなことを書いていても、今聴いた感動を毛ほども表現できていない。そう断言できる。
 あまり意味はないと思うけど、一応自分的に決まり事にしたい良い点・悪い点を挙げてみる。良い点は、低音がしっかり出て迫力や温かみがある点、ヴォーカルに妙な透明感や空気感があって心に迫ってくる点、音の分離が良く個々の音がきちんと独立して聴こえるだけでなく全体の統一感も損なわれていない点。低音がしっかり出る点は、この曲の感動と直接結びついている。人が音楽で感動するときには(こんな言い方はどうかと思うけど)パターンがある。その一つが低音。低音がしっかり出ると、出ていないものと比べてそれだけで感動が2倍にも3倍にもなることがある。この曲ではその低音の力がかなり強く影響を与えるように思う。悪い点は、ややぼやけたような音である点。そのせいかガツンと来るような明確な力強さや生っぽさに欠ける。
 こうして書いてみても、Westone3で「太陽」を聴いたときの音について全然表現しきれていないと思う。多分この10倍くらいの文字数を費やせばもう何%かは伝えられると思うけど、あまり長くなりすぎてもどうかと思うし、上記の内容で自分の中の最低限の水準はクリアしたので、ここまでにしておくことにする。本サイトの方針に「質より量」を加えようかしらんw


・HN-505   愛が止まらない/WINK「Wink Memories 1988-1996」より
 何でよりによってコレw どういうダイス運してんだw でもま、曲別HP探索には一度も登場してないし、そういう意味では良かったのか。とポジティブに考えることにした。
 曲は結構好きですよん。「淋しい熱帯魚」や「Sugar Baby Love」なんかも。そう言えば未だにこれと被るようなのはリクエストされてない気がする。どうでも良いけどこの曲や「淋しい熱帯魚」の作詞は及川眠子(「残酷な天使のテーゼ」を作詞した人と言えば分かる人も多いかな)なんだよな。凄い。て、そんなことはどうでも良く。
 聴き始めてすぐ違和感を覚える。低音の雲の上に不自然なヴォーカルが浮かんでいるような鳴らし方。ヴォーカルが遠い。この曲はある程度シャープで明るい感じが欲しいんだけど、HN-505ではそれが皆無。ノイズキャンセルをONにすると曇りが晴れて多少はシャープさが出てくれるけど、低音の厚みが増す感じで存在感がアップするため低音で疲れるような印象。いずれにせよヴォーカルが不自然すぎる。
 良い点は、あんまりな音なのでこの曲のちょっと古臭い音作りやチープな感じがほとんど気にならない点か。悪い点は、ほとんど全部。



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