E5

概要
 詳細はメーカー製品ページ(http://www.fiio.com.cn/product/index.aspx?ID=6現在リンク切れ)を参照のこと。
 入力端子はステレオミニ×1系統。バッテリーは内蔵で、充電はPCからUSBで行う(USBオーディオインターフェースとしての使用はできない)。充電にかかる時間は2〜3時間(完全に空の状態からフル充電する場合)。連続動作時間は約20時間(実測値、条件はiPodのDockからライン出力、ER-4S使用、E5のボリュームは下から5番目)。ヘッドホン端子はミニサイズが1個。
 本体前面には左からヘッドホン端子、ボリューム、電源スイッチ、EQスイッチ(Bass boost or Flat、デフォルトはBass boost)が並んでいる。ボリュームは「+」または「−」を押すたびに段階的に上下する。
 サイズは非常に小さく、重量も軽い。ただし、普通のポータブルヘッドホンアンプと同じようにiPod等と重ねて使用するには小さすぎて不向き。本体がクリップ状になっていることを考えると、服や鞄のストラップに着けることを想定しているのだろう。作りは価格の割にしっかりしていて、デザインも良い。

音質
 曇っていてやや明瞭さに欠ける印象。瑞々しさや生き生きした感じをあまり出してくれないし、力感に欠ける。味付けは特に感じない。密度は普通から若干薄めで、特に粗はない。輪郭はどちらかと言うとぼやけ気味。質感はやや柔らかく、温かい傾向。立ち上がりはいまいち。切れやスピード感に欠ける。音の圧力に欠け、あまりガツンと鳴らさない印象。
 周波数特性は低音より。低域はかなり量が多い。柔らかくぼやけた質で、締まりや制動には欠ける。重心の低さは普通だが、どちらかと言うと低め。高域は中域とほぼ同量から若干少なめで丸い印象。そのため聴き疲れはしにくい傾向。情報量は普通から若干少なめだが、小型・軽量で安価であることを考えると悪くはない。音の分離は低音が邪魔するためあまり良くない印象を受けることが多いし、その点を除いてもあまり良いとは言えない。微細な表現もあまりこなしてくれない。空間表現はやや広く音の広がりが感じられるが、定位はやや甘い印象。残響音は基本的には適度だが、低域は豊か。伸びはやや良い。
 相性の良いヘッドホンは、低域の少ないもの。低域の多いものだと、その傾向が顕著になりすぎてバランスが悪くなる。
 上記の内容は、EQスイッチがデフォルトのBass boostでのもの。Flatだと低域がかなり減ってほぼフラットになるが、ローエンドが若干弱い。Bass boost時と比べて明瞭にはなるが絶対値としては特に明瞭でもないし、制動や圧力が若干足りない点は変わらない。ただ、広い目で見れば十分ニュートラルで普通の音と言える。
 非常に安価なので仕方のないところかもしれないが、音質改善という意味ではあまり有効ではないことが多いように思われる。音量が取れない場合や低域の量が欲しい場合には有効。厳しいことを書いたが、価格を考えれば十分な音質と言える。

その他
 ボリュームはボタンを押すたびに上下する仕様なので、ガリノイズやギャングエラーはない。小さくてやや操作しづらいが、本体が小さいので仕方のないところか。ゲインはそれなりに高く音量の取りづらいヘッドホンでも十分な音量が取れる点は良いが、音量調節は段階的にしかできないため音量の取りやすいヘッドホンでは音量調節に難がある。音量の取りやすいヘッドホン(例えばSuper.fi 5 Pro)を使うと、ボリューム最小でもそれなりの音量で音が鳴るし、下から3番目でも音量が大きすぎると感じる人もいるだろう。
 無音時のホワイトノイズは、若干あるが実用上ほとんど問題にならないレベル。音量の取りやすいヘッドホン(例えばSuper.fi 5 Pro)を使うと、ボリューム最小でもややノイズが気になるし音量を上げるに従って大きくなるが、音楽を鳴らすとほとんど聴こえない。
 発熱はほとんどない。電源ランプは青色で、明るさは普通からやや明るめ。なお、充電時は赤色。

付属品
USBケーブル
mini-miniケーブル×2





※生産終了。後継機はE6。










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スペック

形式 再生周波数帯域 全高調波歪率(THD) S/N比
Solid State 10Hz〜100kHz 0.009% 95dB
推奨負荷インピーダンス 外形寸法 重量 参考最安価格
16Ω〜300Ω 44.2(W)×38(D)×12.6(H)mm 30g 3100円

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公開日:2009.9.25

※生産終了。後継機はE6。