【再生環境】
PC(WAV,PlayPcmWin:WASAPI,Foobar2000:ASIO)→USB-DDC(Audio-GD DI-2014)
 ↓Coaxial/SPDIF
chord dac64mk2 → NewOpto KH-07N

interconnect cable:Wireworld Eclipse7
USB cable:Wireworld Starlight7
coaxial cable:Oyaide DB-510(RCA→BNC)

【所有機種】
DJ1PRO , MS-PRO , edition9 , HD800 , LCD3(Fazor revision) , TH900 , SR-009など

【過去所有機】
HD650 , HD25-1-2 ,PS1000 , SR325is , K530 , K267TIESTO , SW-HP10 , MDR-1R , ATH-W5000 , DT770E/E600 , T1 , AH-D5000 , AH-D7000 , LCD-2bamboo , SR-507 , PRO900-balanced , Spirit professional , HE-6など

☆レビュー

[音質]

・音のバランス、量や質
 ややドンシャリ〜フラット。締りがあり適度に弾力のある非常に質の良い低音域、繊細さと刺激を両立している高音域に比べて、中音域は少しだけ主張が弱く感じるがおおむねフラットといえる。
 高音域は描写する線が細やかで明確、繊細さと刺激をうまく両立しているが、音源によっては刺激が先行する。質はやや硬め。中音域は明瞭で繊細。低音域はキレ・締まり・弾力・沈み込み・重みなどをバランス良く感じる。やや音圧がある。どの領域も十分な情報量、とても精密な描写。
 全体では高音域、中音域、低音域がそれぞれの役割を果たしながら量的にバランスが取れている。特に低音域の表現は魅力。

・分解能、音場、音の厚み、明瞭さ・音の鮮やかさ、エッジや刺さりなど
 分解能は非常に良い。音の分離、個々の描写は最高レベル。音の一つ一つを立体的に分離し、細やかな線が詳細に描写する。個々の音の輪郭は明確だが特に強調しないため、音と音の繋がりに違和感が出ず分離感の割りに聴き易い優れたバランス。
 音場はやや前方に定位。広く明確で、独特の立体感がある。立体的な音の一つ一つの広がりが組み合わさり全体の距離感と音場を形成し、音像表現と音場表現を両立している印象。
 音の厚みは高域・中音域は普通〜やや厚め、低音域はやや厚め。響きは適度〜やや多め。描写する線が細やかなため感じにくいが、実体感もある。
 ノリはとても良い。非常に質の良い低音と適度に刺激ある高音が臨場感やキレ・ノリの良さを感じさせる。一方、非常に良い分解能と精密な描写・立体的な音場表現による音との距離感のため、やや冷静に感じてしまう一面もある。
 明瞭さ・鮮やかは全域で非常に良い。エッジは適度で、低音の音圧、鮮やかさの割にはあまり聴き疲れしない。
 ボーカルは中庸の立ち位置。繊細さ、瑞々しさがとても良い。癖はなく温かみはそれなり。透明感を感じる傾向。音源次第だがサ行タ行はそれほど気にならない。

 S-logic EXのもたらす傑出した分解能と立体的な音、精密な描写と良質の低音が魅力。基本性能が非常に高く全体のバランスも取れている上に軽く装着感に優れた、Ultrasoneの量産型フラッグシップの名に恥じない完成度の高い機種。
 一方、S-logic EXの独特な聴こえ方が慣れを必要とし、短時間の試聴では評価しにくく、S-logic EXの表現が合わない人もいる可能性があると思われる。

[装着感など]

・装着感
 良好。側圧はかなり強く、多少動いたぐらいではずれない。(頭が大きいため側圧をより強く感じている可能性あり。頭が小さいならば装着はかなり良好と思われる。)
 イヤカップは上下左右に角度調整できるが稼動範囲が狭い。肉厚で肌触りの良いレザー製イヤパッドが少ない稼動範囲を補い高い遮音性を得ることができる。耳は全体が入り、カップの中でフリーになる。イヤカップは深く、耳がドライバー側に触れることはない。といってもドライバーそのものはハウジングの前方、下の隅に斜めに配置されておりT1と比較してもかなり特殊な位置にある。
 本体がハイエンドクラスでは非常に軽く(280g)、重さは気にならない。装着開始時には強めの側圧とイヤパッドを意識するが、軽いため慣れるとそれなりに快適。イヤパッド内部のスポンジがやや硬いため、装着後軽くハウジングを耳側に押して装着位置を若干ながら調整できる。
 ヘッドバンドの短さにより、頭の大きい人は装着できない可能性がある。 
・音漏れ・遮音性
 カナル型イヤホンほどではないが、密閉型ヘッドホンの中でも優れた遮音性、音漏れもかなり少ない部類。
・扱いやすさ・タッチノイズなど
 ヘッドホン本体のMMCX接続プラグからまっすぐ伸びる線〜合流部までが衣服に擦れ易く、線も若干硬いためタッチノイズはそれなりにある。合流部からのタッチノイズは気にならない。写真で見るよりも本体は各部分の色の調和が取れており、落ち着いた雰囲気と高級感があり好印象。ハウジングは傷が付きにくいようだが、指紋が非常に付きやすい。装着する際に、ヘッドバンドとハウジングを連結している稼動部分から時々黒板を爪で引っ掻いたような音がする。

・付属品など
 2段階包装。内箱はGrado系と大差ない簡素な厚紙の箱。開封時、内箱の仕切った半分側に申し訳程度の梱包材とともに本体が特に固定せず無造作に置いてあるのには驚いた。
 付属ケーブルが3種類、MMCX接続。標準プラグ4m、ミニプラグ1.5m、同社イヤホンIQなどで採用しているものと同じと思われるリモコン・マイク付きケーブルL型ミニプラグ1.2m。
 他にキャリングバッグ、クリーニングクロス。
 
[留意点]

 !同社特有のS-logic EXが独特かつ強く作用する。いままでのS-logic以上に作用するので、S-logicが苦手な人には合わないと思われる。EX以外のS-logicに慣れている人でも慣れない内は違和感を感じる可能性が高い。レビューはS-logic EXに十分に慣れた状態で記述したもの。
 ・最初の数時間は高域の荒さ、金属的な反響音と浮遊感のようなものがあった。高域の荒さや反響音はバーンインが進むと落ち着いたように感じ、浮遊感は数十時間で慣れた。反響音と浮遊感はS-logic EXが要因と思われる。
 ・MMCX接続が要因と思われる音切れやプチノイズが極まれにある。

[補足]
 
 分解能について補足
 ・edition9と比較
 edition9も素晴らしい分解能を持つが音の分離は平面的・多層的なのに対して、edition5 unlimitedはさらに立体的で音の位置なども手前か奥か、上か下かという感覚がある。音の描写はedition5 unlimitedがより線が細やか。実体感はedition9がより感じる。
 ・SR-009と比較
 SR-009も素晴らしい分解能を持つが音の分離がやや平面的、音の輪郭が自然であるのに対して、edition5 unlimitedは音の輪郭をある程度描くので音を把握しやすく、立体感を感じやすい。音の描写はSR-009がより柔らかく繊細で緻密。実体感はedition5 unlimitedがより感じる。













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edition5 unlimited 投稿者:石灰石 投稿日:2015.1.25

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